喘息・COPDと気道疾患包括診療マニュアル

  • ページ数 : 294頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年4月5日
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商品情報

内容

長引く咳,痰,息切れなど,気道症状診療のすべてがこの1冊で!

喘息・COPDなど非常にcommonなのに診療に悩む気道疾患についてプライマリケアに必要な禁煙指導,吸入療法から高度専門的治療まで実践的知識が身につく1冊.
最新のガイドラインを網羅するだけでなく,診療最前線にいるエキスパートたちの現場でのコツや勘所など,実際に役立つ情報をわかりやすくまとめた便利なマニュアル.

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序文

禁煙指導,吸入療法から高度専門的治療まで!気道症状の診療をカバーする役立つ一冊を!

長引く咳・痰や息切れなど,気道系の症状はプライマリ・ケアの場で日常的に遭遇する最もありふれた問題です.その代表疾患である喘息とCOPD,さらにその両者の合併であるACO や,他の多くの気道疾患の鑑別や治療,特に難治例の対応にはすべての医家が悩まされる経験をおもちとおもわれます.本書は最新版ガイドライン等のエッセンス,またガイドラインには含まれないものの診療に必要な具体的なポイントなども含め,これら気道症状をみる機会のある先生がたの日常診療の向上に寄与する一冊として企画させていただきました.

気道系は,喫煙などの有害物質,病原微生物,各種のアレルゲン,そのほかの環境汚染物質に常に曝露され影響を受けています.COPD あるいは気管支拡張症などでは不可逆的な要素が大ですし,喘息は体質的基盤が基礎に存在するので一時的には軽快しても結局患者が生涯にわたって苦しむこととなりえます.気道系疾患の多くでは生涯にわたる適切な管理が求められるのです.

気道症状があるとき,しばしばひとりに複数の疾患が併存しえることも極めて重要です.よく知られるものは気管支喘息とCOPD の合併です.喘息の我が国における有病率は10%近いとも推計されていますが,その代表的な病因アレルゲンは室塵ダニです.ところがダニ感作例でアレルギー性鼻炎などは発症しているものの,臨床的に喘息を表現しないまま成人となるケースでは喫煙習慣が形成されることは日常的にみられますし,下気道にもアレルギー性の慢性炎症が形成されているため喫煙による病態の進展は高度となりやすいと推測されるのです.気道系疾患を診療する上で重要な基本的ポイントとしてまず長期的予後の確保,患者の生涯にわたる健康の質的保持を考察した管理の必要性がありますし,患者の生活習慣あるいは背景因子にも配慮しつつ,全人的包括的な管理を行う視点が重要と思われるのです.

本書は気道症状の診療シーンでしばしば遭遇する病態や問題を中心に,我が国のトップ・エキスパートの先生がたに御執筆をお願いし,最高の知識とノウハウをまとめさせていただいたものであります.本書が先生方の日々の診療にお役に立ち,そして苦しむ患者さんたちの救済のためにご活用いただけることを期待してやみません.


2023年2月1日

埼玉医科大学呼吸器内科教授・アレルギーセンター長
永田 真

目次

Ⅰ 気道疾患診療の基本ポイント

1 気道疾患の包括的診療アプローチの重要性〈永田 真〉

1.気道疾患診療に必要な視点

2.代表的気道疾患のメカニズム

3.気道疾患診療で役立つ検査

4.気道疾患の管理・治療のための主なアイテム

2 気道疾患診療で行うことが望ましい血液検査〈田中明彦〉

1.喘息

2.COPD

3.その他

3 呼吸機能および呼気ガス検査〈平野綱彦,松永和人〉

1.呼吸機能検査

2.呼気NO 検査

Ⅱ 気道疾患診療に必要な管理と治療

1 環境整備指導の実際〈杣 知行〉

1.環境整備指導の実際

2.喘息の感作アレルゲンとアジュバント

3.室塵ダニ(HDM)

4.ペット

5.真菌

6.エンドトキシン,リポポリサッカライド(LPS)

7.呼吸器疾患と環境アレルゲンや環境汚染物質との関連性

8.対策

2 禁煙指導(支援)の実際〈渡瀬麻友子,正木克宜〉

1.タバコと疾患リスク

2.ニコチン依存症

3.禁煙支援

4.加熱式タバコについて

3 気管支拡張薬の選び方と用い方〈大西広志,横山彰仁〉

1.β2 刺激薬の作用機序

2.短時間作用性β2 刺激薬(SABA)

3.長時間作用性β2 刺激薬(LABA)

4.抗コリン薬の作用機序

5.短時間作用性抗コリン薬(SAMA)

