• ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2022年6月
  • 電子版発売日 : 2022年7月29日
2,750
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商品情報

内容

外資系企業で身につけたビジネス英語の名手(マヤ・バーダマン先生)がついに医学英語の本を手がけました。国際化が進み続ける現在、医療においても外来・病棟診療、海外留学、論文執筆と生きた英語を求められる場面も増えています。そこで、「洗練された英語」を巧みに操る著者と「米国臨床」を経験した医師がタッグを組み、患者・家族とのシリアスな場面、医療者間の円滑なやりとりなども想定して、医学英語のお手本をつくりました。新しい「敬語」の言葉や、難しい英単語を覚える必要はありません。単語の組み合わせや選択、ちょっとした工夫で「丁寧な英語」に様変わりします。

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序文

著者・まえがき

英語はただ「伝わる」「伝わればいい」だけでなく、「伝え方」も大切。これは、小学生の頃から英語を使っていた私が、外資系企業と医学英語の仕事を通して痛感したことです。

ビジネスでは、ときに「断る」「反対意見を言う」など言いにくいことを伝える必要があり、複雑でセンシティブな場面にも遭遇します。その際には「伝え方」が相手の受け取り方や人間関係、ビジネスの進み方などに影響します。一方、医療の現場には、ときに告知などのシリアスな場面もあります。伝え方によっては患者さんが不快感や不安・不満を感じたり、医師本人や組織全体、医療従事者全体のレピュテーションにまで影響することもあります。また、論文投稿の際はジャーナル側と慎重で丁寧なやり取りが必要です。ただ、ビジネス・医療のどちらの現場においても、「丁寧で気遣いのある」かつ「相手に伝わる」英語を学校や書籍で学ぶ機会はあっても、その機会は非常に少ない印象でした。

アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた私は、小学校から大学卒業まで英語で教育を受け、二度のアメリカ留学を経験したこともあり、英語で仕事をすることにほとんど不安はありませんでした。ところが、実際に現場で見聞きする英語は洗練され気配りの伝わるもので、自分が使っていた英語とは印象の違うものだったのです。

どうすればそのような英語を使えるようになるのか。書店を巡り、その答えを教えてくれる本を探しましたが、見つかりませんでした。だからこそ、現場と経験が「生きた英語の教材」となりました。お手本になるような言い回しやメール文を自分用のテンプレート集に書き留め、話し方や振る舞いをまねしながら実践しました。そして自身のこの経験や学びが、当初の自分のように困っている方々のお役に立つのではないかと思い、執筆の活動を始めました。

そして、あるきっかけから医学英語の世界に足を踏み入れました。そこでは医師の方々が執筆した英語論文の校閲をはじめ、論文の投稿から掲載までをサポートしたり、医学生に向けて診療やプレゼンで使う英語の授業を行いましたが、そこで必要な英語もまた、ビジネスの現場で求められる英語と共通していることに気づきました。つまり、「丁寧で礼儀正しく、明確に伝わる英語」です。担当する原稿やレターのドラフトが届いた段階では直接的な表現や少々丁寧さに欠ける表現が見られましたが、丁寧な英語表現を身につける機会さえあれば、その英語をさらにアップグレードし、論文に関連するやり取りのみならず、情報の発信や個人のキャリアアップ、更には医療の未来にも繋がるのではないかと感じました。

その医療機関には医学英語教育および英語論文・発表資料作成・口頭発表などを支援するセンターがありました。しかし、同じようなサポートがある医療機関や医学部は少ないのが現実です。

そこで、英語でコミュニケーションをとる際に心がけたいポイントや表現を収録した「お手本」のような本。多忙で英語の勉強の時間がなくても、必要なエッセンスをまとめて読める本を作りたいと強く思い、本書の執筆へと繋がりました。本書では、学校や教科書では十分に学べない、医療の現場で必要な「丁寧なワンランク上の英語」、英語で話す・書くための「そのまま使える場面別のお手本」を、単語や表現の細かいニュアンスや文化的背景を含めて紹介しています。いま臨床で活躍する医療従事者に、海外留学を考える学生に、医療の英語をさらにブラッシュアップしたいすべての医療者のみなさまにお届けするという夢が叶い、嬉しく思います。

