あめいろぐ 医学教育 "Ameilog book on medical education

  • ページ数 : 234頁
  • 書籍発行日 : 2022年5月
  • 電子版発売日 : 2022年6月3日
¥3,850(税込)
ポイント : 105 pt (3%)
この出版社は全書籍ポイント1.5倍 4/8 まで
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

【あめいろぐ】シリーズ第6弾「医学教育編」.

激変する医学の世界で,知識を更新し,最新の情報を臨床に活かせていますか
毎日の臨床業務に追われる中,後輩医師の指導・評価を適切に行い,ロールモデルになれていますか

医師免許が生涯免許である日本では育たなかった「医学教育のノウハウ」が,アメリカにはきっとあります
アメリカでは,どんな理念の下に教育システムを構築し,何を,誰が,どう教え,学び,評価しているのか
アメリカ医学教育の専門家が医学教育の最前線を徹底講義

効率的に学び,効果的に教えるヒントがここにあります!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

はじめに

日本で臨床研修を受けていた頃,卒後3 年目あたりからこんな2 つの壁を感じ始めていました.

どこで働いても恥ずかしくない臨床能力を身につけているか?発展途上の自分がきちんと後輩を指導できているのか?「臨床医/指導医としての不全感」と言い換えてもよいかもしれません.不全感のせいか,外の世界の様子が気になっていました.周囲の人々は,専門科に進むとロールモデルが身近にでき守備範囲も明確になり,経験を積むにつれ不全感も解消して自信をつけていきましたが,私の進んだ総合診療や総合内科分野にはロールモデルがまだ少なく,守備範囲も曖昧だったため,若かった私はただ不安でした.

そんな中,卒後4 年目にハワイ大学内科レジデンシープログラムのエクスターンシップに参加する機会に恵まれました.最初のカルチャーショックは,医学生時代のイギリスでのエクスターンシップで経験し,私が救急と総合診療に定評ある研修先を選んだきっかけになったのですが,医師人生2 回目のカルチャーショックはアメリカで受けました.レジデンシープログラムの熟考されたカリキュラム,充実したサポート体制,豊富な総合内科指導医,困難ながら勉強になる症例,当たり前のように受けられるフィードバックや評価,充実した講義,そして世界中から集まる熱心で優秀なレジデントに感銘を受けました.内科レジデントを修了すると,どの専門研修にも自信を持って進むことができ,総合内科医を一生のキャリアとして独立して歩むこともできます.研修のゴールや,次のステージのロードマップが揃っており,未来がひらけた思いがして臨床留学を決意しました.期待通り,留学中は手厚い医学教育システムの中で多くを学ぶことができ,後進指導時に参考にすべきモデルができました.幸運なことに,医学教育フェローシップ,医学教育修士課程,チーフレジデントと,研修プログラム運営側の要職を経験することもでき,日本で感じていた不全感はいつしか解消していました.本書のお話をいただき,アメリカ医学教育を学習者からみた表舞台と,指導者・運営者からみた舞台裏の両方を経験した10 年の集大成にしたいと考え,快諾しました.「あめいろぐシリーズ」に共通するコンセプトを踏襲し,現場の旬の情報を読みやすく伝える「医学教育のジャーナリスト」を目指しつつ,中堅やベテランの医師にも参照していただけるようデータやエビデンスを盛り込みました.個人,組織,国レベルで,医学教育を多角的に俯瞰できたのではないかと思います.共著者である瀧医師は,私がアメリカで内科レジデントを開始した1 年目の駆け出しの頃にハワイ大学で内科チーフレジデントをされており,とてもお世話になった先生です.のちに私がチーフレジデントになった際のロールモデルでもあります.彼女がピッツバーグで集中治療フェローを終え,ハワイで同僚として働けた時には,深いご縁を感じました.アリゾナ州でコロナパンデミックを迎えた彼女の集中治療現場での苦労は想像を絶しますが,励まし合いながら本書の完成まで一緒に努力できたことは一生の思い出になりました.

熱量が高すぎて予定ページ数の超過,コロナパンデミックによる執筆の遅延といった事態にもなりましたが,辛抱強く励まし,原稿を丁寧に推敲していただいた丸善出版企画編集部の堀内志保様には深謝いたします.

「自分や家族が医療にかかる際は,できるだけよい医師にお願いしたい」.そんな気持ちは本書を手に取ってくださった皆さんにも共感していただけると思います.医学教育の改善は,全人類の健康と幸福につながる壮大なテーマです.変化の早い世の中で,医学教育の最適解を模索する1 人として国境を越えて読者の皆様と繋がることができて光栄です.


2022 年4 月吉日

世界平和とパンデミックの終息を願いながら
クイーンズメディカルセンターホスピタリスト
共著者代表 野木 真将

目次

第1 部 医学教育システム

1 章 アメリカの卒後医学教育 野木真将  

本音トーク1 アメリカ卒後医学教育システムの立役者はACGME だ!

