• ページ数 : 914頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2022年8月26日
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商品情報

内容

小児科学会が専門医到達目標に定める疾患をすべて体系的に学べる!

小児科専門医を目指す人にも,すでに臨床で小児を診ている人にも知識の整理に最適な1冊.大阪大学小児科の専門医育成のノウハウを凝縮し,疾患の概要・定義から必要な検査,治療戦略や専門医の診療のコツまでわかりやすく伝授する,治療の基本方針の一歩先に進むための必読書.

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序文

巻頭言

小児科医に求められることは多岐にわたります.専門性を持って臓器特異的に疾病を診ることのみならず,総合診療的な視点を持って子どもを全人的に支え,子どもの健全な発育,健康増進を図ることも小児科医の役割です.すなわち,小児科医は,子どもの総合診療医(診療を行う医師)に留まらず,診療以外でも子どもに寄り添うことが必要です.このような背景から,日本小児科学会は「小児科医は子どもの総合医である」と定義しています.同学会の小児科専門医の医師像を示す図では,小児科専門医を,子どもの総合診療医,育児・健康支援者,子どもの代弁者,学識・研究者,医療のプロフェッショナルの5 つの視点から捉え,小児科専門医が身につけるべき内容を設定しています.さらに,小児科専門医は,子どものみならず,家族や社会環境にも注意を払う必要があると考えられます.家族の中のキーパーソンとのコミュニケーションの中から,患者の背景を理解することは,小児医療の基本であると言えます.このような多彩な役割を求められる小児科医となるのはどのようにすれば良いのか? この問いの答えは,小児科専門医を目指す若い医師のみならず,指導的立場の小児科医も考えなくてはいけない課題と思います.

小児科医の専門性を高める方法の一つは,知識の整理に役立つ教科書を熟読することではないかと思います.大阪大学小児科学教室は2023 年に創立125 周年を迎えるにあたり,今までの経験を活かして『小児科診療指針エッセンス』を出版することにしました.これまでも大阪大学小児科では,小児科専門医取得を目指す若手医師を対象として毎年「サマーセミナー」を開催し,小児科専門医に求められる知識の整理の場を提供して参りました.本教科書でも,日本小児科学会が示す到達目標に則して,内容を簡潔にまとめています.大阪大学小児科および関連病院では,小児科診療の広範な分野をカバーできる豊富な経験を持った講師陣が揃っていることで,このようなことが可能となりました.

この教科書が,小児科専門医取得を目指す若手医師あるいは小児科診療の進歩の情報を得たい一般小児科医の一助となり,長く愛用されることを願っています.


