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- Critical Thinking 脊椎外科 第2版
商品情報
内容
本書は、教科書やマニュアルなどには記載されていない「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」について、じっくりと考える材料を提供でき、面白くスッキリと理解していただける記述・構成になっている。脊椎脊髄外科をもう少し深く知りたい方の究極のサブテキストである。
第2版では、新規に追加した「第14章 スクリュー固定の功罪―新たな課題を自ら作ってしまうジレンマ」だけでなく、各章に「長経路徴候」「脊髄のホムンクルス」「ロコモ25」「原発性鎖骨下静脈血栓塞栓症(Paget-Schtoetter症候群)」「見捨てられた症例」「脊髄炎を疑うときの検査項目」「overshunting associated myelopathy」「馬尾弛緩(redundant nerve roots)の正体」「椎骨動脈損傷―決定的瞬間の公開」「肺損傷」「後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)後に判明する髄液漏と馬尾嵌頓」などの見出しの内容を追加した。さらに、各章の本文中でも、追加主張したいこと、課題・疑問がその後にどうなったかなどを補足し、時代にそぐわなくなった部分の訂正や削除などの改訂を行った。
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序文
第2 版の 序―その後の“Critical Thinking 脊椎外科”
2008 年に初版が発刊され13 年が過ぎた.小山素麿先生(当時・脊髄疾患臨床研究所)からは,“面白くて一気に読んでしまいました”と推薦のお言葉を賜り,故・小野啓郎先生(大阪大学名誉教授),米延策雄先生(当時・大阪南医療センター)からも書評を頂戴し,筆者は喜びをかみしめた.本書についての講演依頼も重なり,各地での講演後にもいろいろな方との会話を満喫することができた.岐阜での講演のあと,頚髄症において,どうして感覚異常と運動麻痺の優位側が同側になることがあるのか,というマニアックな会話をしたところから,亀山隆先生の素晴らしい原稿が生まれた(第1 章—11.脊髄のホムンクルス).東京大学から自治医科大学に異動してからも,5年ほど木村敦(現・自治医科大学整形外科准教授)とともに臨床研究活動を続けた.当時の脊椎脊髄ジャーナル(24 巻9 号)の巻頭“Nomade”に以下の文章が,そのころの心境として掲載されている.
[脊椎外科医はどこへ行く]
母校の東京大学から栃木の自治医科大学へ異動して3 年が経過した.自治医科大学への転勤と時を同じくして,本誌を発行している三輪書店にお世話になり「Critical Thinking 脊椎外科」という単行本を発刊した.Critical thinking という用語には,通則とされていることを疑ってかかれ,というような気持ちがベースにあり,他人の文書も批判的に冷徹にみよ,という意味が含まれている.通常のテキストや依頼原稿では埋められない部分を埋めようとしたドグマティックな内容である.停滞気味である脊椎診療に少しでも刺激を供与でき,なおかつ若手で脊椎に興味をもってくれる人が増えれば,という思いで書いた.こんなものを書いてしまったために1 つ山を征服したような感じ,ゴルフ(なかなか100 を切れない)のプレーの後,一風呂浴びてしまったような気分になってしまい,新たなモチベーションを自らに課すのにしばらく時間がかかった.13 年ぶりに再開したゴルフのほうは,単身赴任の官舎内(同じく単身赴任の星野雄一教授は私の上のお部屋で,酒飲み・ゴルフ仲間で年の離れた兄貴みたい)で,素振り,アプローチ・パター練習を女房に気兼ねなくできるようにセットできたが,脊椎外科医として,自著に書いてしまった課題を解決するためには今後果たしてどうすればよいのか,悩ましい.孔子曰く,三十にして立ち,四十にして惑わず,五十にして天命を知る.六十にして耳順う.米延策雄病院長(大阪南医療センター)は天命を知っておられるに違いない.自らを振り返るに(振り返るのはまだ早いが),30 代半ばで,そこそこの脊椎手術はいったんでき,大概の出血には対応できるようになった気がしたが,修行不足の思い上がりも甚だしく,その後もこうすればよかった,と後悔することは皆無にならない.40 歳前に東京大学に戻り,一生懸命やっても治らないものは治らない,と割り切って自分勝手な“不惑”状態となった.やれることをやった後は仕方がないではないか,という開き直りである.最高の手術をやったのだから後は知らない,といわれてどうしようもなく相談に来られる患者は少なくない.最近は神経障害性疼痛の治療薬も開発されてきており,難治性の遺残症状(しびれや痛み)に対する巧妙な治療法がグレードアップすることも期待でき,手術に携わる者は保存療法についても熟知する必要がある.
