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- 急性期栄養療法+リハビリテーションシリーズⅠ エキスパートが伝授する 急性期栄養療法の理論と方法
商品情報
内容
本書には栄養療法の基礎、歴史、潮流、実践のためのTipsを全て盛り込みました。
急性期栄養療法は複雑で混沌としていることは否めませんが、生化学や生理学の視点をもって挑む意義があり、学ぶほどその深淵にハマり、臨床家の心を刺激します。
臨床家である筆者がのめり込んだ急性期栄養療法の深淵に迫る一冊。
急性期栄養療法をしっかり学びたいすべての人に一読をお勧めします。
序文
はじめに~急性期栄養療法の深淵~
ようこそ急性期栄養療法の世界へ! 本書は,多くの修飾を受け複雑怪奇な急性期栄養療法に関して,栄養療法の基礎,歴史,潮流と,実践のためのTipsをできるかぎり楽しく,わかりやすく勉強してほしいとまとめたものです.昨今は急性期のリハビリテーションや栄養療法に加算が算定できるようになったこともあり,管理栄養士のみならず,急性期診療に携わるすべての職種が急性期栄養療法に興味を持ってもらうべき時代となっており,職種の垣根を越えて知ってもらいたい栄養療法の知識を盛り込みました.
もっとも,急性期栄養療法の抱える複数の障壁は栄養療法を勉強する妨げとなっています.急性期病態は複雑で多様な修飾を受け,エビデンスもいまなお混沌としています.そして「栄養なんて砂糖水入れとけば同じ」(ブドウ糖と砂糖は別ですが)と述べた友人医師の名言を僕は忘れることはないでしょう.急性期栄養療法のあり方で,ほとんどの患者の生死(特に短期生存/死亡)が変わらないのは事実です(例えば敗血症は抗生剤で治療するものであり,栄養療法で患者を救命しようというのは目的を違えています).かの名言の本意は「ほかに検討すべきことがもっとたくさんあるだろう」ということにほかなりません.
また,急性期栄養療法のうちの方半は静脈栄養となるため,保険診療上医師に決定権があることも,時に栄養に関する多職種連携の妨げになりえるわけです.
しかし,生命維持に適切な栄養摂取が必要不可欠なことは,すべての人の共通認識となっています.平時の健康維持に栄養摂取が大きな影響を与え,足りなければ飢餓となり,過剰となれば肥満や糖尿病など多くの弊害が出ることは周知の事実です.同じく急性期や病時においても,患者の回復を考えれば適切な栄養摂取は当然必要となるわけです.急性期診療に携わるスタッフが,短期予後だけでなく長期予後を見据える,すなわちPost-IntensiveCare Syndrome( PICS)のコンセプトを持って臨めば,急性期栄養療法を詰めることは重要な支柱となり,患者の予後に貢献する栄養療法の最適解が存在するはずなのです.
実際に自分がそうなったわけですが,栄養の基礎とともに栄養療法の歴史や潮流・エビデンスを勉強して急性期栄養療法を組み立てると,臨床が楽しくて仕方がない,急性期栄養療法をさらに解明したくなります.これらは急性期栄養療法のみならず,救急集中治療の臨床全体を深掘りして向上させるものであると信じています.ぜひ本書で急性期栄養療法の深淵に触れ,そのような境地へともにいきましょう.
あらためまして,本書に興味を持ってくださり誠にありがとうございます.栄養療法は本当に奥深く面白く,その楽しさを少しでも共有できましたら幸いです.
2023年初秋
横浜市立大学附属病院
集中治療部
中村謙介
目次
<栄養療法の基礎編 ~ここはゼッタイ押さえておこう!~>
第1章 急性期栄養療法に必須な栄養の基本!
