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救急医学2023年7月号(47巻7号) 外傷CTは“何のトンネル”だ?

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2023年7月
  • 電子版発売日 : 2023年7月7日
3,190
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商品情報

内容

ハード・ソフト両面の進歩が著しい外傷診療におけるCT検査。でも、一歩間違えれば“死のトンネル”なのは変わらない。CTを“生へのトンネル”とするために必要な適応の考え方、撮影の工夫、診療体制などをじっくり考えよう。

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序文

特集:外傷CTは“何のトンネル”だ?


外傷患者治療における最大の使命は救命であり,次いで機能的予後の改善があげられます。四肢の機能的予後改善も重要ですが,脳の機能的予後がこれよりも重要です。そして,脳機能予後改善にも増して,救命が求められます。

救命の要点は呼吸・循環の維持であり,そのためには,どこにどのような損傷があるのかを把握して,それをいち早く治療し改善させることが求められます。損傷を把握するためには,病歴や身体所見,検査所見が参考になり,処置と並行して施行できる画像検査としては,FAST(focused assessment withsonography for trauma)と呼ばれる超音波検査と,ポータブルでの胸部・骨盤のX線検査が従来から行われてきました。これらの検査から治療方針に必要な情報を得ることができますが,近年ではCT機器の進歩に伴って,圧倒的に情報量の多いCT検査を施行して治療方針を決定することが,実臨床では増えてきていると思われます。

とくに重症外傷診療におけるCTは“死のトンネル”などと表現されてきましたが,近年ではショック時にCTを施行しても死亡率は悪化しないといった,重症例であってもCTを撮影することが許容される可能性を示す報告も出てきました。それがすべての重症外傷診療に適応できるのであれば,たしかにCTは“生へのトンネル”になったともいえます。

しかしながら,CTを“生へのトンネル”として診療に活かすためには,たしかに存在するデメリットに対する理解や,検査施行時のさまざまな工夫,職種の枠を越えた協力体制が求められます。では,実際どのようなことに配慮し,どのように使用すれば外傷CTが“生へのトンネル”となり得るのか。本特集が,それを考え,各施設で実践する一助になれば幸いです。


特集企画ゲストエディター:藤田医科大学病院高度救命救急センター 船曵 知弘

目次

特集

Ⅰ.外傷CTの意義

CTと外傷のかかわり

藤田医科大学病院高度救命救急センター 船曵 知弘

外傷診療におけるCT撮影の考え方─ CTを“死のトンネル”にしないために

日本医科大学千葉北総病院救命救急センター/ショック・外傷センター 益子 一樹 他

CTをその先の治療に活かすために

国立病院機構災害医療センター放射線科 一ノ瀬 嘉明

Ⅱ.領域別─外傷CTの実際

体幹部穿通性外傷診療とCT

慶應義塾大学医学部救急医学教室 山元 良

体幹部鈍的外傷診療とCT

公立豊岡病院但馬救命救急センター 永嶋 太

頭部外傷診療とCT

日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野/日本医科大学付属病院救命救急科 松本 佳之 他

四肢・骨盤・脊椎外傷診療とCT

国家公務員共済組合連合会虎の門病院外傷センター 黒住 健人

Ⅲ.機器・環境別─外傷CTの実際

外傷診療におけるCT撮影の工夫─ Canon製機器

済生会横浜市東部病院放射線部 稲垣 直之

外傷診療におけるCT撮影の工夫─ GEヘルスケア製機器

長岡赤十字病院放射線科部 小林 潤

外傷診療におけるCT撮影の工夫─ PHILIPS製機器(IQon Spectral CT)

大阪府立中河内救命救急センター放射線室 中村 賢二

外傷診療におけるCT撮影の工夫─ Siemens製機器

国立病院機構水戸医療センター放射線科 田中 善啓

ハイブリッドERにおける外傷CT─ CTを“生のトンネル”にするために考えるべきこと

済生会横浜市東部病院救急科 妹尾 聡美

ハイブリッドERにおける外傷CT─ Primary CTとそのピットフォール

島根大学医学部Acute Care Surgery講座/同附属病院高度外傷センター 比良 英司 他

連載

救急医四方山話

医師とMBA

仙台市立病院救命救急センター 山内 聡

出張版Dr.ʼs Prime Academia

第7回 ERでのタイムマネジメント術─救急外来の「混雑」について考える

練馬光が丘病院総合救急診療科 北井 勇也

原著論文

悪性疾患に伴う上大静脈症候群に対する放射線治療

埼玉医科大学病院放射線腫瘍科 舟越 和人 他

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書籍情報

  • ISBN:9784012004707
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2023年7月
  • 電子版発売日:2023年7月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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