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- Quality Indicator 2021 [医療の質]を測り改善する
商品情報
内容
その間に行われた改善の試みがこの一冊に!!
本書は、QIの測定・公表の先駆者たる聖路加国際病院における2004年から2020年までの17年間にわたる診療の質指標(QI)の経年変化、その間に行われた改善の試みをこの一冊に纏めています。「医療の質」改善を目指す病院にとって手引きとなる一冊です。病院・医療法人経営者・管理者など、病院経営・管理に携わる方々に必読の書!!
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序文
聖路加国際病院における、医療の質指標(QualityIndicator:QI)を用いた医療の質改善活動[QI(QualityImprovement)活動]は、前病院長の福井次矢先生の指導により2005年度から始まりました。毎年、それまでのQI活動を一冊の本にまとめて出版してきました。今年も昨年に続いて『Quality Indicator 2021[ 医療の質]を測り改善する』をお届けいたします。
このようなQI活動を始めてから17年目となり、病院のあらゆる部署で独自のQI指標が設定され、PDCAサイクル(Plan「計画」⇒Do「実行」⇒Check「評価」⇒Act「改善」)に沿った改善活動の実践が根付いています。重点QIに定めている指標を含む病院全体として取り組むべきQI指標については、毎月開催されるQI委員会の場で改善状況(QI指標の測定結果)を発表し、実践内容やPDCAサイクルでの問題点などを議論しています。また、各部署でも自部署が改善に取り組むQIを設定しており、年に1回開催される、診療活動や業務改善などに関する全職員による研究・業績発表会である「聖路加アカデミア」でも、各部署のQI活動を紹介するポスター掲示や発表を通じ、活発なディスカッションが繰り広げられています。
当院は、提供する医療の質・安全について海外の第三者機関による評価を受けてきました。米国に本部がある国際的な認定機関であるJoint Commission International(JCI)による認定を2012年から受け、3年毎に更新してきました。また、2019年には、最高の看護ケアと看護実践の専門性やチームワークを評価するアメリカ看護師認証センター(TheAmerican Nurses Credentialing Center; ANCC)によるマグネット認証(Magnet Recognition®)を、国内で初めて受けることができました。これらの認定・認証取得の過程においては、病院幹部がQI活動全体を紹介したり、各部署にあるQI指標の測定状況を掲示するQIボードを用いて、現場のスタッフが具体的なQI活動の現状を説明したりすることについて毎回高い評価を受けてきました。
当院の創設者であるルドルフ・B・トイスラー博士による、「キリスト教の愛の心が人の悩みを救うために働けば、苦しみは消えて、その人は生まれ変わったようになる。この偉大な愛の力をだれもがすぐわかるように計画されてできた『生きた有機体』がこの病院である」という全職員に向けたメッセージは、90年近くにわたり受け継がれてきました。現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック第5波の真っただ中で、当院でも近隣医療施設と同様に医療提供環境が極めて深刻な状況になってきています。その中にあって、聖路加国際病院は『生きた有機体』として全職員が心を合わせ、医療の質・安全を維持しつつ、この困難を乗り越えようと日々奮闘しています。その礎には、全職員が熱意とたゆまぬ努力をもって培ってきた、医療の質と安全を常に改善・進歩させようとするQI活動の精神があります。これは今後もさらに発展し、本書をもって引き継がれていくものと確信しています。
2021年8月
聖路加国際病院 副院長・QIセンター長
小宮山伸之
目次
第1章 医療の質とEBM、Quality Indicator 福井 次矢
第2章 Quality Indicator選定基準、質改善と患者安全のための方略 嶋田 元
第3章 ベンチマークの意義 堀川 知香
第4章 病院全体
01 病床利用率、平均在院日数 利根川 崇/佐藤 えり
02 医業利益率 小澤 敏宏
03 予約センター電話応答率 利根川 崇/佐藤 えり
04 紹介率・逆紹介率 岡田 太郎
05 救急車受入台数、救急車・ホットラインの応需率 大谷 典生
06 死亡退院患者率 QI委員会
07 剖検率 QI委員会
St.Luke’s コラム1 長谷川 諒/森 信好
第5章 患者満足
08 意見箱投書中に占める感謝と苦情の割合 久保田 純子
09 患者満足度 金児 玉青
St.Luke’s コラム2 鈴木 千晴
第6章 報告・記録
10 2週間以内の退院サマリー完成率、
48 時間以内の手術記録完成率 阿部 香代/押見 香代子
11 検体検査の報告に要した平均時間 上原 由紀
第7章 看護
12 褥瘡発生率 近藤 玲加/黒木 ひろみ
13 褥瘡発生リスクの高い人に対する体圧分散寝具の使用率(処置実施率) 近藤 玲加/黒木 ひろみ
14 入院患者のせん妄評価率・発症率 嶽肩 美和子/滝口 美重
15 転倒・転落発生率、転倒・転落による損傷発生率 笠井 愛/嶽肩 美和子
