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看護師のための臨床輸血 第3版 学会認定・臨床輸血看護師テキスト

  • ページ数 : 144頁
  • 書籍発行日 : 2022年8月
  • 電子版発売日 : 2022年8月10日
3,520
(税込)
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商品情報

内容

今、看護師に必要な臨床輸血の知識が全て手に入る!

学会認定・臨床輸血看護師制度カリキュラム委員会のもと,学会認定・臨床輸血看護師を目指す上で必要な基本的知識や看護能力を平易かつ分かりやすく解説したテキストの改訂第3版.リアルに講義を受けているような分かりやすい紙面はそのままに,各血液製剤の最新ガイドライン・指針や薬剤の動向などを踏まえてブラッシュアップした.試験範囲もカバーされた.輸血看護を学び始めた初学者の自習用としても役立つ1冊になっている.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

はじめに


このテキストは,学会認定・臨床輸血看護師制度の試験受験者を対象に行われた講習会の内容を 講演者の了解のもとに編集して単行本にしたものです.今回の改訂第3版では「多職種連携による 輸血療法」を追加しました.

この本は試験を受験する皆さんが講習会でテキストとして使うだけでなく,将来資格の取得を希 望される方や臨床輸血の知識を自習したいと思っている皆さんにも役立つものとなっています.

日本輸血・細胞治療学会の安全委員会・輸血用語集タスクフォースは,「輸血副作用」を「輸血副 反応」に変更すると発表しました.「副作用」は,目的とした作用以外の作用と定義され(例: 薬疹 など),「副反応」は,主要な反応以外の反応と定義され,予想されていることが多いです(例: ワ クチン接種部位の腫脹など).今後,本学会から公表される出版物,学術集会の抄録や発表,学会誌 への投稿論文などの記述に関しては,本変更に準じることに合わせて,このテキストにおいても「輸 血副反応」に統一します.


この本の特徴と使い方

1. この本はあなたの書き込みによって完成します

この本は過去の講習会で講演された内容をまとめたものです.次の講習会で新たに話されるトピックスやup‒to‒dateな内容は,あなた自身がこの本に書き込みましょう.そのためのスペースを設けてあります.

血液製剤や輸血療法に関して,改訂事項があれば,日本輸血・細胞治療学会のホームページにその内容を掲載します.参考にしてください.

この本では足りない部分や興味を持った事柄があれば,指定の参考図書を使って調べましょう.なお,指定参考図書については第15章に記してあります.


2. この本には読者の理解を助ける工夫があります

① プレゼンテーション形式の図表(パネル)を文章と組み合わせて,見やすく配置しました.

② 【参考】の指示は,この本の中で参考になる章や資料を示しています.

③ 【注意】の指示は,誤りやすいことや問題となりやすい点を示しています.

④ 【重要】の指示は,ぜひ覚えておきたい重要な点を示しています.

⑤ 【自習】の指示は,試験等に備えて自分でまとめておくとよい点を示しています.

⑥ 講習会当日に示される新しい内容などを書き込むメモ欄を設けました.

⑦ 輸血臨床でしばしば問題となる事項を「輸血Q & A」として第14章にまとめてありますのでご活用ください.

