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商品情報
内容
どんな些細なことでも“わからない”をそのままにしない,徹底的に初学者に寄り添ったIVRの入門書。
各項目の冒頭は「まずはここから」で簡単にまとめられ,実際に初学者からよく訊かれる点をQ&A形式で解説。用語解説と重要点がわかる「Hot Point」で随時疑問を解決しながら読み進められる構成になっている。やや発展的な内容は別途コラムにまとめられており,読者が難しいと感じれば飛ばしても読み進めることができる。一部の手技は動画でも視聴可能。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
序文
研修医や放射線科に入局したばかりの先生方から,「いろいろなIVR手技の手順は教科書やマニュアルにあるので知っているけれど,いざ手技に入ると,なぜ数あるカテーテルやガイドワイヤーからこれとこれを選んで手技を行っているのかわからない。そもそもなぜこのサイズのカテーテルなのかわからない。そういったことまで記載されている入門書があればよいのに……」というような声をよく聞きます。いわれてみれば,IVR医向けの教科書は多数ありますが,初心者が疑問をもつような基本中の基本の事項から懇切丁寧に記載されているIVRの入門書は少ないように思います。この最初の疑問を解けないがためにIVRに興味をもてなくなってしまうかたもおられるかもしれません。
本書は,IVR医を目指す若手医師の知的欲求に応えることはもちろん,専らの画像診断医を目指す医師に対しても,IVRへの苦手意識を減らし少しでも興味をもっていただくことを目指しています。IVRに携わりはじめた先生が,手技に入る前に本書を読んでおけば,IVRの器具を準備し,患者のセッティングをし,針を穿刺してカテーテルを挿入し,あるいは助手として手技を補助し,疾患を治療し,カテーテルやシースを抜去して処置を終えるまでの流れが頭に入り,スムーズに手技に臨めるような入門書にすることをコンセプトとしました。そこでIVRの第一線でご活躍の執筆者の先生方には,IVRの手技中や手技前後に生じうるありとあらゆる疑問に懇切丁寧に応え導き,若手医師が疑問を残さないようにすることをイメージして執筆していただきました。各論では,専攻医レベルの若手がよく遭遇するIVR手技や知っておくべき手技を厳選しました。そのなかに,専攻医にぜひ知っておいてほしい解剖・適応・デバイス選択・注意点・合併症など一通りの情報を盛り込みました。また実際手技を行ううえでどのような器具をどう使っているのか,図や写真を多く使いわかりやすく解説してもらっています。さらに,基本事項だけでなく一歩進んだ深いIVRの知識も得たい先生のためのコーナーも設けました。ここでは,最新の知見に触れることができます。またIVR医が何に注意して手技を行っているかみえてくると思います。本書は,IVRに初めて触れた研修医や,勉強を始めたばかりの若い先生が「とりあえず最初に」と手に取る入門書という位置付けですが,経験のあるIVR医にとりましても,ご自身がしばらく行っていないIVRを久しぶりに行うようなときにざっと読んで知識を整理するような目的でも使用していただけるのではないかと思います。また,画像診断を専門とする先生方にとりましても,本書を傍らにおいていただけますと,IVRが関連する症例を読影する際にお役に立つのではないかと思います。
本書が,若い先生がIVRに興味をもつきっかけになり,IVR診療にかかわる多くのかたに活用していただくことを心より願います。
最後に,ご多忙のなか,本書執筆にご協力いただいた先生方と,本書出版に多大なるご尽力をいただきましたメジカルビュー社編集部苅谷竜太郎氏に心より感謝申し上げます。
2021年12月
高知大学医学部放射線診断・IVR学講座教授
山上卓士
目次
Ⅰ 総論:IVRの「超」基礎知識
IVRってなに?/山上卓士
IVR誕生,そして
IVRの飛躍と派生
血管系と非血管系
IVRを始める前になにを準備すればいいの?/帖佐啓吾ほか
IVRの準備
血管系IVRの準備
非血管系IVRの準備
IVRで用いられる局所麻酔,鎮痛,鎮静法
患者背景および血液データ,ヨード造影剤アレルギー歴,内服薬の把握
動脈にはどうやってアプローチするの?/鈴木耕次郎
大腿動脈穿刺の手順
血管造影におけるガイドワイヤー,カテーテルを進める際の安全な操作のための注意点
圧迫止血
動脈アプローチの主な合併症とその対処法
静脈にはどうやってアプローチするの?/南口博紀
適応の確認とリスク評価
インフォームド・コンセント(IC)
超音波プレスキャンと体位
実施計画確認
局所麻酔
穿刺
ガイドワイヤー挿入
穿刺部位ごとの特徴と注意点
シース挿入や抜去
IVRに必要な血管解剖ってどれを覚えればいいの? 腹部編/丸野美由希
腹部大動脈とその分枝
肝細胞癌に対する動注塞栓療法に必要な血管解剖
消化管出血に対するIVRに必要な血管解剖
膵領域のIVRに必要な血管解剖
骨盤骨折に対するIVRに必要な血管解剖
その他の大動脈分枝
門脈系の側副路̶BRTOの際に必要な血管解剖̶
IVRに必要な血管解剖ってどれを覚えればいいの? CV編/菅原俊祐
正常解剖
上大静脈の破格
その他の上大静脈の破格
下大静脈の破格
