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- 腎盂・尿管癌診療ガイドライン 2023年版
商品情報
内容
その間、新規治療薬、ロボット支援手術の腎尿管全摘徐術、それぞれの保険収載がありました。
特に本邦での新規薬物療法の保険収載はここ5年間に集中しております。
初版からさらにアップデートされた新規ガイドライン! 是非、ご覧ください。
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序文
作成にあたって
「腎盂・尿管癌診療ガイドライン」2023年版(第2版)をお届けいたします。第1版は2014年4月発行でしたので,9年ぶりの改訂版発行になります。この間,尿路上皮癌に対する新規治療薬が本邦でも次々と保険収載され,ロボット支援手術では腎尿管全摘除術が保険収載されました。また,腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約第2版が2021年8月に発行されました。このような状況を考慮しながら,2021年8月に本ガイドラインの改訂作業をスタートさせました。これまで,進行性尿路上皮癌の治療はプラチナ製剤に依存しており,長い間新薬の開発も滞っておりましたが,本邦での新規薬物療法の保険収載は直近の5年間に集中しております。初版より9年を経ての改訂となりましたが,今回の改訂は,満を持したタイムリーなものとなっております。
今回の改訂に際しては,2021年3月に発行されたMinds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3.0に準拠しました。作成過程から先入観と偏りを排除し,エビデンス総体の評価を適切に実施し,益と害のバランスを十分に考慮した上で推奨を決定しました。
CQの設定においては,腎盂・尿管癌診療ガイドライン第1版で明確な指針が示されている場合やその後のエビデンスの蓄積があり,十分なコンセンサスが確立している事項はBackground Questionとして総論で取り上げました。Background Questionにするまでには議論の余地がある事項(Foreground Question)を厳選し,クリニカルクエスチョン(CQ)として取り上げました。CQとして取り上げるにはまだエビデンスが不十分ではあるものの,最新の重要な情報は新たにコラム欄を設定して記載し,CQに関連して今後解決すべき臨床課題を明日への提言として記載しました。
腎盂・尿管癌と膀胱癌は病理組織学的には同じ尿路上皮癌でありながら,その相違点が問題となります。腎盂・尿管癌と膀胱癌は腫瘍学的アウトカムや遺伝子プロファイリングの相違などさまざまな相違点が存在するため,両者の違いを検討することも今後の重要な検討課題であると考えます。ほとんどの無作為化比較試験が尿路上皮癌として膀胱癌と腎盂・尿管癌の双方を組み入れているため,サブ解析の結果をどの程度推奨に反映させるべきかに関しては,改訂委員会でも議論になりました。腎盂・尿管癌の頻度は膀胱癌の1/10程度とされ,希少癌の部類に属します。今後,腎盂・尿管癌に限定した無作為化比較試験が企画される可能性は高くはないので,リアルワールドデータでの検証が必須であることはいうまでもありません。
このガイドラインが腎盂・尿管癌の診療に関与する医療者,患者さん,ご家族の皆様の意思決定の一助になれば幸いです。最後に,本ガイドライン改訂にご尽力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。
2023年3月
腎盂・尿管癌診療ガイドライン改訂委員長
弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座
大山 力
はじめに
この度,「腎盂・尿管癌診療ガイドライン」第2版が発刊されることになりました。2014年度に初版が発刊されて以来の改訂となります。この9年の間には,手術療法,薬物療法においてさまざまな変革が起こりました。根治的腎尿管全摘除術におけるロボット支援手術の適用取得,免疫チェックポイント阻害薬やエンホツマブベドチンの使用承認などがそれにあたります。また,ランダム化臨床試験における統計解析もますます複雑になっており,その解釈にも注意を要する状況となっております。2019年に膀胱癌診療ガイドライン第3版が刊行されていますが,膀胱癌と腎盂・尿管癌は共通する部分も多い一方で,生物学的特性や薬物治療における成績の違いなどもあり,「尿路上皮癌」と一括りにしてガイドラインを作成することは好ましくないという判断の下に両診療ガイドラインは作成されています。膀胱癌に比べて,症例の希少性や根拠となる論文の少なさから,本ガイドラインの作成委員の先生方は大変苦労されたことと思います。しかし,作成者の皆様は,腎盂・尿管癌の診療に直接関与される臨床医のみならず患者やその家族,一般市民,医療関係者以外の人達にも腎盂・尿管癌への理解の一助となるように配慮し,より広い活用を期待して作成したものと拝察致します。CQそのものは7つしか設定されていませんが,いずれのCQもこれまでのガイドラインや海外のガイドラインを参考にし,重要臨床課題をもとにPICO(P:patients,problem,population,I:interventions,C:comparisons,controls,comparators,O:outcomes)に基づいて設定されています。推奨決定の過程で浮上した今後の課題(FutureResearch Question:FRQ)をCQの最後に「明日への提言」として設けているのも本版の特徴です。さらに,本版作成にあたっては患者代表からの意見や提案を取り入れ,「Column」を設けたことは今後のガイドラインのあり方を取り入れたものと理解しています。
