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- いのちを紡ぐ、こころを紡ぐ
商品情報
内容
序文
はじめに
本書をつくるきっかけになったのは、2014年から1年間、セキュリティ産業新聞に「国際災害医療協力の現場から」と題して随想を連載したことである。その内容は一部改変して第Ⅱ章にまとめてあるが、それから7年あまりの歳月を経て、新たな内容も加え、この度ようやく刊行するまでに至った。
今回、編集作業を通して、改めて自分の半生を振り返る機会を得た。
学生時代に国際貢献として初めてタイ王国に足を運んでから半世紀以上になるが、それ以降のさまざまな経験が私の人生の背骨になっている。世界のどこかで災害が起これば現地に足を運び、瀕死の状態で苦しむ患者の命と向き合い、また、痛みをこらえて何時間も待つ人々の診療を行ってきた。そのときの患者たちは、知らない国の初めて会う医者に自分の命を託しているわけであるから、私たちにかかる重圧は並大抵のものではないが、その重圧を私は患者の信頼に応えたいという強い力に変えて取り組んできたように思う。加えて、水や食料や住環境など、決して恵まれているとはいえない地域であっても、その環境に順応する野性的嗜好能力が自分に身についていたことも幸いした。
世界は広い。いろいろな文化があり、考え方や思想、宗教も違う。それは実際にその地を訪れ、その地の人たちと会わなければわからない。そして、人とのつきあいには理解し合うことが大切であるし、時には譲歩も必要である。今、世界はバラバラになっている感があるが、それは理解と譲歩が足りないからである。地球という1つの乗り物にのっているのだから“We are on the same boat”と考えるべきである。
私は本書の編集にあたり、世界に飛び出すことがいかに視野を広げ、人生を切り拓いてくれるかを若い人たちに伝えたいと思った。そして、さまざまなことを体験しながら、いのちを紡ぎ、こころを紡いで頂きたい。
人の一生とは、多くの人との関わりがあって初めて成り立つことである。時には喧嘩もするし、泣いたり笑ったりもする。しかし、気がつけばそれが自分の宝物であり、勲章である。
困っている人、病んでいる人にいかに手を差し伸べるか。人のために生きることは人と共に生きること、人に生かされることである。それもまた愉しである。
令和4年1月吉日
山本 保博
目次
Ⅰ 記憶と体験
生態観察に夢中になった中学・高校時代
忘れられないタイ王国医療ボランティアの旅
“待ち”の医療から“病院前”医療開始の時代へ
数十回にわたる国際医療支援への道
Ⅱ 随想―国際災害医療協力の現場から―
1.日本の国際緊急医療支援と私のかかわりを振り返る
2.災害現場の民族の壁と宗教の壁を考える
3.世界の災害現場では傷病者の病態や対処法は想定を超える
4.世界の災害医療支援でわかった災害弱者の知恵
5.国際支援は多くの壁を乗り越える必要がある
6.難民医療で見たクルド人の感謝の表現
7.イラク戦争前後のイラク、シリアで考えたこと
8.世界の災害現場では予想を超えた損傷がある
9.途上国ではミネラルウオーターも安全ではない
10.原因が複雑な災害に出動することも時には必要である
11.子どもは最も優先順位の高い災害弱者である
12.日本の祭りと世界の祭りのリスクを考える
13.地球温暖化による気象災害や危険感染症はより深刻化する
14.テディベアを連れて入院する小児は元気を取り戻す
Ⅲ 鼎談「日本、そして世界の災害医療に臨む」
JDR医療チームはモチベーションの高い医療従事者の集合体
人為災害か、自然災害か、複合災害か、特定できない災害は多々あるもの
難民救護の課題は長期化と医療水準の役割分担
国際化の進展などで災害医療は複雑化する
足の甲に接吻して頂いたエチオピアでの思い出
Ⅳ 対談「支流といわれた救急医療を本流へ」
救急医療の現場は患者の命を救うためにみんな奔走していた
日本の災害医療は国際災害から始まった
“走る災害医療ステーション”がいよいよ完成
メディアと世論を巻き込んで救急隊員の処置拡大を実現
災害医療を目指す医師は下痢をしないこと
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書籍情報
- ISBN:9784907095673
- ページ数:118頁
- 書籍発行日:2022年2月
- 電子版発売日:2023年12月22日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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