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- がん・放射線療法 改訂第8版
商品情報
内容
辞書あるいは実践書として使える,がん放射線治療にかかわる医療従事者唯一のバイブル(教科書)が完成した.
序文
序文
日本の放射線治療の教科書として,歴代の高い見識を持つ編者と著者の先生方のご尽力により多くの読者に親しまれてきた『がん・放射線療法』は,1969年の初版より版を重ね今回が改訂第8版となる.その間,好評のうちに7〜9年ごとに改訂を繰り返し,前版の『がん・放射線療法2017』(改訂第7版)からは,出版社を学研グループに移行し,内容の充実に伴って増加した200名を超える著者との編集作業に尽力いただき,今回の出版にこぎつけた.
放射線療法の技術革新には目覚ましいものがある.第1版の1969年には超高圧放射線治療装置の出現,均一な線量の獲得がキーワードであったが,6年前の前版では,強度変調放射線治療の普及と必要に応じた不均一な線量分布,定位照射の適応拡大,粒子線治療の一部保健適応がトピックスであった.今回の改訂では,最新のエビデンスを踏まえて前回からの治療の進歩に対応するのみでなく,さらに内容を充実させ,読者のニーズに応える1冊になるように心掛けた.例えば,放射線療法に関わるサポーティブケアや心臓などの有害事象の項目の充実,免疫放射線療法,放射線療法における人工知能(AI)の活用,内用療法の適用拡大,定位照射の更なる適応拡大など,日本の実情に配慮した包括的な構成となるように心掛けた.
本書は,放射線腫瘍医と関連領域の医師・医学物理士・診療放射線技師・看護師・大学院・学部学生・病院経営者・病院事務・施政者など,放射線治療に関わるすべてのスタッフの要望に応えられるような網羅的かつ実践的な教科書であることを心掛けている.そのため,今回から石川と医学物理学が専門の西尾が編者に加わった.
前版に引き続き,各臓器別の具体的治療法の知識やデータを網羅し,辞書的かつ実践書として使用できる網羅的内容とし,エビデンスまたはコンセンサスに基づいた記載を原則としているが,進行中の臨床試験を明示し,将来動向や放射線治療の最新知見や治療計画のコツ・ツボ・ピットフォールなどを「コラム」として記載して,今後の更なる進歩に対応できるよう心掛けた.
社会的期待度の高まっている放射線治療が,適切な環境下において正しくかつ安全に提供され,患者に益することが本書編纂の究極的な目的である.
2023年7月吉日
唐澤久美子,大西 洋,石川 仁,西尾禎治
目次
第1章 序章
1-1 はじめに 茂松直之
1-2 放射線療法の歴史 平岡眞寛,小久保雅樹
1-3 腫瘍学とは 井上俊彦
第2章 放射線腫瘍学総論
2-1 放射線療法の意義・特徴・構造・将来 大西 洋
2-2 日本放射線腫瘍学会の国際的な関係 永田 靖
2-3 放射線療法の経済的分析・病院経営への寄与 大西 洋
2-4 放射線治療品質管理のあり方 水野秀之,白土博樹
2-C1 放射線治療における放射線防護 米内俊祐
2-C2 放射線療法における放射線防護:放射線治療患者に対する事故被ばく予防のためのチェックリスト 水野秀之
2-5 国の医療施策 土器屋卓志
2-6 医療経済/保険制度 土器屋卓志
2-7 放射線治療施設の基準構造と関連法 園木一誠
2-8 放射線治療関連制度 古平 毅
2-9 放射線治療専門放射線技師認定制度 奥村雅彦,佐藤弘史
2-10 医学物理士認定制度 唐澤久美子
2-11 放射線療法と看護師─安全・安心な放射線療法を支える 草間朋子
2-12 専門性の高い看護師─スペシャリストのかかわり─ 遠藤貴子
