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- シンプルにわかる外科初期研修ハンドブック
商品情報
内容
外科初期研修の前準備や外科手術の必須知識,手技・処置の方法,ベッドサイド・病棟での動き方など厳選して解説!箇条書きのシンプルな記載で知りたいことがすぐに見つかります.外科以外に進む研修医もおすすめ!
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序文
序
本書は初期研修の2年間で,外科をローテーションする際に役立つマニュアルを意図して制作した.この手のマニュアル本の存在は真新しくないが,その多くは外科医になるために必要な知識や技術について解説してあり,外科専門医や外科指導医をめざすためのより高度な内容を含む教科書を簡略化した形でまとめられている.マニュアルゆえにコンパクトさが求められるので,全範囲を網羅しようとすると個々の内容が浅くなる傾向は否めず,逆にその道に精通した医師が執筆するので「初期研修医ならばここまで知ってなくてもよいのでは?」という高い専門性にまで言及したものも散見する.
実際のところ初期研修で外科をローテーションする医師のほとんどが,将来外科には進まない.また,外科専門医をめざしている研修医ならば初期研修のうちからレベルの高い内容を求めるので,初期研修医向けと冠したマニュアルにはあまり興味がないであろう.つまり初期研修医が外科をローテーションする際に必要なマニュアル本は外科専門医向けの書籍をレベルダウンしたものでない方がよいことに気づく.
外科に行かないと決めている初期研修医には,ローテーション期間を無難にこなせればよいと考えている向きから,外科系だが消化器一般外科ではないので,手術や周術期管理に必要な知識・技術は学びたいが,消化器外科に特化した術式や知識は求めていない人,内科系に進むけれどせっかくローテーションするからには少しでも多くのことを吸収したいと考えている初期研修医まで幅がある.
こういった現状を踏まえて,本書は主な対象者を将来外科(以下,消化器一般外科の意)に進まない初期研修医とした.外科専門医になるために必要な情報ではなく,初期研修の外科ローテーション中にすぐに役に立つ情報を発信することを第一としている.したがって結果的に外科に進む人も知りたい内容になっているはずだ.内容については,以下の3つをコンセプトとした.
① 外科研修期間をストレス少なく,快適に過ごすためのサバイバルツールとしての内容
② 外科以外の科でも必要となる知識・技術なので外科ローテーション中に学んでおけばその後に役に立つ内容
③ 将来外科に進まなくても,知っていると外科にコンサルトするときや,外科治療を受けた既往がある患者さんについての理解が深まるという内容.あるいは外科と症例ディスカッションや合同カンファレンスをする際の基礎知識となる内容
①の内容は第Ⅰ章と第Ⅱ章に含まれる.これを知っておかないと病棟からコールされたときに困る,といった実務的なことから外科に特徴的な仕事習慣,外科医やそのコメディカルに特有な気質や考え方など対人関係にかかわる情報をまとめた(実際,初期研修医にとって最もストレスとなるのは上司やコメディカルとの対人関係であろう).
②の内容は第Ⅱ章と第Ⅲ章に含まれる.内科系でも行う機会がある手技や処置の方法を解説し,外科系ならば消化器一般外科でなくとも共通する手術室マナーや手術機器の種類とその使い方などについて記した.
③の内容は第Ⅲ章と第Ⅳ章に含まれる.消化器一般外科に特化した内容ではあるが,よく経験する疾患や代表例に限っているのでどの科にいってもこれらの治療歴がある患者さんには必ず遭遇する.患者さんの病態を理解するうえで参考になるはずだ.
そしてこれらの内容は,ベテラン外科指導医が指導したい内容ではなく現役世代からヒアリングすることによって得られた初期研修医の生の声を反映させ,部分的には初期研修医らに執筆してもらっている.つまり,すでに研修医の時代から遠く離れた年配医師から「こうするといいよ」というアドバイスに偏るのではなく,実際に外科をローテーションした同僚の初期研修医から申し送りを受けるような内容を盛り込むことによってより実践的になるように仕上げている.
本書を紐解いていただければ,外科に興味がある人も興味がない人もストレスなく有意義な学習ができることをお約束する.ぜひとも皆さまの外科ローテーションの際のお供として活用していただきたい.
