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アスレティックパフォーマンス向上のための トレーニングとリカバリーの科学的基礎

  • ページ数 : 288頁
  • 書籍発行日 : 2021年11月
  • 電子版発売日 : 2021年12月29日
4,950
(税込)
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商品情報

内容

科学的知見を指導の武器に!パフォーマンス向上の戦略を立てるための知識を凝縮!!

ストレングス&コンディショニングに関わる研究は目覚ましい発展を遂げており,“科学的根拠に基づいたトレーニング指導”への関心も高まっている.本書では基礎研究の解説から応用実践までを盛り込み,近年の「トレーニング」「リカバリー」「身体に関わる情報の活用」に関する数多くの科学的知見を紹介.トレーニングコーチを目指す学生からプロのストレングス&コンディショニングコーチやパーソナルトレーナーまで必読の一冊.

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序文

スポーツ選手の半月板損傷に対する治療戦略


“科学的根拠に基づいたトレーニング指導”といったフレーズを聞く機会がここ数年で増えています.

しかし,スポーツ科学は比較的若い学問分野であり,まだ検証・検討されていないことや現在のテクノロジーでは解明が困難なことも多く,まだまだトレーニングコーチの経験や判断への依存度が高いのも事実でしょう.

とはいえ,一人の専門家の経験,しかも対照群のない成功/失敗体験からしかプログラムを立てられない時代ではなくなっているのも事実です.スポーツ科学分野の論文数は飛躍的に増加しており,新たな知見や理論が発表されています.かつてスポーツ科学は“現場の後追い”だと揶揄されていましたが,最近ではその距離も近づき,場合によっては科学が現場(専門家の経験)を追い越すことも出てきました.トレーニングコーチにとって,科学的根拠や科学的知見が強力な武器の一つになることは間違いありません.

そこで本書では,各分野の第一線の科学者や,研究と実践の両方を専門とするスポーツ科学の専門家に参画いただき,執筆開始時点での世界の最新の知見を踏まえた上で,基礎知識の復習から現場応用まで見据えた形で科学的知見を整理していただきました.科学的知見が一般的な教科書に反映されるには5〜10年かかると言われます.この本は,①教科書,②最近の科学論文,③トレーニングのHow to本をつなぐことに挑戦したものであるとも考えています.

トレーニングコーチを目指す学生はもとより,すでに現場に立っているプロのストレングス&コンディショニングコーチやパーソナルトレーナーにとっても,基礎知識を復習し近年の科学的知見を知る「学び直し」の書籍となることを目標としています.

本書が一人でも多くの方のお役に立つことを切に願っております.

最後になりますが,本書を出版するきっかけを作っていただいた中村千秋先生(元・早稲田大学スポーツ科学学術院),企画段階からサポートしていただいた文光堂の中村晴彦様と西菜々子様には,この場をお借りして心から御礼申し上げます.


2021年10月

早稲田大学スポーツ科学学術院
平山邦明

目次

序章 アスレティックパフォーマンス向上のための戦略

1 コンディショニングにおけるトレーニングとリカバリーの位置づけ

2 トレーニングの要素

3 多様なリカバリー手法とその使い方

4 身体に関わる情報の活用

5 evidence-based practiceの必要性

6 evidence-based practiceの難しさ

第1部 トレーニングの科学的基礎

(1)筋力

第1章 筋力発揮と筋力増加のメカニズム

1 発揮筋力の大きさはどのように調整されるのか?

2 トレーニングによってなぜ最大筋力は高まるのか?─神経適応と筋肥大─

3 固有筋力は変化するのか?

4 神経適応・筋肥大以外も最大筋力増加に関わっている

5 瞬発系・パワー系アスリートに必要なバリスティックな筋力

6 拮抗筋活動の適応

7 バリスティックな筋力や筋パワーを一時的に高める方法

第2章 筋肥大のメカニズムと運動刺激の条件

1 骨格筋量調節の概要

2 レジスタンス運動による筋肥大のメカニズム

3 筋肥大を刺激する運動の条件

第3章 [トレーニングメソッド]エキセントリックトレーニング

1 なぜエキセントリックトレーニングが注目されているのか?

