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- ②最新 眼科画像診断パワーアップ―検査の基本から最新機器の撮影法まで―<眼科診療エクレール>
商品情報
内容
眼科画像診断の基本から応用を,エキスパートの執筆陣が具体的に解説.部位・疾患別の画像診断の種類と目的,検査の実際,検査結果の解釈と診療への活かし方がよくわかる.広角眼底撮影,造影検査(FA,ICGA),超音波断層撮影,CT,MRI,MRA,そしてOCTをはじめとして,OCTAやSS-OCT,SD-OCT,UBM,SLOなど,最新機器を用いた画像診断のコツも満載.
序文
序
Watzke―Allen法という検査をご存知の読者は,かなりベテランの眼科医でしょう.特発性黄斑円孔は長年にわたり治療法の存在しない不治の病でした.1991年にKellyとWendelが,後部硝子体剝離作成にガスタンポナーデを併用することによって黄斑円孔が閉鎖する可能性を報告し,一躍治療対象の疾患になりました.しかし,stage 2の黄斑円孔が本当に開存しているのか,あるいは術後に閉鎖しているのかを検眼鏡で判断するのはかなり難しい作業でした.Watzke―Allen法は,黄斑部に細く絞って当てたスリット光の自覚的な見え方から,黄斑円孔が開存しているかどうかを判定する検査法です.私が研修医の頃は一般的な検査でしたが,OCTが普及した現在,このような検査が行われることはもはやありません.加えて,SS―OCTを活用すれば,ガス下でも黄斑円孔が閉鎖しているかどうかの判定が可能です.
眼科画像検査の進歩によって,様々な疾患の病態理解が深まり,診断・治療法が発展してきました.現在,フルオレセイン蛍光眼底造影やOCTAngiography(OCTA)なしには増殖糖尿病網膜症の治療を行うことはできませんし,OCTなしには滲出型加齢黄斑変性に対する抗VEGF治療を行うことはできません.今日の眼科診療は,画像検査と密接に結びついて行われているのです.
このように急速に発展してきた画像検査を,効率的かつ有効に活用するためにはノウハウが必要です.どのような状態に対して,どのような検査機器を用いて,どのように撮影するか? また,結果はどのように解釈し,どのように診療に活かしていくのか?試行錯誤・考察・経験によって,自身でノウハウを確立して行くのはもちろん立派なことです.しかし,次々に新しい機器が上市され,アプリケーションもバージョンアップされていく中で,一人であらゆる領域をカバーすることは不可能です.
本書は『最新 眼科画像診断パワーアップ―検査の基本から最新機器の撮影法まで―』と題し,長年の眼科診療経験をお持ちで日頃から画像検査を活用しておられる先生方に,画像検査の基本から応用までを解説していただきました.先人たちが長い時間をかけて蓄積してきたノウハウを,本書でお手軽に習得していただくことで,読者の日常診療にお役立ていただけることを願っています.なお,巻末付録として主要な略語の一覧を掲載していますので,ご利用いただければ幸いです.