2022年7月吉日

大阪大学大学院医学系研究科 小児科学
大薗 恵一

目次

総論

1 小児 〈大薗恵一〉

2 新生児(新生児の一般的養護,生理機能の変化,身体所見,母子の愛着形成) 〈北畠康司〉

3 思春期 〈窪田拓生〉

4 AYA(思春期・若年成人) 〈橋井佳子〉

5 小児保健 〈松岡太郎〉

6 小児科専門医試験に向けた症例要約の書き方 〈北畠康司〉

1 章 新生児疾患・先天異常

1 新生児の栄養 〈荒堀仁美〉

2 早産児・低出生体重児 〈和田和子〉

3 新生児蘇生とハイリスク新生児 〈荒堀仁美〉

4 分娩損傷(頭血腫,帽状腱膜下血腫,骨折,腕神経叢麻痺) 〈南原利彦〉

5 新生児の呼吸器疾患 〈平田克弥〉

6 循環器疾患(PDA,PPHN,主な先天性心疾患) 〈望月成隆〉

7 消化器疾患(初期嘔吐,主な消化器閉鎖疾患,胃食道逆流) 〈坂野公彦〉

8 黄疸および血液疾患(新生児黄疸,多血症,貧血,新生児血小板減少症,DIC) 〈平野慎也〉

9 感染症 〈野崎昌俊〉

10 中枢神経疾患 〈谷口英俊〉

11 先天異常 〈北畠康司〉

2 章 先天性代謝疾患

1 アミノ酸代謝異常症 〈大友孝信〉

2 有機酸代謝異常症 〈濱田悠介〉

3 脂肪酸代謝異常症 〈濱田悠介〉

4 糖質代謝異常症 〈酒井規夫〉

5 尿素サイクル異常症 〈濱田悠介〉

6 ライソゾーム病 〈大友孝信〉

7 ペルオキシソーム病 〈大友孝信〉

8 ミトコンドリア病 〈濱田悠介〉

9 銅代謝異常症 〈酒井規夫〉

10 新生児マススクリーニング対象疾患 〈酒井規夫〉

3 章 内分泌・代謝性疾患

1 成長障害 〈大薗恵一〉

2 肥満・やせ 〈川井正信〉

3 思春期早発症・早発乳房 〈三善陽子〉

4 糖尿病 〈窪田拓生〉

5 副甲状腺機能低下症 〈大幡泰久〉

6 骨系統疾患 〈道上敏美〉

7 脂質異常症 〈難波範行〉

8 高身長 〈武鑓真司〉

9 甲状腺機能亢進症・低下症(新生児も含む) 〈安田紀恵〉

10 性腺機能低下症・思春期遅発症・Turner 症候群 〈三善陽子〉

11 性分化疾患 〈川井正信〉

12 先天性副腎過形成症 〈橘真紀子〉

13 くる病 〈窪田拓生〉

14 尿崩症・心因性多飲・ADH 不適切分泌症候群 〈大幡泰久〉

15 高血圧症 〈山本賢一〉

4 章 生体防御・免疫・膠原病・リウマチ性疾患

1 免疫不全(重症複合免疫不全症・無γグロブリン血症・慢性肉芽腫症・脾摘後・脾機能低下・自己免疫性好中球減少症・血球貪食症候群) 〈時政定雄〉

2 若年性特発性関節炎 〈岡村隆行〉

3 全身性エリテマトーデス 〈岡村隆行〉

4 川崎病 〈川上展弘〉

5 章 アレルギー疾患

1 気管支喘息 〈亀田 誠〉

2 アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎 〈重川 周〉

3 アトピー性皮膚炎 〈吉田之範〉

4 蕁麻疹,血管性浮腫,多型滲出性紅斑 〈釣永雄希〉

5 食物アレルギー 〈髙岡有理〉

6 アナフィラキシー 〈亀田 誠〉

7 新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症 〈上野瑠美〉

8 薬物アレルギー 〈釣永雄希〉

6 章 感染症

1 呼吸器感染症 〈奥野英雄〉

2 腸管感染症 〈長谷川泰浩〉

3 皮膚軟部組織・骨関節 〈野崎昌俊〉

4 真菌感染症 〈吉田寿雄〉

5 性感染症 〈天羽清子〉

6 ワクチン 〈奥野英雄 多屋馨子〉

7 敗血症 〈山岸義晃〉

8 髄膜炎およびそのほかの中枢神経系感染症 〈山岸義晃〉

9 耐性菌・感染制御 〈吉田寿雄〉

7 章 呼吸器

1 クループ症候群 〈錦戸知喜〉

2 急性気管支炎,急性細気管支炎,感染性肺炎 〈錦戸知喜〉

3 気道異物 〈松本 昇〉

4 鼻副鼻腔炎 〈浦上可奈子〉

5 喉頭軟化症 〈浦上可奈子〉

6 空気漏出症候群(気胸,縦隔気腫,皮下気腫) 〈松本 昇〉

7 膿胸 〈錦戸知喜〉

8 無気肺(肺水腫) 〈吉田之範〉

8 章 消化器

1 腸重積症 〈木村武司〉

2 反復性腹痛 〈惠谷ゆり〉

3 肝機能異常 〈別所一彦〉