東日本大震災,原発問題で日本が揺れている時あたかも,十数年前に野にあった私を拾ってくださった中村耕三教授(東京大学整形外科)が退官され,時同じくして私は日本整形外科学会雑誌の編集長を仰せつかるはめになってしまった.私たち脊椎外科医にとってトップジャーナルである「Spine」からもregularreviewer の依頼があり,受けることにした.とりあえず,相変わらず自分のできることを一生懸命やるしかない,という結論しか出てこない毎日であるが,脊椎脊髄を専門とするアラフォー,アラフィフ世代の方々は日々何をお考えだろうか.多くの患者を相手にする日々の診療,出たくない数々の会議などで毎日が過ぎてしまうことと思われる.学会には何をしに出向くか.新しい診療技術や知見を掘り出しにいくためか.自らの仕事を世に問うため,診療などで忙しいという言い訳をすることなく演題を出す方には心から敬意を表したい.忙しい中できっちりデータをとり,優れたデザインで行われた研究には何かしらのメッセージがある.日本では脊柱靱帯骨化症の研究班を中心に,頚髄症に対する研究が進んだ.しかし,たとえば胸椎部の巨大後縦靱帯骨化症(OPLL)はわれわれにとって相変わらず大きな壁のような存在である.後方手術のみならず胸腰椎部の前方除圧術を駆使できる専門医こそ,本当の意味での専門医である.腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症の手術と頚椎椎弓形成術の数を並べて提出して認定された専門医は,“専門医見習い”くらいなものではないかと思う.ついでにいうと,どのような高位の硬膜内外の難しい腫瘍でも確実に処理できるくらいでないと,プロの看板は出せないのではないか.
故・黒川髙秀東京大学名誉教授からは,お会いするたびに“私たちが現役の頃やっていたことと何も変わっていないなあ”とチクリといわれ,私は下を向いてしまうのであった.除圧あるいは固定,という呪縛から脱皮することのできないもどかしさ,のことである.椎弓形成術をめぐる残された問題として,いわゆるC5 麻痺や軸性疼痛のことは重要ではあるが,本丸である脊髄自体の病理,病期,発生メカニズムについては,知見の蓄積がさっぱり増えない.頚髄症がなぜ発生するのか,今なお明快な回答をわれわれはもたない.単に脊柱管が狭いからとか,動的因子があるからとかのことをいっているのではない.椎間板変性,黄色靱帯肥厚,骨棘形成のような生体反応,頚髄内で何がどのように障害されるか,脊髄の構成要素のうち障害されやすい索路,神経細胞とそうでないものがある選択性,OPLL や腫瘍との脊髄障害メカニズムの差違,血流量の関与,そして修復機転の有無などのことである.一方,ミエロパチーに対する熱意とは対照的に,頚部神経根症への対応は大きく取り残されている.放置しても車いす生活になるようなものではないので,研究が遅れていたのであろう.われわれは頚部や腰部の神経根症の原因部位を視覚化できていない.いわゆるKeegan 型といわれる筋萎縮症についても明確な画像診断ができない.
