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- Rp.+レシピプラス 2024年秋号 Vol.23 No.4 治療の「はじめる・つづける」を支える 骨粗鬆症とくすり
商品情報
内容
日本にはおよそ1,590万人の骨粗鬆症患者がいると推定されており,80代女性ではその約半数が罹患していると言われています.予防と早期診断,継続的治療が重要ですが,患者さん自身の自覚症状に乏しく,予防や治療へのモチベーション維持が難しいという課題があります.ひとたび骨折が生じると,QOLおよび身体機能を大きく損なうため,多職種の総力戦で食事・運動・薬物療法を継続的にサポートしていくことがたいへん重要です.
そこで今号では,骨粗鬆症の薬物療法と薬学的管理にスポットを当て,多職種で取り組む予防・治療のなかで薬剤師ができることを「みえる化」しています.薬のスペシャリストとしての役割を果たすだけでなく,タスクシフト・シェアでチーム医療の質を上げていくことも重要です.
骨粗鬆症の予防と治療を,長くサポートしたい薬剤師・医療スタッフのための1冊です!
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序文
序文
骨粗鬆症は「老化か病気か」という論争がされた前世紀とは異なり,いまでは多くの薬剤が骨粗鬆症による骨折を予防するために使用されるようになってきました.しかしながら,骨粗鬆症の定義が確立したのは,西暦2000年のことで,医療従事者を含め,現在50歳以上の方が社会にでたときには,「骨粗鬆症とは何か?」という問いへの答えは,まだ揺れ動いていたということになります.このことは,骨粗鬆症への正しい理解と対応には,積極的な啓発・教育が必要な理由の1つです.
超高齢社会の進行とともに,多くの方が骨折により健康寿命が損なわれ,社会への負担が看過できないものになりました.そのため,数多くの薬剤が開発,上市されてきた一方,「誰に,いつ,どの薬を,どのように,いつまで」投与することがよいのかについての情報は,十分に行きわたっておらず,ともすれば積極的な治療意欲が損なわれがちな後期高齢者,超高齢者での服薬アドヒアランスの低下にもつながっています.また,臨床の現場では,骨粗鬆症のみならず,加齢に伴い併存症が多くなる傾向が避けられないなかで,ポリファーマシーの問題にも直面することも多くあります.
今回の特集では,骨粗鬆症をめぐる臨床的課題を整理し,また現在使用されている骨粗鬆症治療薬の特長とリスクについてまとめ,安全かつ有効な「骨粗鬆症の薬物治療」のための実用的な資料となることを目指しました.また,栄養,運動を含めた多職種連携・施設間連携の有用性についても項目を設け,慢性疾患管理としての骨粗鬆症治療についても積極的に盛り込みました.2022年4月より,手術を行った新規大腿骨近位部骨折患者に対する診療支援活動が,二次性骨折予防継続管理料として診療報酬に反映することが可能となりました.この診療報酬の算定には,専任の薬剤師の届け出が必須です.骨粗鬆症診療における薬剤師の存在の大きさを物語るものであり,多くの薬剤師の方が骨折予防の取り組みに参加していただけることを切に願っています.
藤田医科大学医学部
内分泌・代謝・糖尿病内科学 教授
鈴木敦詞
目次
STOP! 骨卒中─骨粗鬆症の臨床的イベントを予防する
1 命にかかわる危険な骨折「骨卒中」
2 骨粗鬆症を診る
3 臨床に潜む「隠れ骨粗鬆症」のサイン
4 骨卒中の予防的観点から併存疾患・服用薬をみる
骨代謝回転のメカニズムと骨粗鬆症治療薬の関係
骨粗鬆症の発症メカニズムと治療標的
「骨粗鬆症の予防と治療」に薬立つ話 ─ガイドラインをアップデート!
1 ガイドラインでの治療対象からみた骨粗鬆症治療薬の有効性評価
2 骨吸収抑制薬の使い分け ─治療の第一選択となる理由と選びかた
3 骨形成促進薬の使いどころ ─年齢・骨折既往からみた重症例へのレシピ
4 活性型ビタミンD3製剤の使い分け ─単剤で使うとき・併用するとき
5 剤形・用法の特徴を活かした薬の選び方
6 骨粗鬆症治療が切り替わるタイミング ─長期治療を見据えた逐次治療
7 「グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン」を読み解く
「はじめる・つづける」を支える! 骨粗鬆症治療での薬学のチカラ
◆処方監査力
1 高齢者に骨粗鬆症治療薬を長期使用するコツは?
2 処方箋に記載されていない注射製剤を管理するコツは?
3 投与制限のある骨形成促進薬の管理上のポイントは?
4 SERMによる血栓症発症リスクを抑えるために確認すべきことは?
◆服薬指導力
5 経口ビスホスホネート製剤のアドヒアランスをあげるコツは?
6 抗RANKL抗体薬の副作用を説明するコツは?
◆観察力
7 骨粗鬆症を引き起こす可能性がある薬の管理でチェックすべきことは?
8 骨折リスクの上昇をきたす慢性疾患のアセスメントは?
◆判断力/提案力
9 骨粗鬆症治療薬の効果を判定するポイントは?
10 腎機能低下に伴う処方変更・休薬を判断するポイントは? 処方提案のコツは?
「治療の伸びしろ」をつくる! 骨粗鬆症との向き合い方
1 治療開始率・継続率を上げる鍵は「多職種連携」
2 骨粗鬆症リエゾンサービスでの薬剤師のポジション
3 治療薬の効果を高める栄養療法の基礎知識
4 治療効果を高める運動療法の基礎知識
5 薬学的視点からもチェックしてほしい転倒リスク
文 献
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書籍情報
- ISBN:9784525922443
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2024年10月
- 電子版発売日:2024年9月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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