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筋骨格系理学療法を見直す~はじめに技術ありきの現状から,どう新展開するか

  • ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 2011年10月
  • 電子版発売日 : 2022年8月24日
7,700
(税込)
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商品情報

内容

筋骨格系関節障害に対する理学療法の役割を見直すための指南書!

筋骨格系関節障害に対する理学療法の役割を見直すための指南書.基礎理論とともに,実際の症例にどうやって活用するかのヒントを解説する.基本的な評価から,多関節運動連鎖への全身障害として捉えていく推論の手順と,多関節運動連鎖を意識した理学療法の考え方,治療,さらに,具体的な関節疾患に絞って,評価・治療へと進める手順を述べ,治療手技,その効果に関するエビデンスも明確にする.

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序文


理学療法の主要な対象は整形外科疾患,殊に筋骨格系障害である.整形外科的手術の後療法として,理学療法は必要不可欠な位置にある.理学療法士は,医師とともに手術療法の知識を身につけ,術後リスク管理の指示を受け,そのうえで身体機能の回復を目指す.こうした治療体系は歴史的にも長く,経験的な技術は,理学療法独自のノウハウとして蓄積されてきたはずである.理学療法が医学的治療の補助を成し,治療効果を最大限に生かすことは当然の役割である.

整形外科の治療技術は近年で,めまぐるしい発展を遂げ,後療法の期間は短縮しつつある.効率的な後療法が求められ,その内容はルーチンワーク化しているように思われる.この傾向は治療の発展に伴う必然であるし,誤っているとは到底考えられない.けれども,果たしてそれでよいのだろうか.理学療法士という専門家として,次のステップを考えなければならない.

理学療法の位置付けとして後療法に重点を置くなら,単純である.しかし,疾病予防という観点も重要視され,治療体系のパラダイムチェンジがはかられている.対象は高齢化しつつある.これだけを考えても,理学療法の役目は変わらなければならない.これらは従来から周知の事実であり,当然考慮していたという声も聞こえてきそうだが,理想論だけが先走りしているようにしか思われない.

いま,筋骨格系理学療法を見直す必要がある.変えるのではなく,まずは“見直す”のである.本書を読んで知識や技術を身につけていただきたいというよりも,過去の良い点も悪い点もひっくるめて見直し,発展させる手だてを見つけようと試みるのである.そのヒントが本書には隠されているはずである.ここでは,執筆者それぞれにさまざまな思いで自由に執筆していただいた.一見矛盾するように見えるところはあるかもしれないが,元を辿れば共通の認識で執筆されている.多様の中に1本筋が通っている.手前味噌で,はなはだ恐縮するが,なかなかの良書に仕上がったと考えている.

今回の発刊に当たり,ご協力・ご執筆頂いた著者の皆様には深謝申し上げる.今が最高であるはずはない.いつの日か,理学療法独自の専門性確立に向けて,躍進できることを期待して止まない.


2011年9月

対馬 栄輝

目次

第1章 筋骨格系関節障害に対する理学療法のあるべき姿とは?

1 理学療法の何が問題か?

2 筋力増強運動の問題とは?

3 関節可動域運動の問題とは?

4 疼痛に対する理学療法の問題とは?

第2章 基礎から理学療法を見直すヒント

1 下肢関節疾患に対する手術療法後における身体機能を見直すヒント

2 運動学と理学療法の結びつきを見直すヒント

3 生体力学と理学療法の結びつきを見直すヒント

4 筋協調性と理学療法の結びつきを見直すヒント

5 バランス機能と理学療法の結びつきを見直すヒント

第3章 理学療法評価・臨床推論を見直す

1 基礎情報の評価について

2 リスクの評価について

3 関節機能評価について

4 姿勢の評価について

5 動作の評価について

6 歩行分析について

7 能力評価について

8 疼痛の評価について

第4章 理学療法治療を見直す

1 単関節機能障害と多関節運動連鎖

2 上肢からみた多関節運動連鎖と障害のとらえ方,その運動療法

3 体幹からみた多関節運動連鎖と障害のとらえ方,その運動療法

4 下肢からみた多関節運動連鎖と障害のとらえ方,その運動療法

5 装具・歩行補助具について

6 生活指導について

第5章 各疾患に対する理学療法

1 股関節疾患の理学療法はどうあるべきか?

2 膝関節疾患の理学療法はどうあるべきか?

3 足関節疾患の理学療法はどうあるべきか?

4 肩関節疾患の理学療法はどうあるべきか?

5 脊椎疾患の理学療法はどうあるべきか?

知っておきたいこと ア・ラ・カルト

1.徒手筋力測定器を用いた筋力測定法の工夫

2.姿勢・動作観察のコツ

3.最小侵襲手術(MIS)とは?その利点と欠点

4.CPMの効果

5.トレンデレンブルク徴候・デュシェンヌ現象

6.疼痛の評価,またはその尺度について

7.膝関節疾患にみられるエクステンションラグの原因と対策

8.下肢伸展挙上の効果は?

9.遠心性収縮による筋力増強運動法についてー理論と方法,効果についてー

10.膝関節疾患の関節水腫の原因とその対策方法

11.下肢関節疾患の機能評価(WOMAC,JKOM)について

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書籍情報

  • ISBN:9784830643873
  • ページ数:432頁
  • 書籍発行日:2011年10月
  • 電子版発売日:2022年8月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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