発達が気になる子の偏食の見方と対応 口腔・認知・感覚・環境面からのアプローチ

  • ページ数 : 156頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年11月8日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

子どもの好き嫌いには理由がある!ー子ども一人ひとりの好き嫌いの理由に応じた対応をするために
発達が気になる子では偏食(好き嫌い)に困っている家庭もあり、栄養・発達面から介入が望まれるケースもある。
本書では一人ひとり異なる好き嫌いの理由を口腔面・認知面・感覚面・環境面、また手の不器用さの面から解説するとともに、理由に応じた具体的な対応50項目を詳述。子どもの食行動の傾向や好き嫌い、またその理由を知るのに役立つチェックリスト付き。
リハスタッフ、栄養士、調理員、保育士、保護者、学校の先生、療育スタッフの連携に便利な資料や保護者支援のポイントも記述。

序文

序文


発達が気になる子では,偏食の割合が高く,食べられるものが数品といったことも稀ではありません.さらにその限られた数品も,いつもと色や形,サイズを変えたら食べないということもあります.ある保護者から,「雄太の大好きなハンバーグを食べやすいようにと思って小さく切って出したら,急に怒り出してお皿ごとひっくり返したんです.なぜなのか,理由がわからなくて」と,相談を受けたことがありました.雄太君にとっては,ハンバーグは

ふっくらと丸い形のものという認識なのか,いつもとは違う見た目(切られた状態)となったハンバーグが,受け入れられなかったのが理由のようです.

子どもが食べない理由は見た目(認知面の理由)だけではありません.肉じゃがという料理一つを取り上げてみても,じゃがいもが大きくて食べにくいからなどの口腔面の理由,冷めてるから嫌・においが嫌・食感が嫌・味が混じっているのが嫌だからなど感覚面の理由,いつもと違う食器・場所だからなどの認知・環境面の理由など,さまざまあります.また,食べ(られ)る食べ物や好きな食べ物にも,理由があります.このように子どもの好き嫌いには理由があるため,好き嫌い(偏食)への対応は,食べないあるいは食べる理由によって異なります.

肉じゃがを食べない理由が,じゃがいもが大きくて食べにくいから(口腔面)なら,小さくするといった対応が考えられます.また,冷めているのが嫌(感覚面)が理由の場合は,温めてみようとなるかと思います.一方,揚げ物などさくさくした食感を好む,丸い見た目を好むようなら,苦手な魚を揚げ物にしてみよう,すり身にして丸くしてみよう,などの案も浮かびます.

しかし,発達が気になる子どもでは,感覚過敏,こだわりなどの特性から,雄太君のように,好き嫌い(偏食)の理由がわかりにくいことがあります.そこで本書ではよくある好き嫌いの理由を口腔,感覚(味・におい・食感・温度・音・見た目),認知面,環境面に分けて整理して紹介しました.子どもの好き嫌いやその理由をチェックする表も掲載しましたので,保護者や支援者の方に,子どもの好き嫌いの傾向と理由を知る,あるいは推測するためのツールとして役立てていただけるかと思います.さらに,好き嫌いの理由に応じた対応例についてもイラスト,事例,コラムを多く取り入れて詳細に紹介しました.

なお,第1章では,偏食だけでなく,不器用,マナー,食への関心・集中などの食に関する行動を幅広く把握できる,「食行動質問紙」を掲載しました. この質問紙を用いることで,子どもの食事中の行動を点数化することができ,支援の導入を検討する一助となります.また,食が進まないことの理由にもなる,発達が気になる子に多い不器用さについて,からだや道具操作の発達と機能的な視点からの子どもの見方と対応(4章)についても触れました.

偏食の理由に応じた対応は子どもの安心にもつながります.本書が,保護者や支援者の方にとって,偏食への支援の方向性がいくらかでも見えてくることや子どものことを理解する助けとなり,子どもが新しい食べ物,苦手な食べ物に安心してチャレンジできる環境のもと,食べられるものの幅を広げる一助となれば幸いです.


2023年10月

著者を代表して 立山清美

目次

第1章 発達が気になる子どもの食行動の特徴・・・中岡和代

1 子どもの食行動には意味や理由がある

2 子どもの食事中の行動をチェックしてみよう

第2章 偏食(好き嫌い)の理由を考えてみよう

❶ 子どもの成長と偏食・・・宮嶋愛弓

1 偏食とは?

2 発達が気になる子どもの成長と偏食

❷ 子どもの好き嫌いを把握しよう・・・立山清美

1 「好き嫌いチェック表」の活用

 「好き嫌いチェック表」の使い方

2 食事状況の把握

3 好き嫌いと栄養のバランスの確認

 1. 身長・体重をもとに,順調に発育しているかを確認

 2. 顔色や爪の状態を確認

 3. 全体として栄養のバランスがとれているかどうかをみる

❸ 好き嫌いの理由に着眼する・・・宮嶋愛弓

1 子どもによって異なる「食べない理由」

2 「食べない理由」によって「適切な対応」は異なる

3 好きな食べ物や「食べ(られ)る理由」にも着目しよう

4 好き嫌いの理由には何があるの?