手術用顕微鏡は脊椎脊髄を扱う者にとって今や必須の機器であり,内視鏡を上手に使用できることは治療技術上の一側面で重要なことではあるが,傷の長さや数日の入院日数の差違,術後の鎮痛薬の量のようなことで優越性を主張することは,どうでもよいこととはいわぬまでも,どうも本来究明すべきこととは違う気がする.工学機器の進歩を,たとえば胸椎OPLL を無血野のまま後方から安全に除去できるようになるための武器として活用できるようになってはじめて,脊椎専門医が勝ち名乗りを受ける域にたどり着けたことになるのではないか.現在の最小侵襲手術(MIS)と謳う技術の蓄積がいつか真の意味で開花するための道程であればよい.
このような技術的な追究とは別に,高齢社会の中での運動器医学とはどうあらねばならないか,新たな視点が提唱されるようになっている.腰痛や頚部痛は国民の愁訴の中で最も頻度の高いものであるが,いまだにその起源を特定することができていない.脊椎を含む運動器機能不全についての国民の認識を高めるために,ロコモティブシンドロームという考え方が提唱されるようになってきている.立場上,そのキャンペーンに少し足をつっこむことになってしまった.その内容の善し悪しは置いておいて,このようなグローバルな視点というのは,日本の財政が破綻せずに高齢者が生きていけるためには必要なことと思われる.骨粗鬆症や変形性関節症,変形性脊椎症はすべての運動器疾患の根幹をなす事象であるが理解が足りない.私たちはどちらかというと手術室にいるほうが楽しい人間の集団である.しかし,原発や被災地復興などの諸問題を日本人全員が負うべきこととなった今,神経系を含む運動器のことについても,技術革新のことばかりではなく,重症化させないためには(手術以外の手段で)どうすればよいかという新たなパラダイムが求められるようになった.一方で,安心して任せられる外科医の育成も急務であり,エライ時代になってしまったものだ.
2015 年に東京に戻ることになり,単身赴任生活とはサヨナラ.古巣である社会福祉法人三井記念病院の副院長・整形外科部長として勤務を続けている.ここは東日本大震災のときに19階建ての高層病院として竣工した病院である.心ならずも病院経営に大きくかかわることになるも,秋葉原という交通の要所たる立地条件にも恵まれ,川崎洋介という懐刀を得て,多くの手術を行い続けているのである.何が楽しくて面倒な症例を受け続けるのか,広報誌「三井記念病院通信」(2018 年7 月号)の“智情意”というコーナーに書いたエッセイは以下のごとくである.なお,知情意とは,知性,感情,意志という人格形成上の3 要素である.夏目漱石の「草枕」の冒頭に,“山路を登りながら,こう考えた.智(知)に働けば角が立つ.情に棹(さお)させば流される.意地を通せば窮屈だ.とかくに人の世は住みにくい”とある.
高校生の頃,手塚治虫のブラックジャックという漫画を読みながら,ひとがやれないような手術をやるのもいい感じと思ったことがありましたが,医学部を受験したのは,どちらかというと難関に挑戦したいという気持ちからであり,今振り返ると医者になってよかった,と後付けで思うのであり,まあ結果論みたいな感じがします.医者の資格をもちながら他の職業をやっている人も世の中にはおり,たとえば東大医学部を出て血液内科をやっていたのに,いつのまにか文芸評論から社会に対する論評まで幅広い著作活動を行っていた加藤周一(著作集はいまだに本棚に健在)のごとく,医学部に行ってからでも職業選択肢はあるのだとは思います.柔道,ボート,野球などで体力や勝負勘をつちかい,どちらかというと器用なほうでもあったので,外科系を最後は選ぼうと思いました.多くの整形外科志望の若者が最初に思うように,スポーツ好きという理由で整形外科に行きました.試合に帯同というとカッコいい感じもしましたので機会があれば出かけていました.レスリング世界選手権でドーピングに携わったこともありました.しかしながら,どうも日本のスポーツ医学というのは,正直,ぱっとしない感じで,選手からはトレーナーと勘違いされているような感じですぐやめにしました.脊椎とか神経とかにやりがいがありそうで,当時は今よりも成績も悪く,この道はもっといろいろやることがありそうだと思い,脊椎外科医としての道を歩み始めました.技術取得にも長い時間を要しそうで,逆に当分飽きずに仕事に打ち込める分野であろう,と思ったりしました.病院勤務と大学の教官という二つの立場で働き,気が付いたらもう「エライベテラン」みたいな感じになっています.先日の理事会でずいぶん久しぶりに肝移植の幕内先生とお顔を合わせたところ,髪の毛のことを真っ先に指摘されましたが,「アナタモデショ」と言いそうになり,まあ歳をとったということです.