本書を亡き恩師のJ. Patrick Barron先生に捧げます。Barron 先生からの学びと想いを本の形にして読者に届けられることを心から嬉しく思います。先生の教えが、ひとりでも多くの方のお役にたてますよう願っております。

本書は多くの方のお力添えによって読者のみなさまに届けることができました。出版の機会をくださった丸善出版の程田靖弘さま、出版まで伴走してくださった渡邉美幸さまに心から感謝申し上げます。丁寧に心を込めて一緒に作っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。制作および出版に関わってくださった丸善出版のみなさま、そして本を並べてくださる書店のみなさま、本当にありがとうございます。

医療監修としてマウントサイナイ医科大学緩和ケア・老年医学フェローのご経験をお持ちの百武美沙先生にご協力いただきました。実臨床での会話の再現性や内容の正確性が加わり、貴重なご経験も数多く共有いただきました。本書をより一層「生きた医療の英語の教材」に近づけることができ、読者にとって心強い「お手本」となりました。先生には感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。

いつも丁寧に指導してくださり、キャリアについても考えてくださったEdwardBarroga 教授。いつもあたたかく親切に教えてくださり、お手本になってくださった小島多香子准教授。多くの学びやサポートをくださった先生方や学生のみなさま。心から感謝申し上げます。

英語と日本語の世界を行き来して、2 つの世界の橋渡しができるよう育てて世界を広げてくれた両親には感謝してもしきれません。父には本書の英文校正も担当してもらい、心から感謝しております。そして本書を手に取ってくださったみなさま、本当にありがとうございます。この本がみなさまの医療のキャリアと人生において少しでも力になり、夢や目標の舞台で活躍されますように。

最後に…

執筆期間は新型コロナウイルスのパンデミックの真っ只中でした。過酷で不安な状況のなか、それぞれの場面でご尽力いただいている医療関係者のみなさまに心からの敬意と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。


2022年5月吉日

著者Maya Vardaman

目次

Chapter 1 丁寧な英語の基本とマインドセット

伝え方の基本:相手や状況に合った丁寧な表現を選ぶ

伝えるための準備:英語の「敬語」を使いこなす

伝えるための表現の工夫:英語の丁寧さを調節する方法

Chapter 2 発表・プレゼンテーション

伝え方の基本:プレゼンテーションの心構え

伝えるための準備 その1:プレゼンテーションの準備

伝えるための準備 その2:オンラインのプレゼンテーション

伝えるための表現の工夫:スムーズなプレゼンテーション

伝え方の実践 その1:スムーズなプレゼンテーション

伝え方の実践 その2:ポスタープレゼンテーション

Chapter 3 外来診療

伝え方の基本:外来診療でのコミュニケーション

伝えるための表現の工夫:場面別の丁寧なコミュニケーション

伝えるための実践:言語と非言語をうまく組み合わせる

Chapter 4 病棟診療

伝え方の基本:入院患者に対する丁寧なコミュニケーションとマナー

伝えるための表現の工夫:場面別の丁寧なコミュニケーション

伝えるための実践:病棟往診でのマナーと気遣い

Chapter 5 電話・メール

伝え方の基本:丁寧な電話対応

伝えるための準備:電話対応のポイント

伝えるための表現の工夫:電話を受けるとき・かけるとき

伝えるための実践:困ったときの対処法

伝え方の基本:丁寧なメール対応

伝えるための準備:メールのポイント

伝えるための表現の工夫:メールを送るとき

伝えるための実践:状況に合わせたメール

Chapter 6 ミーティング・ディスカッション

伝え方の基本:各ミーティングの特徴

伝えるための準備:患者の状態を正確、かつ迅速に伝える

伝えるための表現 その1:ミーティング全般

伝えるための実践 その1:ミーティング全般

伝えるための表現 その2:オンラインミーティング

伝えるための表現 その3:対面・オンライン共通

伝えるための実践 その2:議論を発展させる・その他

Chapter 7 論文提出

カバーレターの基本

伝えるための実践:エディターからの連絡

Chapter 8 海外留学に向けて

伝え方の基本:現場で求められる英語力

伝えるための準備:米国留学の切符をつかむ

伝えるための表現の工夫:プロフェッショナルな話し方を心がける

伝え方の実践:困ったときの対処法

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書籍情報

  • ISBN:9784621307205
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2022年6月
  • 電子版発売日:2022年7月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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