本音トーク2 「アウトカム」を重視する「コンピテンシー基盤型教育」が基本

本音トーク3  次世代のNext Accreditation System(NAS)とマイルストーン評価

本音トーク 4 「 コンピテンシーに基づく医学教育」からアメリカが学んできたこと

2 章 アメリカの卒前医学教育 野木真将  

本音トーク 1 「 アウトカム重視」「臨床経験重視「」人格重視」! Flexner 博士の理想と理念

本音トーク2  アメリカのメディカルスクールは学力・教養・人間性を学生に求めている!

本音トーク3  卒前医学教育の2 本柱は「EPA(学生評価)」と「LCME(学校評価)」

3 章 医師の国際移動と医学部の国際認証制度 野木真将  

本音トーク1  アメリカの医学教育を語るうえで欠かせない深刻な国際問題「brain drain」!

本音トーク2 アメリカが海外医師を受け入れる理由

本音トーク3 世界は医学部であふれている! FMG や学校評価の難しさ

本音トーク4 海外医学部の認証評価と受験戦争

本音トーク5 医学部の認証評価システムがもたらした4 つの教訓

4 章 医師の質担保に求められるシステム 野木真将  

本音トーク1  アメリカ内科専門医更新試験は暗記重視から資料を持ち込める試験の選択肢が増えた!

本音トーク2 アメリカの就活は厳しい審査が続くイバラの道

本音トーク3 就職してからも「勤務医としての質」が見られている!

本音トーク4  指導医としての評価は主に5 段階で,レジデントからも評価される

第2 部 医師教育の実際(現場の風景)

5 章 現場での医学生・研修教育 瀧香保子  

本音トーク1  メディカルスクールは「医師になる」目的を明確にもつ人のための医師育成所

本音トーク2  メディカルスクールは「teaching の場」ではなく「learning の場」

本音トーク3  メディカルスクールのカリキュラムは,とにかく「active learning」に重点!

本音トーク4  メディカルスクール3~4 年生は日本の初期研修医とほとんど同じレベル

本音トーク5  レジデント生活のキーワードは「チーム医療」「屋根瓦式教育」「ティーチング」

本音トーク6 「効果的な学び」は「効果的なティーチング」にあり

本音トーク7 メンター制度は成功と満足のいくキャリアを得る鍵である

6 章 医師の生涯学習 瀧香保子  

本音トーク1 生涯学習は,自発的・継続的に学習することが重要

本音トーク2 アメリカの医師は一生「学習」から逃げられない!

本音トーク3 免許と知識は更新していくことが大事

本音トーク4 バーンアウトを予防しながら効率的に生涯学習を成功させる

7 章 臨床現場で使える指導法 瀧香保子  

本音トーク 1 「 診療」と「教育」の両方を高いレベルで維持するには,役割・環境・時間・やりがいが大事!

本音トーク2  ローテーションの成否はオリエンテーションで決まる!

本音トーク3  ペンドルトン法・サンドイッチ法・SBI 法…フィードバックは指導に不可欠!

8 章 今すぐ使えるティーチング法8 選 瀧香保子  

本音トーク1 1 分でもできる!? 実践! ティーチング

9 章 シミュレーションを用いた医学教育 瀧香保子  

本音トーク1 シミュレーション教育は,医学教育に欠かせない!

本音トーク2  シミュレーションプログラムを作るには,綿密な計画と準備が必要

本音トーク3  シミュレーション前に,「カリキュラム」「シナリオ」「チェックリスト・評価」を準備せよ

本音トーク4  デブリーフィングなくしてシミュレーション教育は成り立たない!

本音トーク5  シミュレーション教育は,シミュレーションセンターの外でも行われる

第3 部 未来の教育者の育て方

10 章 医学教育のリーダーの育て方 野木真将・瀧香保子  

本音トーク1 未来のアメリカ医療で考えるべきことは山積み!

本音トーク2  チーフレジデントは,「マネジャー」兼「教育者」兼「メンター」兼「リーダー」

本音トーク3 APDIM やCRIT がチーフレジデントの成長を支えている

本音トーク4 医学教育をキャリアにするには

11 章  今後のシステム変化に対応した教育の変わり方とありかた 野木真将  

本音トーク1 パラダイムシフトへの対応のカギは「高い変革力」

本音トーク2 変革には,あらゆる面で「固定観念の打破」が必要

本音トーク3  変革に必要なのは,「高い視座」「広い視野」「深い視点」「謙虚な姿勢」

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:66.7MB以上(インストール時:142.2MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:266.8MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:66.7MB以上(インストール時:142.2MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:266.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784621307212
  • ページ数:234頁
  • 書籍発行日:2022年5月
  • 電子版発売日:2022年6月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。