勝ち目がなさそうだから無理しない,とか,そんな症例に手術して大丈夫か,とか言って干渉してくる上司のことが嫌でたまりませんでした.リスクがあってもやらないともうその人の人生が終わってしまうというときに,他に引き受け手もいない場合に,私はあえて「自分の持っているものを全て出し尽くしてやれることをやる」という超攻撃的姿勢です.聞こえは格好よいのですが,思い上がりもいいところかもしれないのは自覚しています.良い結果を出せず申し訳ない気持ちで一杯になってしまうこともあります.自分一人ではもちろん通せないやり方であり,三井記念病院は,素晴らしい麻酔医や内科医のバックアップ,手術センターの受入体制,川崎洋介科長の成長や若手の術後管理,全員の団結により,何とか老骨に鞭をうちながら,ハイリスク患者とともに生きる,をやっていけています.ホント,馬鹿ダナ俺ハ,と時々思うけれど.
増刷された初版も在庫が少なくなり,この機会に改訂ができるか,という相談を受け,ちょっと考え込んでしまった.最小侵襲と称する手術,腰椎前方手術の隆盛が近年の流れのようであるが,もともとそのような潮流に追随できるような仕掛け,内容が本書にはあまりない.したがって,大改訂はできそうもない.しかし,もし改訂させていただけるのであれば,初版上梓後にも多くの臨床経験を重ね続けているので,追加主張したいこと,課題・疑問がその後にどうなったかなどを補足し,時代にそぐわなくなった部分の訂正や削除を行うことはできる.そして,今後も読んでいただける若手医師がおられるとすれば,その方々に対し,不変のこともお伝えできればと思い,できる改訂作業を試みることとした.初版をご覧の方にも読んでいただけるよう,主な改訂内容を色文字で明示したが,全体像に大きな変化がないことをお詫び申し上げるばかりである.改訂にあたりさまざまなご示唆をくださった德橋泰明先生(前・日本大学整形外科主任教授),精緻な校正をしてくださった三輪書店の川村隆幸氏には,厚く御礼を申し上げたい.
折しも,改訂作業を始めた2020 年の早春から,コロナ禍が何の前触れもなく始まった.狩猟生活をしていた人類は,農耕生活により定着と増殖を繰り返し,産業革命,そしてインターネットの普及により,世界的規模で情報過多の高齢化社会を生み出した.地球は人類をあるべき姿に戻そうとしているのかもしれない.病院にとっては戦争である.この改訂版が上梓されたあと,どのような変革社会が始まるだろうか?
2021年12月
星地 亜都司
目次
第1章 診断学のなぞ
1. デルマトームはどうやって作られたのか?
2. デルマトーム策定の経緯
3. 脊髄症の高位診断
4. 筋髄節
5. scapulohumeral reflex (Shimizu)
6. 頚髄症の神経学的高位診断の精度
7. 頚部神経根症の診断
8. 反射をどの程度知っていますか?
9. 長経路徴候
10. 知っておくと得するはずの徴候
11. 脊髄のホムンクルス
第2章 頚椎症性脊髄症
1. 頚髄症とは何か?
2. なぜ発症するのか?
3. 頚椎症性脊髄症診療ガイドライン
4. いつ手術すれば良いか?
第3章 知っておきたいアウトカム評価
1. アウトカム評価に対する日本人の甘さ
2. 腰痛評価
3. 新JOA score策定過程
4. ロコモ25
第4章 頚椎症以外の頚椎疾患
1 頚椎椎間板ヘルニアとは?