上肢静脈の破格
IVRでの放射線被ばくと放射線防護ってどういうこと?/赤羽正章
手技前の準備
手技の計画
手技中
手技後
Ⅱ 総論:カテーテル,シース,ガイドワイヤー
(親)カテーテル,シース,ガイドワイヤーについて知っておこう/香田 渉
カテーテルの構造と種類
カテーテルの操作方法
シース
ガイドワイヤー
マイクロカテーテル,マイクロガイドワイヤーについて知っておこう/宮山士朗
マイクロカテーテル
マイクロガイドワイヤー
マイクロカテーテル,マイクロガイドワイヤーの先端形状付け
マイクロカテーテル,マイクロガイドワイヤーの操作方法
特殊なシース,カテーテルについても知っておこう/岡田宗正
特殊なシース
特殊なカテーテル
Ⅲ 総論:塞栓物質
さまざまな塞栓物質について知っておこう/佐口 徹ほか
粒状塞栓物質
球状塞栓物質
液状塞栓物質・硬化剤
金属コイル
血管塞栓用プラグ
主要な疾患,病態,状況に応じた塞栓物質の使い分け
コイルについて知っておこう/小金丸雅道
コイルの種類
一次コイル径(プライマリー径)について
二次コイル径とコイル長,形状について
コイルの形態的種類
コイルサイズの選択方法
コイルのアンラベル
粒状・球状塞栓物質について知っておこう/山本聖人ほか
IVRの準備
ゼラチンスポンジ(GS)
球状塞栓物質(マイクロスフィア:ビーズ)
液体塞栓物質・硬化剤について知っておこう/山本 晃ほか
液体塞栓物質の種類
n-butyl-2-cyanoacrylate (NBCA)
エタノール
Ethanolamine oleate (EO)
ポリドカノール
Ⅳ 総論:血管形成術に必要なデバイス
血管形成術,ステントグラフト内挿術に必要なデバイスを覚えよう/田中良一
[血管形成術]
血管形成術に使用されるデバイス
基本構成デバイスの詳細
[ステントグラフト内挿術]
ステントグラフト内挿術に使用されるデバイス
Ⅴ 総論:非血管系IVRに必要なデバイス
生検に必要なデバイスを覚えよう/吉松梨香ほか
生検針の種類
生検針の選び方
補助デバイス
経皮的針生検における画像モダリティ
経皮的膿瘍ドレナージに必要なデバイスを覚えよう/松本知博ほか
IVRの準備
適応
ガイドとするモダリティ
穿刺手技:Seldinger法とトロッカー法
ドレナージカテーテル
経皮的膿瘍ドレナージの前処理で用いられることの多い薬剤
経皮的膿瘍ドレナージの前処理で用いられるデバイス
臨床的成功率
有害事象
カテーテル管理
癌に対するアブレーション治療に必要なデバイスを覚えよう/冨田晃司ほか
PEIT
RFA,MWA
凍結療法
Ⅵ 各論:手技別IVR「超」基本テクニック
動脈塞栓術 肝動脈化学塞栓療法(肝細胞癌)/田中利洋
適応
実際の治療の流れ
cTACEとDEB-TACEの機序の違い
実臨床におけるDEB-TACEとcTACEの使い分け
TACEを行ううえでの注意点
治療成績
合併症
動脈塞栓術 内臓動脈瘤/下平政史
成因と適応
実際の治療の流れ
IVRを行ううえでの注意点
動脈塞栓術 消化管出血/我那覇文清
上部消化管出血
下部消化管出血
動脈塞栓術 外傷性・医原性出血/山口雅人ほか
適応
塞栓物質および塞栓の方法
IVR手技の流れ
ステントグラフトを用いた止血術
デバイスの選択と治療の流れ
合併症
動脈塞栓術 産科出血に対するIVR/ウッドハムス玲子
適応と導入のタイミング
実際の手技の流れ
IVRを行ううえでの注意点
治療成績
合併症
その他のIVR CV・CVポート作成(PICCを含む)/菅原俊祐
適応
標的血管の選択と画像評価
術前準備(デバイス)
手技の実際
合併症
その他のIVR 静脈サンプリング(副腎腫瘍など)/小黒草太ほか
適応
実際のAVSの流れ
その他のIVR ステントグラフト内挿術/東浦 渉ほか
適応
実際の治療の流れ
治療成績
合併症
その他のIVR 下肢動脈の血管形成術/中井資貴ほか
経皮的血管形成術とは?
実際の治療の流れ
デバイスの選び方,手技の基本
その他のIVR バルーン閉塞性逆行性静脈瘤塞栓術(BRTO)/小林 薫
適応
一般的な治療戦略とさまざまなデバイス
手技を成功させるためのポイント
BRTOを行ううえでの注意点
合併症
治療成績
その他のIVR CTガイド下肺生検/佐藤洋造ほか
適応
実際の手技の流れ
IVRを行ううえでの注意点
診断成績
合併症
その他のIVR 膿瘍ドレナージ/阿保大介
適応
実際の治療の流れ
IVRを行ううえでの注意点
合併症
その他のIVR 肝癌に対するPEIT,RFA治療/山中隆嗣
適応
実際の治療の流れ
治療効果判定
IVRを行ううえでの注意点
治療成績
合併症
その他のIVR 腎癌に対するCTガイド下凍結療法/三浦寛司
適応
実際の治療の流れ
IVRを行ううえでの注意点
治療成績
合併症
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書籍情報
- ISBN:9784758321112
- ページ数:312頁
- 書籍発行日:2022年3月
- 電子版発売日:2022年4月3日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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