目次

1 学会認定・臨床輸血看護師制度導入の趣旨〈大戸斉〉

2 血液製剤の管理と使用指針 総論〈牧野茂義〉

1.輸血用血液製剤

1.1 赤血球製剤の概要

(1)人全血液

(2)人赤血球液

(3)洗浄人赤血球液

(4)解凍人赤血球液

(5)合成血液

1.2 血漿製剤

(1)新鮮凍結血漿の概要

(2)新鮮凍結血漿の取り扱い上の注意点

1.3 血小板製剤

(1)血小板製剤の概要

2.血漿分画製剤

2.1 アルブミン製剤の概要

3.血液製剤の使用指針

3.1 赤血球製剤の使用指針

3.2 新鮮凍結血漿の使用指針

3.3 血小板製剤の使用指針

3.4 アルブミン製剤の使用指針

3 危機的出血への対応ガイドライン〈坂口嘉郎〉

1.危機的出血

1.1 危機的出血の定義

1.2 危機的出血で起こる悪循環

1.3 危機的出血の発生頻度

1.4 危機的出血発生に関与する因子

1.5 輸血用血液オーダーに関する迷い

2.「危機的出血への対応ガイドライン」

2.1 「危機的出血への対応ガイドライン」作成の背景

2.2 危機的出血への対応

2.2.1 コマンダーの選任

2.2.2 非常事態宣言

2.2.3 役割の分担

2.2.4 急速輸血ポンプ使用上の注意点

3.周術期の異型適合血の問題点

4.放射線照射の必要性

5.血液製剤の使用指針

6.危機的出血への対応のまとめ

4 内科領域における輸血療法〈高見昭良〉

1.血液製剤の使用指針

1.1 赤血球輸血

1.1.1 慢性貧血に対する適応(内科的疾患)

1.1.2 急性出血に対する適応

1.1.3 赤血球輸血の評価

1.2 血小板輸血

1.3 血漿輸血

1.4 アルブミン製剤の投与

2.内科的疾患における輸血療法

2.1 輸血を必要とする主な血液疾患

2.2 造血器悪性腫瘍における貧血の原因

2.3 急性白血病

2.3.1 急性白血病の治療法と特徴

2.3.2 急性白血病における赤血球輸血

2.3.3 急性白血病における血小板輸血

2.4 造血不全

2.4.1 再生不良性貧血の治療法と特徴

2.4.2 造血不全における赤血球輸血

2.4.3 造血不全における血小板輸血

2.5 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)における輸血

2.6 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)における輸血

2.7 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

3.造血幹細胞移植

3.1 造血幹細胞移植の特徴

4.肝硬変における輸血

5.消化管疾患における輸血

6.腎疾患における輸血

5 周術期・外科領域における輸血療法〈香取信之〉

1.輸血の歴史

2.周術期に使用する輸血用血液製剤とその適応

2.1 赤血球製剤(RBC: red blood cells)

2.2 新鮮凍結血漿(FFP: fresh frozen plasma)

2.3 血小板濃厚液(PC: platelet concentrate)

2.4 アルブミン製剤

3.周術期・外科領域の輸血の実際

3.1 周術期に輸血を必要とする疾患・術式

3.2 周術期出血への対応

3.2.1 緊急輸血

3.2.2 大量出血

3.3 手術室での輸血と準備

3.3.1 オーダー時の留意事項

3.3.2 待機手術での輸血準備

3.3.3 術前に注意を要する疾患

3.3.4 術前の輸血

3.3.5 術中の輸血

3.3.6 大量出血をきたしやすい手術・疾患

3.3.7 大量出血の病態

3.3.8 術後の輸血

6 産科領域における輸血療法〈橘大介〉

1.周産期の出血

2.産科出血への対応

2.1 輸血前検査

2.2 診断

2.3 分娩経過中

2.4 産科危機的出血

2.5 救命を優先した輸血

2.6 止血方法の種類

2.7 自己血

3.大量出血を起こす病態

4.周産期出血の問題点

5.大量出血をきたす病態(各論)

5.1.1 弛緩出血

5.1.2 弛緩出血への対応

5.2.1 子宮頸管裂傷

5.2.2 子宮頸管裂傷への対応

5.3.1 常位胎盤早期剝離

5.3.2 常位胎盤早期剝離の症状と診断

5.3.3 常位胎盤早期剝離の治療

5.4.1 前置胎盤

5.4.2 前置胎盤の診断と管理

5.5.1 癒着胎盤

5.5.2 癒着胎盤の治療

5.6 その他

6.症例提示(O 大学産婦人科経験例報告)