2 デメリットはあるか?─筋損傷の誘発とその軽減策─

3 現場での応用

(2)スピード

第4章 スピード獲得の力学的基礎とトレーニング方法

1 スポーツにおける「スピード」

2 力学的基礎

3 スピードを向上させるためには

第5章 [トレーニングメソッド]オリンピックリフティング

1 オリンピックリフティングとは?

2 スピードに対するトレーニング効果

3 スピード向上のためのオリンピックリフティングの実践

第6章 stretch-shortening cycleによるパフォーマンス増強とそのメカニズム

1 SSCはどんな動作で生じるのか?

2 SSCによる2種類のパフォーマンス増強効果

3 SSCによるパフォーマンス増強のメカニズム

4 SSCの効果を引き出すためのヒント

第7章 [トレーニングメソッド]プライオメトリクス

1 プライオメトリックトレーニングによるスピードの向上

2 プライオメトリックトレーニングによる持久的パフォーマンスの向上

3 外傷・障害との関係

4 実施上の考慮事項

(3)持久力

第8章 運動を継続・反復するための生理学的基礎

1 運動時のエネルギー代謝・エネルギー供給機構

2 身体運動中のエネルギー供給

3 運動の継続・反復を制限する要因

第9章 持久力向上のためのトレーニングとそのメカニズム

1 持久力のとらえ方

2 持久力と代謝エネルギーおよび効率の関係

3 持久力を改善するためのトレーニング

第10章 [トレーニングメソッド]high-intensity interval training

1 high-intensity interval training(HIIT)とは

2 HIIT処方のためのプログラミング

3 HIITプログラミングの要素

4 HIITの種類

5 HIITの効果的な実践のために

第2部 リカバリーの科学的基礎

第11章 栄養・水分摂取

1 エネルギー供給機構と栄養素の働き

2 トレーニング期における栄養摂取

3 試合後のリカバリー

4 競技種目別の栄養管理

5 水分摂取

6 スポーツを専門とする管理栄養士による栄養指導

第12章 睡眠

1 疲労の概念と分類

2 睡眠と疲労回復

3 運動が睡眠に与える影響

4 睡眠と疲労からのリカバリー

5 仮眠と運動パフォーマンス,疲労回復

6 睡眠環境の最適化

第13章 積極的なリカバリー介入の効果と回復メカニズム

1 積極的なリカバリーと関わるパフォーマンス低下の要因

2 その他のパフォーマンス低下の要因

3 軽運動

4 ストレッチング

5 温熱

6 冷却

7 交代浴

8 コンプレッションウェア

9 マッサージ

10 筋膜リリース

第14章 スポーツ現場における最適なリカバリー戦略

1 スポーツ現場におけるリカバリー戦略の必要性

2 スポーツ選手の身体活動に伴う各種生理学的応答

3 リカバリー戦略を考える際の留意点

4 スポーツ選手のリカバリー戦略の実践例

第3部 身体に関わる情報の活用

第15章 テストとモニタリング

1 テスト・モニタリングをする前に

2 測定値の評価

3 筋量と最大筋力の測定方法

4 スピードの測定方法

5 全身持久力の測定方法

6 日々のモニタリング

第16章 遺伝情報とトレーニング

1 遺伝特性は競技パフォーマンスにどの程度影響するか?

2 トレーニング応答は遺伝的な影響を受けるか?

3 遺伝情報とは?

4 遺伝特性とパフォーマンスに関わる科学的根拠

5 遺伝子特性をトレーニング指導に利用できるか?

6 遺伝子情報を活用していく上での留意点

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書籍情報

  • ISBN:9784830651939
  • ページ数:288頁
  • 書籍発行日:2021年11月
  • 電子版発売日:2021年12月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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