本ガイドラインは,前版に単に新たなエビデンスを加えて改訂しただけでなく,より多くの利用者を想定して,わかりやすく利用しやすいような工夫を組み入れて作成されています。
本ガイドラインが腎盂・尿管癌を取り巻く医療や福祉の場において広く活用されることを望んでいます。
最後に,本ガイドライン作成にあたって,改訂委員長をお務め頂いた大山力先生と多くの改訂委員,協力委員,事務取扱の先生方,評価委員の先生方,保険診療の立場から多くの助言をいただいた藤井靖久先生,そして患者代表の皆様に心からお礼を申し上げます。
2023年4月
一般社団法人日本泌尿器科学会 理事長 野々村祝夫
目次
腎盂・尿管癌診療ガイドラインの利益相反状態の開示
推奨決定会議における投票の棄権
総論・CQ・コラム担当者一覧
略語一覧
本ガイドラインについて
1. 本ガイドラインの目的
2. 改訂の目的
3. 本ガイドラインの適応が想定される対象者,および想定される利用対象者
4. 本ガイドラインを使用する場合の注意事項
5. 改訂ガイドラインの特徴
6. エビデンス収集方法(文献検索)・採用基準
7. システマティックレビューの方法
8. 推奨決定会議
9. 患者・市民参画の推進と患者・市民グループの役割について
10.作成過程におけるCQ の追加
11.ガイドライン改訂作業の実際
12.外部評価およびパブリックコメント
13.今後の改訂
14.ガイドラインのモニタリング
15.資金
16.利益相反に関して
17.ガイドライン普及と活用促進のための工夫
18.患者・市民向け解説書
19.協力者
20.参考文献
CQ・ステートメント・明日への提言一覧
文献検索式
アルゴリズム
腎盂・尿管癌診断のアルゴリズム
外科治療の診断・治療アルゴリズム
Ⅰ 疫学・病理
Ⅰ.上部尿路上皮癌の疫学
Ⅱ.上部尿路上皮癌の病因
Ⅲ.病理
Ⅳ.腎盂・尿管癌の分子生物学的分類について
Ⅱ 診断
はじめに
Ⅰ.選択的尿細胞診検査,尿中マーカー検査
Ⅱ.軟性尿管鏡検査
Ⅲ.画像検査
Ⅳ.リスク分類
Ⅴ.分子学的診断
Column 1 膀胱癌と腎盂・尿管癌 同じもの? 似て非なるもの?
Column 2 膀胱癌の診断で使用される尿中腫瘍マーカーやDNA FISH 検査の
腎盂・尿管癌における意義
CQ1 腎盂・尿管癌の診断に尿管鏡下腫瘍生検は推奨されるか?
Ⅲ 外科治療
Ⅰ.腎尿管全摘除術の適応とアプローチおよび周術期薬物療法
Ⅱ.腎尿管全摘除術におけるリンパ節郭清の適応と治療成績
Ⅲ.腎温存手術の適応と治療成績
Ⅳ.外科治療アルゴリズムの有用性
Column 3 腎尿管全摘除術後の至適経過観察法:必要最低限の膀胱鏡検査の頻度
CQ2 腎尿管全摘除術において,腹腔鏡手術やロボット支援手術は推奨されるか?
Ⅳ 薬物療法・その他
はじめに
Ⅰ. 腎尿管全摘除術後の膀胱内再発の予防を目的とした膀胱内注入療法
Ⅱ.腎温存を目的とした上部尿路注入療法
Ⅲ.腎尿管全摘除術前後の周術期補助薬物療法
Ⅳ.進行性・転移性腎盂・尿管癌に対する全身薬物療法
Column 4 上部尿路薬物注入療法の現状と課題
CQ3 腎尿管全摘除術において,周術期全身薬物療法は推奨されるか?
CQ4 腎尿管全摘除術後の膀胱内再発予防に膀胱内注入療法は推奨されるか?
CQ5 一次抗癌化学療法後に再発または進行した転移性あるいは切除不能の腎盂・尿管癌に対してペムブロリズマブは推奨されるか?
CQ6 一次抗癌化学療法を施行した転移性または切除不能の腎盂・尿管癌に対してアベルマブの維持療法は推奨されるか?
CQ7 白金製剤を含む抗癌化学療法および免疫チェックポイント阻害薬による治療歴のある切除不能または転移性腎盂・尿管癌に対してエンホルツマブ ベドチンは推奨されるか?
Column 5 腎盂・尿管癌における放射線治療
Column 6 RCT におけるサブ解析の解釈─特に全体集団とサブ解析の結果が異なる場合について─
Column 7 腎盂・尿管癌のidentity
腎盂・尿管癌診療ガイドライン2023 年版の外部評価の結果
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書籍情報
- ISBN:9784865175356
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2023年6月
- 電子版発売日:2023年7月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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