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臨牀消化器内科 2022 Vol.37 No.4 進化する画像診断-下部消化管領域

  • ページ数 : 114頁
  • 書籍発行日 : 2022年3月
  • 電子版発売日 : 2022年3月23日
3,300
(税込)
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商品情報

内容

特集「進化する画像診断-下部消化管領域」

本号は下部消化管領域における画像診断について,最新情報を届けること,および将来像を示すことをおもな狙いとして企画した.(編集後記より抜粋)

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序文

巻頭言


現在の消化管領域の臨床において,画像診断は中心的役割を担っている.内視鏡,超音波,放射線など各種画像診断機器の開発,発展の基に診療が成り立っていることに異論を挟む人はいないであろう.しかもこれらは,日進月歩する科学技術の恩恵を受けて,着実に,時に飛躍的に進歩を遂げており,医療の質向上に寄与している.今後も新たな技術の登場により発展するであろうことが期待されている.一方で臨床医には,複数ある画像診断に関連する知識を適宜適切に獲得しその水準を維持することが求められるが,必須とされる情報量は年々増大しており,多忙な日常診療に加えて過大な負担になっていると推察される.各々の診断法についての最新知識を効率よく得られる場が必要である.

わが国の消化管領域の診療は,胃癌をはじめとするHelicobacter pylori関連疾患が高頻度であったという背景もあり,これまで上部消化管領域が先行する形で発展してきた.しかし近年では,大腸癌や炎症性腸疾患が増加していることなどから,現場における大腸領域のウエイトが増加している.また,以前は“暗黒大陸”といわれていた小腸領域であるが,カプセル内視鏡,バルーン内視鏡の登場,さらにCT,MRIなど画像構築技術の進歩の恩恵を受けて診療レベルが格段に向上している.下部消化管の領域には,腸内細菌関連や機能的疾患など,未だ発展途上の部分も多く残されており,今後さらに注目度が増すことが予想される.

本号は,このような背景に鑑み,今後さらに重要度が高まると考えられる下部消化管領域の画像診断について,改めて現在の立ち位置を明らかにするとともに,過去から現在まで,そして未来に向けたベクトルを感知し,将来像を俯瞰したいと考え企画した.専門/非専門を問わず,消化管診療の臨床に携わる多くの先生方が,各種画像診断法の最先端が現在どうなっているか,今後どの方向に向かっているのか,などの知識を短時間で効率よく得られることを目指し,下部消化管の画像診断に関するほぼすべての領域を含む形で,網羅的にテーマを選択した.具体的には,内視鏡,超音波,放射線画像,人工知能が関連する領域に大別し,内視鏡に関しては,小腸のバルーン内視鏡および新たに登場したスパイラル内視鏡,小腸・大腸のカプセル内視鏡,大腸画像強調観察,顕微内視鏡を取り上げた.内視鏡以外では,臨床で頻用されている超音波(体外式,内視鏡),CTcolonography,MR enterography,PET/CT,さらには,下部消化管領域の人工知能による補助診断,拡張現実の臨床医学への応用の可能性など,最近注目度が高いテーマについても含めた.いずれも最先端に挑んでいらっしゃるエキスパートの先生方に,現状,課題,将来像などについてわかりやすくご記載いただき,新しい画像も提示いただいている.企画者として,本号が読者の先生方にとって,一冊で下部消化管画像診断の現在地を把握し理解することができるものになっていると自負している.

消化器分野を目指す臨床研修医,専門医を志す若手医師,第一線でご活躍の専門医,それから消化管診療に関わる非専門医のいずれの方にも,ぜひ手に取ってご一読いただきたい特集である.まずは,要旨部分をざっと読んで全体像を把握していただき,続いて興味がある領域から読み進めていただければと思う.わが国の臨床現場で消化管診療を担う多くの先生方にお役立ていただけることを心より願っている.


山本 貴嗣(帝京大学医学部内科学講座)

目次

特集:進化する画像診断 ―下部消化管領域

巻頭言/山本 貴嗣

1 .小腸内視鏡診断の現状と課題

(1)バルーン内視鏡 ―小腸の中心的画像検査法/大塚 和朗

(2)スパイラル内視鏡 ―高い挿入性,安定性を目指して/細江 直樹,緒方 晴彦 他

(3)小腸カプセル内視鏡 ―第一選択の小腸内視鏡/藤森 俊二 他

2 .大腸内視鏡診断の現状と課題

(1)画像強調観察による診断支援 ―NBI,BLI,LCI/田中 秀典,田中 信治 他

(2)顕微内視鏡(CLE,EC) ―リアルタイム病理診断を目指して/村元 喬,大圃  研 他

(3)大腸カプセル内視鏡 ―機器,検査法の現状と今後の展開を巡って/荒木 昭博 他

3 .下部消化管疾患の超音波診断 ―現状と課題

(1)EUS ―大腸腫瘍術前診断における有用性/山田 啓策,田近 正洋 他  399

(2)体外式超音波 ―簡便性,非侵襲性,広い用途の診断法/畠 二郎 他  404

4 .消化管画像診断(CT,MRI,PET) ―現状と課題

(1)大腸CT検査(CT colonography) ―がん検診,がん術前検査での展開/歌野 健一 他

(2)消化管疾患にMRIが果たす役割と今後の展望/吉原 努,中島 淳 他

(3)下部消化管領域における18F‒FDG‒PET/CT検査の有用性/岸野 充浩

5 .ICT,AIの進歩が革新する下部消化管診断

(1)大腸内視鏡AI診断のトピックス ―自動診断時代の幕開け/山田 真善,斎藤 豊 他

(2)カプセル内視鏡の読影効率化,普及展開を推進するAI診断/山田 篤生

(3)E xtended reality(VR, AR, MR), hologram, metaverseによる空間的消化器診断・手術支援/杉本 真樹

(4)病理診断 ―AIによる診断支援,ICTが拓く遠隔医療/斉藤 光次

連載

[新連載]胆膵超音波内視鏡の読み方と描出法

第1回 乳頭部の病変(前編)/肱岡 範

ESD ―手技の工夫

ProdiGI® Traction Wireを用いたESD/辻 陽介 他

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書籍情報

  • ISBN:9784004003704
  • ページ数:114頁
  • 書籍発行日:2022年3月
  • 電子版発売日:2022年3月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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