まるごとわかる 尿路カテーテル・ストーマ管理 極

  • ページ数 : 163頁
  • 書籍発行日 : 2023年8月
  • 電子版発売日 : 2023年8月8日
2,750
(税込)
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商品情報

内容

こんな本が欲しかった!尿路管理の教科書です

尿路カテーテルはあまりにも身近な医療行為であるため,現場での経験を中心に対応がなされていることがほとんどで,これまで実はまとまった解説書もありませんでした.とはいえ,尿路のカテーテル管理はれっきとした医療行為です.職種により微妙な視点の違いなどもある中,ちょっと困ったことが起こったときに,エビデンスもみつからず,どうすればいいかわからないといったことはありませんか?
そんな時に役に立つのが本書です.
本書では,カテーテルの種類ごとに,適応,使用・管理方法,トラブルとその対処法,ナースによる日常管理,主な製品とその特徴などをまとめました.また,どんな時には専門医に相談すべきかや,挿入困難やカテーテル閉塞などのトラブル時にまず試してみたいちょっとしたコツ(knack)なども随所に盛り込みました.正式に学ぶ機会がないものの,安全性や患者さんのOQLに大きく影響するカテーテルの固定方法についても詳しく解説しています.
尿路の経管管理について,この一冊でおさらいしましょう!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文


かねてから準備を進めてきた尿路カテーテル・ストーマ管理のための教科書が今般完成を見ることになりました.本書は,専門医師に限らず一般医科や介護の現場における介護職の方々にも手に取っていただけるように,なるべくわかりやすい表現で現場に即した内容を心がけて執筆をお願いしました.難しいお願いにご対応いただき,各執筆者および南山堂編集部の方におかれましては本当にありがとうございました.

尿路カテーテルはあまりにも身近な医療行為のため,気がつけば指針となるような成書は存在せず,雑誌の特集や,各医療・介護現場での口伝や経験を中心に対応されていることがほとんどかと思います.多くの場合は正しく対応されていますが,それでも日常管理におけるトラブル発生時やちょっと困った際にどのように対応すればよいのかはわからないことも多いものです.そういった方々に参考になるように本書は企画されました.

本書は各執筆者の方々に縦断的に執筆をお願いしているため,目を通していただくと内容が一部重複している部分があり,またそのニュアンスも微妙に異なることにお気づきになるかもしれません.もとより,現在現場で行われている尿路カテーテル管理には,エビデンスがはっきりとしなかったり,絶対的な正解がないものも多く,現場での経験が大きく影響している項目もたくさんあります.また,医師や看護師など職域によっても微妙な視点の違いもあることを感じていました.

しかし本書では,明らかに誤解を受けると考えられた場合以外は,できるだけそのまま原稿を生かすことにしました.本書は現在の日本における尿路カテーテル・ストーマ管理の実践的な成書となることを目指しているため,そういった微妙な違いがあることをそのまま提示することが,本書の特徴になると考えてのことです.編集の段階で大まかなところは調整を行いましたが,細かくはあえて調整を行わなかったところもあります.

いくつかの視点から繰り返し表現されている対応方法もあるのですが,現時点では選択肢や考えの1つとして臨機応変に現場で判断していただくことにしたいと思います.各執筆者の熱量が,そのまま各現場での対応方法の難しさに関わっていると考えて下さい.

尿路カテーテル・ストーマ管理に関わるありとあらゆる方々への良い教科書になるように版を重ねていきたいと考えていますので,お気づきの点や疑問に思うことなどはぜひ編集部にご意見を賜れば幸いです.


