臨牀消化器内科 Vol.38 No.12 特集「非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針」

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年11月3日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

変化・進歩しつつある非乳頭部十二指腸腫瘍診療の現況を解説し,今後の「十二指腸癌診療ガイドライン」改訂の方向を示すために本特集を企画した.明日からの診療に役立てていただけることを願っている.

序文

巻頭言 十二指腸癌診療ガイドラインについて


はじめに

非乳頭部十二指腸腫瘍は,日常診療においては遭遇する機会が増えている.理由は明らかではないが,増加する他癌種と同様に,社会の高齢化や内視鏡診断技術の進歩と関連しているものと推測しうる.なかでも十二指腸癌は,人口10 万人当り6 例未満とされる希少癌に属する疾患であるが,希少癌ゆえに明確な標準治療といえるものはなく,臨床現場では治療計画に苦慮することも多い.また,十二指腸の解剖学的特性から,診断・治療においてはさまざまな難しい側面がある.とくに治療においては,外科手術,内視鏡治療,薬物療法,放射線治療,あるいはそれらの組み合わせを含めていくつかの選択肢がある.さらに個々の治療法の必要性,妥当性の判断や検証は難しいことも多い.

がん対策推進総合研究事業「希少がん診療ガイドラインの作成を通した医療提供体制の質向上」における研究代表者である名古屋大学 小寺泰弘教授が主導され,さまざまな希少癌ガイドラインが作成された.そのなかの一つに十二指腸癌が取り上げられ,日本胃癌学会ならびに日本肝胆膵外科学会のもと,十二指腸癌診療ガイドライン作成委員会が発足した.委員会は消化器外科,消化器内科,放射線科,病理からなる横断的メンバーで,慎重かつ着実に作業を進めていった.途中コロナ禍に見舞われ,一時作業が難航したが,各委員の献身的かつ精力的な尽力によって,ようやく2021 年8 月に国内初のガイドライン1)が発刊された.さらに,2022 年には同ガイドラインの英語版2)が発表された.


「十二指腸癌診療ガイドライン2021 年版」の内容

乳頭部癌を除く十二指腸癌を対象として,「Minds 診療ガイドライン作成マニュアル2017」に準拠して作成した.内容は,CQ(clinical question)/ステートメント一覧に続き,1.総論,2.診断・治療アルゴリズム,3.各論の構成からなる.

1.総論はさらに,診断(Ⅰ治療前診断,Ⅱ術後,再発・転移のモニタリング,Ⅲ病理診断)と治療(Ⅰ内視鏡治療,Ⅱ外科的治療,Ⅲ薬物療法)に分類し,各々,文献を挙げながら記述している.また委員会内でも大いに議論した結果であるアルゴリズムは,診断と治療に分けて記載した.とくに治療アルゴニズムでは,内科と外科との議論を尽くし,互いの連携のもとに作成した.その結果,現時点での最良のものと考えている.

ガイドラインの核となるべきCQ については,委員会でも慎重に議論を重ねた結果,計19 のCQ が取り上げられた.診断・内視鏡治療に関するCQ が11,外科的治療および内視鏡・外科治療関連のCQ が4,薬物療法関連のCQ が4 からなり,いずれも現時点では明らかとはなっていないものが多く,医療者にとっての臨床上の疑問点といえるものであると思われる.3.各論においては,各々のCQ について,ステートメント,推奨度,解説を参考文献とともに掲載した.詳細については実際のガイドラインを参照されたい.


おわりに

初版であるガイドラインは,エビデンスがきわめて限られたなかで作成されたことは疑いない.しかし,日本癌治療学会がん診療ガイドライン評価委員会で実施された外部評価では,いくつかの課題が指摘されたものの,概ね良好な評価が得られた.今後は,データの蓄積や多方面での医療の進歩に即した,継続的な改訂も必要と思われる.現在,改訂第二版の発刊に向けて,数名の委員の交代を経て,新たな委員会が組織され,改訂作業が進められている.2025 年の発刊を目標として,初版の作成過程で得られたさまざまな経験をもとに,円滑な作業が進められていくことが期待される.希少癌とはいえ,増加傾向にある十二指腸癌の患者にとって,またその診療に当たる医療者にとっても「十二指腸癌診療ガイドライン」が日常診療の一助となることを願ってやまない.


特集編集:熊井 司(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)


文献

1) 十二指腸癌診療ガイドライン作成委員会 編:十二指腸癌診療ガイドライン2021年版.金原出版,東京,2021

2) Nakagawa K, Sho M, Fujishiro M, et al:Clinical practice guidelines for duodenal cancer 2021. J Gastroenterol 57;927‒941, 2022

目次

特集/ 非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針

巻頭言 ―十二指腸癌診療ガイドラインについて……庄 雅之

1 .十二指腸腺腫・癌の疫学……芦澤 浩,吉田 将雄 他

2 .十二指腸の観察法―定型的十二指腸内視鏡観察法の成績と確立に向けて……松井 崇矩 他

3 .白色光観察で注意すべき十二指腸病変とは……鳥谷 洋右 他

4 .非乳頭部十二指腸腫瘍の内視鏡診断……中山 敦史 他

5 .非乳頭部十二指腸腺腫・癌の病理診断……名和 純一,牛久 哲男 他

6 . 非乳頭部十二指腸腺腫は治療すべきか―経過観察例からの考察……鈴木 啓太,吉水 祥一 他

7 .非乳頭部十二指腸腺腫・癌の内視鏡切除法とその選択……廣瀨 崇 他

8 .十二指腸腫瘍に対する内視鏡治療の偶発症対策……土肥 統 他

9 .内視鏡治療後のマネジメント……野中 哲 他

10.十二指腸腫瘍に対するLECS……松井 亮太,布部 創也 他

11.非乳頭部十二指腸腫瘍に対する外科治療……岡田 健一

12.十二指腸癌(小腸癌)の薬物療法……片岡 滋貴,堀松 高博

【症例報告】

(1)術前診断が困難であった十二指腸病変の1例……栗原 光累 他

(2)十二指腸腸型腺腫の1例……永塚 真 他

(3)十二指腸粘膜下層癌(球部後壁,0‒Ⅱa+Ⅱc型)の1例……山本 頼正 他

(4)非乳頭部十二指腸粘膜下層浸潤癌の1例……柴田 寛幸 他

【連載】

「胃炎の京都分類」の使い方

第14回 スクラッチサインはどのようにできるのか……今川 敦 他

内視鏡の読み方

腫瘍長径6 mmながらSM2,静脈侵襲陽性を認めた胃底腺粘膜型腺癌の1例……照山 直樹 他

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書籍情報

  • ISBN:9784004003812
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年11月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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