症状から一発診断! 足の専門医はこう見立てる

  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2022年9月9日
8,800
(税込)
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商品情報

内容

●足の外科の専門医はもちろん、開業医、後期・初期研修医、救急医、理学療法士、看護師など、足の診療・リハビリテーションに携わるすべての方へ。
●主訴から疾患を絞り込むことをコンセプトに解説。実臨床で困った際に役に立つ一冊!
●リハビリテーション・エコー等の動画で、動的に理解が深まる。さらに、付録の疾患別リーフレットで、診療を効率化。


特長1 鑑別の難しい足の疾患を、痛みの部位から鑑別できる。足は皮下組織が薄く、骨・腱・靭帯・筋肉を触れることができるため、「触診・圧痛」に重きを置いて解説。部位を細かく分け、鑑別に悩んだ際の一助となる。
特長2 外来を想定し、鑑別から検査、治療までの流れを丁寧に解説。加えて、保存療法から手術になるタイミングを含めて、患者への外来での説明例を載せた。
特長3 装具の種類や使用・固定期間、エコーによるインターベンション、疾患別に必要なリハビリテーションを具体的に記載。保存療法が具体的にわかる。
特長4 リハビリテーション動作、エコー等の動画を充実させ、動的に理解しやすくした。また、患者に説明する際にも動画を見せることで、患者の理解も深めることができる。
特長5 付録として、患者配布用の疾患別リーフレットを設けた。印刷して患者に渡すことで、手間を効率化でき、かつ患者教育にも有用。

あわせて読む → 症状から一発診断!整形外科専門医はこう見立てる(第2版)

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序文

序文


とにかく足の臨床に沿った教科書が作りたかった.

以前,『症状から一発診断! 整形外科専門医はこう見立てる』を執筆させていただいたが,その本の特長として,患者の主訴から入って診断をつけていく本とした.これまでの整形外科の教科書が疾患ごとに並べられていることに違和感を覚えていた.はじめから診断がついていればその疾患について調べるのは簡単だが,実際はそうではない.臨床の現場において,患者を前にした臨床家が知りたいのは,どうやって正しい診断にたどり着くか,である.目の前の患者の状態から何を考え,どう進めていけばいいのか,その指南書が欲しい.そして私が専門とする足首から下の部分を診療する,足の外科領域に関してそのような教科書が作りたい.足は皮下組織が少なく,骨や関節などの位置が確認しやすい.そのため,

足の外科領域においては,「主訴」と「触診」で,ある程度疾患が絞り込める

これが,主訴から入る教科書として有用と考える理由の一つである.前回の一発診断を作成した時から心に秘めていた思いである.

また本書では,『症状から一発診断! 整形外科専門医はこう見立てる』にはない特長を持たせた.診療において大事なこととして,患者自身の病態の理解が挙げられる.忙しい診療時間の中で患者の理解を深めるのは簡単ではない.そんな忙しい臨床家のために,疾患ごとのリーフレットを作成した.これを印刷して患者に説明し,そのまま患者に渡せば後で患者自身が復習することができ,理解が深まると考える.また外来診療を行うにあたり,保存的治療がしっかり行えるように,リハビリテーションに力を入れたのも本書の特長である.基本的なリハビリテーションが行えるようにリハビリテーションのリーフレットを充実させ,疾患と同様に印刷して,どんなリハビリテーションをすればいいかチェックを書き入れて,患者に渡せるよう工夫した.リハビリテーションはやりたいが専属の理学療法士がいないクリニックなどでは,ぜひ活用してほしい.

近年は画像検査が進歩し,診断の主役が画像に変わりつつある.画像検査により,これまで診断できなかった新しい病態が見つかり,診療体系が大きく変わった疾患もある.間違いなく,現在の整形外科診療において,画像検査はなくてはならないものである.本書ではできるだけ多くの画像検査を図として掲載した.また,瞬く間に検査法として広まったエコーもできるだけ掲載し,エコーの特徴の一つである動態評価も動画で見られるように工夫をした.

