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認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第4版 -快一徹! 脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう-

  • ページ数 : 408頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2024年4月2日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

地域包括ケアの時代における、認知症の包括的医療・リハ・ケアのための必携テキスト。

認知症になってもその人が主体性をもって幸せ(well-being)に生きていくことのできる医療・支援をめざした改訂版。
病態を主体に再編した基礎知識の解説から、本人視点に立ったポジティブケア、前向きに楽しく暮らすための脳活性化リハビリテーション、そして評価・診断・薬物療法・食生活まで、この一冊で認知症の全体像がつかめます。

序文

はじめに

これまで医療関係者は「認知症があると医療にならない」、「認知症があるとリハビリテーション(リハ)の対象ではない」などと認知症を避ける傾向がありました。医療機関ではアルツハイマー型認知症の人が夜中に大声を出したり、他人のベッドに潜り込んだりすると退院を迫られることがあるのが現状です。こうした医療側が問題とする行動の多くは、医療側の不適切な対応や設備の不備により生じています。本質は、医療側の問題行動なのです。長寿社会を迎え認知症が急増している中、これからの医療・福祉に関わるスタッフは、認知症をよく理解し、適切な対応技術を身につけて初めて一人前といえる時代が来ます。

本書では、全体を通して以下の点を強く訴えています。①高齢になると誰もが認知症になる可能性があること、②主要な原因となるアルツハイマー型認知症は、老人斑や神経原線維変化など加齢に伴って出現する脳病変が、正常範囲を超えて多量に出現した「脳老化の究極の姿」ですが、老化だからと放置してよいのではなく、医療やケアが必要なこと、③このような理解が、認知症の人を異質な人と差別するのではなく、受容的に接する態度につながること、④認知症になっても人格があり、感情があり、感情に訴えると心が通じること、⑤心が通じ合うと、認知症でも能力が引き出されること、⑥脳の活性化で廃用による認知症の進行を防ぎ、軽度の認知症なら回復する可能性すらあること、⑦笑顔の絶えないケアから前向きに生きる活力が生まれること、⑧このようにして、認知症があっても前向きに楽しく生活できること、などです。

本書を読破することで、認知症の病態をよく理解し、高齢者の抱える心の問題を共有し、適切な対応がとれるようになると信じています。そして、「認知症とは?」、「認知症の医療は?」、「認知症のリハは?」、「認知症のケアは?」といった質問に、適切な答えを出せるようになっているでしょう。脳梗塞後の運動麻痺がリハで回復するように、認知症の原因疾患によって脳組織が壊れても「脳活性化リハ+笑顔を生むケア+正しい医療」の包括的な取り組みによって、認知症の進行を緩め、残存機能を高めて生活能力を回復させることが可能です。

本書は、認知症に関わるスタッフができれば知っておきたい知識をわかりやすく解説することをめざし、四部構成になっています。第1 部は総論で、認知症の概念や原因、脳老化などについて書いてあります。第2 部は認知症の症状とケアです。第3 部は脳活性化リハです。第4 部は認知症の理解を深めるセクションで、すべて項目ごとに読み切りのスタイルにしています。構成は、総論を極力短くし、実践的な知識にすっと入れるよう配慮しました。また、各項目を、必ず読んでほしい基本知識の部分と、興味がなければとばして読んでも構わない、基本知識の背景にある科学的根拠や一歩進んだ知識(StepUp )に分けています。後者をとばすと読みやすいのですが、他のスタッフより一歩前に進むには、是非後者も読んでもらいたいと思います。本書が他の書籍と異なるところは、むしろ後者の部分をしっかりと解説した点にあるからです。

読み終えたときに、読者がこの本を読んでよかったと思える本をめざしました。これは是非とも理解してほしい、役立ててほしいと思える事柄を書きました。また、この症状にはこのような対応というようなマニュアル本に終わることなく、その背景にある科学的根拠や理論を読み取ってもらえるよう配慮しました。ケアを単なる技術論に終わらせず、なるべく神経科学の考えを取り入れて説明するよう心がけました。認知症の方に生きる喜びを与えるようなケアをめざすには、問題点の本質を見極める能力が必要です。そのためには、基礎知識を理解しておくことが役に立つはずです。科学は日進月歩するので、科学的な説明は古くなっていくでしょう。しかし、認知症ケアの真髄は変わるものではありません。本書の哲学を胸に、認知症に前向きに取り組む仲間が一人でも増えることを願っています。


