パリス・アプローチ 腰,骨盤編

  • ページ数 : 234頁
  • 書籍発行日 : 2009年10月
  • 電子版発売日 : 2022年11月11日
5,500
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商品情報

内容

パリス・アプローチの全体像を2編で世に問う,リーズニングに基づく徒手療法!

3編からなる『パリス・アプローチ』の第1弾となる「腰,骨盤編」.パリスの徒手療法を,著者であるパリスの愛弟子が解説した本邦初のテキスト.手技を中心にするパリスの徒手療法は本邦にも紹介されているが,本書では,パリス・アプローチは運動学,解剖学を基礎とした評価があり,それに基づく手技の適応があることを説いた実践書.理学療法士必読の1冊.

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序文

序文

この本は筆者の師であり,理学療法の分野で徒手療法を発展させたStanley V.Paris 博士の内容を基に書いたものである.Paris 博士の徒手療法の特徴は後述するが,解剖学,運動学を基本とし病態を推測することである.これは当たり前のことかもしれないが,手技重視である本邦の徒手療法からみると珍しいものであると感じる.また,1 つの治療手技,運動などに焦点を当て,流行をつくる傾向が多いように感じる徒手療法の世界で,解剖学・運動学を基礎とすることで理学療法の適応,そして限界を見極め,理学療法士の役割を明確にしている.

筆者とParis 博士との出会いは2000 年である.筆者が徒手療法の認定試験をセントオーガスティン大学で受験しているとき,Paris 博士が筆者のところに来て,「日本で徒手療法を発展させる意思があるなら,できる限りの援助をしたい.」と声をかけてくださった.Paris 博士が筆者のような年齢も若く,地位・名誉もない理学療法士にそのような機会を与えてくださった理由は「自分(Paris)の若いときに似ている.英語はgood(excellent ではない)であるが,腕が良い.」であった.しかし筆者はそれまで,日本の理学療法士から受けた苦い経験が多くあり,日本で徒手療法を発展させる気持ちなどなかった.そのため,Paris 博士の申し出はお断りをさせていただいた.自分ながらに考えた半年後,日本で徒手療法を発展させる決意をし,Paris 博士の指導を受けながら指導者の道を踏むこととなった.一度お断りさせて頂いたにも関わらず,2 度目のチャンスがあったことは今考えれば非常に幸運なことであった.後で聞いたことであるが,多くの日本の理学療法士がParis 博士に日本での講演・講習会の開催を依頼していたが,すべて博士から断られていたことも含め,何と幸運であったことかと驚愕した.

指導者になり,講習会を開催・継続し,2007 年には400 名以上の参加者を迎え,東京で脊柱不安定性講演会まで開催することができた.そして,2007 年8 月3,4 日にはセントオーガスティン大学新校舎落成式典に招待され,スピーチする機会までいただいた.この新校舎落成式典には日本人でただ1 人招待され,かつ徒手療法では有名なKaltenborn に初めてお会いすることもできた.Paris 博士に出会い,7 年しか経過していないが,徒手療法について多くのことを学ばせていただいたことはもちろん,人生においても常に前向きでいくことの重要性を教えられた.この本を出版することで,多くの理学療法士が徒手療法について理解し,理論的な評価・治療手技の重要性に気づき,そして人生は常にチャレンジであることを感じていただければと思う.

最後に本書籍を出版するにあたり,ご指導してくださいましたParis 博士,奈良勲教授,内山靖教授にお礼を申し上げます.そして家庭でも筆者を支えてくれた妻(直美),挫けそうになったときに明るい笑顔で筆者を励ましたくれた3 人の子供(友彦,耕平,侑汰)に感謝します.


2009年9月10日

佐藤友紀

目次

第I章 パリス・アプローチではこう診療を進める

1.はじめに

 1.はじめに

 2.機能不全の分類

2.評価

 1.疼痛評価

 2.初期観察

 3.問診(病歴聴取)

 4.構造評価

 5.自動運動

 6.触診

3.脊柱マニピュレ-ション

 1.マニピュレ-ションの定義

 2.マニピュレ-ションの分類

 3.適応時期

 4.マニピュレ-ションの効果

 5.手技の紹介

第II章 症候群と管理

1.症候群と管理

 1.はじめに

 2.腰痛についての一般的理解

2.症候群の実際

 1.椎間関節機能不全

 2.靱帯弱化

 3.不安定性

 4.椎間板機能不全

第III章 仙腸関節・疼痛と徒手療法 

1.仙腸関節の評価・治療について─基礎─

 1.はじめに

 2.解剖

 3.仙腸関節の運動学

 4.仙腸関節機能不全の性差

 5.基本的検査

 6.基本的マニピュレ-ション

 7.症候群

2.疼痛と徒手療法(マニュアルセラピー)

 1.はじめに

 2.疼痛は変化しやすい

 3.客観的評価・所見を軽視することで起こり得る“苦痛suffering”

 4.疼痛の程度以上の行動障害

 5.理学療法士がおこなうべきこと

第IV章 徒手療法(マニュアルセラピー)の歴史

1.徒手療法(マニュアルセラピー)の歴史

 1.摘要

 2.歴史

 3.現代

 4.まとめ


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784830643569
  • ページ数:234頁
  • 書籍発行日:2009年10月
  • 電子版発売日:2022年11月11日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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