6.長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

7.LAMA/LABA 配合剤

8.テオフィリン薬

4 吸入ステロイド薬および各種配合剤の選び方と使い方〈長瀬洋之〉

1.吸入薬選択にあたって共通して考慮すべきポイント

2.喘息におけるICS を中心とした吸入療法

3.COPD の吸入療法におけるICS の位置づけ

5 吸入指導の実際〈堀口高彦,近藤りえ子〉

1.吸入薬の種類

2.デバイスの選択手順

3.新しい吸入操作ビデオの紹介

4.吸入指導の手順

5.「ホー吸入」の紹介

6.コロナ禍で,非接触での吸入指導

6 去痰薬・鎮咳薬の選び方・用い方〈藤井裕明,原 悠,金子 猛〉

1.咳嗽

2.喀痰

7 マクロライド少量長期療法〈多賀谷悦子〉

1.マクロライドの作用機序

2.喘息に対するマクロライドの効果

3.COPD に対するマクロライドの効果

4.安全性

8 呼吸リハビリテーション指導の実際〈 髙山絵里,仲村秀俊〉

1.呼吸リハビリテーションの適応

2.呼吸リハビリテーションの目的と効果

3.呼吸リハビリテーションの進め方

4.呼吸リハビリテーションプログラムの実際

5.セルフマネジメント教育

6.栄養療法

9 生物学的製剤と気管支熱形成術〈原田紀宏〉

1.生物学的製剤

2.抗IgE 抗体製剤オマリズマブ

3.抗IL-5 抗体製剤メポリズマブ

4.抗IL-5 受容体α抗体製剤ベンラリズマブ

5.抗IL-4 受容体α抗体製剤デュピルマブ

6.抗TSLP 抗体製剤テゼペルマブ

7.気管支サーモプラスティ

10  喘息でのアレルゲン免疫療法〈中込一之〉

1.喘息治療におけるHDM-SCIT

2.鼻炎合併喘息患者でのアレルゲン免疫療法

3.アレルゲン免疫療法による自然経過修飾作用

4.喘息における適応患者の選択

5.喘息に対するSLIT の臨床応用

6.ダニSLIT の投与法の実際

7.スギ花粉症に対するSCIT およびSLIT

11 高齢者指導のポイント〈岩永賢司〉

1.COPD 死,喘息死ともに高齢者の占める割合が高い

2.高齢者の特徴

3.高齢者に対する吸入指導

Ⅲ 各種気道疾患と診療のポイント

1 慢性気道疾患患者における急性気道感染とその対応〈金廣有彦〉

1.気管支喘息と急性気道感染

2.各種ウイルス感染と喘息増悪

3.ウイルス感染による喘息増悪に対する薬物治療

4.SARS-CoV-2 感染と気管支喘息

5.COPD の増悪と急性気道感染

6.COPD 急性増悪に対する薬物療法

7.COPD 急性増悪期の酸素療法と増悪予防

8.SARS-CoV-2 感染とCOPD

2 慢性咳嗽〈新実彰男〉

1.咳診療の重要性

2.痰の有無と持続期間による咳の分類と主要な原因疾患

3.咳症状の疫学

4.咳のメカニズム

5.初期診療のポイント

6.遷延性・慢性咳嗽の治療前診断

7.遷延性・慢性咳嗽の治療後診断: 咳治療の原則を含めて

8.主要な原因疾患の臨床像,病態,治療

9.難治例に関する新しい概念と治療

3 喘息(成人)〈山口正雄〉

1.問診のポイント

2.喘息の診断

3.血液検査

4.呼吸機能検査

5.画像検査

6.治療

4 喘息(小児〜学童)〈永倉顕一,海老澤元宏〉

1.小児喘息の発症と急性増悪のリスク因子

2.乳幼児喘息の診断

3.長期管理のサイクル

5 COPD〈浅井一久,渡辺徹也〉

1.COPD の病態

2.COPD の診断

3.安定期COPD の治療方針

4.増悪期COPD の治療方針

5.COVID-19 流行期におけるCOPD の作業診断と管理手順

6 COPD と喘息の合併〈權 寧博,丸岡秀一郎〉

1.ACO の概念

2.ACO の診断基準

3.ACO の治療

4.ACO の吸入指導における注意点

7 アレルギー性気管支肺真菌症〈秋山勇人,正木克宜,福永興壱〉

1.概要

2.疫学

3.原因真菌

4.症状

5.身体所見

6.検査

7.診断基準

8.治療

9.予後

8 気管支拡張症〈松本久子〉

1.定義と診断

2.どのような症例で気管支拡張症を疑うか

3.診断時検査

4.重症度評価

5.合併症

6.安定期の診療

7.増悪時治療

9 副鼻腔気管支症候群とびまん性汎細気管支炎〈久田剛志〉

1.SBS の疾患概念,定義

2.DPB の概念

3.SBS およびDPB の病態と診断

4.SBS およびDPB の治療

10  好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈釣木澤尚実,押方智也子〉

1.発症誘因・遺伝的背景

2.EGPA の臨床経過と喘息としての側面

3.EGPA の病態

4.診断基準と分類基準

5.SARS-CoV-2 感染症とEGPA

6.予後

7.治療

11 リウマチ・膠原病の気道病変〈清水泰生〉

1.呼吸器症状別の留意点

2.疾患別気道病変の特徴

12  閉塞性細気管支炎とリンパ脈管筋腫症〈小屋俊之〉

1.閉塞性細気管支炎(BO)

2.リンパ脈管筋腫症(LAM)

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書籍情報

  • ISBN:9784498131040
  • ページ数:294頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年4月5日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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