6.1 大量出血症例

6.2 ITP(血小板減少性紫斑病)合併妊娠

7 小児科領域の輸血療法〈梶原道子〉

1.小児輸血の特殊性

2.小児の輸血検査

2.1 血液型検査

2.2 不規則抗体検査

3.小児での血液製剤の使いかた

3.1 乳児期以降の輸血

3.1.1 赤血球輸血

3.1.2 新鮮凍結血漿

3.1.3 血小板濃厚液

3.2 新生児に対する赤血球輸血

3.2.1 赤血球製剤の使用指針

3.2.2 赤血球の投与量

3.2.3 留意点

3.2.4 低出生体重児の特徴

3.2.5 新生児への血小板濃厚液の適正使用

3.2.6 新生児への新鮮凍結血漿の適正使用

4.小児の輸血に用いる器材

4.1 留置針

4.2 輸血に用いることのできる輸液ポンプ

4.3 輸血の加温器(の適応)

5.交換輸血について

5.1 交換輸血の適応疾患

5.2 輸血量

5.3 方法

5.4 使用する製剤

5.5 合併症

6.小児輸血と副反応

6.1 輸血後感染症

6.2 輸血と高カリウム血症

7.小児輸血の安全対策

7.1 輸血の投与量・投与速度に関する過誤

7.2 ABO 不適合輸血について

8.宗教的理由による輸血拒否

8 輸血の実際と看護〈松川恵梨子・梅木智美・北澤淳一〉

1.輸血前の準備: 血液製剤の申し込みから出庫まで

1.1 説明と同意書(インフォームド・コンセント)

(1)小児の場合

(2)宗教的輸血拒否の場合

1.2 輸血前検査

1.3 輸血の申込

1.3.1 オーダリングの場合

1.3.2 伝票の場合

1.4 輸血指示の確認

1.5 交差適合試験用検体採血(必要時)

