リハベーシック 心理学・臨床心理学 第2版

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2024年1月
  • 電子版発売日 : 2023年12月4日
2,970
(税込)
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商品情報

内容

リハ学生のために「心理学」「臨床心理学」の専門家がやさしくレクチャー!
●教養・基礎科目から専門科目へつなげるPT・OT・ST向けの好評テキストシリーズ,待望の改訂!
●リハ学生のために「心理学」「臨床心理学」の専門家がわかりやすく書き下ろした入門テキスト!
●【講義1コマで学ぶテーマ4つ】×【各テーマ見開き2頁】=【1コマ合計8頁】
●授業に適したコンパクトなボリュームにまとめて解説し,要点をしっかり学習できる!
●巻末にはPT・OT・ST国家試験過去問も掲載.
●高いレベルの対人技法を習得するための理論的基盤となる心理学・臨床心理学.その基礎(心理学)と応用(臨床心理学)の関係を理解することで,課題解決能力を習得する!

序文

シリーズの序

このたび,リハビリテーションベーシック科目に関わるシリーズを企画・編集しました.

日本において,理学療法士,作業療法士および言語聴覚士の養成課程は,特に平成の30年間で,社会のニーズと規制緩和によってその数が急速に増加しました.この過程で,大学,短期大学,専門学校などの多様な学校形態と修業年限に加えて,主として夜間に開講されるコースなどでも身近に学ぶことが可能となっています.また,2019年4月からは新たな高等教育機関として,専門職大学での教育が開始されたところです.

これらの養成課程では,関連法令で国家試験受験資格を得るための教育課程が詳細に規定されています.その基本的な構成は,教養教育,専門基礎,専門科目に大別することができ,専門基礎と専門科目については各職種の特徴を踏まえた科学性とリハビリテーション(リハ)の理念に基づき良質なテキストが発行されています.

教養教育については,歴史的にリベラルアーツとして一般教育を重視して,人文・社会・自然の諸科学にわたり豊かな教養と広い識見を備えた人材を育成するために構成されてきた経緯もあり,それぞれの養成課程で何をいかに学ぶのかについては十分な議論が成熟していません.

近年のリハ専門職にあっては,従来の医学的な知見に加えて,再生医療,ロボティクス,データサイエンスとともに,多職種連携・チーム医療,社会保障制度の理解,法・哲学を包含した生命倫理など,学際的な基盤と実践適用に大きな期待が寄せられています.このような状況にあって,私たちシリーズ編集者は,リハ専門職の領域における教養教育のあり方について真摯な議論を重ねてきました.教養教育は,単なる専門教育の補完や予備的なものではないとの認識で,同時に,入学直後の学習意欲の低下を防いで初年時教育を効果的に展開し,生涯にわたって学び続ける姿勢を涵養し,時代の要請に応える創造性と基本的な課題解決能力を修得するための知恵をわかりやすい形で示すことといたしました.

幸いにも私たちの理想に多くの専門家から共感をいただき,見開き2ページのフォーマットによる解説と簡潔なイラストや図表により,高度な内容をわかりやすく簡潔に表すことができました.ご執筆いただきました先生方にはここにあらためて感謝申し上げます.あわせて企画の構想段階から医歯薬出版株式会社の五十嵐陽子取締役,小川文一執行役員,栗原嘉子様には多大なご協力をいただきましたことに心から感謝申し上げます.

本シリーズはこの数年をかけて幅広い領域の内容を提示していく予定でおりますが,このような試みは先駆的で挑戦的なものでもありますので,読者の皆様から忌憚のないご意見をいただき,より成熟したものへと育てていただければと願っています.


2019年11月

シリーズ編集者
内山 靖・藤井浩美・立石雅子


第2版 編集の序

このたび,リハベーシック『心理学・臨床心理学 第2版』を発刊する運びとなりました.初版は,2020年1月の発行から3年間で第5刷まで増刷を重ね,多くの理学療法士(PT),作業療法士(OT)および言語聴覚士(ST)のリハビリテーション専門職(リハ専門職)を目指す学生の方々にご愛読頂きました.また,養成校の教員の方々からは「リハ専門職の学生向けにて簡潔にまとめられている」「図や絵がとても見やすく最初に触れやすい書籍」などの好評価を頂きました.他方,「臨床で使う理論(期待価値理論や自己決定理論など)が不足している」「臨床での活用の例示があるとよい」と,リハ実践につながる内容を追加してほしい旨のご要望を頂きました.

そこで,第2版では,執筆陣にリハ専門職の方々に加わって頂き,上記の要望に加えて日常業務の中で感じる対象者の心理やリハ専門職の心得をコラムとしてご紹介頂きました.中身については引き続き,大学の講義を念頭に15回仕立てで,各章とも4つのキーワード(LECTURE)で展開するように構成しました.さらに,CHAPTER 15(要点Check)の内容を見直し,巻末には,PT・OTは過去10年分,STは8年分の国家試験問題を収載しました.

CHAPTER1で,「心理学・臨床心理学はおもしろい」とシリーズに共通した表題で,その学問体系への導入を図っております.本書のLECTURE1-1では「なぜ心理学を学ぶのか」,LECTURE1-2では「なぜ臨床心理学を学ぶのか」と題して,心理学と臨床心理学への学びの導入を図りました.本シリーズのもう1つの特徴であるキーワードごとのイラストや図表も工夫を凝らしました.これらは,キーワードに沿ってまとめられた本文のエッセンスです.それぞれの内容をより具体的に理解する手助けになるものと期待しております.

