• m3.com 電子書籍
  • Prostate Journal 2022年10月号(Vol.9 No.2)【特集】新規前立腺癌マーカーproPSA:開発から保険収載までの道程

Prostate Journal 2022年10月号(Vol.9 No.2)【特集】新規前立腺癌マーカーproPSA:開発から保険収載までの道程

  • ページ数 : 118頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年11月11日
3,850
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 70pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

特集 新規前立腺癌マーカーproPSA:開発から保険収載までの道程
proPSA 開発の歴史/PSAからproPSAへと連なる基礎知識/proPSA臨床研究─海外文献レビュー─ ほか

≫ 「Prostate Journal」最新号・バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

序文


今回は2021年11月に保険収載され,臨床使用が可能になった前立腺癌の新規腫瘍マーカーproPSAを特集として取り上げました。私が前立腺癌に特異的な腫瘍マーカーであるproPSAの存在を初めて知ったのは,2001年にアトランタで行われた米国泌尿器科学会年次総会(AUA)でした。「前立腺癌診断」のpodiumセッションで,私の口演発表のすぐ後に,前立腺癌の臨床分野でのオピニオンリーダーのDr.Catalonaの口演がありました。彼の演題名はproPSAとは無関係だったのですが,おそらく新しいproPSAに関する臨床知見を,より早く広く伝えるために急遽プレゼン内容の変更をしたのだと思います。20年前のことですが,非常に強く印象に残っています。そして[-2]proPSAを組み込んだ前立腺癌診断の新規指標となるプロステートヘルスインデックス(phi)は,アトランタでのAUAから8年後の2009年に欧州連合(EU)のCEマーク,2012年には米食品医薬品局(FDA)が認可し,アジアでは2018年に中国の国家食品薬品監督管理総局(NMPA)が認可しました。

今回の企画では,これからのわが国での前立腺癌診断に欠かせないphiの基礎から臨床までのエッセンスの全てを盛り込みました。まずは,proPSA開発の歴史をベックマン・コールター株式会社Dx学術クリニカルアプリケーションズ部の西村和子氏らにまとめていただき,「PSAからproPSAへと連なる基礎知識」について,PSAの臨床研究・基礎研究のわが国の第1人者である福井赤十字病院の小松和人先生にproPSAの基礎的な側面を網羅して解説いただきました。

そして臨床研究に関しては,今回のphiの保険収載に際して,医薬品医療機器総合機構(PMDA)から体外診断薬としての承認を受ける必要がありましたが,そのために企画された臨床性能試験であるImportanceof[-2]proPSA measurement in a diagnosis of PROstate cancer:Prostate HEalth index Trial(PROPHET)に参加していただいたご施設の先生方を中心にご執筆いただきました。臨床研究の文献的レビューを長崎大学大学院の志田洋平先生,酒井英樹先生に,PROPHET実施に当たり中心的役割を担っていただきましたJCHO東京新宿メディカルセンターの赤倉功一郎先生に本研究のエッセンスを解説いただきました。また,今後のPROPHETから発展する研究として,体積補正proPSA関連インデックスの意義を原三信病院の横溝晃先生に,現在研究進行中のphiとMRIのhead-to-headの比較研究であるPROPHETMRI研究の概要と関連文献レビューを獨協医科大学埼玉医療センターの新井学先生にご執筆いただきました。そして臨床使用の際に非常に重要となるphi測定のための採血検体の保管条件については,ご自身で研究・解析・論文執筆に関わりました久留米大学の井川掌先生に,そして前立腺限局癌の重要な治療戦略である監視療法におけるproPSAの臨床応用の可能性について,これもご自身で深く研究に関わっております香川大学医学部附属病院の加藤琢磨先生,杉元幹史先生に解説いただきました。

そして今回の特集の目的である臨床に直結する企画として「エキスパートが考えるプロステートヘルスインデックス(phi)を組み入れたあたらしい前立腺癌診断フローシート」を国内の本領域のオピニオンリーダー10人の先生にご提案いただきました。phi中心あるいはMRI中心の診断フローなど,様々なご提案があり,年齢を加味したもの,PSA densityやPSA velocityなどの既存のPSA関連マーカーも利用したものもあり,生検戦略のご提案を含め,どれも非常に理にかなった診断フローだと思います。世界にはphiとMRIのそれぞれの特性を最大限に生かし,さらには前立腺癌の自然史をも考慮した理想的な臨床的に重要な前立腺癌の診断フローは存在しませんが,今回10人の先生方にご提案いただきました診断フローを,全国の読者の先生方が是非とも独自にアレンジされ,学会の場での討論などを重ねて,より理想的な診断フローへと発展させていただけるのを楽しみにしております。