1 栄養成分とエネルギー代謝~炭水化物,脂質,タンパク質の違いは何か~
1 はじめに
2 炭水化物
3 脂質
4 タンパク質・アミノ酸
2 タンパク質と体形成~筋タンパク合成の生理学~
1 はじめに
2 筋タンパク合成とは何か
3 筋タンパク合成の直接的評価
4 筋タンパク合成の生理学
3 急性期における栄養代謝の変化
1 はじめに
2 飢餓時の栄養代謝
3 侵襲時の栄養代謝
4 侵襲時の消費エネルギー量変化
5 悪液質と栄養代謝
6 急性期栄養療法と免疫
7 persistent inflammation,immuno-suppression and catabolism syndrome
第2章 炭水化物,脂質,タンパク質の発展的知識
1 効率的なエネルギー利用,筋タンパク合成の活用のために
1 はじめに
2 非タンパク質カロリーとタンパク質
3 炭水化物/脂質によるエネルギー利用
4 糖質エネルギー供給を極限まで活用する方法
5 脂質エネルギー供給を極限まで利用する方法
6 タンパク質と体形成作用~アミノ酸やタンパク質種の特徴を筋タンパク合成で理解する~
<急性期栄養療法編 ~急性期栄養療法の臨床~>
第3章 急性期栄養療法の潮流を楽しく学ぶ!
1 急性期栄養療法の歴史
1 はじめに
2 経腸栄養の歴史
3 静脈栄養の歴史
2 最新の急性期栄養療法の押さえるべきポイント
1 はじめに
2 血糖管理~高血糖の害悪とIntensive Insulin Therapy~
3 経腸栄養vs静脈栄養~腸管免疫とbacterial translocation~
4 エネルギー投与の漸増計画~ebb phaseとflow phase~
5 permissive underfeeding ~overfeedingの害悪とオートファージー~
6 異化を考えるエネルギー投与設計~内因性エネルギー供給と外因性エネルギー供給~
7 エネルギー負債~underfeedingの限界と感染合併症~
8 タンパク質量議論~underfeeding下にこそ高タンパク質量?~
9 特定の栄養素やサプリメント~ immune-modulating diet/pharmaco nutrition~
第4章 急性期栄養療法のTips
1 エビデンスに基づいた急性期栄養療法の実践
1 はじめに
2 「的を射て」「実行可能な」栄養計画を立てよう!
3 超大事!? ~栄養アセスメント~
4 まず栄養投与経路を決める~経腸栄養vs静脈栄養~
5 目標栄養投与量を設計しよう~目標エネルギー量,タンパク質量~
6 漸増計画立案
7 SPNによる目標エネルギー量達成
8 経腸栄養の持続投与vs間欠投与
9 サプリメントの補充~ビタミン,微量元素,pharmaco nutrition
10 急性期栄養療法は急性期以降にも目を向けねばならない!
2 急性期栄養療法をさらに高めるための発展的Tips
1 プロトコールと管理栄養士介入
2 栄養療法のモニタリング?
3 急性期栄養療法のアウトカムを評価しよう!
4 消化管トラブルへの対応~経腸栄養合併症を管理する~
5 離床・リハビリテーションを組み合わせる栄養療法
第5章 急性期栄養療法のサポート
1 栄養計算をしよう
2 栄養プロトコールのつくり方
3 実際の急性期栄養療法の計算・設計ドリル
第1章コラム
低炭水化物ダイエットと糖質制限
ミトコンドリア
CoA
食物繊維
コレステロール
MCT
脂肪酸
脂質代謝を基本とする臓器
タンパク質でも太る?
ビタミン,ミネラル
筋トレにおけるタンパク質摂取の重要性
ダイエット時のマイナスカロリー
敗血症という侵襲
無理なボディビルドの末の死
第2章コラム
クレアチンサプリメント
低炭水化物ダイエット
有酸素運動と無酸素運動
内臓脂肪と皮下脂肪
ドカ食いはダメ
プロテインは運動直後?直前?
ペプチド型栄養剤
夜のガゼイン
BCAAの黄金比
第3章コラム
ONS
医薬品と食品
7日目以降でもまだ具合の悪い患者にfull feedingを行うべきなのか?
日本版敗血症診療ガイドライン2020におけるタンパク質投与量推奨
第4章コラム
gastric residual volume(GRV)
アルブミンを用いた栄養アセスメントツール
実体重,理想体重,調整体重
refeeding syndrome
trophic feeding
NST
われわれの栄養モニタリング・体重計
エネルギー(熱量)とJ ⇔ kcal
消費エネルギー量と安静時基礎代謝量
呼吸商からの内因性エネルギー供給推定戦略
直接熱量計測
重症病態時の止痢薬
第5章コラム
「急性期栄養療法N」の使い方
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784895908030
- ページ数:270頁
- 書籍発行日:2023年12月
- 電子版発売日:2024年1月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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