糖尿病治療薬最新メソッド 第4版

  • ページ数 : 336頁
  • 書籍発行日 : 2023年12月
  • 電子版発売日 : 2023年12月29日
5,500
(税込)
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商品情報

内容

2023年10月末改訂の最新アルゴリズム準拠!治療の進歩に伴い、前版からほとんどの症例を入れ替えた最新版です!

 患者の病態ごとに、処方の初手→次の一手の構成で治療薬の使い方をまとめました。
血糖値のみならず、血圧、脂質、脂肪肝なども改善する最新の治療法についても解説。
インスリン分泌能とインスリン抵抗性の簡単なチェック方法、保険診療で査定されやすい点など、実臨床ですぐに役立つ情報が満載です。
治療薬とあわせて最新デバイスの活用法も紹介しています。

序文

第4版刊行にあたって

本書が初めて刊行されたのが今からちょうど10年前の2013年。新版として再編集を何度も加えて今回第4版となりました。糖尿病の治療薬が本当に日々進歩している証拠と言ってもよいでしょう。そして何よりうれしいことはその進歩に沿った新版を本書に求められて再編集を重ねる機会を頂いたことです。ひとえに本書をお求め頂き,愛読,愛用して頂いた医療関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

さて,その進歩の中でも直近の話題はやはりGLP-1受容体作動薬あるいはGIP/GLP-1受容体作動薬が示した驚くべき効果でしょう。第3版の緒言でも申し上げていますが,基礎インスリンに代わってファーストインジェクションにのし上がったGLP-1受容体作動薬はその時点でプライオリティの高い薬剤となっていました。しかし,その後登場した,セマグルチド,チルゼパチドは既存のGLP-1受容体作動薬よりもかなり強力で,患者によってはHbA1cが5%台に,そして体重を10㎏以上落とせるといった凄まじい効果に加え,高血圧,脂質異常症,脂肪肝といった付随する代謝異常を軒並み改善し,真に糖尿病が“治る”ケースが散見されるようになりました。第4版の本書がそのような薬剤の影響を色濃く受けた内容になっているのは当然の結果ですが,日常臨床で活用して頂くことによりそのあたりを感じ取って頂けますと幸甚です。

糖尿病治療薬は,その作用機序が不明ながら期待値の高いイメグリミンや2024年には登場予定の週1回注射の基礎インスリンなど,興味深いものが目白押しです。読者の皆様にはこの『糖尿病治療薬最新メソッド』第4版がまた次に繋がるように厳しいご評価を是非ともお願いしたいと思います。


2023年11月

東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野  弘世貴久

目次

1章 職業から考える治療法(運動不足・肉体労働・不規則な生活など)

1 接待・出張の多いビジネスマン

2 建設現場・肉体労働者

3 交代勤務:夜勤あり

4 タクシー・長距離トラックドライバー

5 座ったままほとんど動かない頭脳労働者

2章 糖尿病合併症から考える治療法

1 進行していく腎障害例

2 しびれる,眠れない,気分が滅入る…

3 足病変を見つけるコツと合併症例の方針

4 糖尿病皮膚病変

5 繰り返す低血糖昏睡

6 眼が見えない。視力低下あり

3章 併存症から考える治療法

1 感染症が慢性化

2 ステロイドをやめられない

3 心筋梗塞で退院後

4 心不全合併。SGLT2阻害薬は入れるべき?

5 慢性的に眠い・疲れが取れない

6 急性膵炎の既往あり。アルコールがやめられない

7 慢性的な便秘

8 肝硬変合併。血糖値は400だけど低血糖も頻発

9 お酒を飲まないのに何となく肝機能がずっと高い

10 HbA1cは良いが,肥満・脂質異常症・高血圧…

11 統合失調症,双極性障害,抗精神病薬使用

12 リウマチがあってインスリンを打つのが億劫

13 担癌患者の糖尿病

14 新規抗癌剤による有害事象例

4章 治療を見直したい(このケースならこう変えられる)

1 治療を見直すその前に! First lineをどうするか!?

2 とりあえずDPP-4阻害薬を入れたけど…次は? その次は??

3 SU・DPP-4阻害薬・メトホルミン・SGLT2阻害薬・α-GI…これ以上どうしたら

4 注射療法のstep-down

5 注射療法のstep-up

6 最適な注射インクレチン製剤活用法

5章 特殊な糖尿病

1 LADA(緩徐進行1型糖尿病:SPIDDM)

2 MODY(若年発症成人型糖尿病)

3 妊娠糖尿病

4 糖尿病性ケトアシドーシス

5 高校生・大学生

6 ketosis prone diabetes(ソフトドリンクケトーシス)

6章 その他のケース

1 経済的に苦しい…

2 インスリンは絶対イヤと言い張る

3 血糖値測定ができない,したくない

4 糖質制限希望

5 不妊治療中

6 インスリンを100単位使ってもよくならない

7 薬をやめて1年…いつまでフォローする?

8 食事が食べられるかわからない

9 他にも血糖を左右する要因あり

7章 総合診療医の視点

1 この治療法には,この「問診」をしてから

2 糖尿病の病型判断は,この「問診」をしてから

3 手術前の上手な薬剤選択

4 見逃してはいけない病態

5 産業医から紹介されるクリニックがやるべきことは?

6 病診連携で病院から紹介を受けるクリニックがやるべきことは?

7 糖尿病診療に使える社会資源(行政・栄養指導)

8 査定されやすい糖尿病保険診療と,回避方法

8章 高齢者の糖尿病治療を考える

1 超高齢者。どこにHbA1cの目標を置くべきか

2 認知症はここを見てこうする

3 独居・認知症

4 今の治療が限界!? でもHbA1c 9%

5 頻回に繰り返す低血糖昏睡

9章 BMIから考える糖尿病治療

1 病的肥満・極度肥満

2 BMI 24 糖尿病合併症なし…減量アプローチは必要か?

3 BMI 23の高齢者にGLP-1受容体作動薬は適応か?

4 BMI 16の若年患者。メトホルミンとDPP-4阻害薬で今一歩

10章 新規デバイスを活用した糖尿病治療

1 インスリンポンプ療法に変更するべき?

2 血糖測定デバイスの選択に迷う

3 スマートリンクの活用法

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書籍情報

  • ISBN:9784784952939
  • ページ数:336頁
  • 書籍発行日:2023年12月
  • 電子版発売日:2023年12月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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