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- なるほどなっとく!臨床検査
商品情報
内容
チーム医療に必要な「臨床検査」の基礎知識を始め,検査が異常値になる仕組 み,疾患との関係について解説した将来の医療専門職を目指す医療系学生のため の教科書です.
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序文
序
現在の医療現場では,さまざまな専門職のスタッフが連携して1人の患者の診療にあたっています.それぞれの専門職が患者情報を共有して,お互いに診療経過をフィードバックすることがチーム医療の基本です.そのためには,すべての医療スタッフが共通言語として基本的な医学・医療の知識を持っていることが不可欠です.
本書のテーマでもある「臨床検査」は患者診療において,診断の確定,重症度の判断,治療効果の判定など,病態の把握に重要な役割を果たしています.しかし,医学の進歩に伴い臨床検査は多種多様となり,専門性も高いことから理解が困難となってきました.
そこで,本書ではチーム医療に必要な臨床検査の知識を,日常診療で役立つ内容にポイントを絞ってわかりやすく解説しました.本書の原点は,2015年に南山堂より出版した「看護のための臨床検査」です.その内容を改めて見直して加筆修正を行い,看護師だけでなく,臨床検査技師,診療放射線技師,管理栄養士,薬剤師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士など将来の医療専門職を目指す学生にとって役立つ教科書となるように再編集しました.
第1章では,臨床検査に関する基礎知識として,医療スタッフが関係する検体採取の方法や検査結果の評価の基本について解説しました.
本書の中心となる第2章では,検査項目ごとに異常値となる仕組みや主な疾患との関係を簡潔にまとめ,臨床現場で医療スタッフが検査結果から患者の病態を把握するための指標となるように心がけました.過度に専門性の高い検査や,非常にまれな疾患との関連などは割愛し,日常診療のチーム医療で実際に役立つ内容になったと自負しています.また,診療記録には医師や看護師らが検査項目を略語(もしくは隠語)で記載することも多いため,使用頻度の高い略語も紹介しています.
第3章には22例の症例を掲載しました.提示された検査結果から,症状や身体所見とあわせて,患者の病態を把握するトレーニングを行ってみてください.なお,提示した検査結果は実際の患者データですが,症例の内容はすべて架空のものです.
本書が,看護師をはじめとしてさまざまな専門職を目指す学生さんの教科書としてだけでなく,医療福祉施設でチーム医療を行っているスタッフの皆さまのお役に立てることを願っています.
最後に,図表の使用を許可してくださいました先生方,企画から出版まで御支援してくださいました南山堂の石井裕之氏に深く感謝いたします.
2021年10月吉日
西南女学院大学
浅野嘉延
目次
第1章 臨床現場で必要な検査に関する基礎知識
1.検査前の注意点
① 検査計画とインフォームド・コンセント
② 本人確認
③ 検査のための患者情報の聴取
2.日常診療で行われる検体採取と検査の実施
① 尿の採取と保存
② 尿の定性検査
③ 便の採取と保存
④ 静脈血の採取と保存
⑤ 毛細管血の採取と血糖測定
⑥ 心電図の測定
⑦ 経皮的酸素飽和度の測定
⑧ その他の検体の採取
3.検査結果の解析に必要な評価指標
① 基準値
② パニック値
③ 感度(敏感度)と特異度
④ 検査の精度管理
4.臨床検査の進め方
第2章 臨床現場で活用する検査の意味とデータの読み方
1.検査項目の全体像
2.糞尿検査
① 尿検査
◎尿の定性検査
◎尿沈渣
② 便検査
◎便潜血反応(免疫法)
3.血液検査
① 血球検査
◎赤血球(RBC)
◎白血球(WBC)
◎血小板(PLT)
② 凝固線溶系検査
◎プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
◎フィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)
◎その他の検査
③ 輸血関連検査
◎血液型
◎交差適合試験
4.血液生化学検査
① 酵素
◎アスパラ酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
◎γグルタミルトランスフェラーゼ(γ- GT)
◎アルカリホスファターゼ(ALP)
◎乳酸脱水素酵素(LD,LDH)
◎アミラーゼ
◎クレアチンキナーゼ(CK,CPK)
◎その他の検査
② 血清タンパク
◎総タンパク(TP),タンパク分画
◎免疫グロブリン(Ig)
③ 窒素化合物
◎血中尿素窒素(BUN)
◎クレアチニン(Cr)
◎クレアチニンクリアランス(Ccr)
◎尿酸(UA)
◎アンモニア
④ 糖 質
◎血糖
◎75 g経口ブドウ糖負荷試験(75 g OGTT)
◎糖化ヘモグロビン(HbA1c)
◎その他の検査
⑤ 脂質・胆汁
◎コレステロール(Ch)
◎トリグリセリド(TG)
◎ビリルビン
◎インドシアニングリーン(ICG)検査
⑥ 電解質
◎ナトリウム(Na)
◎カリウム(K)
◎カルシウム(Ca),リン(P)
◎血清鉄(Fe),フェリチン
5.免疫血清学検査
① 炎症マーカー…
◎C 反応性タンパク(CRP)
◎赤沈(ESR,赤血球沈降速度)
② 自己抗体
◎リウマトイド因子(RF)
◎抗核抗体(ANA)
◎その他の検査
③ アレルギー検査
◎総IgE,特異的IgE 抗体
6.内分泌検査
① 甲状腺・副甲状腺
◎甲状腺ホルモン(freeT3,freeT4),甲状腺刺激ホルモン(TSH)
◎副甲状腺ホルモン(PTH)
② 副腎
◎コルチゾール,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
◎アルドステロン
◎その他の検査
③ 下垂体,その他
◎抗利尿ホルモン(ADH)
◎その他の検査
7.腫瘍マーカー
① 総論
② 各論
◎αフェトタンパク(AFP)
◎癌胎児性抗原(CEA)
◎糖鎖抗原19-9(CA19-9)
◎前立腺特異抗原(PSA)
◎その他の検査
8.感染症検査
① 細菌検査
◎塗抹検査,培養検査
◎結核の診断に特有な検査
◎ヘリコバクター・ピロリ菌の検査
◎迅速検査
② ウイルス検査
◎肝炎ウイルスの検査…
◎ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の検査
◎新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査
◎ウイルス感染症の抗体検査
◎迅速検査
9.穿刺液や生検による検査
① 総論
② 各論
◎動脈血ガス分析
◎骨髄の検査
◎脳脊髄液の検査
◎胸水・腹水の検査
◎細胞診,病理検査
10.生理検査
① 総論
② 各論
◎心電図(ECG)
◎肺機能検査
◎その他の検査
11.画像検査
① 総論
② 各論
◎頭頸部(CT検査,MRI検査,超音波検査)
◎胸部(X線検査,CT検査)
◎腹部(超音波検査,X線検査,CT検査,MRI検査)
◎心臓(超音波検査,CT検査,心臓カテーテル検査)
◎消化管(造影検査,内視鏡検査)
◎その他の検査
第3章 症例で学ぶ,検査データから病態を把握するポイント
case 1〜case 22
各種検査の代表的な基準値
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書籍情報
- ISBN:9784525210915
- ページ数:202頁
- 書籍発行日:2021年10月
- 電子版発売日:2021年11月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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