1. 病態
2. 診断上の問題点
3. 治療上の問題点
4. 原発性鎖骨下静脈血栓塞栓症 (Paget-Schtoetter症候群)
2 関節リウマチの頚椎病変
1. RAの診断基準
2. RAの病型分類
3. 頚椎病変の重症度分類
4. 上位頚椎の解剖
5. 画像診断
6. 自然経過
7. 手術のタイミングに関する考察
8. 周術期の注意, 薬物の使い方
9. 手術中の苦闘
10. 見捨てられた症例
3 歯突起後方偽腫瘍
4 後頭骨環椎癒合症
5 環軸椎回旋位固定の不思議
6 Down症候群に伴う環軸椎亜脱臼
7 脳性麻痺に合併する頚椎病変
1. 診断上の問題
2. 脳性麻痺に合併する頚椎病変のパターン
3. 治療
8 透析患者の頚椎病変
9 急性頚髄損傷の扱い
1. 頚椎損傷の分類
2. ステロイド大量療法
3. 呼吸器合併症と手術のタイミング
10 石灰沈着性頚長筋炎
第5章 整形外科に紛れ込んでくる神経内科的疾患―これだけ知っておけば専門外来をやれる
1. 筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis;ALS)
2. 脱髄疾患
3. 脊髄サルコイドーシス (spinal cord sarcoidosis)
4. パーキンソン病 (Parkinson disease;PD)
5. HAM (HTLV-1 associated myelopathy)
6. リウマチ性多発筋痛症 (polymyalgia rheumatica;PMR)
7. 甲状腺疾患に伴う神経筋疾患
8. 亜急性連合性脊髄変性症
9. 自己免疫疾患に合併する脊髄症
10. 脊髄炎を疑うときの血液検査項目
11. overshunting associated myelopathy
第6章 脊柱靱帯骨化症
1 後縦靱帯骨化症
1. 後縦靱帯の解剖
2. 疾患史
3. 分類
4. 自然経過
5. 頚椎OPLLの治療
6. 胸椎OPLLの治療―最大の壁
2 頚椎前縦靱帯骨化症
第7章 脊髄腫瘍さまざま
1. 砂時計腫
2. 髄膜腫の難しさ
3. 上衣腫
4. 血管系腫瘍
5. 嚢腫性病変
6. 転移性髄内腫瘍
7. 神経線維腫症の脊椎脊髄病変
第8章 脊椎腫瘍
1. 転移性脊椎腫瘍の診断
2. 転移性脊椎腫瘍患者の予後
3. やってられない脊索腫
4. 巨細胞腫
5. 脊椎血管腫
第9章 胸腰椎損傷をどう理解するか?
1. Denis分類
2. 金田分類
3. 旧AO分類
4. The Spine Trauma Study Groupの分類
5. 胸腰椎の屈曲・伸延損傷の分類
6. 破裂骨折再考
第10章 脊椎脊髄の疾患à la carte
1 特発性胸髄ヘルニアの扱い
2 脊髄空洞症
3 脊髄動静脈奇形
4 SAPHO症候群
第11章 骨系統疾患に合併する脊椎疾患
1. 軟骨無形成症
2. 先天性脊椎・骨端異形成症
3. Larsen症候群
4. ムコ多糖症 (mucopolysaccharidosis;MPS) 4 型
5. 低リン血症性くる病
6. Marfan症候群
7. 脳性巨人症
第12章 腰部脊柱管狭窄症をめぐる混乱
1. 疾患概念をめぐる混乱
2. QOL評価
3. 術式の問題点
4. 馬尾弛緩 (redundant nerve roots) の正体
第13章 手術療法シークレット
1 止血が決め手
1. アプローチの際の止血
2. 出血しやすい場所
2 椎弓形成術をめぐる諸問題
1. 術式の概要
2. 片開き式か, 正中縦割式か?