16 転倒・転落リスクアセスメント実施率、転倒・転落予防対策立案率、転倒・転落予防対策説明書発行率、転倒・転落リスク再アセスメント実施率 笠井 愛/嶽肩 美和子
17 身体拘束実施率 嶽肩 美和子/滝口 美重
第8章 検査・薬剤
18 ステロイド服薬患者の骨粗鬆症予防率 小澤 廣記
19 入院患者のうち薬剤管理指導を受けた者の割合 阿部 猛/後藤 一美
20 向精神薬を服薬中の外来患者の中で抗不安薬・睡眠導入薬・抗うつ薬・抗精神病薬を各2種類以下、かつ、抗不安薬と睡眠導入薬の合計を3種類以下に留めた割合 種本 陽子
21 免疫療法・化学療法により発症するB型肝炎のHBVキャリア・既感染者スクリーニング率 森 信好
第9章 手術・処置
22 執刀開始1時間以内に予防的抗菌薬投与を開始した割合 QI委員会
23 ガイドラインに準拠して予防的抗菌薬が投与されている患者の割合 QI委員会
24 非心臓手術における術後24時間以内・心臓手術における術後48時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された割合 QI委員会
25 無症候性細菌尿を有する患者のHoLEP手術における、術前尿培養スクリーニングに基づいた適切な抗菌薬治療の施行率 京野 陽子
26 大腿骨近位部骨折患者の手術翌日離床達成率 真下 翔太
27 手術患者におけるシバリング発生率 齋藤 佑美子
28 肺癌切除患者における初診から1か月以内の手術率 板東 徹
St.Luke’s コラム3 門田 美和子
第10章 生活習慣
29 糖尿病患者の血糖コントロール(HbA1c) 能登 洋
30 高血圧患者の血圧測定率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
31 降圧薬服用患者の血圧コントロール率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
第11章 脳・神経
32 前方循環系主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞に対する早期血管内治療の割合 佐藤 慎祐
33 虚血性脳卒中患者における抗血栓薬退院時処方率 木村 哲也
34 心房細動・心房粗動を伴う虚血性脳卒中患者における抗凝固薬退院時処方率 木村 哲也
35 脳卒中患者におけるリハビリテーション実施率 木村 哲也
第12章 心血管
36 定例開心術における出血再開胸手術比率 三隅 寛恭
37 ST上昇型急性心筋梗塞の患者で病院到着からPCIまでの所要時間が90分以内の患者の割合 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
38 左室機能が悪い急性心筋梗塞患者へのACE-I/ARB退院時処方率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
39 急性心筋梗塞患者における病院到着前後24時間以内のアスピリン処方率、急性心筋梗塞患者における病院到着後24時間以内のβ - 遮断薬処方率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
40 左室機能が悪い心不全入院患者へのACE-I/ARB処方率・β - 遮断薬処方率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
41 心不全入院患者における左室機能評価 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
42 心不全入院患者における退院後予約割合 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
43 PCI後24時間以内の院内死亡率 QI委員会
44 急性心筋梗塞患者における退院時処方率(アスピリン、β - 遮断薬、ACE-I/ARB、スタチン) 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
45 心不全患者における退院後の治療計画記載率 蟹江 崇芳/小宮山 伸之
第13章 感染管理
46 中心ライン関連血流感染(CLABSI)発生率 坂本 史衣
47 膀胱留置カテーテル関連尿路感染(CAUTI)発生率 坂本 史衣
48 人工呼吸器関連イベント(VAE)発生率 田村 富美子/坂本 史衣
49 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌血症発生率 坂本 史衣
50 クロストリディオイデス・ディフィシルトキシン陽性患者発生率 坂本 史衣
51 手指衛生実施率 坂本 史衣
52 手術部位感染(SSI)発生率 坂本 史衣
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書籍情報
- ISBN:9784899964490
- ページ数:204頁
- 書籍発行日:2021年12月
- 電子版発売日:2022年2月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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