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- 臨床画像 2024年9月号 特集1:動脈解離再考! 今こそ全身の動脈解離を網羅する/特集2:画像診断医も知っておきたい 治療効果判定のトピックス
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内容
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序文
特集1 動脈解離再考!今こそ全身の動脈解離を網羅する
序説
動脈解離は全身どの部位にも生じうる疾患であるが,動脈は部位により壁の構造や径,解剖学的走行の特殊性などが異なるため,発生機序や原因,治療法などはさまざまである。わが国ではCT・MRI装置の高い普及率から,大動脈解離をはじめとして,頭蓋内から体幹部までさまざまな部位の動脈解離に画像診断医が遭遇する機会が多く,各領域における適切な診断法と画像所見,治療適応,治療法を把握しておくことは重要である。
具体的には,頭部では頭痛のスクリーニング目的で行われたMRI検査で動脈解離を見逃さないよう画像所見を把握し,血管壁イメージングを含め適切なシーケンスを追加する必要があり,特に頻度の高い椎骨動脈解離では治療方針決定のため瘤内血流情報に加え後下小脳動脈との位置関係が重要になる。また,頭頸部血管は解剖学的な走行の特徴から茎状突起や頸椎の骨棘,舌骨などが動脈解離の原因となることがあり,再発予防のためには器械的原因の除去が必要な場合があるため,解離の診断のみならず,これら原因についても適切な診断が求められる。
大動脈解離は動脈解離のなかでも遭遇する機会が多く,救命のため緊急治療が必要となることのある重篤な疾患である。画像診断は近年のステント治療の普及でより重要な役割を担うようになっており,画像診断上の分類や用語の混乱を避けるためにも2020年に約10年ぶりに大幅改訂された『大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』の改訂ポイントを十分に把握しておく必要がある。
特発性冠動脈解離はまれな疾患ではあるが,若年・中年女性や周産期心筋梗塞の原因として重要である。診断には冠動脈造影や血管内イメージング画像が有用で,冠動脈CTAは補助的であるが画像所見について知っておく必要がある。
孤発性の腹部内臓動脈解離もまれな疾患であるが急性腹症の原因となるほか,慢性期では腸管虚血による食後の腹痛や下痢などで来院することもあるため,CTでの適切な診断が求められる。また治療方針を決定するうえで出血や腸管虚血などの合併症評価も重要である。
今回の特集では,このようなポイントを中心に,画像診断技術の向上や治療デバイスの発達を含め,全身の動脈解離につき知識のupdateを図ることを目的に頭蓋内動脈・頸部動脈,大動脈,冠動脈,腹部内臓動脈において病理所見,病態,画像診断,治療法を各領域のエキスパートの先生にご執筆いただいた。誌面に限りがあるなか病理,臨床,画像診断それぞれの先生方の視点で重要事項を多くの画像とともに解説いただいており,全身の動脈解離を再考可能な1冊となっている。本特集号の完成はひとえに多忙な日常臨床の合間をぬってご執筆いただいた諸先生方のお力添えによるものであり,この場をお借りして謹んで御礼を申し上げたい。
企画・編集:五明美穂,土屋一洋 杏林大学医学部 放射線医学教室
特集2 画像診断医も知っておきたい 治療効果判定のトピックス
序説
日常診療での治療効果判定は画像検査と症状に基づく評価をしますが,臨床試験ではRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)など標準化された判定規準を用います。免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor;ICI)の有無,画像診断モダリティの特異性,全身治療か局所治療か,が判定方法を左右します。
治療効果を直接反映する真のエンドポイント(true endpoint)は,全生存期間(治療開始から死亡日までの期間)やQOL(quality of life,生活の質)です。これらは最も信頼性が高い指標ですが,結果が出るまで時間がかかります。一方,代替エンドポイント(surrogateendpoint)である画像診断による効果判定は,迅速に結果が得られます。しかし,真のエンドポイントとは必ずしも一致せず,過大評価または過小評価するリスクを伴います。
ICIを含む肺癌周術期治療において,術前治療後の手術検体に対するMPR(majorpathologic response)やpCR(pathologic complete response)が全生存期間と有意に相関していると報告され,代替エンドポイントである病理学的治療効果は真のエンドポイントに迫りつつあります。
臨床試験における治療効果判定規準としてRECISTガイドラインが知られています。ICI治療後変化のpseudoprogression(一過性の腫瘍増大や新病変が出現した後に腫瘍全体が縮小)に対応したiRECIST,悪性胸膜中皮腫に対するmRECISTは,RECISTに修正を加えた規準です。画像診断医は第三者評価にてRECISTを使用する機会があります。RECISTは機能画像としてFDG–PETによるPD判定を採用しています。臨床試験の効果判定規準は,比較可能性が担保できるよう(どこでも誰が評価しても同じ結果が得られるよう)評価方法は簡便化されています。
FDG–PETによる判定規準には,PERCIST(PET Response Criteria in Solid Tumors),悪性リンパ腫に特化したLugano分類があり,それぞれICIのpseudoprogressionに対応したimPERCISTやLYRIC(Lymphoma Response to Immunomodulatory Therapy Criteria)が提唱されています。
局所治療は全身治療とは異なり,局所の完全奏効(CR)がより重要です。肺癌に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)は,大線量照射による肺臓炎のため腫瘍径の測定が難しく,慎重な経過観察を要します。食道癌取扱い規約で原発巣に対する新しい規準が導入されました。肝動脈化学塞栓療法(TACE)やラジオ波焼灼療法(RFA)といった局所治療の効果判定は,mRECISTやRECICL(Response Evaluation Criteria in Cancer of the Liver)といった規準を用い,局所治療による腫瘍壊死を治療効果として考慮します。
この場を借りて,貴重な寄稿をしていただいた著者の先生方に深く御礼申し上げます。本特集を通じて,治療効果判定に対する理解の促進に寄与できれば幸いです。
企画・編集:渡辺裕一 国立がん研究センター中央病院 放射線診断科
目次
特集1:動脈解離再考! 今こそ全身の動脈解離を網羅する 企画・編集:五明美穂,土屋一洋
序説 五明美穂,土屋一洋
動脈解離の病理所見 畠山 遥ほか
頭蓋内動脈,頸部動脈(内頸動脈,椎骨動脈)解離の病態と治療 水谷 徹
頭蓋内動脈,頸部動脈(内頸動脈,椎骨動脈)解離の画像診断 平賀利匡ほか
大動脈解離の病態・治療 加藤雅明
大動脈解離の画像診断 末吉英純
冠動脈解離の臨床像 加畑 充
冠動脈解離の画像診断 木藤雅文
腹部内臓動脈解離−臨床的特徴と治療− 外山芳弘
腹部内臓動脈解離の画像診断 野村優里菜ほか
特集2:画像診断医も知っておきたい 治療効果判定のトピックス 企画・編集:渡辺裕一
序説 渡辺裕一
病理学的治療効果判定 岸川さつきほか
臨床試験の治療効果判定 渡辺裕一
PETによる治療効果判定 髙浪健太郎
放射線治療における治療効果判定 伊藤芳紀
IVR領域における治療効果判定−肝細胞癌を中心に− 佐藤洋造
連載
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書籍情報
- ISBN:9784008004409
- ページ数:124頁
- 書籍発行日:2024年8月
- 電子版発売日:2024年8月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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