2-13 放射線療法と意思決定支援─放射線療法を選択する患者への看護─ 祖父江由紀子
2-14 放射線療法を受ける患者のケア─放射線療法を継続するために─ 藤本美生
2-15 患者のセルフケア支援─患者の生活を支える─ 後藤志保
2-16 放射線療法に関連する不安・抑うつの評価と対応 西村勝治
2-17 高齢者の放射線療法 中村直樹
2-18 放射線治療の有害事象総論 藤澤建志,平田秀成,全田貞幹
2-19 有害事象の薬物療法による修飾 中村聡明
有害事象の治療法
2-20 皮膚炎・脱毛 佐貫直子,浅井佳央里
2-21 口腔粘膜炎 上野尚雄
2-22 唾液分泌障害 武者 篤
2-23 食道炎・胃炎 上紺屋憲彦,冨士原将之
2-24 放射線性肺障害 萩原靖倫
2-25 心臓(腫瘍循環器学) 佐瀬一洋
2-26 放射線性肝障害 水本斉志,大城佳子
2-27 骨盤照射後の直腸炎・膀胱炎・尿道炎 石川 仁,大西 洋
2-28 リンパ浮腫 宇津木久仁子
2-29 高気圧酸素治療 丹羽康江
2-30 有害事象に対する漢方治療 尾﨑正時
2-31 アピアランスケア 野澤桂子
第3章 放射線生物学
3-1 放射線腫瘍生物学の基礎 細井義夫
3-2 細胞レベルの生物学 髙橋昭久,吉田由香里,浅川勇雄,長谷川正俊
3-3 遺伝子診療と放射線療法 山内智香子
3-4 妊孕性温存,生殖医療と放射線治療 川村麻里子
3-5 修飾因子 原田 浩
3-6 化学放射線療法の基礎 内田伸恵
3-7 分子標的薬併用放射線療法 秋元哲夫
3-8 免疫放射線療法 小此木範之,佐藤浩央
3-9 放射線の相互作用 三浦雅彦
3-C1 KORTUC─英国臨床治験 PhaseⅡ進行中─ 小川恭弘
3-10 分割照射の基礎 岩田宏満,増永慎一郎
3-11 線量分割法 小川和彦
3-12 分子生物学的アプローチ 吉本由哉,鈴木義行
第4章 医学物理学
4-1 医学物理学の基礎 芳賀昭弘
4-2 発生装置と関連機器(光子線・電子線) 石川正純
4-3 発生装置と関連機器(陽子線) 東 裕也
4-4 発生装置と関連機器(重粒子線) 福田茂一
4-5 発生装置と関連機器(BNCT) 田中浩基
4-6 光子線の線量測定と治療計画 成田雄一郎
4-7 電子線の線量測定と治療計画 岡本裕之,舘岡邦彦
4-8 定位放射線治療の線量測定と治療計画 河原大輔
4-9 強度変調放射線治療の線量測定と治療計画 遠山尚紀
4-10 小線源治療の線量計測と治療計画 熊﨑 祐
4-11 陽子線の線量測定と治療計画 歳藤利行
4-12 重粒子線の線量測定と治療計画 坂間 誠
4-13 BNCTの線量測定と治療計画 中村哲志
4-14 放射線療法のQAプログラム 木藤哲史
4-15 放射線療法におけるAIの活用 角谷倫之
第5章 がんにかかわる知識
5-1 がんの統計 沼崎穂高
5-2 がんステージング 加賀美芳和
5-3 がんの画像診断 齋田幸久
5-4 がんの核医学診断 村上康二
5-5 がんの病理 百瀬修二
5-6 オリゴ転移 山本貴也
5-7 がん診療におけるICとSDM 中山健夫
5-8 EBMと臨床試験 伊藤芳紀
5-9 外科腫瘍学 酒井 真,佐伯浩司
がん薬物療法
5-10 総論 高橋雅信
5-11 化学療法 岡元るみ子
5-12 内分泌治療(乳癌,前立腺癌) 髙橋俊二
5-13 分子標的治療 石田博雄
5-14 免疫療法 有賀 淳
5-15 がんのIVR 荒井保明
5-16 温熱療法(ハイパーサーミア) 大栗隆行
5-17 緩和医療・緩和ケア 清水わか子
第6章 放射線治療技術と方法
6-1 総論 杉本 聡,井上達也,高津 淳,小杉康夫,小久保雅樹
小線源治療
6-2 低・中線量率小線源治療 萬 篤憲
6-3 高線量率小線源治療 能勢隆之