2023年6月

松木泌尿器科医院 院長
 香川大学医学部 臨床教授
 松木孝和

目次

1.尿道カテーテル 2way

適 応

1.尿道カテーテルとは

2.尿道カテーテル留置の適応

使用・管理方法

1.尿道カテーテルの選択

2.留置の実際

トラブルとその対処法

1.2way カテーテルのトラブルとは

2.男性のトラブル

3.女性のトラブル

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.カテーテルの固定に関するケア

2.尿道カテーテル留置中の管理

主な製品とその特徴

2.尿道カテーテル 3way

適 応

1.3way カテーテルの適応

2.3way カテーテルを用いた膀胱洗浄

使用・管理方法

1.カテーテルの挿入

2.生理食塩水の滴下

3.尿量の計算

トラブルとその対処法

1.3way カテーテルのトラブルの特徴

2.膿尿・膀胱内沈殿物による閉塞

3.血尿による閉塞

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.3way カテーテルの固定の問題と対策

2.3way カテーテル留置中の管理

3.カテーテルの閉塞が疑われる場合

主な製品とその特長

3.ネラトンカテーテル

適 応

1.ネラトンカテーテルの歴史

2.ネラトンカテーテルの使用目的

使用・管理方法

1.ネラトンカテーテルの種類

2.ネラトンカテーテルによる導尿の手順

トラブルとその対処法

1.ネラトンカテーテルのトラブルとは

2.挿入が困難

3.長期の間欠導尿に伴う慢性の尿道狭窄症

4.外尿道口の確認が困難

5.感染症

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.看護師による使用

2.患者による使用

主な製品とその特徴

4.チーマンカテーテル

適 応

1.チーマンカテーテルの特徴

2.チーマンカテーテルの適応

使用・管理方法

1.チーマンカテーテルの挿入手順

トラブルとその対処法

1.チーマンカテーテルのトラブルの特徴

2.尿道損傷への対処法

こんなときは専門医へ相談しよう

主な製品とその特徴

5.腎 瘻

適 応

1.腎瘻の造設が必要な病態

2.尿管の通過障害の原因

使用・管理方法

1.観察のポイント

2.腎瘻造設直後のケア

3.長期造設時のケア

4.カテーテルの脱落

5.ウロバッグの位置

6.入 浴

7.固定のポイント

8.交換頻度

9.患者指導

トラブルとその対処法

1.腎瘻で起こりうるトラブルとは

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.腎瘻カテーテル固定のケア

2.腎瘻カテーテル留置中の観察

3.レッグバッグの使用

主な製品とその特徴

6.膀胱瘻

適 応

1.膀胱瘻が選択される病態

2.膀胱瘻の造設方法

3.膀胱瘻の適応

使用・管理方法

1.皮膚障害の予防

2.ウロバッグの選択・管理

3.カテーテルの閉塞予防

4.カテーテルの交換

5.患者指導

トラブルとその対処法

1.膀胱瘻で起こりうるトラブルとは

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.膀胱瘻カテーテル固定のケア

2.レッグバッグの使用方法

3.膀胱瘻カテーテル留置中の観察

主な製品とその特徴

7.間欠導尿用カテーテル

適 応

1.間欠導尿とは

2.間欠導尿の適応

3.自己間欠導尿が可能な条件

使用・管理方法

1.患者・家族指導

2.挿入の手順

3.カテーテルの選択

4.導尿回数の設定

トラブルとその対処法

1.間欠導尿カテーテルのトラブルとは

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.導入時の看護

2.指導の実際

3.導尿回数の考え方

4.継続上の注意点

主な製品とその特徴

8.尿路ストーマ

適 応

1.尿路ストーマ・尿路変向術とは

2.尿路変向術の適応

3.尿路変向術の種類

使用・管理方法

1.尿路変向術の術式

2.尿路ストーマの管理

トラブルとその対処法

1.尿路ストーマのトラブルとは

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.術前ケア

2.術後のカテーテル管理

3.術後の患者指導と退院後のケア

主な製品とその特徴

9.尿道用ブジー

適 応

1.診 断

2.治 療

使用・管理方法

1.体位,準備

2.手 技

トラブルとその対処法

1.尿道用ブジーのトラブル

こんなときは専門医へ相談しよう

10.ウロバッグ

使用・管理方法

1.一般的な使用方法と注意点

トラブルとその対処法

1.紫色蓄尿バッグ症候群

2.品質不良

こんなときは専門医へ相談しよう

ナースによる日常管理

1.感染管理上の注意点

2.膀胱留置カテーテル長期留置中の注意点

3.レッグバッグの使用方法

主な製品とその特徴

11.カテーテルの固定

1.カテーテル固定の問題

2.サージカルテープはなぜ粘着するのか?

3.皮膚障害の原因と使用方法の鉄則

4.基本的なカテーテル固定法

Knackあれこれ

カテーテル挿入困難例への対応

留置中にバルン内の水が減り,自然抜去の可能性がある場合

バルンの破裂を繰り返す場合

バルンの水が抜けなくなった

刺激症状が強い場合

尿流出がない場合

男性の真性包茎の場合の消毒方法

導尿のコツ①男性,②女性

腎瘻穿刺と交換のコツ

膀胱瘻の挿入が難しい場合

尿漏れやバルン損傷が見られる場合

感染時のための指導

膀胱容量が著明に低下している場合

ブジー処置が必要な期間

におい対策

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784525351311
  • ページ数:163頁
  • 書籍発行日:2023年8月
  • 電子版発売日:2023年8月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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