2023年5月
東京ベイ・浦安市川医療センター 外科
窪田忠夫
目次
序【窪田忠夫】
Color Atlas
略語一覧
Ⅰ ローテーションの前準備としてやっておくこと
1. 仕事の流れを把握する【窪田忠夫】
2. 知識のつけ方,学び方【谷口智也】
3. メンバーの把握【谷口智也】
4. 挨拶【谷口智也】
Ⅱ 病棟からのコールにいかに対応するか
1 周術期管理
Ⓐ 代表的な手術のクリニカルパス
0. すべてのクリニカルパスに共通すること【窪田忠夫】
1. 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術【窪田忠夫】
2. 腹腔鏡下胆嚢摘出術【窪田忠夫】
3. 腹腔鏡補助下S状結腸切除術【窪田忠夫】
4. 幽門側胃切除術【窪田忠夫】
5. 腹腔鏡下虫垂切除術【窪田忠夫】
Ⓑ 手術前日にやること
必ず行うチェック項目【井坂佑莉,落合伸伍】
Ⓒ 手術当日にやること
1. 入室前の作業【窪田忠夫】
2. 入室後の作業【窪田忠夫】
3. 手術中の行動【窪田忠夫】
4. 手術後の作業【窪田忠夫】
Ⓓ 術後にすべきこと
1. 帰室〜翌朝のケア【古川 誠,村松寛惟】
2. 疼痛でコールされたときのケア【古川 誠,村松寛惟】
3. 発熱でコールされたときのケア【勝木幹太,村松寛惟】
4. シャワーや入浴のケア【勝木幹太,村松寛惟】
5. 創部の観察や抜糸によるケア【勝木幹太,村松寛惟】
6. 患者さんからの質問への対処法【佐藤万里,田中里奈,小澤尚弥】
7. 退院後の指示【西岡拓哉,加納健史】
2 よくある合併症への対処法
1. 吻合不全【菅原圭一郎,西田和広】
2. 手術部位感染(SSI)【菅原圭一郎,西田和広】
3. せん妄【菅原圭一郎,西田和広】
4. 深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(DVT/PTE)【菅原圭一郎,西田和広】
3 各種ドレーンやステントの管理
Ⓐ 経皮的に挿入したドレーン
1. 経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD)【小澤尚弥】
2. 膿瘍ドレナージ【小澤尚弥】
Ⓑ 内視鏡的に挿入したステント
1. 内視鏡的逆行性胆汁ドレナージ術(ERBD)【佐々木昭典】
2. 大腸ステント【佐々木昭典】
3. 胆道ステント【佐々木昭典】
Ⓒ 手術の際に留置したドレーン
1. 胆嚢摘出術後【西田和広】
2. 肝切除後【西田和広】
3. 膵切除術後【西田和広】
4. 消化管吻合/腹膜炎手術後【西田和広】
5. 呼吸器外科手術後【西田和広】
Ⅲ ベッドサイドや外来で行う外科処置
1 機器や診療材料の種類と用途
Ⓐ 機器
1. 鉗子【窪田忠夫】
2. 鑷子【窪田忠夫】
3. 剪刃【窪田忠夫】
4. 持針器【窪田忠夫】
Ⓑ 診療材料
1. ガーゼ【窪田忠夫】
2. 被覆材【窪田忠夫】
2 糸結びと縫合
使う糸と実際の手技【望月理玄】
3 創部のドレッシング
1. 被覆材を用いたドレッシング【窪田忠夫】
2. 局所陰圧閉鎖療法(NPWT)【窪田忠夫】
4 腹腔穿刺/腹水ドレナージ
挿入・抜去の手順と管理【望月理玄】
5 胸腔穿刺/胸腔ドレナージ
挿入・抜去の手順と管理【白壁勝大】
6 静脈カテーテル
1. 中心動脈(CV)カテーテル【村松寛惟】
2. 末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)【村松寛惟】
3. 中心静脈(CV)ポート【村松寛惟】
7 ストーマ
1. 単孔式ストーマとループ式ストーマ【小澤尚弥】
2. 大腸ストーマと小腸ストーマ【小澤尚弥】
Ⅳ 知っておきたい外科手術の基本知識
1 手術機器
1. エネルギーデバイス【西田和広】
2. 自動縫合器/自動吻合器【西田和広】
3. 牽引に用いる機械類【西田和広】
2 各種手術のアプローチ
1. 腹腔鏡手術【望月理玄】
2. 開腹手術と閉腹手術【望月理玄】
3 代表的な手術
1. 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術【窪田忠夫】
2. 腹腔鏡下胆嚢摘出術【落合伸伍】
3. 腹腔鏡補助下S状結腸切除術【村松寛惟】
4. 幽門側胃切除【加納健史】
5. 腹腔鏡下虫垂切除術【小澤尚弥】
4 概要だけは知っておきたい手術
1. 乳癌の手術/乳房【康 裕紀子】
2. ビデオ補助下胸部手術(VATS)【窪田忠夫】
3. 肝切除術【木村次郎】
4. 膵切除術【木村次郎】
Column
①略語・用語に注意しよう【窪田忠夫】
②外科ことはじめ【野田暉翔】
索 引
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書籍情報
- ISBN:9784758105866
- ページ数:296頁
- 書籍発行日:2023年6月
- 電子版発売日:2023年6月20日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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