総合診療グリーンノート

  • ページ数 : 344頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年12月8日
5,280
(税込)
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商品情報

内容

総合診療まずこの1冊!

最高水準の診療をめざし,臨床現場で本当に必要な情報をまとめたレジデントのためのシリーズ「グリーンノート」に総合診療版がついに登場.岡山大学総合内科の先生方を中心に,疾患・病態への医学的アプローチはもちろん,心理社会的側面や幅広い視野で患者を捉える思考プロセスなど,総合診療に必要な要素を凝縮.「一筋縄ではいかないときのアプローチ」「それでもうまくいかないとき」など,リアルな現場で役立つ一冊である.

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序文

総合診療グリーンノートをはじめて手にとられる皆さんへ

全身を診る,そして病気よりも人を診ることに興味がある専攻医・研修医の皆さん,そして医学生の方々にもぜひ,一度手にとって読んでもらいたいと本書を企画しました.この本を読み始めた皆さんは,総合診療医についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

総合診療医は疾患ごとの専門性を追求するのではなく,患者や地域を包括して幅広い視野で患者と地域を診る医師です.予防医療から急性期医療,回復期から慢性期・終末期までの時間軸を見据え,臓器別の疾患・病態から心理社会的側面を含んだ問題を捉える奥行きをもち,日常臨床からパンデミックのような非日常までの変化,地域によって異なるニーズに対応し,解決策を練ることのできる応用力を持つことが理想です.その理想はとても高いのですが,少しでもリアルな総合診療医に近づけるためのポイントを,我々の教室員それぞれの得意技を発揮して本書に纏めてみました.

総合診療で遭遇する頻度の高い疾患・病態への医学的アプローチのみならず,患者さんとどう向き合い,疾患とどう対峙するかの思考プロセスを学びやすいようなChapter設定としました.まずChapterI(総論)では,コモンな疾患・見逃してはいけない疾患についてのアプローチを,ChapterII(各論)では,やや困難な事例をどのように診断・治療していくか,症例ベースのプロセスを解説しています.さらにChapterIII(番外編)として,一般的な臨床推論で診断・治療が難しいときのトラブルシューティングから,新型コロナウイルスへの対応まで展開しています.

総合診療力は全診療科に通じる気概のある臨床力です.全人的・総合的視点で行う診療は,実は臓器別・分野別の専門科を超えた新たなる専門性といえます.総合診療の現場では,患者自身が抱える一つひとつの症候・症状に向き合い,患者背景を深く考察することで,全人的・総合的ケアを実践します.そのプロセスには疾患へのアプローチのみではなく,省察的実践,多職種連携や社会心理学的側面からのアプローチも大切です.医師は患者さんの人生を見守る,あるいはともに人生について考える役割も担っています.さあ皆さん,これからこのグリーンノートを読破し,総合診療力を身につけ,医療学と人生学の両者を学びとりましょう!


