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- 神経麻酔と神経集中治療の基礎と実践
商品情報
内容
各項目の専門家に学ぶ、神経麻酔領域での安全な周術期管理
◼神経麻酔と神経集中治療に関する基礎知識から一般診療に必要な内容まで、要点を体系的に網羅。
◼安全な周術期管理を目指すとともに、あらゆる臨床の現場で役立つ中枢神経系の評価に必要な知識を明確に記載しています。
◼麻酔科医だけでなく、神経麻酔に関わる 看護師、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師 にもおすすめの一冊。
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序文
監修者序文
麻酔の目標は周術期の患者を安全に管理し、より良い手術環境を提供することである。このために種々の薬物を用いて全身麻酔の3要素である鎮静・鎮痛・不動化を維持する。全身麻酔薬は中枢神経系を抑制し、その作用を発揮する。麻酔管理のサブスペシャリティには、心臓血管外科・呼吸器外科・消化器外科・脳神経外科・整形外科・産科婦人科などがあるが、神経麻酔はあらゆる領域の麻酔の原点である。脳や脊髄への影響を無視した麻酔管理など存在しえない。このことを背景に、本書は周術期の神経系の管理をまとめるものとして、神経麻酔と神経集中治療に関して基礎的な知識から実際の臨床での内容までを対象とした。具体的には、解剖学・生理学・薬理学の基本的な情報から始まり、術前評価・術中モニタリングや各種疾患の麻酔管理、合併症対策、術後の神経集中治療に至るまでの範疇の各種項目における専門家の先生方に要点を簡潔にまとめていただいた。各項目において一般診療で必要な情報がコンパクトに盛り込まれており、非常に頭を整理しやすい構成になっていると思われる。また、臨床上の疑問やトピックスが「MEMO」という形で情報提供されている。神経麻酔領域での安全な周術期管理を目指すとともに、あらゆる臨床の現場で役立つ中枢神経系の評価に必要な知識が網羅され、明確に記載されたものが完成したと考えている。
本書は、神経麻酔や神経集中治療を専門とする、あるいは目指している先生方だけでなく、他領域の専門分野の先生方にも手元に置いていただき、神経麻酔科学の概略と展望を理解する際に、ご利用いただけると良いと思う次第である。
最後に、この企画内容にご同意をいただき、執筆に携わってくださった著者の先生方、ならびに企画にご賛同いただいた日本医事新報社と担当の長沢雅氏には改めてお礼を申し上げたい。
2022年5月
岐阜大学 名誉教授/社会医療法人厚生会中部国際医療センター
麻酔・疼痛・侵襲制御センター 統括センター長
飯田宏樹
目次
第1章 神経麻酔・集中治療に必要な解剖学
1 脳・脳幹の解剖
2 脊髄・脊椎の解剖
3 脳神経の解剖(Ⅰ~Ⅻ)
4 末梢神経・筋肉の解剖(神経モニターに必要な知識)
第2章 神経麻酔・集中治療に必要な生理学
1 脳脊髄の循環代謝
2 頭蓋内圧の基礎と調節
3 脳浮腫・血液脳関門
4 神経内分泌
5 低体温
6 脳虚血の機序
7 痛みの機序
8 全身麻酔・局所麻酔の機序
第3章 神経麻酔・集中治療に必要な薬理学
1 麻酔薬と脳循環/代謝・頭蓋内圧
2 脳保護に関連する薬剤
3 脳浮腫治療の薬剤
4 麻酔薬の神経毒性
5 睡眠と関連薬剤
6 痛みと治療薬
第4章 脳神経麻酔での術前評価
1 神経学的評価法
2 画像診断の基本(脳疾患)
3 画像診断の基本(脊髄疾患)
4 フレイルの評価法
5 栄養評価法
6 認知機能評価
7 プレハビリテーション
第5章 神経系モニタリング
1 麻酔深度モニター
2 筋弛緩モニター
3 頭蓋内圧(ICP)
4 脳波(頭皮・頭蓋内)
5 誘発電位
6 経頭蓋ドプラと経頭蓋カラーフローイメージング
7 近赤外線脳酸素モニター
8 Wake up test
第6章 脳神経麻酔の周術期管理の基本
1 術中体位と注意点
2 輸液管理(総論)
3 頭蓋内圧・頭蓋内圧亢進症の管理
4 頭皮ブロック
5 術後疼痛管理(薬物療法)
6 坐位の手術(管理法)
7 覚醒下開頭手術の麻酔管理
8 神経モニタリング時の麻酔法
第7章 脳神経麻酔での主な疾患と管理法
1 脳動脈瘤手術(SAH、未破裂)
2 脳動静脈奇形
3 頸動脈内膜剝離術
4 もやもや病手術
5 テント上脳腫瘍手術
6 テント下脳腫瘍手術
7 下垂体部手術
8 頭蓋内出血
9 てんかん手術
10 定位脳手術
11 血管内治療(脳動脈瘤、頸動脈狭窄症)
12 脊椎手術の麻酔
13 脊髄腫瘍
14 小児脊椎脊髄手術
15 電気けいれん療法の麻酔
16 神経筋疾患の麻酔
17 MRI検査の麻酔
18 大動脈弓部手術での脳保護
19 胸腹部大動脈瘤手術での脊髄保護
第8章 脳神経麻酔での合併症と対策
1 尿崩症と電解質異常
2 痙攣
3 術後悪心・嘔吐
4 周術期脳梗塞
5 術後せん妄
6 術後認知機能障害
7 術中覚醒記憶
8 周術期視機能障害
9 周術期末梢神経障害
10 遷延性術後痛
第9章 神経集中治療が必要な疾患と管理法
1 外傷性脳損傷
2 蘇生後脳症(心停止後脳障害)
3 けいれん性てんかん重積状態
4 非けいれん性てんかん重積状態
5 脳死下臓器提供も見据えた状態
6 小児髄膜炎と脳症
7 敗血症性脳症
8 可逆性後白質脳症症候群(PRES)
9 急性期リハビリテーション
10 集中治療後症候群(PICS)
11 脳神経疾患における終末期医療
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書籍情報
- ISBN:9784784959396
- ページ数:412頁
- 書籍発行日:2022年6月
- 電子版発売日:2022年5月27日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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