Heart View 2024年9月号 冠微小循環障害Update

  • 書籍発行日 : 2024年8月
  • 電子版発売日 : 2024年8月9日
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商品情報

内容

冠微小循環障害Update

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序文

企画にあたって

辻田賢一(熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学教授)


温度センサー付きガイドワイヤなど,冠微小血管抵抗値を直接計測するモダリティが登場し,interventional diagnostic procedure(IDP)やfunctional coronary angiography(FCA)といった新たな包括的虚血検査法が普及した。それにより,冠微小循環障害(CMD)の評価が臨床医にとってより身近なものとなり,各種心疾患の病態に深く関与するCMDが今また大きな注目を集めている。

CMDは,ischemia with nonobstructive coronary arteries(INOCA)の主要な虚血病態の1つであるだけでなく,閉塞性冠動脈疾患やさまざまな心筋疾患にも併存することが知られている。これらの心筋疾患の一部には,近年病態進行を特異的に抑制する疾患修飾治療も数々開発されているため,併存するCMDをもリバーシブルに制御可能なのか医学的な興味は尽きない。またINOCAは,HFpEFの早期基盤病態として認識されており,高齢者心不全パンデミックのなか,心不全前駆病態としてもその早期診断,先制治療法の開発は欠かせない。虚血医にとっても,冠循環における心筋虚血を考えるとき,心外膜冠動脈病変のみならず冠微小

循環領域の障害の程度も鑑み,虚血の主座がどこにあるのか,冠循環全体のcoronary physiologyを把握し,虚血解除を試みる,そんなテーラーメイドの精緻な虚血性心疾患診療の到来を期待したい。

本特集では,今われわれが手元に有するCMDエビデンスを紹介し,虚血医のみならず心不全医にもCMDを理解し身近に感じてもらう工夫を施した。また,若手医師にもCMDを基本から理解してもらうべく,冠微小循環の解剖,病理,その調節機構の解説も織り込んだ。CMDに関する基本知識の整理と最新情報の紹介で,日常臨床の個々の症例に潜むCMDを鋭敏に診断し,認識いただく一助としていただければ望外の喜びである。

最後に,多忙な日常業務のなか,本特集の目的を達成するために,意欲的な原稿をお寄せいただいたエキスパートの先生方に心より感謝申し上げる。

目次

特集:冠微小循環障害 Update  企画・構成/辻田賢一

【識る】

1 冠微小循環とは? その発生と解剖・病理をおさらいする

2 心筋虚血再考:冠血流調整における冠微小循環の役割

3【Expertise】INOCAの病態とCMDの位置付けを理解する

4【Expertise】CMDの視点から心腎連関を考える

5【Expertise】日本におけるCMDの現状

【診る】

6 心電図での虚血評価を見直す!

7 核医学を駆使してCMDを診断する

8【Expertise】CMD診断としての包括的診断手順:IDP A to Z

9【Expertise】CSで捉えるダイナミックな心筋エネルギー代謝変容

【治す】

10 CMDの薬物治療をどうするか?

11 PCI症例に合併するCMDをどう捉えどう治療するか?

12 心リハでCMDを治す!

13【Expertise】CMDに対する血管作動薬から考える心不全治療の展望

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書籍情報

  • ISBN:9784008102809
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2024年8月
  • 電子版発売日:2024年8月9日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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