US Lab シリーズ 6 改訂版 カテゴリーが劇的にわかる腹部超音波スクリーニング

  • ページ数 : 234頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年11月11日
4,400
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商品情報

内容

最新カテゴリー分類で検診の精度向上へ

本書は、7年ぶりに改訂された『腹部超音波検診判定マニュアル』の最新マニュアルに沿って、カテゴリーを判断する際に重要な超音波所見の見方などを示し、より精度の高い検診を実施できるよう改変した。カテゴリーが十分に理解できず判定に迷っている医師・技師のための必読書である。

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序文

序文

2014 年に日本消化器がん検診学会、日本超音波医学会、日本人間ドック学会の3 学会共通で発行された『腹部超音波検診判定マニュアル』は、2021 年6 月に改訂版が3 学会のホームページに公開され、2022 年1 月には参照画像を含めたフルバージョンの『腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021 年)』が、日本消化器がん検診学会の学会誌第60 巻1 号に掲載された。現在はこのマニュアル改訂版が3 学会のホームページで公開されている。改訂版は、上記3 学会に加えて、日本超音波検査学会、日本総合健診医学会、日本がん検診・診断学会もオブザーバーとして参加し、広くアンケートを行って、さらに使用しやすいマニュアルになっている。カテゴリーでは、先天的な形態異常はカテゴリー1 であったのが、カテゴリー2 に変更され、緊急を要するパニック所見(P)が加わった。判定区分では、C が要経過観察・要再検査・生活指導であったのが、要再検査(3・6・12 か月)・生活改善となり、これまでの経過や他の検査成績を踏まえて、より具体的に指示することになった。各臓器の超音波画像所見、カテゴリー、超音波所見、判定区分の表も項目の記載順が変わり、部分切除後など新たな項目が追加されている。しかし、各種ガイドラインや新たな治療法の普及により一部カテゴリーと判定区分が変更されているだけで、基本的に大きな変更はない。

そこで、本書の改訂にあたっては、新しく加わった項目の加筆と変更されたカテゴリーや判定区分の修正、用語等の見直しにとどめた。超音波スクリーニングでは、隅々まで見落としのない検査をすることが最も重要である。腹部超音波検査をこれから始める技師や研修医の皆さんに、各臓器の描出のコツやピットフォールをよく理解していただき、また、超音波画像所見の意味を理解し、異常所見を正しく読み取って、臨床の場で超音波検査を十分に活かしていただきたい。本書がその一助となれば幸いである。


2022年8月

平井 都始子

目次

Chapter 0 introduction

 ・カテゴリー

 ・判定区分

 ・超音波検査の基本的事項

 ・超音波検査と記録断面

 ・病変を発見したとき

 ・カラードプラ法の正しい使い方

 ・設定条件によるカラー表示の違い:多血性の膵内分泌腫瘍例

Chapter 1 肝臓

カテゴリーおよび判定区分「肝臓」

1 肝臓の解剖

2 肝臓の基本走査

 ・①肝左葉外側区域(S2・S3)矢状断(大動脈面):正中縦走査

 ・②肝左葉(S1〜S3)矢状断(下大静脈面):正中縦走査

 ・③肝左葉(S1〜S3):左肋骨弓下走査〜正中横走査

 ・ ④肝左葉内側区域(S4)・門脈臍部:正中横走査〜右肋骨弓下走査

 ・⑤肝右葉前下区域(S5):右肋骨弓下走査

 ・⑥肝右葉後区域(S6・S7):右肋骨弓下走査

 ・⑦肝右葉前上区域(S8):右肋骨弓下走査

 ・⑧肝静脈:右肋骨弓下走査

 ・⑨肝右葉前上区域(S8):右肋間走査

 ・⑩肝右葉前下区域(S5):右肋間走査

 ・⑪肝右葉後上区域(S7):右肋間走査

 ・⑫肝右葉後下区域(S6):右肋間走査

3 描出のコツとピットフォール

 ・①正中縦走査

 ・②横走査

 ・③肋骨弓下走査

 ・④右肋間走査

 ・⑤呼吸法

 ・⑥体位変換

4 びまん性病変

 ・どのような画像なら、慢性肝障害カテゴリー3 にするの?

 ・脂肪肝の評価法は?

 ・これは腫瘤性病変ですか?(脂肪肝で認める脂肪非沈着部位)

5 充実性病変

6 肝腫瘍性病変

 ・マージナルストロングエコー(marginal strong echo)とは?

 ・カメレオンサイン(chameleon sign)とは?

 ・ワックスアンドウエインサイン(wax and wane sign)とは?

 ・ディスアピアリングサイン(disappearing sign)とは?

 ・辺縁低エコー帯(halo)・後方エコーの増強とは?

 ・モザイクパターン(mosaic pattern)とは?

 ・クラスターサイン(cluster sign)とは?

7 囊胞性病変

8 分類に迷う症例

 ・ マージナルストロングエコーを示す腫瘍と15mm より小さい高エコー腫瘤があったらどうする?

Chapter 2 胆囊

カテゴリーおよび判定区分「胆囊」

1 胆囊の正常解剖

2 胆囊の基本走査

 ・右肋骨弓下縦走査

 ・右肋骨弓下横走査

3 描出のコツとピットフォール

 ・描出上の注意点

 ・体位変換が必要な場合と有効な体位

 ・描出できない場合の考え方

4 壁評価不良

 ・壁評価不能とはどんな状態ですか?

