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- 臨床画像 2023年7月号 特集1:令和にアップデートしたい 膵癌の画像診断/特集2:よくわかる肝エラストグラフィ
商品情報
内容
撮像法
画像診断の進歩:CT−膵癌診療におけるdual-energy CTの有用性−
画像診断の進歩:MRI ほか
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序文
特集1:令和にアップデートしたい 膵癌の画像診断
序説
膵癌は,癌死亡原因の第4位に位置し,罹患者数と死亡者数はともに増加傾向にあり,日常診断する機会も増えている。膵は,解剖学的に対象が小さく,かつ,呼吸や消化管の蠕動およびガスの影響を受けやすく,良好な画像が取得しがたい特徴がある。しかしながら,近年の画像診断の進歩により,膵においても高空間・時間分解能の良質な画像が取得可能である。また,形態情報のみならず代謝や機能などの病態情報量も得られるようになっている。これらの恩恵により,近年,早期膵癌の画像所見も明らかとなりつつある。一方,『膵癌取扱い規約』や『NCCNガイドライン』においては,放射線科医が責任をもつべく推奨撮像条件のみならず,主に内科や外科医が関与する,治療に直結する病期や切除可能性の画像による評価法も記載されており,チーム医療に携わるすべての医師が最低限知っておくべき情報が日々更新されている。本特集は,膵癌評価のための標準的撮像法,画像診断の進歩,膵癌の検出能,進行度評価,治療効果判定や予測に関するこれまでのエビデンスや最新の情報,実際の診断法を包括的に学べるように企画・構成した。
最初に,九州大学の石松慶祐先生らに『画像診断ガイドライン 2021年版』に沿ってCT・MRIの標準的撮像法と読影上の注意点について解説いただいた。『NCCNガイドライン』においても,膵のプロトコル以外で撮像されたCTで,膵癌が描出された場合における膵プロトコルによる再撮像の必要性が記載されており,留意する必要がある。次に,画像診断の進歩として,熊本大学の永山泰教先生にはCT,信州大学の藤永康成先生らにはMRI,神戸市立医療センター中央市民病院の山根登茂彦先生らにはPET,鹿児島大学の橋元慎一先生らにはEUSの最新の診断技術をまとめていただいた。また,金沢大学の井上 大先生には,『画像診断ガイドライン 2021年版』,『膵癌診療ガイドライン2022年版』などの種々のガイドラインに準じて画像による膵癌の検出能および注意点を詳細に解説いただいた。最後に,日常の読影に必要な知識として,川崎医科大学の外園英光先生らには早期膵癌の特徴的画像所見と診断上の留意点,神戸大学の矢部慎二先生らには『膵癌取扱い規約 第7版増補版』に沿った病期診断と切除可能性の画像評価法,岐阜大学の野田佳史先生らには膵癌の化学療法効果判定や予測に関して,わかりやすくまとめていただいた。なかでも,化学療法後に切除可能性分類をガイドラインに沿って診断する場合は,過小評価する傾向にある点に留意する必要がある。
近年,癌取扱い規約やガイドラインに画像診断に関する事項が記載され,内科医や外科医も画像に関する多くの知識をもつようになっており,今後,放射線診断医はより多くの知識が求められると思われる。本特集をとおして少しでも読者の皆様の日常臨床に役に立てていただければ幸いである。
最後に,限られた誌面と多忙な日常にもかかわらず,素晴らしい原稿をご執筆いただいた先生方に,この場を借りて深くお礼申し上げます。
企画・編集:福倉良彦 川崎医科大学 放射線診断学
特集2:よくわかる肝エラストグラフィ
序説
筆者は2012年にわが国で肝のMRエラストグラフィ(magnetic resonance elastography;MRE)が保険診療として承認されて以来,幸いにも早期から関与できた施設の1つに勤務することができた。そのなかで,この技術の革新的素晴らしさとともに,困難さ,わかりにくさも感じていた。当時からこの肝MREの特殊性についてはさまざまな場で発信してきたつもりであるが,このたび本特集を企画監修する機会をいただいたのも,そのような背景があってのことと推察している。
肝エラストグラフィは,そもそもは肝生検でしかわからなかった慢性肝疾患における病理学的状況,なかでも発がんに最もかかわるとされる線維化の程度を非侵襲的に推定するため,まずは超音波検査で始まった手法である。われわれ放射線科医にとってはこの超音波エラストグラフィ(ultrasound elastography;USE)はやや縁遠い存在であったが,2012年に肝MREが薬事承認されると,否が応でも注目せざるをえない状況となった。その後世界レベルで肝MREの精度の高さについて多数のエビデンスが報告・蓄積され,わが国の『肝硬変診療ガイドライン2020(改訂第3版)』においても,MREが最も正確な非侵襲的肝線維化評価画像手段であることが明記されるに至っている。