3. 意図せぬ椎弓切除
4. 側溝の位置
5. 硬膜損傷
6. 術後悪化例
7. skip laminectomyと選択的椎弓切除術
8. 術後のC5麻痺
9. 術後の軸性疼痛
10. 棘突起縦割法頚椎椎弓形成術
3 頚椎前方除圧固定術
4 頚椎椎間孔拡大術
5 頭頚移行部へのアプローチ
1. 後方アプローチ
2. 経口的前方アプローチ
3. 側方アプローチ
6 脊椎のナビゲーション手術
1. 脊椎コンピュータ支援手術の現状
2. ナビゲーション手術の実際
3. ポータブルCT
7 リウマチ性頚椎病変の術式
1. Brooks法
2. Magerl法
3. 環椎外側塊スクリュー・軸椎椎弓根スクリューによる環軸椎固定
4. 後頭骨軸椎間固定術
5. 多椎間固定
6. 固定範囲延長
8 神経鞘腫の手術
1. 硬膜内神経鞘腫
2. 頚椎部砂時計腫
3. 胸椎部砂時計腫
4. 腰椎部砂時計腫
9 椎骨動脈の扱い
1. 中下位頚椎
2. スクリュー刺入での損傷
3. 頭頚移行部
4. 椎骨動脈損傷―決定的瞬間の公開
10 胸骨切開進入
1. 皮膚切開
2. アプローチ
11 胸椎前側方法
1. 上位胸椎へのアプローチ
2. 中位胸椎へのアプローチ
3. 胸腰椎移行部
12 胸椎後縦靱帯骨化症
13 胸椎部前方手術での合併症の扱い
1. 無気肺
2. 膿胸
3. 髄液漏
4. 乳び胸
5. 肺損傷
14 胸椎黄色靱帯骨化症
15 上位腰椎椎間板ヘルニアの前方手術
16 転移性脊椎腫瘍の手術
17 腰部神経根糸・馬尾の術後嵌頓
1. 神経根での馬尾嵌頓
2. 後方経路腰椎椎体間固定術 (PLIF) 後に判明する髄液漏と馬尾嵌頓
18 低位脊髄
第14章 スクリュー固定の功罪―新たな課題を自ら作ってしまうジレンマ
1. S2 alar-iliacスクリュー (S2AIスクリュー)
2. CBTスクリュー
3. 固定部境界部の問題
第15章 脊髄モニタリング
1. 脊髄刺激-脊髄誘発電位 (spinal cord evoked potential after spinal cord stimulation;Sp-SCEP)
2. 経頭蓋刺激-筋誘発電位 (muscle evoked potential after brain stimulation;Br-MsEP)
3. 脊髄刺激-筋誘発電位 (muscle evoked potential after spinal cord stimulation;Sp-MsEP)
第16章 術中超音波診断
1. 頚椎椎弓形成術
2. 脊髄腫瘍
3. 脊椎前方手術
4. 胸椎OPLLの後方手術
5. 腰部脊柱管狭窄症の術中所見
第17章 知っておきたい脊髄の解剖学的知識
1. 全体像
2. 脊髄の血行
3. 髄節
4. 灰白質の細胞構築学的区分
5. 脊髄伝導路
6. 後根に入る求心性線維
7. 臓性神経系
8. 脊髄内の細胞
9. 神経幹細胞
10. 脊髄の可塑性
11. 脊髄の老化
12. 解剖学的な計測値
第18章 脊椎脊髄手術アトラス15選!
第19章 インフォームド・コンセント
第20章 脊椎脊髄外科医にとって必要な統計学―用語, 統計手法の基礎知識
1. パラメトリック検定法
2. ノンパラメトリック検定法
3. 箱ひげ図の見方
4. カイ二乗検定 (χ2検定)
5. p値よりも95%信頼区間
6. 感度, 特異度と尤度
7. ROC曲線 (受動者動作特性曲線:receiver operating characteristic curve)
8. 多変量解析
9. 生存曲線
第21章 英文投稿への道
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書籍情報
- ISBN:9784895907330
- ページ数:330頁
- 書籍発行日:2021年12月
- 電子版発売日:2021年12月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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