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- モダンフィジシャン 39-10 臨床力をアップするリウマチ性疾患と皮膚症状
商品情報
内容
特徴的な皮膚症状をもつリウマチ性疾患を診る際の注意点とは?
蕁麻疹や薬疹、膠原病の逃避病変から免疫抑制剤投与中の重病化を防ぐ治療までを1冊で網羅。
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序文
巻頭言
リウマチ性疾患の皮膚症状は多彩であるが,特徴的なものが多い.そのため,皮膚症状に加えて,自己抗体などの血液学的所見の情報があれば,確定診断にかなり近づく.ただし,皮疹を探すべき部位を知らないと,重要な軽微な皮疹を見落としてしまう.発熱,関節炎,皮疹は感染症でも生じうる症状であり,リウマチ性疾患の皮疹と鑑別が難しい場合がある.感染症をリウマチ性疾患と誤って診断し,免疫抑制剤主体の治療を行うと感染症増悪の恐れがあるため,正しい診断が重要である.
強皮症,SLE,皮膚筋炎においては,特に顔面,手,爪をみることが重要である.例えば,強皮症の初期症状は手指の浮腫状の変化(puffy fingers)であり,皮膚硬化も初期は手指に限局している.これらの疾患はいずれも血管,血行障害を伴うため,それを反映する爪上皮出血点,爪囲紅斑は特徴的で,診断に重要である.SLEの場合には,爪以外に脱毛も診断に有用である.SLE,皮膚筋炎は光線過敏を有するため,顔面を含む露出部に皮疹を生じやすい.皮膚筋炎は外的刺激が加わった部位に皮疹が生じる,いわゆるケブネル現象を有する疾患であり,物理的伸縮刺激を絶えず受ける関節伸側に角化性の紅斑を生じるのが,いわゆるゴットロン徴候である.似た皮疹は同じくケブネル現象を呈する乾癬でもみられることがある.
成人Still病で有名な定型疹は発熱に伴って出現し,解熱時に消退する四肢近位部の淡紅色斑であるが,発熱と無関係に出現する非定型疹も多い.皮膚筋炎の皮疹と鑑別が難しい症例もあり,特にいずれの疾患にも合併しうる間質性肺炎を伴う症例は悩ましい.シェーグレン症候群では顔面の浸潤の強い環状紅斑は有名であるが,実は多彩な皮疹を呈する.高γグロブリン血症性紫斑は下腿に好発するが,血管炎,抗リン脂質交代症候群などが鑑別になる.リウマトイド血管炎には予後不良例や難治例もあるため,注意が必要である.血管炎は小血管,中血管,大血管のいずれが主要な罹患血管かによって臨床症状が異なる.抗リン脂質抗体症候群は皮膚症状から疑って血液検査を行わなければ,確定診断に至らない.ベーチェット病は結節性紅斑を伴う他の皮膚疾患やスイート病との鑑別が問題になりやすい.
乾癬,掌蹠膿疱症は皮膚科医のみる疾患であるが,合併した関節炎を主訴にリウマチ科医にかかることがある.特に乾癬性関節炎を伴う場合には爪病変を,掌蹠膿疱症性骨関節炎を疑った場合には,手掌,足底をみる.掌蹠膿疱症の好発部位は手掌では母指球部,足底では土踏まず部から足縁部・踵部であるが,掌蹠膿疱症の膿疱は水疱から生じるため,水疱を混じていることの方が典型例であることは,意外と知られていない.
リウマチ性疾患に伴う,蕁麻疹,薬疹,悪性腫瘍,感染症も悩ましい.リウマチ性疾患の患者は多くの薬剤を内服しているため,薬疹も問題となりやすい.生物学的製剤投与に伴う逆説的反応に伴う皮疹の出現を経験されたリウマチ科医の先生も多いのではないだろうか.免疫抑制剤投与中の感染症は重症化しやすく,進展も早いため,壊死性筋膜炎,ガス壊疽などの重症感染症に至らないよう,発赤,熱感,腫脹,疼痛を伴う皮疹の出現には細心の注意を払う必要がある.
本特集においては,各項目について,各分野で有名なエキスパートの皮膚科医の先生方に,他科の先生が読んでもわかりやすいように,執筆いただいた.お忙しい中,素晴らしい原稿を書いていただいた先生方に深く御礼申し上げたい.
帝京大学医学部附属病院
多田 弥生
目次
巻頭言
リウマチ性疾患の皮膚症状を診る
1.強皮症の皮膚症状
2.SLEの皮膚症状
3.皮膚筋炎の皮膚症状
4.成人Still病の皮膚病変
5.シェーグレン症候群の皮膚症状
6.ベーチェット病の皮膚症状
7.血管炎の皮膚症状
8.抗リン脂質抗体症候群の皮膚症状
9.関節リウマチの皮膚症状
10.乾癬と乾癬性関節炎
11.掌蹠膿疱症と掌蹠膿疱症性骨関節炎
知っておきたい皮膚症状
1.蕁麻疹の皮膚症状
2.薬疹
3.免疫抑制剤投与中の重症感染症
4.免疫抑制剤投与中の皮膚悪性腫瘍
5.リウマチ性疾患の爪病変
6.膠原病(リウマチ性疾患)の頭皮病変と脱毛
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書籍情報
- ISBN:9784001003910
- ページ数:200頁
- 書籍発行日:2019年10月
- 電子版発売日:2019年10月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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