• ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2024年3月
  • 電子版発売日 : 2024年2月16日
2,640
(税込)
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商品情報

内容

【基本・手技が写真とイラストで身につく!】
解剖や電解質組成、投与ルート、製剤の種類といった基礎知識にはじまり、点滴静脈注射、輸液ポンプ、生食ロックの基本手技まで、新人看護師が輸液に自信をもてるように、ケア・治療のエッセンスを凝縮。疾患・症状ごとの対応や観察の注意点も充実している。

序文

はじめに


数多くの書籍があるなかで、この本を手にとっていただきありがとうございます。

本書は、学生さんや経験が浅い看護師さん、また後輩の指導に携わっておられる先輩看護師さんなどに向けて書きました。

普段、皆さんは、医師から「あの患者さん、点滴しておいて!」と指示があり、「はい。わかりました!」と、患者さんに針を留置したうえで薬剤を投与していると思います。

本当によくある光景だと思います。そのとき皆さんは、輸液が体内に入る生理学的なことや薬剤の効果、針を患者さんに刺すことによって起こる合併症、また病態によって必要とされる薬剤が異なることについてゆっくりと考えていますか?

私は、若いとき、はっきり言って毎回そこまで考えることはできていませんでした。輸液や体の生理学的、解剖学的な知識がなく、電解質についても苦手であり、まったく理解できていなかったからです。しかし、勉強をしていくなかで、輸液を知るためには、体のことや電解質のこと、そして疾患のことを理解するのが本当に大事だと気づきました。

いまは特定行為研修を修了すれば、輸液製剤の選択や調整などを指示書に従い行うこともできるようになりました。看護師がアセスメントを行ったうえで判断し、そのアセスメントと判断を医師に伝えることが、以前よりも看護師に期待されています。私は、もちろん特定行為研修を修了した看護師だけではなく、看護師の皆さん全員がアセスメントを行ったうえで医師に伝えられるようになる必要があると思います。

「たかが輸液…。されど輸液!」です。患者さんの疾患に合わせてどのような効果が期待されるか、またどのような合併症があるかを皆さんにぜひ知ってほしいと思い、私が若いときに苦手だったときのことも振り返りながら、できるだけわかりやすくイラストとともに説明しています。ぜひ、本書を読んでいただき、「輸液」のことを疾患に合わせて考えながら行えるようになるなど、日々の看護に役に立つことを願っています。

最後に、本書を制作するにあたり尽力いただきましたメディカ出版の編集者の方々をはじめ、ご支援いただいた関係者の方々に心より感謝いたします。


2024年1 月

中田徹朗・瀧澤紘輝

目次

・はじめに

【第1章 理論編】

1 輸液に必要な基本知識とIN/OUTバランスを押さえよう!

輸液とは?

体液の分類・量

細胞外液と細胞内液

IN/OUTバランス

2 栄養素、電解質組成、酸塩基平衡の基本を理解しよう!

栄養素

電解質組成

酸塩基平衡

3 輸液で必要な解剖生理を知っておこう!

循環系(血管系とリンパ系)

血圧

【第2章 基本編】

1 輸液を行うのはどんなとき?

水・電解質を補給するための輸液

栄養補給のための輸液

血管確保と治療のための輸液

病期からみた輸液の種類

2 輸液の投与ルートはここ!

末梢静脈注射、末梢静脈挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、

中心静脈注射の特徴

静脈注射で使われる血管

静脈注射を避けたほうがよい部位

3 輸液製剤の容器の材質・形状、体内分布を知っておこう!

輸液容器の材質・形状の種類と特徴

輸液製剤のラベルには何が書いてある?

投与された輸液の体内分布

4 輸液ライン(輸液セットと三方活栓)はここから!

輸液セットの基本と各部の特徴

成人用ルートと小児用ルートの違い

三方活栓の種類と特徴

側管注射と輸液の注入方法

5 点滴静脈注射と超音波(エコー)ガイドによる静脈路確保

点滴静脈注射に適した血管

超音波(エコー)ガイドによる静脈路確保

乳幼児・小児への刺入時のポイント

高齢者への刺入時のポイント

6 点滴挿入後の観察と血管外漏出時の対応

点滴挿入後の観察

点滴によって起こる合併症とは?

点滴漏れを予防するには?

7 滴下速度の計算は簡単!

滴下速度を計算してみよう

点滴の指示が出たら、どうする?

8 血流感染防止のための対策

微生物の侵入経路

微生物の侵入を防ごう!

末梢カテーテルの交換

9 薬剤投与の禁忌と投与時の注意

カリウム製剤のシングルボーラス投与は禁忌

混合すると配合変化を起こす薬剤の禁忌

輸液ラインによる薬剤の吸着・溶出

輸液ラインの種類

【第3章 手技編】

1 点滴静脈注射を安心してできるようになろう!

点滴静脈注射の準備

点滴静脈注射の実施手順

2 輸液ポンプの操作を確実にしよう!

輸液ポンプが必要な場合

輸液ポンプの各種スイッチ・表示の名称

輸液ポンプの種類

輸液ポンプの準備

チューブの装着と輸液の開始

患者説明と主な協力内容

定期的に確認するポイント

アラーム対応

3 シリンジポンプの操作を確実にしよう!

シリンジポンプが必要な場合

シリンジポンプの各部の名称

シリンジポンプの操作手順

輸液スタンドへシリンジポンプを取り付けるときのポイント

患者説明と主な協力内容

定期的に確認しよう!

アラーム対応

シリンジポンプを交換しよう!

4 生食ロックを的確にしよう!

ルートをロックするってどういうこと?

生食ロックの手順(末梢静脈の場合)

ヘパリンロックをするのはどんなとき?

5 輸液施行中の生活介助のコツ

介助の基本

移動

輸液ポンプ・シリンジポンプを使用している場合の介助のポイント

入浴

更衣(着衣時)

食事

睡眠

感染予防

高齢者への対応

小児への対応

【第4章 自信がつく対応と注意点を押さえよう!】

1 心不全への輸液療法

心不全患者の主な症状と経過

心不全とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

2 急性膵炎への輸液療法

急性膵炎患者の主な症状と経過

急性膵炎とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

3 敗血症性ショックへの輸液療法

敗血症性ショック患者の主な症状と経過

敗血症性ショックとは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

4 慢性腎不全への輸液療法

慢性腎不全患者の主な症状と経過

慢性腎不全とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

5 脱水(低ナトリウム血症)への輸液療法

脱水(低ナトリウム血症)患者の主な症状と経過

脱水とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

6 消化管出血(循環血液量減少)への輸液療法

消化管出血(循環血液量減少)患者の主な症状と経過

消化管出血とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

7 嘔吐・下痢(低カリウム血症)への輸液療法

嘔吐・下痢(低カリウム血症)患者の主な症状と経過

低カリウム血症とは?

輸液療法の考え方

輸液時の注意点

・参考文献

・索引

・著者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840484619
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2024年3月
  • 電子版発売日:2024年2月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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