それにもかかわらず,薬事承認以来約10年経ってもさほどMREが国内で普及した感はないのが率直な印象である。これはひとえに,前述したわかりにくさ,より具体的には測定法の標準化の困難さ,に起因すると考えている。詳細は本企画内の各項目に譲るが,生体内の波伝搬の複雑性をいかに認識し,正しい測定部位で測定するかについて,文章による指示だけでは伝わりにくいことが如実に示されたといえよう。メーカーの添付文書はもちろんのこと,北米放射線学会下の組織QIBA(quantitative imaging biomarker alliance,https://qibawiki.rsna.org/images/5/54/MRE-QIBAProfile-2022-02-14-TECHNICALLY-CONFIRMED.pdf)からも詳細な測定法・注意点について自由に閲覧可能な状態であり,筆者らも早期に教科書を出版してもいる(『肝臓疾患診療におけるMREハンドブック』診断と治療社,2015年)。しかしながら,これらの手法では十分には伝えられていないことを,昨年(2022年)身をもって経験することとなった。それは昨年4月から肝MRE加算600点/年が正式に算定されたことを機に,その申請施設の評価をする立場を与えられ,全国の現状をみる機会を得たのであるが,わが国にMREが導入され10年経っても正しく使われていない施設が少なくない状況であることに愕然としたのである。その意味において,このタイミングで本企画をいただいたのは非常にタイムリーで有意義であると感じている次第である。
このような背景を踏まえ,本特集では5名のエキスパートの先生方に肝エラストグラフィの原理,現状から将来展望について解説いただいた。
まず,わが国でのMREの基礎的研究グループの流れを汲む慶應義塾大学の伊東大輝先生に,「難しい数式を使わず,特に“coherentな波”の概念が臨床レベルにも伝わるよう」解説をお願いした。続いて,筆者の施設からは高山幸久先生らに「測定時の関心領域ROIの設定の仕方,ポイント」について多数の図を用いてわかりやすい解説をお願いした。さらに,わが国保険収載の前,2010年から個人輸入の形でMREを開始していた山梨大学(当時),現・浜松医科大学の市川新太郎先生らには,その豊富なご経験を基に線維化診断の先にある臨床応用について執筆をお願いし,さらに,その独自の数学的アプローチでご高名な信州大学の山田 哲先生に,肝MREの今後の方向性について解説いただいている。そして最後にエラストグラフィの原点であるUSEも大きな発展を遂げているので,その最先端の現状を東京医科大学の杉本勝俊先生にお願いしている。いずれも内容の濃い,しかしながら現場に即したわかりやすい内容になっており,企画者としては高い完成度となったと自負している。
前述したように(本企画も含め)文書のみでの伝達には限界があることを踏まえ,今年(2023年)春の日本医学放射線学会総会ではMRE測定のハンズオンセミナーを開催し,参加者からは好評をいただいた。MREは以前は限られた機器メーカーの機種にしか対応していなかったが,現在では多くの機器メーカーが対応可能となっているのでMREが広く普及する下地は整ってきている。今後,MREが広く正しく普及していくことを祈念しつつ,本特集がその一助になることを願っている。
企画・編集:吉満研吾 福岡大学医学部 放射線医学教室
目次
特集1:令和にアップデートしたい 膵癌の画像診断 企画・編集:福倉良彦
序説 福倉良彦
撮像法 石松慶祐ほか
画像診断の進歩:CT−膵癌診療におけるdual-energy CTの有用性− 永山泰教
画像診断の進歩:MRI 藤永康成ほか
画像診断の進歩:PET 山根登茂彦ほか
画像診断の進歩:EUS 橋元慎一ほか
膵癌の検出 井上 大
早期膵癌の画像診断 外園英光ほか
膵癌の進行度分類 矢部慎二ほか
膵癌の化学療法治療効果判定・予測 野田佳史ほか
特集2:よくわかる肝エラストグラフィ 企画・編集:吉満研吾
序説 吉満研吾
肝MREの原理と基礎 伊東大輝
肝MRE測定の実際−計測上のヒントと注意点− 高山幸久ほか
肝MREの臨床応用 市川新太郎ほか
肝MREの今後の展望 山田 哲
肝エラストグラフィについて−NASH診断におけるマルチパラメトリックUSの有用性を中心に− 杉本勝俊
連載
・何としても読んでもらいたい あの論文,この論文
[第12回]
画像診断医にとって醍醐味ともいえる研究 鹿戸将史
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書籍情報
- ISBN:9784008004307
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2023年6月
- 電子版発売日:2023年6月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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