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治療 CHIRYO 2024年3月 Vol.106 No.3 実際どうなの? SGLT2阻害薬

  • ページ数 : 128頁
  • 電子版発売日 : 2024年2月20日
2,750
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商品情報

内容

当初糖尿病の治療薬として登場したSGLT2阻害薬は,その後,心不全,腎不全にも効果をもつことが示され,使用量が増加しています.プライマリ・ケアの医師としては,領域横断的な薬の各効果を検証しつつ,患者の生活状況も踏まえてマネジメントすることが求められています.
各項では各領域の専門医からの視点とあわせて,SGLT2阻害薬の副作用やコストなど疑問や不安を取り上げて解説しています.特別座談会ではエビデンスからSGLT2阻害薬の実力を検証しつつ,プライマリ・ケア医の薬との向き合い方を考えます.

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序文

パラダイムシフトを体感する


2011年卒のわたしは「糖尿病治療の第一選択といえばメトホルミン」と初期研修医時代に教わった.ほかの糖尿病治療薬は,もちろんそれぞれの利点はありながらも糖尿病治療の1つの大きな目標である心血管イベント抑制効果については示されずにいた.そんななか,専攻医時代にEMPA-REG OUTCOME試験が発表され,SGLT2阻害薬の糖尿病患者における心血管イベントの抑制効果が示された.期待の新薬の登場かと思っていたら,糖尿病のみならず心不全,慢性腎臓病でも次々と有効性が示されていくではないか.糖尿病治療薬,そして心不全,慢性腎臓病治療薬と適応が広がっていく様は,わたしの医師人生13年のなかではパラダイム・シフトをリアルに体感した初めての出来事となった.

当初は体重減少や正常血糖ケトアシドーシスなど副作用を来したケースが自分の診療では出会う機会が多く,まだまだ現場では時期尚早と思う気持ちが強かった.しかし,心不全診療へ取り組むようになってからはこの薬への期待と実際の処方数が増えていくことを実感するようになっていった.

そのようななか,名古屋で開催された日本プライマリ・ケア連合学会学術大会2023でU40心不全ネットワークの先生方とも協同し教育講演「さまざまな視点から考える,実際どうなのSGLT2阻害薬!?」を企画・開催した.それぞれの視点から綴られる考え方の相違点や共通点が興味深いセッションとなったが,それを目に止めていただき今回本特集を企画する機会をいただいた.SGLT2阻害薬についてさまざまな視点で紐解きながら,SGLT2阻害薬にとどまらないクスリを処方することの意味についても考えていきたいと思う.


〔編集幹事〕社会医療法人愛仁会 明石医療センター 総合内科
官澤洋平

目次

SGLT2阻害薬の現在の推奨と現場でのプラクティス

糖尿病専門医の視点(三澤美和)

腎臓内科医の視点(木村仁志)

循環器内科医の視点(齋藤秀輝)

プライマリ・ケア医の視点(名越康晴)

マルチモビディティとSGLT2阻害薬(大浦 誠)

ポリファーマシーとSGLT2阻害薬(世戸博之)

SGLT2阻害薬とお金の関係(佐藤宏行)

SGLT2阻害薬にかかわるQ and A

どのくらいのカロリーが尿から排出されるの?(鶴田慧司郎)

サルコペニアとの関係は?(鶴田慧司郎)

心不全と糖尿病では作用に違いがあるの?(小野雅敬)

実際に利尿作用はどのくらいあるの?(小野雅敬)

尿路感染症を起こしたら?(長 陽二郎)

下肢動脈疾患があったら投与できないの?(小野雅敬)

SGLT2阻害薬,同クラスの薬剤での効果の違いは?(藤井真理)

正常血糖ケトアシドーシスに早く気づくためにできることは?(小野雅敬)

生殖器感染症で気をつけることは?(小野雅敬)

SGLT2阻害薬のパラダイムから考えるプライマリ・ケア医の薬との向き合い方

エビデンスが次々に出てくる新薬と総合診療医はどう向き合っていくか(官澤洋平)

特別座談会:SGLT2阻害薬を通して薬と処方を考える(官澤洋平,大浦 誠,齋藤秀輝,矢吹 拓,青島周一)

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書籍情報

  • ISBN:9784525930028
  • ページ数:128頁
  • 電子版発売日:2024年2月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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