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商品情報
内容
広島大学救急集中治療科でおこなわれるベッドサイド「教授回診」から生まれたICU診療の指南書.回診時に目の前の患者から学ぶ様々な経験や知識,各デバイスに関する知識,そしてスタッフ間のディスカッションやデブリーフィングから生まれるICU的思考や治療への取り組み方など,集中治療における重要なエッセンスを1冊にギュッと凝縮したICUスタッフ“みんな”のための1冊.
序文
はじめに
『みんなの救命救急科』を上梓し,1年半が経ちました.多くの方々に支持され,愛される一冊になったことは,私にとって大きな喜びです.
この書籍を執筆している最中,監修の志馬教授より『みんなの集中治療科』の執筆を提案いただきました.
集中治療について修練中の自分に,どんなことが伝えられるだろう…….
自分自身の学びや経験を振り返ってみると,広島大学のICUで若手スタッフみんなで教授と各症例の病態生理や治療の知識を深めるベッドサイド回診「教授回診」で学んだ知識が,現在の診療に役立っていることに気づきました.
ベッドサイドで上級医に教えてもらいながら,目の前の症例についてディスカッションする,あの「教授回診」のエッセンスを本にできれば,きっと昔の自分のように集中治療に悩む若手スタッフの役に立てるのではないか……!
「教授回診」の時間を共有し合った,熱い想いを持った頼れる先輩や後輩と力を合わせて“みんな”で執筆しました.
本書は,ICU診療に従事する研修医や若手医師を主な対象としつつも,すべての医療従事者や学生がICUの症例や治療について楽しく,深く学習できるよう作られている,文字通り“みんな”のための一冊です.悩みながらも懸命に働くスタッフたちとともにICU診療を追体験することで,臨場感を持って学べる構成となっています.単なるガイドラインや標準治療のキュレーションではなく,わかりやすいイラストや噛み砕いた解説で,まずは病態生理や治療の根拠を理解できる本を目指しました.エビデンスのみに振り回されず,活用できるようになるための,本質的な知識を学ぶのが本書の目的です.
イラストを手掛けてくださった角野ふち様,そしてコラムを執筆してくださったすべての先生方にこの場を借りて感謝を申し上げます.力強い支えとなり,本書を監修してくださった志馬伸朗教授,本書の企画や編集を担当してくださった中外医学社の宮崎雅弘様,上村裕也様には大変お世話になりました.お礼申し上げます.
2024年2月
広大レジセミ 著者一同を代表して
三 谷 雄 己
目次
1 補助循環VA—ECMO
ECMOの仕組みと管理って難しい… [波多間浩輔,松本丈雄,石井潤貴]
1.VA—ECMOの回路構造と血行動態
2.VA—ECMOの適応と禁忌
3.導入時
4.ECMOを導入した後は?
5.VA—ECMOの離脱
6.VA—ECMOの合併症管理
コラム Impella®
2 VV—ECMO
SpO2が80%だけど大丈夫…? [芳野由弥]
1.VV—ECMOの導入
コラム 広島大学の導入基準 [大下慎一郎]
2.VV—ECMO中の動脈血酸素飽和度の正常値は?
3.ECMO導入後の管理
4.合併症
5.離脱のタイミング
3 蘇生輸液
これから輸液すべき? すべきでない? [三谷雄己]
1.ショックにおける循環管理
2.蘇生輸液の判断基準
コラム Do not treat IVC, do treat patient‼ [内海 秀]
4 ARDS
肺を全力で保護せよ! [波多間浩輔,松本丈雄,石井潤貴]
1.ARDSって一体なんだろう?
2.ARDSとどう戦うか?―治療戦略
コラム Permissive hypercapnia
コラム ARDSにおけるPEEP設定 [島谷竜俊]
コラム 腹臥位管理
3.実際,どう肺保護管理する?―過剰な吸気努力と非同調の管理を考える
4.人工呼吸器離脱を検討するタイミングを考えよう
5 血液浄化
アルファベットアレルギーを克服! [松本丈雄]
1.血液浄化療法を行うその前に
2.細かく分解して考えよう!
コラム ここがややこしいよRRT1:透析液?置換液?補充液?
コラム ここがややこしいよRRT2:ろ液ポンプ?
3.「I」? 「C」?―どっちを選べばよいか
コラム CRRTは本当に循環に影響しないのか?
6 TTM
体温管理って結局どんな症例で何℃にするのがいいの…? [松本丈雄]
1.熱はどこから来てどこに行くのか?
コラム その体温,どこの体温⁉
2.その熱,本当に下げてもいいですか⁉―熱を下げるその前に
3.じゃあどうやって下げようか?
7 頭部外傷・ACS
介入のタイミングを逃さない! [石井潤貴]
1.ICP
2.IAP, ACS
コラム 外科的介入を検討するときに心がけたいこと
8 DIC・血小板減少
それってホントにDIC? [三谷雄己]
1.DICの診断
Point! TMAの分類と診断
コラム FDPとD—ダイマー
2.DICの治療
9 栄養
胃管からの栄養剤の逆流が多いとき,どうする? [石井潤貴]
1.よく議論になる点のおさらい
2.経管の留置位置の考え方
3.持続栄養と間欠栄養
コラム グルタミン
10 院内感染と微生物検査
漫然と検査したり,解釈を勘違いしたらアカン! [芳野由弥]
1.検体の採取
2.人工呼吸器関連肺炎(VAP)
3.カテーテル関連血流感染症(CRBSI)
4.CAUTI
5.その他
11 PICS
みんなで力を合わせて乗り越えよう! [松本丈雄]
1.PICSとは?
2.PICSをどう予防するか?
3.1人では戦えない!―多職種でPICS/PICS—Fに立ち向かおう
コラム 多職種でPICSに立ち向かおう! 広島大学では? [檜山洋子]
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書籍情報
- ISBN:9784498166660
- ページ数:194頁
- 書籍発行日:2024年3月
- 電子版発売日:2024年2月27日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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