4 脂肪肝 〈別所一彦〉

5 肥厚性幽門狭窄症 〈木村武司〉

6 小児の機能性便秘症 〈倉川(池田)佳世〉

7 過敏性腸症候群 〈萩原真一郎〉

8 ビタミン・微量元素欠乏症 〈惠谷ゆり〉

9 IgA 血管炎(血管性紫斑病) 〈大沼真輔〉

9 章 循環器疾患

1 心房中隔欠損 〈高橋邦彦〉

2 心室中隔欠損症 〈鳥越史子〉

3 動脈管開存症 〈前川 周〉

4 ファロー四徴症 〈石井陽一郎〉

5 川崎病後冠動脈後遺症 〈小垣滋豊〉

6 感染性心内膜炎 〈田中智彦〉

7 肺高血圧症 〈三原聖子〉

8 特発性心筋症 〈石井 良〉

9 散発性期外収縮(上室,心室),WPW 症候群 〈森 雅啓 萱谷 太〉

10 徐脈性不整脈(房室ブロック) 〈青木寿明〉

11 突然死の可能性がある不整脈疾患(QT 延長症候群,Brugada 症候群) 〈吉田葉子〉

10章 血液・腫瘍

1 鉄欠乏性貧血・続発性貧血・溶血性疾患 〈宮村能子〉

2 血小板減少,免疫性血小板減少性紫斑病 〈茶山公祐〉

3 白血病・リンパ腫 〈宮村能子〉

4 脳腫瘍 〈原 純一〉

5 小児がん(骨軟部腫瘍) 〈藤崎弘之〉

6 小児がん(そのほかの固形腫瘍) 〈澤田明久 井上雅美〉

7 播種性血管内凝固症候群(DIC) 〈坂田尚己〉

11章 腎・泌尿器

1 急性糸球体腎炎・急速進行性腎炎症候群・溶血性尿毒症症候群 〈北岡太一〉

2 ネフローゼ症候群・体位性(起立性)蛋白尿 〈北岡太一〉

3 血尿・慢性腎炎症候群 〈山本勝輔〉

4 尿細管機能異常症 〈藤原 誠〉

5 先天性腎尿路異常 〈山村なつみ〉

6 急性腎盂腎炎・尿路感染症 〈藤原 誠〉

12章 神経・筋疾患

1 熱性けいれん 〈鈴木保宏〉

2 てんかん 〈青天目 信〉

3 顔面神経麻痺 〈最上友紀子〉

4 脳炎・脳症 〈塩見正司〉

5 脳性麻痺 〈荒井 洋〉

6 高次脳機能障害 〈北井征宏〉

7 ミオパチーと筋ジストロフィー 〈沖永剛志〉

8 脊髄性筋萎縮症 〈木水友一〉

9 神経皮膚症候群 〈下野九理子〉

10 水頭症 〈富永康仁〉

11 慢性頭痛(片頭痛・緊張性頭痛) 〈青天目 信〉

13章 精神・行動・心身医学

1 心身症 〈平田郁子〉

2 夜尿症・遺尿症・心因性頻尿 〈中山尋文〉

3 精神運動発達遅滞・言語発達遅滞 〈下野九理子〉

4 自閉スペクトラム症 〈毛利育子〉

5 注意欠如・多動症(ADHD) 〈橘 雅弥〉

6 夜泣き・夜驚症 〈毛利育子〉

7 愛着障害・メンタルヘルス 〈橘 雅弥〉

8 神経性やせ症,回避・制限性食物摂取症 〈倉川(池田)佳世〉

14章 救急

1 けいれん発作・軽症胃腸炎に伴うけいれん 〈鈴木保宏〉

2 気管支喘息の急性増悪(発作) 〈大塚康義〉

3 ショック 〈髭野亮太〉

4 急性心不全 〈成田 淳〉

5 脱水症 〈中山尋文〉

6 急性腹症 〈山田寛之〉

7 急性腎不全 〈山本勝輔〉

8 虐待・ネグレクト 〈別所一彦〉

9 乳幼児突然死症候群 〈谷河純平〉

10 来院時心肺停止 〈石田秀和〉

11 溺水,外傷,熱傷,熱中症 〈外川正生〉

12 頭部外傷・脳震盪 〈外川正生〉

13 異物誤飲・誤嚥,中毒 〈外川正生〉

15章 関連領域

1 小児外科 〈臼井規朗〉

2 脳神経外科 〈香川尚己〉

3 日常診療で知っておきたい小児眼疾患 〈森本 壮〉

4 整形外科 〈樋口周久〉

5 泌尿器科 〈松本富美〉

6 耳鼻咽喉科 〈太田有美〉

7 産婦人科 〈遠藤誠之 橋本香映〉

8 歯科・口腔科 〈藤原 誠〉

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書籍情報

  • ISBN:9784498145764
  • ページ数:914頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2022年8月26日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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