2023年9月
担当編集 辻川明孝
目次
Chapter 1 検査の総論
1.1 角膜 (前田直之)
1.2 前房,隅角,水晶体 (栗本康夫)
1.3 硝子体 (岸 章治)
1.4 網膜 (宇治彰人)
1.5 脈絡膜 (湧川空子,古泉英貴)
1.6 眼底広角撮影 (加登本 伸)
1.7 造影検査 (森 隆三郎)
1.8 超音波断層撮影(B モード) (引地泰一)
1.9 CT/MRI (橋本雅人)
ADVICE くも膜下腔を走行する脳神経(動眼・滑車・外転神経)画像
Chapter 2 前眼部
2.1 ドライアイ (小川葉子)
TOPICS 1 免疫関連の重症ドライアイ
TOPICS 2 眼瞼の化粧品とドライアイ
2.2 円錐角膜 (宮井尊史) 2.3 水疱性角膜症,角膜移植 (天野史郎)
Chapter 3 緑内障
3.1 前眼部 (赤木忠道)
3.2 後眼部 (面髙宗子)
Chapter 4 網膜硝子体
4.1 黄斑低形成 (松下五佳)
4.2 後部硝子体剝離(PVD) (秋山英雄)
COLUMN 臨床試薬ocriplasmin
4.3 網膜上膜(ERM) (的場 亮,森實祐基)
4.4 黄斑円孔(MH),硝子体黄斑牽引(VMT) (森 圭介)
4.5 網膜剝離 (石澤聡子,坂口裕和)
4.6 ドルーゼン (大石明生)
4.7 網膜色素上皮?離(PED),網膜色素上皮裂孔(RPE tear) (大中誠之)
4.8 パキコロイド関連疾患(PSD) (本田 茂)
4.9 中心性漿液性脈絡網膜症(CSC),多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE) (井上麻衣子)
4.10 滲出型加齢黄斑変性(滲出型AMD) (安川 力)
4.11 ポリープ状脈絡膜血管症(PCV) (三木明子)
4.12 網膜内血管腫状増殖(RAP) (齋藤昌晃)
COLUMN FAFを用いたRAPの発症予測の方法
4.13 萎縮型加齢黄斑変性(萎縮型AMD) (上田奈央子)
4.14 網膜色素線条(AS) (田村 寛)
4.15 特発性脈絡膜新生血管(ICNV),点状内層脈絡膜症(PIC),多巣性脈絡膜炎(MFC) (小畑 亮)
4.16 黄斑部毛細血管拡張症(MacTel) (大音壮太郞)
4.17 後部ぶどう腫,DSM,下方ぶどう腫 (原 千佳子)
4.18 MEWDS,APMPPE,AZOORほか (齋藤 航)
4.19 acquired vitelliform lesions(AVLs) (櫻田庸一)
4.20 網膜細動脈瘤(RAM) (木村修平)
4.21 網膜動脈閉塞症(RAO) (西信良嗣)
4.22 網膜静脈閉塞症(RVO) (長谷川泰司)
4.23 parafoveal acute middle maculopathy(PAMM) (松本英孝,星野順紀)
4.24 高血圧網膜症,高血圧脈絡膜症 (喜田照代)
4.25 血液疾患 (永井由巳)
4.26 糖尿病網膜症 (村田敏規)
4.27 糖尿病黄斑浮腫(DME) (杦本昌彦)
4.28 未熟児網膜症(ROP) (岩橋千春,日下俊次)
4.29 病的近視 (政岡未紗,山城健児)
4.30 網膜色素変性(RP) (國吉一樹)
4.31 黄斑ジストロフィ (藤波(横川) 優,藤波 芳)
4.32 acute macular neuroretinopathy(AMN) (星野真子,村岡勇貴)
4.33 自己免疫網膜症(AIR) (上野真治)
4.34 眼外傷 (恩田秀寿)
4.35 術中OCT (厚東隆志)
Chapter 5 ぶどう膜炎
5.1 フォークト・小柳・原田病(VKH) (内村英子,丸子一朗)
5.2 眼内悪性リンパ腫 (慶野 博)
5.3 その他のぶどう膜炎 (武田篤信)
5.4 強膜炎 (蕪城俊克)
Chapter 6 視神経疾患
6.1 視神経炎 (毛塚剛司)
6.2 視神経症 (後藤克聡,三木淳司)
6.3 甲状腺眼症 (井上吐州)
6.4 頭蓋内疾患 (中馬秀樹)
Chapter 7 腫瘍
7.1 前眼部腫瘍 (藤井裕也,田邉美香)
7.2 網膜腫瘍 (加瀬 諭)
7.3 脈絡膜腫瘍 (鈴木茂伸)
COLUMN 脈絡膜腫瘍における画像検査の重要性と病理診断の位置づけ
7.4 眼窩腫瘍 (渡辺彰英)
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書籍情報
- ISBN:9784521750521
- ページ数:400頁
- 書籍発行日:2023年10月
- 電子版発売日:2023年12月5日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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