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知っておきたい 頸部~頭部の動脈破格 MRAとCTAの読影が楽しくなる!

  • ページ数 : 174頁
  • 書籍発行日 : 2015年2月
  • 電子版発売日 : 2023年5月26日
4,950
(税込)
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商品情報

内容

破格ならばこの本を見ればわかる! 頭頸部読影に必携の書

脳・頭頸部の画像診断では正常と異常の境界が問題となる。頭頸部動脈の「形態」は多様で、正常像から離れていてもそれが特に機能的な問題を生じない場合、解剖学的にはこれを「破格」と呼び、正常範囲内で形態の多様性の一つとして考えられる。
頭頸部画像診断における「破格」研究の第一人者が、蓄積した画像デ−タを元に動脈破格を分かりやすく解説。「破格ならばこの本を見ればわかる!」という読影に必携の一冊。

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序文


筆者は放射線科研修医2年目の昭和53年(1978年)に勤務した,福岡県北九州市の九州厚生年金病院(現,JCHO九州病院)で血管造影検査に初めて従事して以来,動脈の破格・奇形について興味を持ち続けている。正統派博多弁で言えば,「みょーうな動脈持っとんしゃーねえ!」と感激しては文献を調べて,本当に珍しいとわかると,金原出版の『臨床放射線』誌を中心に報告してきた。昭和50年代はまだ血管造影が放射線診断の中心を担っていた。

放射線診断機器の進歩はまさに目覚ましく,現在では侵襲的な血管造影に替わって,非侵襲のMRAと低侵襲のCTAが日常臨床現場で広く用いられるようになった。血管造影時代は,頸部から頭部の血管の検査・読影は神経放射線科医や脳外科医に限られる傾向があった。しかし現在では,神経放射線診断を専門としない放射線診断医にも,頸部から頭部のMRAやCTAの検査・読影依頼が増し,その読影時に動脈の破格・奇形に遭遇する機会が増えていると思われる。本書は『臨床放射線』誌に2013年4月号から2014年3月号まで掲載された12回の連載「知っておきたい頭頸部の動脈破格─ MRAやCTAの読影が楽しくなる!─」を大幅に加筆したものである。筆者が埼玉医科大学国際医療センターで経験した多数の症例の中から,稀な症例も含めて,代表的な動脈破格のMRAやCTAを提示した。多くの検査依頼を出していただき,画像の使用を許可していただいた埼玉医科大学国際医療センターの脳血管内治療科,脳卒中外科,脳卒中内科を中心とする主治医の先生方に感謝いたします。

1施設での症例収集には限界があり,埼玉医科大学病院,前任地の佐賀大学医学部附属病院,非常勤医として勤務している鈴木脳神経外科と関越病院で経験した症例も使用した。きわめて稀な破格症例では,その他の施設からも提供をお願いした。快く提供していただいた諸先生方には,あらためて感謝の意を表します。

動脈破格は,胎生早期に存在する原始的な動脈網が正常に退縮せずに遺残した場合や,逆に遺残すべき動脈が退縮して側副血行路が形成されて生じる。実に数多くの破格があり,解剖学者,脳外科医,神経放射線科医などが中心になって報告してきた。

神経放射線診断領域には,著名な先生方によって素晴らしい和文教科書が既に数多く刊行されている。しかし,動脈破格は,かなり分厚い教科書でも,末尾に少し触れている程度である。臨床的重要性の面からは当然の配分であるが,そのような限られた紙面では十分に解説されていない。筆者もいくつかの教科書に分担執筆させていただいたが,いつも紙面の制限に不満であった。そこで,「破格ならばこの本を見ればわかる!」というような小冊子を書いて,神経放射線診断医としての総まとめを行いたいと思っていたところ,金原出版のご理解とご協力によって実現することとなった。本書は,記載内容が限られたマニアックな教科書であるが,勤務する病院で脳外科の先生が知らなかった,または気付かなかった動脈破格を診断レポートに記載して,「お主,できるな!」と思わせるには役立つかもしれない。本書が読者の皆様のMRAやCTA読影の際に少しでも参考になれば幸いである。