6-4 強度変調放射線治療(IMRT) 幡野和男
6-5 術中照射 清水口卓也,唐澤克之
6-6 定位手術的照射(SRS) 寺原敦朗
6-7 定位放射線治療(脳) 青山英史,西岡健太郎,森 崇,小野寺俊輔
6-8 体幹部定位放射線治療(肺) 松尾幸憲
6-9 体幹部定位放射線治療(肝臓) 武田篤也,西村修一,金田朋也
6-10 体幹部定位放射線治療(脊椎) 伊藤 慶,中島祐二朗
6-11 前立腺癌定位放射線治療 石山博條
6-12 腎癌の定位放射線治療:照射技術 大西 洋
6-13 体幹部定位放射線治療(膵臓) 稲葉浩二
6-14 全脳全脊髄照射 松田正樹,大西 洋
6-15 全身照射 副島俊典
6-16 全皮膚照射,全リンパ節照射,全骨髄照射 大熊加惠
6-17 陽子線治療 櫻井英幸,水本斉志
6-18 重粒子線治療 塩山善之,辻 比呂志
6-19 ホウ素中性子捕捉療法 井垣 浩
6-20 内用療法(核医学治療) 絹谷清剛
6-21 再照射 山崎秀哉
6-22 画像誘導放射線治療 黒岡将彦
6-23 呼吸性移動対策 齋藤正英,大西 洋
6-24 動体追跡照射法(迎撃法) 宮本直樹
6-25 動体追尾照射法 中村光宏
6-26 遠隔放射線治療計画 齋藤正英
6-27 スペーサー:①前立腺 萬利乃 寛
6-27 スペーサー:②体内空間可変粒子線治療(SMPT) 出水祐介,小松昇平,佐々木良平
6-C1 スペーサ 瀧山博年
6-28 植込み型心臓電気デバイスへの対応:物理 松原礼明
6-28 植込み型心臓電気デバイスへの対応:臨床 副島俊典
第7章 各領域の治療
7-1 中枢神経系腫瘍:総論 青山英史
7-2 脳腫瘍:低悪性度神経膠腫 前林勝也
7-3 高悪性度神経膠腫 多湖正夫
中枢神経系腫瘍
7-4 頭蓋内胚細胞腫瘍 小川和彦
7-5 髄膜腫 大屋夏生
7-6 脳室上衣腫 橋本孝之,青山英史
7-7 髄芽腫 芝本雄太,杉江愛生
7-8 下垂体腫瘍 佐々木良平,宮脇大輔
7-9 前庭神経鞘腫 芹澤 徹,樋口佳則
7-10 脊髄腫瘍 德丸直郎
7-11 比較的稀な中枢神経系腫瘍 前林俊也,石橋直也
頭頸部腫瘍
7-12 総論 古平 毅
7-13 粒子線治療総論 安田耕一
7-14 頭頸部腫瘍(口腔癌:舌以外) 吉岡靖生,利安隆史
7-15 舌癌 吉村亮一
7-16 上咽頭癌 有賀久哲
7-17 中咽頭癌 中村聡明
7-18 下咽頭癌 村上祐司
7-19 喉頭 茂木 厚
7-20 鼻副鼻腔 小藤昌志
7-21 眼球・眼窩腫瘍 若月 優,山本道法
7-22 聴器腫瘍 遠藤雅士,白井克幸
7-23 唾液腺腫瘍 宮脇大輔
7-24 甲状腺癌 木村智樹
7-25 比較的稀な頭頸部腫瘍 齋藤淳一
7-26 照射後再発腫瘍 山崎秀哉
7-27 肺癌の疫学と病期分類 永田 靖
胸部腫瘍
7-28 胸部腫瘍:非小細胞肺癌 大西かよ子,中山優子
7-29 胸部腫瘍:Ⅰ期肺癌に対する体幹部定位放射線治療 松尾幸憲
7-30 胸部腫瘍:肺腫瘍に対する粒子線治療 岩田宏満
7-31 胸部腫瘍:小細胞肺癌 辻野佳世子
7-32 胸部腫瘍:胸膜中皮腫 澁谷景子
7-33 胸部腫瘍:縦隔腫瘍 糸永知広,三上隆二
乳癌
7-34 総論 山内智香子
7-35 非浸潤癌 淡河恵津世
7-36 早期浸潤性乳癌(乳房温存療法) 山内智香子
7-37 進行乳癌(乳房切除) 白石憲史郎
7-C1 乳癌原発巣への照射 唐澤久美子
7-38 再発乳癌 相部則博
消化器腫瘍
7-39 食道癌の疫学と分類 神宮啓一
7-40 頸部食道癌 隈部篤寛,茂松直之
7-41 胸腹部食道癌 川城壮平
7-C2 食道癌に対する粒子線治療 石川 仁
7-42 胃癌 斉藤哲雄
7-43 肝腫瘍 山下英臣
