加藤先生がズバッと解決! IBD診療がわかってしまう119のQuestion

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年10月16日
5,940
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商品情報

内容

IBD診療や治療薬について、患者さんからの疑問や質問に答えられていますか?
潰瘍性大腸炎、クローン病のIBD診療について、日々の診療での疑問、患者さんからの質問に答えられるようになる一冊です。患者さんが長く上手にこの病気と付き合っていくための治療、外来でのフォローの基本と心構え、特別な状況下での診療について、最新の治療薬の情報なども交えながらQ&A方式でまとめました。

序文

はじめに


これまでも何冊かIBDに関する書籍を書いてきましたが、今回、出版社の方から、IBD診療で一般の先生方が困っているようなピットフォールに対して、専門医が助言するような感じの書籍を書きませんか? というふうに依頼を受けました。最初はそのつもりで書いていたのですが、結局、出来上がってみれば、一冊を通して読めばIBD診療のおおまかなことはわかってしまう、という書籍となりました。

特に本書では、疾患や治療薬についての患者への説明の仕方についての記載にかなりの部分を割きました。それは、IBD診療がきちんとできるということは、IBDという疾患や治療薬について患者にわかるようにきちんと説明できるということである、という思いからです。

読者の先生方には、いろいろ治療薬が増えて混乱されている向きもあるかもしれません。ただ、IBD診療の基本は、「患者の現在および将来において、普通の生活を送ってもらうためにはどうすればいいのか?」という視点で行うことです。本書を含めこれまでの筆者の書籍では、その点だけは一貫しているつもりです。

IBD診療で困ったことがあった際に、外来の裏ででもそのQuestionの部分を拾い読みしてください。そして、もし余裕があれば、一通り読み通してください。だいたいのIBD診療のシチュエーションには対処できるようになるはずです。

本書が先生方の日常診療に役立ち、ひとりでも多くのIBD患者が普通の生活を送れるようになることを願っています。


2023年盛夏に

加藤順

目次

Chapter Ⅰ 潰瘍性大腸炎

総論01 ①診断 潰瘍性大腸炎(UC)の診断の基礎知識

Q1 どのような病歴、血液データならUCが疑わしいですか?

Q2 内視鏡像が典型的でなく、診断に自信がありません

Q3 病理所見でUCと診断してくれません

Q4 UCだと思うけれど、便検査で病原性菌が検出されます

Q5 血便は出ていたけれど、内視鏡をしたときには症状は消失していました

Q6 UCと紛らわしい疾患を教えてください

総論02 ②病態 UCの病態と自然史、診断確定後治療開始前までに把握すべきこと

Q7 病気(UC)について患者にどう説明すればいいですか?

Q8 病型は変化しますか?

総論03 ③内科治療全般 UCの内科治療の基本的な考え方

Q9 UCの治療薬・治療法の種類と治療の流れを知りたいです

Q10 臨床的寛解、内視鏡的寛解、組織学的寛解、どれが治療目標ですか?

総論04 ④内科基本治療 UCの初期治療:5-ASA製剤~ステロイドまで

Q11 薬剤(5-ASA製剤)についてどう説明すればいいですか?

Q12 5-ASA製剤、ステロイドの治療効果はいつ、どのように判定すればよいですか?

Q13 5-ASA製剤はどれを選んだらいいかわかりません

Q14 5-ASA不耐の判断と対処法を教えてください

Q15 5-ASA製剤に不耐以外で気をつける副作用はありますか?

Q16 5-ASA製剤の疑問あれこれ

Q17 5-ASA製剤内服でもう一歩よくなりきらない場合の対処法(5-ASAスイッチとサラゾスルファピリジンの使い方)を教えてください

Q18 局所製剤の使いどころ、使い分けがわかりません

Q19 薬剤(局所製剤)についてどう説明すればいいですか? 使い方も含めて教えてください

Q20 メサラジン注腸のアドヒアランスを上げる方法を教えてください

Q21 薬剤(ステロイド)についてどう説明すればいいですか?

Q22 ステロイド漸減中に悪化したら、少し増量していいですか?

Q23 少量のステロイドで落ち着いているので継続投与してもいいですか?

Q24 ステロイド効いてないわけではないけどイマイチです

Q25 ステロイドの副作用対策と注意すべき副作用は?

