顔の外科

  • ページ数 : 282頁
  • 書籍発行日 : 2024年3月
  • 電子版発売日 : 2024年2月14日
14,300
(税込)
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商品情報

内容

形成外科における代表的な手術の重要ポイントが理解できるようになる!
形成外科医とは、傷や変形をきれいに治すことを主な目的とし、顔や手足など身体表面の怪我、顔面骨折、やけど、あざ、腫瘍、先天異常、皮膚潰瘍、癌の切除・再建、乳房再建および美容医療などについて専門的な知識と診療技術を持ち、これらの領域に関して適切に対応する診療を行い、必要に応じて他領域の専門医と共同して治療を行う能力を備えた医師です(日本形成外科学会より)。 本書では「顔」に焦点をあて、各分野のエキスパート達が執筆をつとめました。臨床実習ではどのようなことを学ぶのか、一概に顔の外科といってもどういったものがあるのかをまとめて記載しています。 ただ単に治療を行えば終わりではなく、患者さんのQOL(quality of life)の向上も目指す奥深い世界です。本書を読んで、少しでも多くの医師が形成外科の分野に興味を持って、日々学んでほしいと考えます。

序文

序文

形成外科は、「顔の外科」から始まりました。紀元前6世紀くらいに完成したとされるススルタ大医典には、古代インドにおいて刑罰として鼻や耳を切り落とされた人々に対して再建手術が行われたことが記載されています。顔を傷つけることが心を痛める重い刑罰であったことは、想像に難くありません。顔は、人々のアイデンティティの核心であり、私たち形成外科医にとって最も重要な治療対象の一つ、すなわち「専門臓器」であることは間違いありません。顔の骨折は整形外科医ではなく形成外科医が治療します。まぶたや耳や鼻の先天的、後天的異常も、形成外科医が手術します。さらに顔面神経麻痺も、神経外科医ではなく、形成外科医が治療します。

インドの「顔の外科」から2500年以上の時を経て、2006年には顔面移植が現実のものとなりました。「顔」が人々の生活の質(QOL)にどれほど深く関わっているかを考えさせられる出来事でありました。

この書籍は、「顔の外科」に特化した14名のエキスパートによる共同作業で完成しました。外傷から熱傷、良性皮膚腫瘍、顔面悪性腫瘍、頭頸部再建、顔面神経麻痺、眼瞼下垂、顔面骨骨折、顔面輪郭形成、唇顎口蓋裂、耳の先天異常と耳介の外科、美容外科、そして顔面移植に至るまで、多岐にわたる手術をわかりやすく解説しています。

本書は、若手の形成外科医や一般外科医、専攻医や研修医を中心に、あらゆる医療従事者に最先端の「顔の外科」の知識と技術を知ってもらうことを目的としています。医学は常に進化しており、私たち医療専門家は絶えず学び続ける必要があります。本書が、その学びの一助となることを期待しています。読者の皆様がこの書籍を通じて、患者さんの治療にお役立ていただくことを心から願っています。

最後に、本書の企画から完成まで、多大なご尽力を頂いた、株式会社金芳堂の浅井健一郎氏をはじめ編集部の皆様に、心から御礼申し上げたいと思います。


日本医科大学形成外科
小川令

目次

1章 外傷

創傷の分類

局所処置

2章 熱傷

はじめに

顔面熱傷の診断

合併損傷の診断

顔面熱傷の特徴とその治療方針

顔面熱傷の保存的治療

顔面熱傷の外科的治療

部位ごとの治療法

顔面熱傷のアフターケア

3章 良性皮膚腫瘍

総論

たかが単純縫縮、されど単純縫縮

分割切除

もみあげ植皮

前額部の局所皮弁

頬部の局所皮弁

眼瞼黄色腫に対するレーザー【番外編】

4章 顔面悪性腫瘍

はじめに

疫学

診断

切除縁

皮膚切開線・エステティックユニット

各論

5章 頭頸部再建

総論

各論

6章 顔面神経麻痺

総論

顔面神経麻痺静的再建術

顔面神経麻痺動的再建術

まとめ

7章 眼瞼下垂

概要

原因による分類

診断方法

診察時の注意点

術前記録

治療方針(アルゴリズム)

手術

症例

合併症

おわりに

8章 顔面骨骨折

はじめに

疫学

症状

画像診断

手術適応

手術準備

手術手技

各論

9章 顔面輪郭形成

総論

顔面輪郭形成各論

10章 唇顎口蓋裂

口唇口蓋裂とは

片側口唇形成術

口蓋形成術

顎顔面手術と変形外鼻手術

11章 耳の先天異常と耳介の外科

総論

耳のカーブ、曲線

耳の螺旋

耳介の位置

耳介形成術のトレーニング

各論

結語

12章 美容外科

総論

各論

美容外科手術のトラブル治療

まとめ

13章 顔面移植

はじめに

同種移植と同系移植

複合組織移植

同種顔面移植の手技

同種顔面移植のこれまで

顔面移植の課題

まとめ


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784765319812
  • ページ数:282頁
  • 書籍発行日:2024年3月
  • 電子版発売日:2024年2月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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