2005年4月

筆者を代表して 山口晴保

目次

【第1部】認知症の基礎知識

1.認知症とは

 1-1 「認知症とは?」の問いに答えよう

 1-2 認知症の本質は病識低下

 1-3 認知症の診断基準

 1-4 認知症の疫学

 1-5 認知症の本態

 Step Up ! 脳の階層性と機能局在

2.認知症の原因疾患

 2-1 認知症の原因疾患

 2-2 認知症病型の頻度

 2-3 病型の重複や合併症

 Step Up ! 認知症と脳老化

3.アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症

 3-1 用語

 3-2 概念と特徴

 Step Up ! アルツハイマー病の病態と脳病理

4.レビー小体病とレビー小体型認知症の概念と病態

 4-1 病態

5.前頭側頭型認知症の概念と病態

 5-1 病態

6.血管性認知症(脳血管疾患の認知症)とは

 6-1 概念と診断

 6-2 血管性認知症の背景

7.軽度認知障害(MCI)とは

 Step Up ! 軽度認知障害(MCI)の脳病理

【第2部】認知症の人の症状・サインと能力を生かすケア

1.総論:認知症の症状・サインとパーソンセンタードケア

 1-1 認知症の人が示す症状・サイン

 1-2 行動・心理症状、ウォンツサイン/アンメットニーズサイン

 1-3 行動・心理症状の背景要因を探る医学的アプローチ

 1-4 ポジティブ心理学とポジティブケア

 1-5 認知症ケアの基本:パーソンセンタードケア

 1-6 自立・自律支援が基本-本人の声に耳を傾ける-

 1-7 病識低下と認知的共感-予防的ケアに向けて-

 Step Up ! ユマニチュード®

2.総論:アルツハイマー型認知症の症状と経過

 2-1 アルツハイマー型認知症の病期

 2-2 本人視点から見るアルツハイマー型認知症の困難

 Step Up ! 行動観察による進行度評価:FAST

3.総論:レビー小体型認知症の症状

 3-1 初発症状と臨床像

 3-2 本人視点から見るレビー小体型認知症の困難

4.各論1:記憶障害とケア

 4-1 エピソード記憶の障害

 4-2 作業記憶(ワーキングメモリー)の障害

 4-3 保たれる手続き記憶

 4-4 注意障害と記憶障害の関係

 4-5 本人視点から見る記憶障害

 Let’s try ! 記憶障害のケア

 Step Up ! 私は誰になっていくの?