7-44 肝細胞癌に対する定位放射線治療 馬屋原 博
7-45 肝腫瘍に対する粒子線治療 奥村敏之
7-46 胆道系腫瘍 山崎秀哉
7-47 膵癌 大屋夏生
7-C3 膵癌に対する粒子線治療 篠藤 誠
7-48 結腸癌 室伏景子,伊藤芳紀
7-49 直腸癌 室伏景子,櫻井英幸
7-C4 再発直腸癌に対する重粒子線治療 山田 滋
7-50 肛門癌 唐澤克之,伊藤芳紀
7-51 比較的稀な消化器腫瘍 小塚拓洋
泌尿器腫瘍
7-52 総論 秋元哲夫
7-53 腎盂・尿管腫瘍 小宮山貴史
7-54 腎癌 山本貴也
7-55 膀胱癌 西岡健太郎
7-56 前立腺癌 小線源治療 青木 学
7-57 前立腺癌 外部照射 溝脇尚志
7-58 前立腺癌 体幹部定位放射線治療(SBRT) 鶴貝雄一郎
7-59 前立腺癌 術後照射・再発前立腺癌 中村和正
7-60 前立腺癌 粒子線治療 河村英将
7-61 精巣腫瘍 坂田耕一,笹井啓資
7-62 陰茎癌 秋元哲夫
婦人科腫瘍
7-63 子宮頸癌(根治的放射線治療) 戸板孝文
7-64 子宮頸癌術後照射 生島仁史
7-C5 子宮頸癌に対するハイブリッド小線源治療 安藤 謙
7-C6 子宮頸癌に対する重粒子線治療 大野達也
7-65 子宮体癌 兼安祐子,中川富夫,藤原久也
7-66 腟・外陰癌 渡辺未歩,宇野 隆
7-67 卵巣・卵管癌 青木昌彦
皮膚・骨軟部腫瘍
7-68 皮膚癌 村本耀一,鹿間直人
7-69 悪性黒色腫 吉川周佐
7-70 軟部組織腫瘍 権丈雅浩
7-71 原発性骨腫瘍 小泉雅彦
7-72 骨軟部腫瘍に対する粒子線治療 今井礼子
造血器腫瘍
7-73 悪性リンパ腫総論 江島泰生
7-74 ホジキンリンパ腫 田口千藏
7-75 節性・非ホジキンリンパ腫 田口千藏
7-76 脳,鼻腔,乳房,消化管,精巣などの節外性リンパ腫 下田絵美子
7-77 皮膚悪性リンパ腫・菌状息肉症 川口弘毅
7-78 骨髄腫,形質細胞腫 磯部公一
7-79 白血病 坂田耕一
小児腫瘍
7-80 総論 副島俊典
7-81 小児がんの陽子線治療 出水祐介
7-82 小児がんの放射線治療の晩期合併症 藤 浩
7-83 小児軟部組織腫瘍 相部則博
7-84 小児骨腫瘍 上薗 玄
7-85 小児腎腫瘍 大村素子
7-86 神経芽腫 伊井憲子
7-87 稀な小児腫瘍 出水祐介
良性疾患
7-88 ケロイド・翼状片 栗林茂彦
7-89 血管腫・動静脈奇形 江原 威
7-90 バセドウ病,甲状腺眼症 橋本弥一郎
7-C7 S R A T(すらっと)できる不整脈放射線治療 国枝悦夫
7-C8 三叉神経痛 髙橋 弘
転移性腫瘍
7-91 総論(オリゴ転移含む) 福田友紀子,白井克幸
転移性腫瘍における放射線療法
7-92 脳転移 芹澤 徹,竹本真也
7-93 肺転移 松本康男
7-94 転移性骨腫瘍 髙橋健夫,齋藤哲雄
7-95 原発不明がん 西村哲夫
緊急照射
7-96 脊椎・脊髄転移 永倉久泰
7-97 気道狭窄 堀 章裕,中田美緒,二瓶圭二
7-98 上大静脈症候群(SVC症候群) 木村智樹
第8章 終章
8-1 わが国の放射線療法の現状と展望 西村恭昌
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書籍情報
- ISBN:9784059886266
- ページ数:1498頁
- 書籍発行日:2023年9月
- 電子版発売日:2023年10月27日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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