2022年9月

岡山大学病院 副病院長
総合内科・総合診療科 教授
大塚文男

目次

I 総 論

1.全身倦怠感へのアプローチ〈片岡仁美〉

 〈Coffee break〉外来診療の魅力〈片岡仁美〉

2.非特異的疼痛へのアプローチ〈徳増一樹,大塚文男〉

3.呼吸困難へのアプローチ〈大塚勇輝〉

4.頭痛へのアプローチ〈本多寛之〉

5.腹痛へのアプローチ〈大村大輔〉

6.「高齢者の様子が変」へのアプローチ〈光田栄子〉

7.多重疾患併存へのアプローチ〈徳増一樹〉

8.原因追求型の身体的評価の限界を迎えたとき〈徳増一樹〉

  〈Coffee break〉大学病院の総合診療ってどう?〈徳増一樹〉

II 各 論

 はじめに:各疾患を考える理由〈徳増一樹〉

1.全身倦怠感

 1-1.感染症罹患後疲労症候群〈徳増一樹〉

 1-2.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群〈片岡仁美〉

 1-3.うつ状態とうつ病〈櫻田泰江〉

 1-4.副腎機能異常(副腎不全)〈大塚勇輝〉

  【稀な疾患との出合い】 LCHの視床下部病変〈高瀬了輔〉

 1-5.甲状腺機能異常〈安田美帆〉

 1-6.LOH症候群〈原田 洸〉

 1-7.成人成長ホルモン分泌不全症〈原田 洸〉

  【稀な疾患との出合い】 IgG4関連涙腺炎〈高瀬了輔〉

 1-8.リウマチ性多発筋痛症〈中野靖浩〉

 1-9.血管炎〈中野靖浩〉

  【稀な疾患との出合い】 G-CSF関連血管炎〈山本紘一郎〉

 1-10.糖尿病〈本多寛之〉

  〈Coffee break〉糖尿病患者さんと総合診療〈本多寛之〉

 1-11.結核〈萩谷英大〉

 1-12.身体症状症〈山本紘一郎〉

 1-13.潜在的鉄欠乏〈徳増一樹〉

2.非特異的疼痛

 2-1.更年期障害〈安藤明美〉

  【稀な疾患との出合い】 腫瘍性骨軟化症(TIO: Tumor induced osteomalacia)ブロスマブ導入〈山根真衣,中野靖浩〉

 2-2.線維筋痛症〈小比賀美香子〉

 2-3.流行性筋痛症(Bornholm病)〈大塚勇輝〉

 2-4.リウマチ性多発筋痛症〈中野靖浩〉

 2-5.肋軟骨炎〈石田智治〉

 2-6.薬剤性関節症〈本多寛之〉

 2-7.身体症状症(疼痛)〈山本紘一郎〉

 2-8.相対的副腎不全〈安田美帆〉

  【稀な疾患との出合い】 両側の水腎症〈徳増一樹〉

3.呼吸困難

 3-1.感染後咳嗽〈大塚勇輝〉

 3-2.気管支喘息〈中野靖浩〉

 3-3.胃食道逆流症〈榮 浩行〉

 3-4.Precordial Catch Syndrom〈大塚勇輝〉

 3-5.微小血管狭心症〈片岡仁美〉

  【稀な疾患との出合い】 右足が細くなり,左足が太くなった〈原田 洸〉

4.頭痛

 4-1.緊張型頭痛〈横田雄也〉

 4-2.片頭痛〈安藤明美〉

 4-3.薬剤使用過多による頭痛〈太田 茂〉

 4-4.脳脊髄液漏出症〈片岡仁美〉

 4-5.(閉塞性)睡眠時無呼吸症候群による頭痛〈太田 茂〉

 4-6.無菌性髄膜炎〈中野靖浩〉

5.腹痛

 5-1.機能性ディスペプシア〈榮 浩行〉

 5-2.胆道ジスキネジア〈堀口 繁〉

 5-3.過敏性腸症候群〈赤穂宗一郎〉

  【稀な疾患との出合い】 脊髄梗塞を契機としたIVL〈大塚勇輝〉

 5-4.家族性地中海熱〈徳増一樹〉

 5-5.血管性浮腫〈榮 浩行〉

 5-6.非閉塞性腸管虚血〈赤穂宗一郎〉

 5-7.起立性調節障害〈大村大輔〉

  【稀な疾患との出合い】 珍しい腹部疾患との出会い〈大村大輔〉

 5-8.前皮神経絞扼症候群〈大村大輔〉

6.高齢者の様子が変

 6-1.慢性硬膜下血腫〈光田栄子〉

 6-2.高Ca血症〈横田雄也〉

 6-3.薬物副作用〈光田栄子〉

 6-4.うつ病〈櫻田泰江〉

 6-5.認知機能悪化〈櫻田泰江〉

 6-6.せん妄〈櫻田泰江〉

 6-7.パーキンソン病〈石田智治〉

  【稀な疾患との出合い】 歯肉に現れた腫瘤〈中野靖浩〉

  〈Coffee break〉小規模病院の総合診療ってどう?〈太田 茂〉

III 番外編

1.「聴く」ということ〈小比賀美香子〉

  〈Coffee break〉外来診療の魅力〈小比賀美香子〉

2.今までに知らない症状に出会ったら〈本多寛之〉

  〈Coffee break〉診療所での総合診療の実践〈光田栄子〉

3.総合診療と医学教育〈越智可奈子〉

  〈Coffee break〉大きい病院での総合診療教育〈徳増一樹〉

4.成人ワクチン〈高橋美砂 萩谷英大〉

5.渡航ワクチン〈萩谷英大〉

6.新型コロナウイルス感染症〈萩谷英大〉

  〈Coffee break〉コロナ後遺症と総合医〈大塚勇輝〉


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書籍情報

  • ISBN:9784498120020
  • ページ数:344頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年12月8日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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