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臨牀消化器内科 2020 Vol.35 No.1 ガイドラインに基づいた内視鏡診療
商品情報
内容
内視鏡感染・周術期管理から,消化管,胆膵分野における診断,治療を扱った12 のガイドラインを取り上げ,作成に携わった先生ならではの視点から,ガイドラインの実臨床への応用をお示しいただいた.
>『 臨牀消化器内科』最新号・バックナンバー
序文
巻頭言
消化器内視鏡検査・治療の関連ガイドラインの充実のために,日本消化器内視鏡学会では,上西紀夫元理事長を中心とする理事会の指導のもとに,従来の診療ガイドラインの改訂と必要なガイドラインの作成に取りかかった.重視されたのはエビデンスやコンセンサスに基盤をおいて,学会が主体となって作成することにあった.日本消化器内視鏡学会の診療ガイドラインの特徴として,消化器内視鏡の検査と治療に限定して作成し,診療ガイドラインを日本消化器内視鏡学会機関誌の「日本消化器内視鏡学会雑誌」と「Digestive Endoscopy」に掲載して,学会ホームページで誰でも閲覧できることがある.ガイドライン作成委員長は筆頭執筆者として,その他の委員は共著者としてガイドラインの内容に責任をもち,掲載日が明確になることが更新の目安ともなっている.
今回の特集では,日本消化器内視鏡学会が作成した診療ガイドラインが現時点でどのように運用されているかの概説がおもに記載されている.消化器内視鏡の洗浄・消毒に関しては,十二指腸内視鏡による感染が米国等で問題になったこともあって作成したガイドライン1)であるが,公表して間もないこともあり(2018年7 月),実際の運用に関する評価はこれからであろう.抗血栓薬服用者に対する診療ガイドライン2)は,日本循環器学会,日本糖尿病学会,日本神経学会,日本脳卒中学会,日本血栓止血学会と合同で作成したもので,分野の違う多学会で合同のガイドラインを作成したのは,おそらく日本で最初である.その後,追補版3)も出版され,多診療科にわたって広く運用されている.消化器内視鏡時の鎮静も問題となることが多く,2013 年に作成された診療ガイドライン4)の運用状況を考慮しながら改訂版の作成に入っている.POEM と小腸内視鏡(バルーン内視鏡)に関しては,日本で開発された内視鏡手法であることから,日本語版と英語版のガイドラインを作成し,国際的に利用される診療ガイドラインを目指しており,現時点での運用状況がまとめてある5),6).上部消化管出血の内視鏡治療7)は日本で開発された技法であるが,診療ガイドラインの多くは海外から出版されているのが現状である.胃および大腸のESD/EMR の診療ガイドライン8),9)は多く引用されており,すでに改訂版が出版されており,実際の診療現場で広く運用されている.EST とEPLBD は診療ガイドライン10),11)の運用状況にあわせて,今後の改訂を考えていく分野である.また,最新のガイドラインとして早期胃癌の内視鏡診断に関するガイドライン12)も出版された.
日本における消化器内視鏡の分野は機器の進歩もあわせて,急激に進歩している分野であるため,診療ガイドラインも運用状況にあわせて改訂していく必要がある.日本消化器内視鏡学会の会員の意見を重視しながら,運用にあわせた改訂を今後もしていく予定である.
文献
1) 岩切龍一,田中聖人,後藤田卓志,他:消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン.Gastroenterol. Endosc.60;1370‒1396,2018 (本誌1.坂田・岩切論文,p. 7~参照)
2) 藤本一眞,藤城光弘,加藤元嗣,他:抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン.Gastroenterol. Endosc.54;2075‒2102,2012 (本誌2.伊藤・藤城論文,p. 15~参照)
3) 加藤元嗣,上堂文也,掃本誠治,他:抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン 直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017.Gastroenterol.Endosc.59;1549‒1558,2017 (本誌2.伊藤・藤城論文,p. 15~参照)
4) 小原勝敏,春間 賢,入澤篤志,他:内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン.Gastroenterol. Endosc.55;3822‒3847,2013 (本誌3.菅谷・入澤論文,p. 23~参照)
5) 井上晴洋,塩飽洋生,岩切勝彦,他;日本消化器内視鏡学会,日本消化器内視鏡学会ガイドライン委員会,POEM 診療ガイドライン委員会:POEM 診療ガイドライン. Gastroenterol.Endosc.60;1249‒1271,2018 (本誌4.塩飽論文,p. 31~参照)
6) 山本博徳,緒方晴彦,松本主之,他:小腸内視鏡診療ガイドライン.Gastroenterol.Endosc.57;2685‒2720,2015 (本誌8.矢野論文,p. 63~参照)
7) 藤城光弘,井口幹崇,角嶋直美,他:非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン.Gastroenterol. Endosc.57;1648‒1666,2015 (本誌5.井口論文,p. 39~参照)
8) 小野裕之,八尾建史,藤城光弘,他:胃癌に対するESD/EMR ガイドライン.Gastroenterol.Endosc.56;310‒323,2014 (本誌7.小野論文,p. 53~参照)
9) 田中信治,樫田博史,斎藤 豊,他:大腸ESD/EMR ガイドライン(第2 版).Gastroenterol.Endosc.61;1321‒1344,2019 (本誌9.田中論文,p. 73~参照)
10) 良沢昭銘,糸井隆夫,潟沼朗生,他:EST 診療ガイドライン.Gastroenterol. Endosc.57;2721‒2759,2015 (本誌10.良沢論文,p. 81~参照)
11) 糸井隆夫,良沢昭銘,潟沼朗生,他:EPLBD 診療ガイドライン.Gastroenterol. Endosc.59;337‒365,2017 (本誌11.殿塚・糸井論文,p. 87~参照)
12) 八尾建史,上堂文也,鎌田智有,他:早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン.Gastroenterol.Endosc.61;1283‒1319,2019 (本誌6.吉永論文,p. 45~参照)
藤本 一眞
目次
特集一覧
1 「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」に基づいた内視鏡診療
2 「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」に基づく当院での内視鏡診療経験
3 「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」と当院における鎮静の実際
4 「POEM診療ガイドライン」の臨床
5 「非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン」に基づいた臨床的対応
6 「早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン」に基づいた診療の実際
7 「胃癌に対するESD/EMRガイドライン」の実臨床での活用
8 「小腸内視鏡診療ガイドライン」に基づいた内視鏡診療
9 「大腸ESD/EMRガイドライン」の当科における運用
10 「EST診療ガイドライン」に基づく診療の実際
11 「EPLBD診療ガイドライン」の要点と実際
12 超音波内視鏡下胆道ドレナージ術に関する診療ガイドラインの解説
連載一覧
13 トリソミー8を伴う骨髄異形成症候群に合併した腸型ベーチェット病
14 除菌後胃癌
15 ブデソニドフォーム(レクタブル®)
16 明らかな誘因がなくB型肝炎再活性化を呈した超高齢女性の1例
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