• ページ数 : 134頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年12月21日
3,850
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内容

現代社会において、LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)の適切な診断と的確な治療の重要性が高まっています。
LOH 症候群の診療に関わる医療従事者のみならず男性の更年期症状に関心のあるすべての方々へ。 是非、ご活用ください。

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序文


性腺機能低下症(Hypogonadism)は,もともとは染色体異常,遺伝子異常,あるいは精巣の傷害,腫瘍,機能異常,および中枢神経系の疾患に起因して血中テストステロン値が低値である病態を指していた。高齢化社会の到来に伴い,25年前頃から中高年男性のテストステロンの低下に関心がもたれ,女性の更年期障害と似た症状を呈することからandropause,male climactericなど男性の更年期を意味する言葉が使われるようになり,加齢に伴う性腺機能低下症を意味する,partial androgen deficiency syndrome of the aging male(PADAM),late-onset hypogonadism(LOH)といった言葉が登場した。2002年に加齢男性の性腺機能低下症についての初めてのガイドラインが海外で出され,そこで使われたlate-onset hypogonadism(LOH)が現在も使われている。わが国でも,並木らにより加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引きが2007年に刊行された。今回すべての年齢層に対する「男性の性腺機能低下症の診療ガイドライン」が初めて刊行されたことにより,15年ぶりに新進気鋭のエキスパートを中心に全面的な改訂を行った。

主な改訂のポイントは以下のとおりである。

① LOH症候群でのテストステロン低下は必ずしも加齢現象とは言えないため,LOH症候群を主とし,加齢男性の性腺機能低下症を従とした。

② 診断基準として血清(総)テストステロン値が250ng/dL以下または血清フリーテストステロン値が7.5pg/mLとした。

③ テストステロン補充療法についてはテストステロン値にこだわらないとした。これはアンドロゲン受容体遺伝子にあるCAGリピートが情報伝達の効率に関係するため,基準値以上であっても有症状の患者にテストステロン補充療法が有効な可能性があるためである。

④非薬物療法についてもエビデンスに基づき紹介した。

LOH症候群はICD-11には収載されておらず,本邦でも保険収載されていない。しかし2021年の調査では中高年就労男性のおよそ1割が更年期障害に苦しんでいるという調査があることから現代社会において,LOH症候群の適切な診断と的確な治療の重要性が高まっている。

本書がLOH症候群の診療に関わる医療従事者のみならず男性の更年期症状に関心のあるすべての方々に役立つことを願っている。


2022年12月

LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き作成委員会
委員長 堀江 重郎

目次

1. LOHの概念・病態の概要

2. LOH症候群の疫学

3. テストステロンの産生と生理作用

4. 身体症状

5. 精神症状

6. 性機能

7. 代謝異常

8. 診断基準

9. テストステロン測定の臨床的意義

10. 症状調査票

11. 症状調査票とテストステロン

12. 欧米におけるガイドライン

13. テストステロン補充療法の方法

14. テストステロン補充療法の効果

15. テストステロン補充療法の副作用

16. その他の薬物治療

17. 漢方治療薬

18. 運動療法

19. 食品機能因子の効果

20. LOH症候群における勃起障害

21. LOH症候群におけるうつ病

22. LOH症候群におけるメタボリックシンドローム

23. LOH症候群における骨粗鬆症

24. 今後の展望

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書籍情報

  • ISBN:9784865174946
  • ページ数:134頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年12月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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