5 形態異常(腫大)

 ・胆囊の大きさはどうやって測るの?

 ・胆囊腫大はなぜ精査が必要なの?

6 壁肥厚

 ・限局性壁肥厚の内側低エコーとは?

 ・胆囊壁の厚さはどうやって測るの?

 ・胆囊壁の層構造はどんな画像なの?

7 隆起あるいは腫瘤像

 ・有茎性かどうか迷ったときは?

 ・桑実状とはどんな画像?

8 その他の所見

 ・デブリエコーってどんな画像?

 ・デブリエコーと結石を分けるのはなぜ?

Chapter 3 肝外胆管

カテゴリーおよび判定区分「肝外胆管」

1 肝外胆管の正常解剖

2 肝外胆管の基本走査

 ・心窩部縦走査

 ・心窩部横走査

3 描出のコツとピットフォール

 ・描出上の注意点

 ・体位変換が必要な場合と有効な体位

 ・描出できない場合の考え方

4 描出不能

 ・一部しか描出できないと、描出不能(カテゴリー0)ですか?

5 形態異常(胆管拡張)

 ・肝外胆管径はどうやって測るの?

 ・ 肝門部領域で拡張して下部に拡張がない場合はどうしたらよい?

6 その他の所見

 ・遠位(膵内)胆管がうまく描出できません

Chapter 4 膵臓

カテゴリーおよび判定区分「膵臓」

1 膵臓の正常解剖

2 膵臓の基本走査

 ・心窩部縦走査

 ・心窩部横走査

 ・左肋間走査

3 描出のコツとピットフォール

 ・描出上の注意点

 ・体位変換が必要な場合と有効な体位

 ・描出できない場合の考え方

4 描出不能

 ・描出不能(カテゴリー0)とはどんなときですか?

 ・膵尾部をうまく描出できません①

 ・膵尾部をうまく描出できません②

5 形態異常、限局性腫大

 ・膵臓の大きさはどう測るの?

6 主膵管拡張

 ・主膵管径はどう測るの?

 ・主膵管径が変化したときは?

7 充実性病変

 ・高エコーで一部低エコーの腫瘤は?

8 囊胞性病変

 ・どうして5mm 以上の囊胞は精査なの?

 ・囊胞壁の肥厚は何mm なの?

 ・隔壁が複数あっても肥厚がなければカテゴリー3?

 ・囊胞性病変か充実性病変か悩んだら?

Chapter 5 腎臓

カテゴリーおよび判定区分「腎臓」

1 腎臓の正常解剖

 ・CT 像による腎と周囲臓器の位置関係

2 腎臓の基本走査

 ・側腹部肋間走査

 ・側臥位肋間走査

 ・背側からの走査

 ・腹側からの走査

 ・左腹部横走査

3 描出のコツとピットフォール

 ・描出上の注意点

 ・描出できない場合の考え方

4 形態異常

 ・中心部エコーの変形とはどのような画像ですか?

5 充実性病変

 ・ 腎充実性病変に、辺縁低エコー帯、内部無エコー域、側方(外側)陰影、輪郭明瞭平滑な円形病変の超音波所見があれば、カテゴリーが4 になるのはどうしてですか?

 ・ 中心部エコーの解離あるいは変形を伴うと、カテゴリー4 になるのはどうしてですか?

 ・ 中心部エコーと同程度に高輝度でも、輪郭不整がなければどうしてカテゴリー2 にならないの?

 ・尾引き像とはどんな画像ですか?

6 囊胞性病変

 ・ どんな病変がカテゴリー3 になるの? 隔壁や点状石灰化があればすべてカテゴリー3 ですか?

 ・カ ラードプラ法で血管性病変だとわかったらどうしたらよいですか?

7 その他の所見(石灰化像、腎盂拡張)

 ・なぜ10mm 以上とそれ以下の石灰化を分けるの?

 ・どこに石灰化があるかはカテゴリー分類に関係ないの?

 ・軽度腎盂拡張とはどのようなものですか?

Chapter 6 脾臓

カテゴリーおよび判定区分「脾臓」

1 脾臓の正常解剖

2 脾臓の基本走査

 ・①左肋間走査:右側臥位

 ・②左肋間走査:背臥位

3 描出のコツとピットフォール

 ・描出できない場合の考え方

 ・脾臓の形態をどう評価する?

4 形態異常(腫大)

 ・大きさはどう測ればよいの?

5 脾腫瘤性病変(充実性病変・囊胞性病変)

6 その他の所見(石灰化、脾門部充実性病変)

 ・どんな画像が副脾ですか?

Chapter 7 その他

カテゴリーおよび判定区分「腹部大動脈」

カテゴリーおよび判定区分「その他」

1 基本走査とピットフォール

 ・腹部正中横走査

 ・腹部正中縦走査

 ・下腹部正中横走査・縦走査

2 大動脈治療後

 ・治療後はどう判定する?

3 大動脈の限局拡張

 ・最大径はどのようにして計測するの?

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書籍情報

  • ISBN:9784840479035
  • ページ数:234頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年11月11日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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