COVID-19の世界的流行によって,不安や恐怖,偏見や差別,隔離によるストレス,情報がもたらす混乱など,さまざまなメンタルヘルス上の問題が生じました.リハ専門職は,生物レベルでのヒト,個人レベルでの人および社会レベルでの人間を理解する必要があります.そのためにも,リハ専門職の基礎である心理学に加え,臨床心理学のエッセンスを学ぶことが重要です.本書は,そのようなニーズに応える得るものと確信しております.

最後に,第2版においても,内容の吟味,ご執筆,ご校正と多岐にわたってご支援,ご協力を頂きました山形県立保健医療大学特任・名誉教授の佐竹真次先生に深謝いたします.


2023年10月

担当編集 藤井浩美

目次

CHAPTER 1 心理学・臨床心理学はおもしろい

 (藤井浩美)

LECTURE 1-1 なぜ心理学を学ぶのか

LECTURE 1-2 なぜ臨床心理学を学ぶのか

LECTURE 1-3 リハビリテーションに活かす心理学・臨床心理学

LECTURE 1-4 本書の構成と学び方

CHAPTER 2 心理学とは

 (柴田理瑛)

LECTURE 2-1 心理学の誕生と発展

LECTURE 2-2 心理学の目的と「こころの可視化」

LECTURE 2-3 心理学の研究方法

LECTURE 2-4 心理学の応用

CHAPTER 3 感覚・知覚・注意・認知

 (志水貴紀)

LECTURE 3-1 感覚

LECTURE 3-2 知覚

LECTURE 3-3 注意

LECTURE 3-4 認知

CHAPTER 4 情動・動機付け・パーソナリティ・社会

 (柴田理瑛・小林 智)

LECUTRE 4-1 情動の諸側面と理論

LECTURE 4-2 動機付け

LECTURE 4-3 パーソナリティ

LECTURE 4-4 社会の中での行動

CHAPTER 5 記憶・学習

 (平野幹雄)

LECTURE 5-1 記憶の仕組み

LECTURE 5-2 記憶の分類と変容

LECTURE 5-3 学習(レスポンデント条件付け)

LECTURE 5-4 学習(オペラント条件付け)

CHAPTER 6 言語・概念・思考

 (飯島典子)

LECTURE 6-1 言語の仕組み

LECTURE 6-2 言語の障害

LECTURE 6-3 概念の仕組み

LECTURE 6-4 思考と推理

CHAPTER 7 発達と知能

 (飯島典子)

LECTURE 7-1 発達の理論

LECTURE 7-2 エリクソン(Erikson)の発達段階

LECTURE 7-3 乳児期・幼児期・児童期の発達

LECTURE 7-4 青年期・成人期・老年期

CHAPTER 8 臨床心理学とは

 (佐竹真次)

LECTURE 8-1 臨床心理学の構造と使命および倫理

LECTURE 8-2 臨床心理学の歴史

LECTURE 8-3 臨床心理学の職域と社会的連携

LECTURE 8-4 臨床心理学と公認心理師

CHAPTER 9 防衛機制

 (安保寛明)

LECTURE 9-1 防衛機制とは

LECTURE 9-2 臨床心理支援のキー概念 ―共感・傾聴・ラポール・カタルシス―

LECTURE 9-3 臨床心理支援のキー概念 ―転移と逆転移―

LECTURE 9-4 障害受容の過程

CHAPTER 10 心理アセスメント

 (加藤哲文)

LECTURE 10-1 心理アセスメントの目的とは

LECTURE 10-2 心理アセスメントの方法とデータの収集方法

LECTURE 10-3 心理アセスメントのデータの分析方法

LECTURE 10-4 異常心理学から臨床心理学へ

CHAPTER 11 臨床で用いられる心理検査

 (清水貴裕)

LECTURE 11-1 人格検査

LECTURE 11-2 知能検査

LECTURE 11-3 発達検査

LECTURE 11-4 認知機能検査

CHAPTER 12 臨床心理学の介入方法(行動的)

 (加藤哲文)

LECTURE 12-1 行動療法の起源と特徴

LECTURE 12-2 行動療法の諸技法

LECTURE 12-3 認知行動療法の普及

LECTURE 12-4 その他の行動論的技法

CHAPTER 13 臨床心理学の介入技法(内面的)

 (志水貴紀)

LECTURE 13-1 催眠療法,精神分析療法

LECTURE 13-2 内観療法

LECTURE 13-3 絵画療法,箱庭療法

LECTURE 13-4 心理劇,交流分析

CHAPTER 14 臨床心理学の介入技法(相談的)

 (安保寛明)

LECTURE 14-1 来談者中心療法

LECTURE 14-2 支持的精神療法

LECTURE 14-3 集団精神療法

LECTURE 14-4 森田療法,実存分析

CHAPTER 15 要点Check

PT・OT国家試験過去問題

ST国家試験過去問題

コラム一覧

 病的体験を理解するには(川勝祐貴)

 真摯に患者さんに向き合おう(鈴木由美)

 主観的評価と客観的評価の違いの意味(川勝祐貴)

 患者家族への心理的サポート(藤井浩美)

 臨床で使う期待価値理論や自己決定理論(佐竹真次)

 身体と心のインタラクション:慢性痛と臨床心理学(佐竹真次)

 日本の臨床心理学の小史(佐竹真次)

 陽性症状と陰性症状(藤井浩美)

 リハ専門職自身の心の健康管理(川勝祐貴)

 脳卒中とうつ(鈴木由美)

 介入技法の効果について(志水貴紀)

 臨床実習に臨む学生の心理(鈴木由美)


文献一覧

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784263267578
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2024年1月
  • 電子版発売日:2023年12月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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