❹ 口腔面の特性と理由(上手に食べるための口の動きについて)・・・原田 瞬

1 口の動きと偏食(好き嫌い)の関係

2 上手に食べるための口の動き

 1. 唇の働き

 2. 舌の働き

 3. 頬の働き

 4. あごの働き

 5. のどの働き

3 口の動きの発達

4 発達が気になる子どもの口の動きと偏食(好き嫌い)

❺ 感覚面の特性と理由・・・宮嶋愛弓

1 食事の際に使われる感覚とその個人差

2 感覚面の理由

 1. 味の好き嫌い

 2. においの好き嫌い

 3. 食感の好き嫌い

 4. 温度の好き嫌い

 5. 音の好き嫌い

 6. 外観・見た目の好き嫌い

❻ 認知面の理由・・・立山清美

1 慣れ

 「慣れているから」は,好きな理由の上位

2 見通し

 1. どのような食べ物なのか,という見通し

 2. 量やサイズの見通し

 3 こだわり

 特徴1.「変えない」─予定,物,位置,道順,順番など

 特徴2.「やめない」

 特徴3.「始めない」─新たなことを始められない

❼ 環境面の理由・・・立山清美

1 外部環境

 1. 人的環境

 2. 物的環境

2 内部環境

 1. 子どものコンディション

 2. 子どもの発達・特性

第3章 偏食(好き嫌い)の対応を考えてみよう

❶ 偏食への対応の現状・・・宮嶋愛弓

❷ 偏食(好き嫌い)の理由に応じた対応・・・宮嶋愛弓

❸ 口腔面の理由への対応(食べやすくするための工夫について)・・・原田 瞬

1 子どもの食べにくさに目を向ける

2 食べにくい理由を考えてみよう

3 食べにくさへの対応

 1. 食べ物を工夫する

 2. 口の動きの発達を促す

❹ 感覚面の理由への対応・・・宮嶋愛弓

1 感覚を混ぜない─対応する感覚の種類:食感・味・におい

 1. 一品ずつ料理を食べる

 2. 一口ずつ終わらせ,味を混ぜない

2 嫌いな感覚を変える,好きな感覚を利用する

 1. 味

 2. におい

 3. 食感

 4. 温度

 5. 音

 6. 外観・見た目

❺ 認知面の理由への対応・・・立山清美

1 ファーストチャレンジを支援する(初めての経験をさせ,食材を知ってもらう)

 1. 食べないものも食卓に出す

 2. 口の中に入れる

 3. 残すこともできるようにする

 4. 似ている料理に挑戦する

2 量やサイズの見通しを持たせる

3 ともに経験し,見通しを持たせ

4 ルールを決めて見通しを持たせる

 1. 嫌いなものから食べ,好きなものを最後にする

 2. 食べなくてもすぐに片づける

5 嫌い・苦手なものに気づかせない

 1. 容器を変更する・入れなおす

 2.  許容範囲で入れる

❻ 環境面の理由への対応・・・宮嶋愛弓

1 人的環境─認知・環境面への対応

 1. 介助方法に一貫性を持たせる

 2. 強制せず頑張りを認める

 3. 楽しい雰囲気を意識する

2 物的環境

 1. こだわりを利用し新しい環境に慣れさせる

 2. 経験を通して新しい環境に慣れさせる

第4章 手指の不器用さの見方と対応を考えよう・・・丹葉寛之

1 自分で食べられるようになるには

2 自分で食べるために必要なからだ・手・こころの発達(スプーン操作の獲得まで)

3 スプーンの持ち方の発達

4 スプーン操作と,フォーク操作の違い

5 箸の操作について

6 食事環境を見直してみよう

第5章 保護者の状況の理解と支援(保護者への支援,就学前・後の支援)

1 保護者支援の際に気をつけていること・・・立山清美

2 保護者の状況を理解する・・・立山清美

 1. 保護者が大事にしていることを尊重する

 2. 取り組んできたことを尋ねて情報を共有する

 3. 必要に応じて保護者の生活時間も把握する

3 「偏食がある子どもの保護者の自己効力感尺度(SAPS)」の紹介・・・宮嶋愛弓

 1. SAPSの目的・意義

 2. 偏食がある子どもの保護者の「自己効力感」とは?

 3. SAPSの特徴と使い方

 4. SAPSの活かし方

4 保護者支援のタイミングと発信 〔立山清美〕

 1. 支援のタイミングは「今なのか」を吟味

 2. 保護者への発信

5 就学前・後の支援

 1. 慣れにくく不安が強い子どもには先手を打つ・・・立山清美

 2. 環境の変化に見通しが持ちづらい子どもと保護者に配慮する・・・立山清美

 3. 学校への引き継ぎ・・・立山清美

 4. 学校の給食に慣れるまでの支援・・・中岡和代

付表

コラム一覧

❶子どもの食行動・・・中岡和代

❷子どもの食事で保護者が困っていること・・・中岡和代

❸感覚における個人差・・・宮嶋愛弓

❹慣れにくい子どもでは感覚過敏が影響していることがある・・・立山清美

❺子どもが何にこだわっているのかを見極める・・・立山清美

❻一度の嫌な経験で食べ物が嫌いになる「味覚嫌悪学習」・・・立山清美

❼人の多く集まる場所が苦手な子ども・・・立山清美

❽内部環境と外部環境は相互に影響・・・立山清美

❾離乳食の進め方ー感覚面への対応・・・宮嶋愛弓

❿子どもの味覚の発達をふまえた対応・・・宮嶋愛弓

⓫見慣れない食べ物,どのような状況なら食べようと思いますか?・・・立山清美

⓬ほめることがなぜ大事?・・・立山清美

⓭なぜその支援が必要なのか理由も伝えよう(申し送る側),理由を確認しよう(受け手側)・・・立山清美

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書籍情報

  • ISBN:9784895907781
  • ページ数:156頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年11月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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