Q26 ステロイドの副作用がイヤで飲むのを拒否されます

総論05 ⑤内科応用治療1 ステロイド依存例、抵抗例の治療

Q27 薬剤(CAP、カロテグラストメチル、チオプリン製剤)についてどう説明すればいいですか?

Q28 CAP療法の具体的なやり方がわかりません

Q29 カロテグラストメチルはどんな薬でどう使うのでしょう?

Q30 チオプリン製剤の具体的な使い方を教えてください

Q31 チオプリン製剤の副作用対策および微妙な用量調節の仕方は?

Q32 なぜこんな面倒なチオプリン製剤を使用すべきなのでしょうか?

総論06 ⑥内科応用治療2 Bio/JAKによる治療

Q33 薬剤(Bio/JAK、カルシニューリン阻害薬)についてどう説明すればいいですか?

Q34 どのBio/JAKを使えばいいかわかりません

Q35 Bio/JAKの注意すべき副作用とその対策は?

Q36 Bio/JAKの効果の見極める時期・方法と薬剤の変更の仕方を教えてください

Q37 Bio/JAKと既存治療の併用はアリですか?

Q38 Bio/JAKは何剤まで使いますか? 使える薬を全部使ってもコントロールがつかない場合は?

総論07 ⑦重症・手術 重症例の治療

Q39 入院の適応はどんな患者? 絶食は必要ですか?

Q40 重症例や入院時に行うべき検査はありますか?

Q41 タクロリムス/シクロスポリンの具体的な使い方を教えてください

Q42 重症例の腹痛、発熱への対処法は?

Q43 具体的な手術術式を教えてください

Q44 UCにおける手術の患者への説明を教えてください

Q45 手術の合併症や術後の生活を教えてください

Q46 術後回腸嚢炎を繰り返します

Chapter Ⅱ クローン病

総論08 ①診断 クローン病(CD)の診断の基礎知識

Q47 どのような病歴、血液データなら(UCではなく)CDが疑わしいですか?

Q48 小腸型CDを見逃さないコツと小腸検査法を教えてください

Q49 重要な鑑別疾患と肉芽腫検出の意義について教えてください

Q50 狭窄があって内視鏡ができません

総論09 ②病態1 CDの病態と自然史、診断確定後治療開始前までに把握すべきこと

総論10 ③病態2 CDの治療の基本理念と注意点

Q51 CDの病気について患者にどう説明すればいいですか?

Q52 CDの病型は変化しますか?

総論11 ④内科治療 CDの内科治療

Q53 CDの治療薬をどう説明すればいいですか?

Q54 CDの治療開始時に入院は必要ですか?

Q55 栄養療法は必要ですか?

Q56 栄養療法を継続するコツはありますか?

Q57 Top-down、Step-upの考え方を教えてください

Q58 Top-downをすべき患者、すべきでない患者について教えてください

Q59 ゼンタコート®の使い方と注意点について教えてください

Q60 どのBio/JAKから開始すべきでしょうか?

Q61 Bio製剤にはチオプリン製剤を併用すべきですか?

Q62 Bio/JAKの効果の見極め、増量やスイッチの仕方がわかりません

Q63 抗菌薬はいつどのように使用しますか?

総論12 ⑤手術・肛門病変 肛門病変および手術について

Q64 外科治療介入タイミングの考え方を教えてください

Q65 小腸は何回まで手術可能ですか?

Q66 内視鏡的バルーン拡張術の適応は?

Q67 CDにおける手術の患者への説明について教えてください

Q68 肛門部の診察法、検査法がわかりません

Q69 手術後の内科治療はどうすればいいですか?

Chapter Ⅲ 外来フォロー時

総論13 外来フォローの基本と心構え

Q70 外来での問診の仕方と問診でわかることは何ですか?

Q71 どのような検査(血液検査、便検査、内視鏡)をどのような間隔で行いますか?

Q72 血液検査、便検査による病勢評価の仕方について教えてください

Q73 UCの悪化と感染性腸炎合併の見分け方は?

Q74 IBD患者の救急/予約外受診の原因は?

Q75 再燃時の診察と検査の仕方について教えてください

Q76 再燃した原因は何? と聞かれました

Q77 症状と血液検査・便検査に乖離があります

Q78 症状と内視鏡所見に乖離があります

Q79 よくある訴え(ガスが出る、残便感、粘液が出る)と対処法について教えてください

Q80 患者が薬をやめたい、減らしたいと言いますが、どうしたらいいですか?

