脳卒中の機能評価―SIASとFIM[基礎編]

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2012年12月
  • 電子版発売日 : 2023年12月22日
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商品情報

内容

効果的な脳卒中リハビリテーションに欠かせない機能障害の評価として脳卒中機能評価法(SIAS)、能力低下の評価として機能的自立度評価法(FIM)を取り上げ、徹底的に解説した待望の新刊。
初学者向けの基礎編と経験者向けの応用編から構成され、基礎編となる本書では評価の概要や項目ごとの採点方法など、基本的な事柄の説明に重点をおいた。まずは基礎から着実に理解を深め、機能評価のスペシャリストを目指すべし!

序文

はじめに

脳血管障害(脳卒中)は日本人の介護要因第1 位の疾患です。また,超高齢社会の現在,片麻痺や歩行障害などの後遺症をもったまま,不自由な生活を余儀なくされている患者さんの数は増加傾向にあり,リハビリテーション医療の重要性はますます高まる一方です。

国際的な疾病構造の変化にともなって,このような時代が訪れるであろうことは,すでに20 世紀末から問題視されてきました。しかし,効果的なリハビリテーション治療の基礎となる機能障害・能力低下の評価においては,病院・施設ごとにさまざまな評価法が使われているという実態があり,患者さんの状態を客観的に把握するには,今日でさえ相当な困難を要します。

このような時代背景のなか,1983 年に発表された機能的自立度評価法(FIM;Functional Independence Measure)は,妥当性と再現性に優れた能力低下の評価法として高く評価され,いまや国際的に定着しつつあります。

また,機能障害の評価法としては,われわれのグループが1994 年に発表し,推奨してきた脳卒中機能評価法(SIAS;Stroke Impairment Assessment Set)があります。SIAS はこれまでわが国で用いられてきたBrunnstrom RecoveryStage(BRS)に比べ,運動麻痺の回復の経過をより詳しく判定することができ,さらに,運動機能にとどまらず,感覚機能,関節可動域(ROM;Range of Motion),高次脳機能障害などの程度を評価することができます。日常の臨床診断で行われる診断手技を評価基準に用いた簡便な評価法であり,統計的にも妥当性と再現性を有することがわかっています。

本書は,脳卒中後のリハビリテーションに励む患者さんに対し,SIAS とFIMを用いた適切な評価を行う方法を解説するものです。これらの評価法の解説書としては,われわれのグループによる『脳卒中患者の機能評価―SIAS とFIM の実際』(シュプリンガー・ジャパン,1997 年)が愛読されてきましたが,出版から15 年が経ち,いろいろと調整すべき点も出てきたため,基礎からテコ入れを行い新刊として出版する運びとなりました。

新刊は基礎編と応用編の分冊であり,基礎編ではこれからSIAS やFIM を学ぼうとする初学者に向けて,SIAS とFIM についての詳細な解説を行いました。応用編では,すでにSIAS やFIM を使っている経験者に向けた解説(特にFIM に関し,全国各地で開催してきた講習会の経験を活かした内容)を検討しています。

わが国のリハビリテーション医療に従事する医師,理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),看護師などの関連職はもとより,神経内科・脳神経外科など,脳卒中を治療するすべての医療関係者に,これらの評価法を実践して頂ければ幸いです。


2012年11月

編著者を代表して 千野 直一

目次

1章 脳卒中のリハビリテ−ション

1-1 リハビリテ−ションにおける機能評価の意義

 1-1-1 機能評価の目的

 1-1-2 機能評価の種類による利点欠点

 1-1-3 脳卒中機能評価の歴史的変遷

1-2 障害の分類法

 1-2-1 国際疾病分類(ICD)

 1-2-2 国際障害分類(ICIDH)

 1-2-3 国際生活機能分類(ICF)

 1-2-4 脳卒中における機能障害

 1-2-5 脳卒中における能力低下

 1-2-6 脳卒中における社会的不利

1-3 脳卒中における機能評価

 1-3-1 機能障害の評価法

 1-3-2 能力低下の評価法

 1-3-3 社会的不利の評価法

2章 脳卒中機能評価法(SIAS)

2-1 SIAS誕生の歴史的背景

2-2 SIASの特徴と概要

2-3 SIASの具体的評価方法

 2-3-1 麻痺側運動機能(SIAS-M;SIAS-Motor)

 2-3-2 筋緊張

 2-3-3 感覚機能

 2-3-4 関節可動域

 2-3-5 疼痛

 2-3-6 体幹機能

 2-3-7 視空間認知

 2-3-8 言語機能

 2-3-9 非麻痺側機能

2-4 採点例(症例紹介)

2-5 レ−ダ−チャ−ト

3章 機能的自立度評価法(FIM)

3-1 FIM誕生の歴史的背景

 3-1-1 脳卒中予後調査研究

 3-1-2 FIMとUDSの誕生

3-2 FIM Ver.3の特徴と概要

3-3 FIM Ver.3運動項目の具体的評価方法

 3-3-1 セルフケア(self care)

 3-3-2 排泄コントロ−ル(sphincter control)

 3-3-3 移乗(transfer)

 3-3-4 移動(locomotion)

3-4 FIM Ver.3認知項目の具体的評価方法

 3-4-1 コミュニケ−ション(communication)

 3-4-2 社会的認知(social cognition)

3-5 評価上達の要点

3-6 採点例(症例紹介)

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書籍情報

  • ISBN:9784307750332
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2012年12月
  • 電子版発売日:2023年12月22日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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