写真でわかる臨床輸血の看護アドバンス

  • ページ数 : 180頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年10月6日
3,740
(税込)
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商品情報

内容

輸血看護の正しい知識と技術を写真×イラスト×動画で徹底理解!
血液製剤や検査の知識から輸血の手技、副反応まで、根拠で見につく、安全に実践できる!


本書は、臨床輸血看護師制度のカリキュラムもふまえ、安全で適切な臨床輸血の実践に必要な「輸血看護の正しい知識と技術」を根拠に基づいて提示し、写真・動画・図を交えたビジュアルな編集で制作しました。輸血の基礎知識から始まり、輸血用血液製剤の取り扱いと管理、輸血検査、さまざまな現場での輸血の実際、自己血輸血、輸血副反応、そして最新の細胞治療についてわかりやすく解説しています。
輸血に関わる看護師の方々はもちろん、研修医やこれから輸血検査に携わる臨床検査技師の方々にも広く利用していただきたい書籍です。

序文

はじめに

輸血看護に関する書籍は多数出版されていますが、本誌は、日本赤十字社医療センター(当センター)の職員が執筆者となっている点が特徴となっています。ここで輸血の歴史を振り返ってみましょう。17世紀には羊の血液を人に輸血したことがあったようです。初めて人の血液を輸血したのは19世紀でした。20世紀になって、血液型にABO型のあること(輸血には型合わせが必要なこと)、採取した血液が固まらないようにする技術などが発見されて普及が進み、米国では1937(昭和12)年に血液銀行ができました。わが国で近代の科学的な輸血法が導入されたのは、1919(大正8)年でした。

第二次世界大戦が終わり平和の戻った1948(昭和23)年、赤十字国際会議において、「血液事業に関する赤十字の役割」が提唱され、各国の赤十字社が血液事業に乗り出しました。その4年後の1952(昭和27)年には、日本赤十字社が血液事業を開始しました。米国赤十字社から器具寄贈や指導援助を受け、日本赤十字社血液銀行東京業務所を開設したのです。その東京業務所を開設した場所が、当センター(当時は、日本赤十字社中央病院と称した)でした。その後、各地で同様の業務所が設けられ、現在は赤十字血液センターの名称で全国54か所に展開しています。1992(平成4)年からは骨髄データセンターを各血液センターに設置し、骨髄移植のドナー登録業務についても協力しています。このような経緯から、当センターは、日本における本格的な輸血事業の始まりの地とも言えるのです。

このような歴史でありますが、本書の著者はそれを衒てらうことなく、看護現場に役立つことに徹し、多数の図や写真、さらには動画まで用いて分かりやすい解説に努めています。それは、輸血のもつ怖さ(輸血副反応だけでなく、取り違えや不適切な保管などによる患者さんの危険)をよく理解しているからです。間違いのない、安全で確実な輸血が実施できるよう……そのような精神で貫かれています。

堅苦しい話になりましたが、輸血はそれだけ注意しなくてはならない医療行為なのです。その安全な実施のためにも、本誌を通読するだけでなく、是非ともお手元に備えて、気になった時に開いて確かめるためにもご活用いただければ幸いです。


2023年7月吉日

日本赤十字社医療センター 名誉院長
本間之夫

目次

CHAPTER.1 輸血療法の概要

血液成分とその役割

輸血療法の目的と輸血用血液製剤

実施までの流れ

インフォームドコンセント

CHAPTER.2 血液製剤の種類と取り扱い

輸血と血液製剤

血液製剤の基本

輸血用血液製剤の共通事項

赤血球液(RBC)

新鮮凍結血漿(FFP)

濃厚血小板(PC)

血漿分画製剤(アルブミン製剤)

Q&A

動画:スワーリング

CHAPTER.3 輸血検査

ABO血液型・RhD血液型検査

不規則抗体検査

交差適合試験

輸血準備から出庫まで

動画:交差適合試験

CHAPTER.4 輸血の実際

輸血実施前の準備

輸血の実施

Q&A

動画:プライミング/患者と血液製剤の確認/投与速度の調節

CHAPTER.5 手術時の輸血

手術時の輸血の特徴

手術時の輸血準備の方法

手術時の輸血の実際

CHAPTER.6 危機的出血時の輸血(産科出血を中心に)

危機的出血時の輸血の特徴

産科危機的出血時の輸血の特徴

産科危機的出血時の輸血の実際

CHAPTER.7 新生児・小児の輸血

新生児の輸血の特徴

新生児の輸血の実際

Q&A

動画:新生児輸血におけるシリンジの作成/新生児への輸血の開始

CHAPTER.8 自己血輸血

自己血輸血の種類

貯血式自己血輸血の概要

貯血式自己血輸血の実際

Q&A

動画:穿刺から採血開始/採血終了/セグメントの作製

CHAPTER.9 輸血副反応

輸血副反応の種類

溶血性輸血反応

非溶血性輸血反応

輸血感染症

TOPICS 細胞治療 ~輸血から造血幹細胞移植、CAR-T療法まで~

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書籍情報

  • ISBN:9784899964759
  • ページ数:180頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年10月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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