伊藤 一人
医療法人社団美心会黒沢病院

目次

特集 新規前立腺癌マーカーproPSA:開発から保険収載までの道程

序文

医療法人社団美心会黒沢病院 伊藤 一人

1.proPSA 開発の歴史

ベックマン・コールター株式会社Dx学術クリニカルアプリケーションズ部 西村 和子,他

2.PSAからproPSAへと連なる基礎知識

福井赤十字病院腎臓・泌尿器科 小松 和人

3.proPSA臨床研究─海外文献レビュー─

長崎大学大学院医歯薬総合研究科泌尿器科学 志田 洋平,他

4.本邦の前向き臨床研究:PROPHETの概要と血清ベースproPSA関連インデックスの診断機能

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)東京新宿メディカルセンター泌尿器科 赤倉功一郎

5.前立腺体積補正proPSAインデックスの有用性:本邦の前向き臨床研究PROPHETより

原三信病院泌尿器科 横溝 晃,他

6.proPSA-MRIの比較後ろ向き臨床研究:PROPHET-MRIの概要と文献レビュー

獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科 新井 学

7.phi測定における臨床上の留意点:検体採取から保管・測定まで

久留米大学医学部泌尿器科 井川 掌

8.監視療法の適応・経過観察マーカーとしてのproPSAの意義

香川大学医学部附属病院泌尿器・副腎・腎移植外科 加藤 琢磨,他

9.エキスパートが考えるプロステートヘルスインデックス(phi)を組み入れた

あたらしい前立腺癌診断フローシート

① PI-RADSカテゴリーとphiによる札幌医科大学の前立腺癌診断フローシート

札幌医科大学泌尿器科学講座 橋本 浩平,他

② プロステートヘルスインデックスを組み入れた前立腺癌診断の一案

秋田大学大学院医学研究科腎泌尿器科学講座 成田伸太郎

③ 群馬大学医学部附属病院泌尿器科における前立腺癌診断フローシート

群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学 関根 芳岳,他

④ われわれが考えるプロステートヘルスインデックス(phi)を組み入れた前立腺癌診断フローシート─高齢者に対する意義のある前立腺癌の検出を中心に─

昭和大学医学部泌尿器科学講座 押野見和彦,他

⑤ 生検適用のトリアージによる前立腺癌診療の効率化

埼玉県立がんセンター泌尿器科 松岡 陽

⑥ 当院におけるプロステートヘルスインデックスを組み入れた PIRADS カテゴリー別での前立腺癌診断のフローの考案

聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学講座 中澤 龍斗,他

⑦ Highest PI-RADS categoryとphiによる新たな診断フローシートの可能性と課題

東海大学医学部外科学系腎泌尿器科学 小路 直

⑧ PIRADSスコアを組み入れた前立腺癌診断フローの提唱─プロステートヘルスインデックスの至適導入への考察─

京都府立医科大学泌尿器科 沖原 宏治,他

⑨ MRI fusion生検とphiを組み合わせた前立腺癌の診断指針

京都大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 住吉 崇幸,他

⑩九州大学のフローシート

九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野 塩田 真己,他

インタビュー

遠隔転移を有する前立腺癌に対するエンザルタミドによるupfront治療への期待と役割

小林 恭

座談会

前立腺癌の診断と治療の進歩―早期発見と長期予後を考慮した治療選択―

座長:鈴木 和浩

演者:上村 博司,木村 高弘,勝田 倫江

Upfront治療時代のエビデンスに基づく前立腺がん治療戦略とは

座長:鈴木 和浩

演者:小林 恭,木村 高弘

新規前立腺がん診断バイオマーカーphiへの期待

座長:鈴木 和浩

討論者:伊藤 一人,杉元 幹史,德永 章二

総 説

前立腺上皮細胞の形態学的変化と酸化ストレス─過酸化脂質還元酵素glutathione-peroxidase(GPx1)の生化学的および免疫細胞化学的研究─

あすか製薬株式会社:村越 正典

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:92.4MB以上(インストール時:188.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:369.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:92.4MB以上(インストール時:188.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:369.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784865175004
  • ページ数:118頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年11月11日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。