Q81 患者がやりたがらないもの(内視鏡検査、自己注射、栄養療法、注腸薬)をしてもらいたいです

Q82 Treat to Targetで治療するとは何ですか?

Q83 Shared Decision Makingとは?

Q84 どうなったら専門医へ紹介するのでしょうか?

Chapter Ⅳ IBD診療に必要な臨床検査

総論14 IBD診療時に必要な臨床検査の解説

Q85 B型肝炎はいつ何を調べますか? 陽性ならどうしますか?

Q86 結核はいつ、どのように調べますか? 陽性ならどうしますか?

Q87 C.difficileはいつ調べますか? 陽性ならどうしますか?

Q88 CMVはいつ調べますか? 陽性ならどうしますか?

Q89 IBD患者に肝障害があります

Q90 よくある検査値異常について教えてください

Q91 貧血がありますがどうしたらよいですか?

Q92 その他IBD診療で行う必要のある臨床検査について教えてください

Chapter Ⅴ 患者からの質問

総論15 患者は何に困っているのか? そして質問にはどのような姿勢で答えるべきか?

Q93 普段は何を食べればいいですか?

Q94 仕事や学校があって病院に行けません

Q95 学校や職場に病気を伝えるべきですか? また、就職のときに病気を申告すべきですか?

Q96 お酒やタバコ、健康食品、サプリメントはよいですか?

Q97 運動、旅行、ストレスなどは避けるべきですか?

Q98 紹介してくれませんか?(遠方への紹介と近医への逆紹介)

Q99 予防接種、ワクチンは受けていいですか?

Q100 他の疾患の薬や下痢止め、漢方薬、整腸薬などは飲んでいいですか?

Q101 SNSで勧められていた治療法を試してもいいですか?

Q102 難病助成制度がよくわかりません

Q103 身体障害者や障害年金は申請できますか? 生命保険や住宅ローンはOKですか?

Q104 今後もっと良い薬が出ますか? 治るようになりますか?

Q105 ジェネリック薬やバイオシミラーを使っても問題ありませんか?

Q106 新型コロナ関係で気をつけることはありますか?

Chapter Ⅵ スペシャルシチュエーション

総論16 ①妊娠・出産 妊娠出産についての基本的な考え方

Q107 妊娠中の薬剤投与で注意が必要なのは? 妊娠中悪化した際の対処法は何ですか?

Q108 妊娠可能年齢の女性を診察するときの注意点は?

Q109 その他、妊娠出産についてよく聞かれる質問は?

総論17 ②腸管外合併症 腸管外合併症についての解説

Q110 関節痛を訴えます

Q111 皮疹があるとの訴えがあります

総論18 ③高齢者 高齢者のIBDについての基本事項

Q112 高齢患者を診療する際の注意点は?

Q113 IBD患者が他臓器の癌を合併しました

Q114 IBD患者が認知症や介護が必要になりました

総論19 ④小児 小児IBDの基礎知識

Q115 小児IBDは誰が診るべきですか? 診察の際に気をつける点は?

Q116 小児患者と成人患者の治療の違いはありますか?

総論20 ⑤発癌 IBDからの発癌について

Q117 どんな患者が発癌しやすいですか? 予防法は? 癌を心配する患者への答えについて教えてください

Q118 UC、CDの発癌のサーベイランスはどのように行うのですか?

Q119 腫瘍性病変が発見されました。どうすればいいですか? 内視鏡治療の適応は?

COLUMN

臨床的寛解≒内視鏡的寛解か? UCとCDでの違い

効果は患者の表情でわかる

ステロイドはUC治療にまだ必要なのか?

なぜ1日24錠も必要なのか?

チオプリン製剤の最終代謝物の濃度を測定する

Bio/JAKと対極にあるチオプリン製剤

UCの寛解導入は2週間以内

CDに対するJAK阻害薬認可の衝撃

JAK阻害薬に二次無効は起こるのか?

ダルバドストロセルによる痔瘻手術

HBV再活性化をしやすい薬剤は?

食物繊維やヨーグルトはIBDによいか?

糞便移植はどうなったか?

コロナ禍と病診連携の問題

ざ瘡は男の子のほうが気にする?

参考資料

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784765319706
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年10月16日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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