一方で,残念ながら身体所見を軽視する傾向が見られている.整形外科医ですら,身体を触らずに,画像検査だけ行って,「問題ないですよ」と言って診察終了,ということがよくある.患者との関係,患者をたくさん診なければならない環境などもあるとは思う.しかし,正確で,常に一定のパフォーマンスを誇る画像検査と比べ,

不安定で不確実な我々臨床家ができることは,せめて患者の声,身体に一生懸命耳を傾けることではないか.

足の診察を行うときは,患者に靴を脱がせて,どこが痛いのかを触ってほしいものである.本書を通じて臨床家は何が大事か,問い直すきっかけとなれば幸いである.

最後に,忙しい通常業務の中,ともに執筆していただいた有本竜也先生,真下翔太先生,そして締切を大きく過ぎても,嫌な顔一つせずにつきあっていただいた総合医学社の渡辺社長,江川様に心より感謝する.


天羽健太郎

目次

本書の読み方,使い方

本書の読み方

web動画・巻末付録について(web動画一覧)

主要略語一覧

総 論

解剖と機能解剖

問診・身体所見

画像診断

リハビリテーション

各 論

部位別疾患概要図

I.前足部疾患

母趾が変形してきた [外反母趾]

母趾の付け根が痛む [強剛母趾]

母趾の付け根(底側)が痛む [種子骨障害]

母趾の付け根が腫れて痛む [痛風(発作)]

足趾が変形してきた [槌趾変形]

第5趾が変形してきた [内反小趾]

歩くときに足趾の付け根の裏が痛む [モートン病(モートン神経腫)]

(少年、少女が)足の外側が痛む [イズラン病]

第2趾が痛む [フライバーグ病]

足趾の付け根が痛む [メタタルサルジア]

足の甲が痛む.足の外側が痛む [中足骨疲労骨折]

足趾をぶつけて痛む、腫れている [足趾骨折/脱臼]

物を落として足(の甲)が痛む、腫れている(または)足首をひねって痛む [中足骨骨折]

母趾が痛む [ターフトー]

足趾が動かない [腱断裂]

II.中足部疾患

足の甲が痛む [変形性リスフラン関節症]

足首の内側が痛む [成人期扁平足]

足の内側が痛む [(有痛性)外脛骨]

運動で足が痛む [舟状骨疲労骨折]

足を強く踏みつけてから足が痛む [舟状骨骨折]

足をぶつけてから足の甲が痛む [リスフラン関節損傷]

III.後足部疾患

歩くと足首が痛む [変形性足関節症]

誘因なく、足首が痛む [距骨壊死]

足の外側後方が痛む [腓骨筋腱障害]

捻挫後に足首外側の痛みが治らない [足根洞症候群]

運動すると脛(すね)の内側が痛む [脛骨疲労骨折]

運動すると足の奥が痛む [足根骨癒合症]

足首の前方が痛む [足関節前方インピンジメント症候群]

運動すると足首の後ろが痛む [足関節後方インピンジメント症候群(三角骨障害)]

運動するとアキレス腱が痛む [非付着部アキレス腱症(アキレス腱炎)/アキレス腱付着部症]

(思春期に)踵が痛む [シーバー病]

歩行時に(足底の)踵が痛む [足底腱膜炎]

足の裏にしこりができた [足底線維腫症]

足の裏が痺れる [足根管症候群]

足を捻挫してから足首が痛む [足関節骨折]

足首が痛む [距骨骨折]

捻挫をしてからずっと足首が痛む [距骨骨軟骨損傷]

足を捻挫した [足関節捻挫、足関節外側靱帯損傷]

足を捻挫してから痛みが治らない [慢性足関節不安定症]

捻挫をして外くるぶしの後ろが痛む [腓骨筋腱脱臼]

高所から落ちて踵が痛い [踵骨骨折]

踏み込んだ瞬間に足の後ろから音がして痛い [アキレス腱断裂]

足趾の付け根が腫れて痛む [関節リウマチ]

足がなんとなく腫れている [シャルコー足]

IV.足部・足関節全体

足にしこりができた [足部表在性腫瘤性病変]

骨が出っ張ってきた [骨腫瘍]

付 録

ギプスなどでの固定期間に実施すべき合併症予防

リハビリテーションのためのエクササイズ集

患者・家族のための 疾患解説用リーフレット

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書籍情報

  • ISBN:9784883787395
  • ページ数:280頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2022年9月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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