5.各論2:見当識障害とケア

 5-1 見当識障害

 5-2 本人視点から見る見当識障害

 Let’s try ! 見当識障害による不安へのケア-対応の基本-

 Step Up ! バリデーション・セラピー

6.各論3:前頭葉症状とケア-易怒、脱抑制、常同行動-

 6-1 前頭葉症状

 Let’s try ! 前頭葉症状へのケア

7.各論4:思考・判断・遂行(実行)機能の障害がもたらす生活障害とケア

 7-1 思考・判断・遂行(実行)機能の障害がもたらす生活障害

 7-2 本人視点から見る生活障害

 Step Up ! I-ADLとADLのアセスメント

 Let’s try ! 思考・判断・遂行(実行)機能障害への対応:日常生活の援助とケア

 Step Up ! アルツハイマー型認知症の人の服薬の困難を分析

8.各論5:幻覚・妄想とケア

 8-1 幻視・誤認と妄想化

 8-2 もの盗られ妄想

 8-3 嫉妬妄想

 8-4 妄想と作話

 8-5 本人視点から見る幻覚・妄想

 Step Up ! 鏡現象

 Step Up ! 人形現象

 Let’s try ! 幻覚・妄想への対応

 Step Up ! もの盗られ妄想に対する物語を用いた介入

9.各論6:徘徊(探検、ひとり歩き)のケア

 9-1 徘徊-医学的視点から-

 9-2 本人視点では探索・探し物・帰宅

 Let’s try ! 徘徊のケア

10.各論7:不潔行為、攻撃的言動、性的言動へのケア

 10-1 不潔行為とケアのポイント

 10-2 攻撃的言動への対応

 10-3 性的言動への対応

 Let’s try ! 攻撃的行動や徘徊のケアの基本的姿勢-ユマニチュード®の実践-

11.血管性認知症の症状とケア

 11-1 血管性認知症の症状の特徴-どのような症状の場合、血管性認知症を疑うか-

 11-2 血管性認知症の経過

 Let’s try ! 血管性認知症のケアの原則

12.施設における援助とチームケア

 12-1 できることに照準を当て、アセスメントする

 12-2 ケアプランに基づいてサービスを実施する

 12-3 定期的な内部研修や会議の実施、外部研修へのスタッフ派遣

 12-4 「気づき」のあるスタッフの育成

 12-5 認知症ケアに関する介護報酬・診療報酬の加算

 Step Up ! 認知症の人のためのケアマネジメントセンター方式

 Step Up ! 子育てのコツはケアのコツ

13.家族介護者への教育と支援 

 13-1 家族介護者の教育

 13-2 家族介護者の支援

 Step Up ! 認知症の人のための権利擁護制度:成年後見制度、日常生活自立支援事業、家族信託

 Step Up ! 認知症初期集中支援チーム

14.認知症の終末期とターミナルケア

 14-1 口から食べ続ける工夫

 14-2 胃ろう

 14-3 事前指示書

 14-4 アドバンス・ケア・プランニング

15.本人が活躍するDementia-capable

【第3部】脳活性化リハビリテーション

1.総論:脳活性化で認知症が改善するか?

 1-1 脳には回復力──可塑性がある

 1-2 回復力:脳の可塑性

 1-3 廃用と病変と可塑性(回復力)のバランス

 Step Up ! 廃用は認知症の原因となるか?