1.6 血液製剤の出庫と保管

2.輸血の実際

2.1 血液製剤の準備

2.2 輸血を行うための準備・必要な器具

2.3 輸血実施時

2.4 輸血事故防止のための重要事項

3.輸血中の観察

3.1 輸血開始直前の観察

3.2 輸血開始直後の観察

3.3 輸血開始後の観察

3.4 輸血終了時の観察

4.輸血後の注意

4.1 輸血副反応発生時の対策

4.2 異型輸血による急性溶血反応への対応

(1)ABO 不適合輸血

(2)ABO 不適合輸血の症状

(3)ABO 不適合輸血発生時の看護

9 多職種連携による輸血療法〈牧野茂義〉

1.チーム医療とは

2.輸血チーム医療に関する指針

2.1 輸血責任医師の役割

2.2 看護師の役割

2.3 臨床検査技師の役割

2.4 薬剤師の役割

2.5 事務・会計部門職員の役割

3.輸血療法委員会の役割

4.輸血医療チームの役割

4.1 多職種スタッフ(輸血医療チーム)による院内監査(巡視)の役割

4.2 外部監査

5.マニュアルの作成と見直し

6.輸血療法委員会と輸血医療チームの違い

7.多職種連携の効果と展望

7.1 多職種連携による輸血療法の具体的な効果

7.2 多職種連携による輸血療法の今後の展開

8.最後に

10 自己血輸血〈塗谷智子・高橋理栄・北澤淳一〉

1.貯血式自己血輸血

1.1 適応

1.2 禁忌

1.3 利点

1.4 問題点

1.5 保存方法

1.5.1 全血冷蔵保存

1.5.2 MAP 赤血球と新鮮凍結血漿(FFP)に分割して保存

1.5.3 冷凍赤血球とFFP 保存

2.希釈式自己血輸血

2.1 適応

2.2 禁忌

2.3 利点

2.4 問題点

2.5 方法

2.6 留意点

3.回収式自己血輸血

3.1 適応

3.2 禁忌

3.3 利点

3.4 問題点

3.5 方法

3.5.1 術中回収式に関する基準

3.5.2 術後回収式に関する基準

3.5.3 留意点

4.自己血輸血の実施手順

4.1 採血前日までの確認事項

4.2 採血当日の必要物品

4.3 採血前に行うこと

4.3.1 全身状態の確認

4.3.2 採血ラベルへの署名と確認

4.3.3 採血バッグの確認

4.3.4 採血部位の決定と皮膚消毒

4.3.5 穿刺時に行うこと

4.3.6 採血中に行うこと

4.3.7 採血後に行うこと

4.3.8 採血後の生活について

11 輸血副反応とその対策〈牧野茂義〉

1.輸血副反応(総論)

1.1 輸血副反応の分類

1.1.1 免疫学的副反応

1.1.2 非免疫学的副反応

1.2 輸血副反応の基準項目と症状

2.輸血副反応(各論)

2.1 急性溶血反応

2.2 輸血関連急性肺障害(transfusion‒related acute lung injury: TRALI),輸血関連循環過負荷(transfusion‒associated circulatory overload: TACO)

2.3 輸血後移植片対宿主病(post‒transfusion graft‒versus‒host disease: 輸血後GVHD)

2.4 輸血感染症

2.4.1 輸血後感染症と病原体

2.4.2 輸血感染症対策

2.4.3 輸血に由来する肝炎のリスクの変遷

2.4.4 細菌感染

2.5 非溶血性副反応

2.5.1 発熱性非溶血反応

2.5.2 アレルギー反応

3.輸血副反応の対応と検査

12 輸血検査〈北澤淳一〉

1.輸血検査

2.血液型検査

2.1 ABO 血液型検査法

2.1.1 オモテ検査

2.1.1.1 スライド法

2.1.1.2 試験管法

2.1.2 ウラ検査: 試験管法

2.1.3 総合判定

2.2 RhD 血液型検査法

3.不規則抗体検査

3.1 不規則抗体

3.2 不規則抗体検査の実際

4.交差適合試験

4.1 交差適合試験の実際

13 輸血に関わる法制度,倫理等〈河野武弘〉

1.安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(血液法)

2.医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法,旧薬事法)

3.特定生物由来製品と救済制度

3.1 生物由来製品と特定生物由来製品

3.2 生物由来製品感染等被害救済制度

4.説明と同意: インフォームド・コンセント

5.宗教上の理由により輸血治療を拒否する患者への対応

6.血液製剤等に係る遡及調査

14 輸血Q & A 〈阿部智美・片野めぐみ・平安山知子〉

Q1.標準的な輸血の速度はどのくらいですか?

Q2.輸血は何ゲージの針まで使用可能ですか?

Q3.薬剤との混注は可能ですか?

Q4.同じラインから輸血に続いて抗菌薬や他の薬剤を投与する場合にはどうしたらよいですか?

Q5.赤血球液や血小板製剤はなぜフィルター付きのルート(セット)を使用しなくてはいけないのですか?

Q6.赤血球液を使用する際,輸血セットのフィルター部分をすべて満たさなくてもよいですか?

Q7.洗浄血小板とは何ですか?

Q8.RhD 陽性の患者にRhD 陰性の製剤を使用しても問題はないですか?

Q9.RhD 陰性の患者に新鮮凍結血漿や濃厚血小板を輸血する場合,RhD 陽性の製剤を用いてよいですか?

Q10.血小板を振盪しながら保存するのはなぜですか?

Q11.赤血球液を間違って冷凍庫で保存してしまいました.使用できますか?

Q12.新鮮凍結血漿を融解したら,白い浮遊物が生じていました.使用できますか?

Q13.加温が必要な場合はどんな時ですか?

Q14.クリオプレシピテートとは何ですか?

15 参考図書

編集後記

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498175082
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:2022年8月
  • 電子版発売日:2022年8月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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