刊行するにあたり,長年お世話になった九州大学医学部放射線科の先輩である沼口雄治先生と蓮尾金博先生に深謝いたします。また,『臨床放射線』誌連載からお手伝いいただいた金原出版の滝沢浩利氏に深く御礼申し上げます。


2015年2月

埼玉医科大学国際医療センター画像診断科
内野 晃

目次

1.正常画像解剖

総頸動脈~内頸動脈

前大脳動脈

中大脳動脈

後大脳動脈

椎骨動脈~脳底動脈

小脳動脈

2.左総頸動脈分岐破格

左総頸動脈の腕頭動脈起始

左総頸動脈と腕頭動脈の共通起始

異所性右鎖骨下動脈に合併した両側総頸動脈幹

左総頸動脈欠損

その他の分岐破格

3.頸動脈分岐部破格

頸動脈高位分岐

頸動脈低位分岐

頸動脈二分岐欠損

外頸動脈─内頸動脈吻合

後頭動脈内頸動脈起始

上行咽頭動脈内頸動脈起始

4.頸動脈─椎骨脳底動脈吻合

前環椎動脈1型

前環椎動脈2型

遺残舌下動脈1型(通常型)

遺残舌下動脈2型(外頸動脈起始の遺残舌下動脈)

遺残舌下動脈亜型

上行咽頭動脈の頸静脈孔枝起始の後下小脳動脈

遺残聴動脈

外側型遺残三叉動脈

内側型遺残三叉動脈

遺残三叉動脈亜型

遺残三叉動脈起始の小脳動脈

5.内頸動脈破格

内頸動脈無形成

内頸動脈低形成

内頸動脈部分的無形成

後咽頭走行内頸動脈

内頸動脈異所性走行

遺残アブミ骨動脈

内頸動脈窓形成

6.眼動脈破格

内頸動脈海綿静脈洞部起始の眼動脈

内頸動脈起始の重複眼動脈

中硬膜動脈起始の眼動脈

内および外頸動脈起始の重複眼動脈

前大脳動脈起始の眼動脈

その他の眼動脈破格

7.後交通動脈~後大脳動脈、前脈絡動脈破格

胎児型後大脳動脈

後交通動脈の漏斗状拡張

後交通動脈重複起始

過長な後交通動脈

前脈絡動脈過形成

後大脳動脈窓形成

重複後大脳動脈

Percheron動脈

後大脳動脈起始部漏斗状拡張

8.中大脳動脈破格

重複中大脳動脈

早期二分中大脳動脈

近位起始副中大脳動脈

遠位起始副中大脳動脈

中大脳動脈重複起始ないし窓形成

9.前大脳動脈、前交通動脈破格

前大脳動脈A1欠損

前大脳動脈窓形成

前交通動脈の重複、部分的重複、窓形成

奇前大脳動脈および両側半球前大脳動脈

三分岐前大脳動脈

遺残原始嗅動脈

頸動脈─前大脳動脈吻合

10.椎骨動脈起始破格、鎖骨下動脈破格

左椎骨動脈の大動脈弓直接起始

左椎骨動脈重複起始

左椎骨動脈の大動脈弓遠位側直接起始

右鎖骨下動脈異所性起始

右椎骨動脈の右鎖骨下動脈近位起始

右椎骨動脈の右総頸動脈起始

右椎骨動脈重複起始

右椎骨動脈異所性起始

右側大動脈弓からの左鎖骨下動脈異所性起始

その他の極めてまれな分岐破格

11.椎骨動脈~脳底動脈破格

頭蓋外椎骨動脈窓形成

遺残第1分節動脈

頭蓋内椎骨動脈窓形成

椎骨脳底動脈移行部動脈輪

脳底動脈窓形成

脳底動脈部分または完全重複

椎骨動脈末端部低形成

12.小脳動脈破格

頭蓋外起始の後下小脳動脈

両半球後下小脳動脈

後下小脳動脈と前下小脳動脈の共通幹

後下小脳動脈─前下小脳動脈吻合

後下小脳動脈重複起始

重複後下小脳動脈

重複前下小脳動脈

重複上小脳動脈

頸動脈起始の小脳動脈

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書籍情報

  • ISBN:9784307070973
  • ページ数:174頁
  • 書籍発行日:2015年2月
  • 電子版発売日:2023年5月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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