2.総論:脳活性化リハビリテーション

 2-1 脳活性化とは

 2-2 脳活性化リハビリテーションと認知予備能

 2-3 脳活性化リハビリテーションの5原則

 Step Up ! あきらめないで! 脳活性化リハ

3.総論:快一徹! 意欲の源〈原則1〉

 3-1 快の指標と効用

4.総論:ほめ合い・認め合い〈原則2〉

 Step Up ! 報酬とドパミン

5.総論:コミュニケーション〈原則3〉

 5-1 家族や介護者が高感度に受信する:気づき

 5-2 非言語の力

 5-3 コミュニケーションに役立つツール

 5-4 集団の力

 Step Up ! 認知症の言語障害

6.総論:役割・日課〈原則4〉

 6-1 人の役に立つ日課づくりの具体例

7.総論:失敗を防ぐ支援〈原則5〉

8.総論:能力を引き出すコツ

 8-1 行動強化

 8-2 具体例から学ぶ

9.総論:笑顔のある生活

 9-1 情動は顔に表れる

 9-2 笑顔の効用

 9-3 脳は鏡

 9-4 最後まで残る微笑む能力

10.各論:回想法と作業回想法

 10-1 回想法

 10-2 作業回想法

11.各論:現実見当識訓練・認知活性化療法

12.各論:ゲーム、学習、アート、音楽で脳活性化

 12-1 ゲーム

 12-2 音読や計算などの学習

 12-3 アートセラピー

 12-4 音楽療法

13.各論:趣味活動と認知予備能

14.各論:身体活動による認知症の発症予防・進行予防

 14-1 発症遅延-人を対象にした研究から-

 14-2 進行遅延-人を対象にした研究から-

15.各論:脳活性化リハビリテーションの実際-作業回想法を中心に-

 15-1 情報収集

 15-2 準備

 15-3 実践にあたっての注意点

 15-4 介入効果の検証からわかった直接効果と間接効果

16.各論:介護保険の認知症リハビリテーション

 16-1 生活機能向上をめざしたリハビリテーション

 16-2 認知症短期集中リハビリテーション実施加算

17.各論:認知症の人が脳卒中を合併した場合や骨折した場合のリハビリテーションの諸問題

 17-1 回復期病棟でのリハビリテーションのポイント

 17-2 生活期でのリハビリテーション

【第4部】認知症の評価・診断と治療

1.認知症の評価尺度

 1-1 認知テスト

 1-2 認知症の病期や程度を推測する行動観察尺度:CDR、FAST、DASC-21

 1-3 観察式の行動・心理症状の評価尺度:DBDスケール、NPIとBPSD+Q/BPSD13Q

2.認知症の診断と鑑別診断手順

 2-1 認知症の気づき

 2-2 記憶を含めた認知障害の有無

 2-3 うつ病やせん妄の除外

 2-4 認知症の鑑別診断

 2-5 鑑別診断の実際

 Step Up ! 認知症の告知

3.軽度認知障害(MCI)の診断

 3-1 軽度認知障害(MCI)の臨床所見の特徴

 3-2 MCIの診断

 3-3 MCIの治療と今後の展望

4.アルツハイマー型認知症の診断

 4-1 アルツハイマー型認知症の臨床診断基準

 4-2 アルツハイマー型認知症の補助診断

 4-3 アルツハイマー型認知症と血管性認知症との関係

 Step Up ! 日本ではアルツハイマー病で死なない?

5.レビー小体型認知症の診断・治療

 5-1 レビー小体型認知症の診断と検査

 5-2 レビー小体型認知症の治療とケア

6.血管性認知症の病型と診断

 6-1 血管性認知症の診断基準

 6-2 血管性認知症とアルツハイマー型認知症の鑑別

 6-3 血管性認知症の画像診断

 6-4 血管性認知症をきたしやすい脳血管疾患

7.他の変性型認知症

 7-1 行動障害型前頭側頭型認知症の診断・治療

 7-2 意味性認知症の診断・治療

 7-3 神経原線維変化優位型老年期認知症

 7-4 嗜銀顆粒性認知症

 7-5 進行性核上性麻痺

8.認知症様症状を示す様々な疾患

 8-1 脳内病変

 8-2 内科系疾患

 8-3 薬剤

 Step Up ! treatable dementiaは認知症?

9.認知症とうつとアパシー(自発性低下)

 9-1 認知症に見られるうつ症状

 9-2 アルツハイマー型認知症とうつ病の鑑別

 9-3 うつ症状の治療とセロトニン

10.認知症とせん妄

 10-1 せん妄とは

 10-2 アルツハイマー型認知症のせん妄

 10-3 血管性認知症のせん妄

 10-4 脳内病変

 10-5 薬剤誘発性せん妄

 Step Up ! せん妄への対応

11.行動・心理症状の薬物療法

 11-1 行動・心理症状を抑制する抗精神病薬の使い方

 11-2 興奮・攻撃への薬剤

 11-3 抑肝散

 11-4 認知症の行動・心理症状の背景となる不安と混乱への薬剤

 11-5 不眠への薬剤

12.認知機能を高める薬物療法

 12-1 アセチルコリンエステラーゼ阻害剤

 12-2 神経細胞保護剤

 12-3 サプリメント

 12-4 血管性認知症に有効な薬剤

 12-5 アルツハイマー病の疾患修飾薬の開発

13.認知症リスクを低減するライフスタイル

 13-1 血管性認知症を防ぐ食事

 13-2 アルツハイマー型認知症を防ぐ食事

 13-3 その他のライフスタイル

まとめ

謝辞


索引

〈囲み記事〉

・ナン・スタディー(Nun Study)──驚きの結果

・アインシュタインの脳にも老化が

・アルツハイマーはどんな人?

・認知症研究の歴史

・待つケア=自立支援のケア-デンマークの尊厳を守るケア-

・記憶の達人

・施設での入浴拒否理由を尋ねてみると

・徘徊しているときにはお菓子がいい?

・「食事の用意をしないと、嫁に怒られる!」

・「俺の手に触るな!」

・気づき:不安定な精神状態に隠されているものは?-あるグループホームの事例-

・ケアのコツ:笑い飛ばし(笑いヨガから)

・テレビ回想法・パソコン回想法・回想法ライブラリー

・ゲーム実施例

・活動の成果を社会参加につなげる

・「お大事に」──余計な一言:主治医のつぶやき

・平行線歩行の勧め

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書籍情報

  • ISBN:9784763995636
  • ページ数:408頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2024年4月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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