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- 上肢MRI読影の一手 2708画像からみた定跡
商品情報
内容
「下肢」「脊椎」に続くシリーズ完結となる「上肢」のMRI画像集.
17万件以上の国内トップクラスを誇るMRI検査数であらゆる整形外科疾患を撮像してきた著者らが,26年間の集大成として培った情報と経験を披露する.病変部と正常像を比較できる構成やスカウトビューで三次元的に画像を把握でき,拡大像にてさらに見やすくした.診断につなげる読影法と2700枚の圧倒的なMRI画像数により読者の経験値を補完する.
序文
序
「先生,レントゲンでわかりますか? MRIを撮ってもらえませんか?」最近,時折耳にするようになってきた言葉です.私が医師になった頃は想像すらできなかった言葉です.それほど最近はMRI検査が周知されてきました.確かにMRI検査のほうが情報は多く,また侵襲がないことから患者さんが言われるのも一理ありますが,費用も時間もかかり,適応がないとできませんとお断りすることもよくあります.昨今MRI領域の進歩は著しくMR bone imaging(CTに近い画像)も作り上げることができ,X線どころかCTすら凌駕する時代となってきました.
当院では開業以来,あらゆる整形外科疾患のMRI検査を行ってきました.その中には簡単に診断できる典型的な症例もあれば,読影が困難なめずらしい症例もありました.これらの膨大な症例から本当に多くのことを学ばせていただきました.情報と経験の蓄積こそが正確な診断に繋がるものと信じています.そして少しでもそれらを後世に残し伝えて行くことが,後の画像診断の進歩に必要不可欠ではないかと考えていました.奇しくも当院の松下幸男診療放射線技師長(将棋部部長)にも,読影に役立つMRI画像の書籍を作りたいという強い思いがあり,「下肢MRI読影の一手 -3120画像からみた定跡-」(2021年),さらには「脊椎MRI 読影の一手 -1905画像からみた定跡-」(2022年)を上梓いたしました.そして今回「上肢MRI読影の一手 -2708画像からみた定跡-」をもって3部作を完成させることができました.これら3冊の表紙を合わせていただくと,将棋盤が完成することになります.
本書の各論では数多くの症例を掲載し,疾患ごとに患者情報と画像所見を照らし合わせ,読影と診断のポイントを明確にしています.また正常像を理解していることが病変部を見つけるうえで大事なポイントと考え,できるだけ病変部と正常像を比較できる構成としました.さらに症例画像にスカウトビューを加え,病変部を三次元的に把握することが可能です.また総論では撮像法の種類や特徴を部位ごとの撮像プロトコルとMRI解剖を掲載し,特にMRI解剖では多数のスライス面で,上肢にかかわる解剖をわかりやすく図解しています.また近年,臨床応用されるようになってきたMR bone imagingも一部掲載してあります.
今回もこれまでにはないMRIの書籍になったと確信しています.MRI画像の写真集という感覚で座右において気軽に読んでいただければ望外の喜びです.今回の著書に至り,監修の佐粧孝久先生をはじめ,千葉メディカルセンター整形外科の藤田耕司先生,JCHO東京城東病院整形外科の斎藤忍先生にご指導とご協力を賜りこの場を借りて,深く御礼申し上げます.
2024年2月
西川整形外科 院長
西川 悟
目次
各論 Ⅰ 肩関節
❶ 腱板断裂
A.棘上筋腱部分断裂
❶ 棘上筋腱内損傷(棘上筋腱板炎)
❷ 棘上筋腱関節面断裂
❸ 棘上筋腱滑液包面断裂
B.棘上筋腱断裂
❶ 棘上筋腱が主である小断裂
❷ 棘上筋腱が主である中断裂
❸ 棘上筋腱が主である大断裂
C.棘下筋腱が主である断裂
D.肩甲下筋腱が主である断裂
E.小円筋腱が主である断裂
F.広範囲腱板断裂
❶ 棘上筋腱・棘下筋腱断裂
❷ 棘上筋腱・肩甲下筋腱断裂
❸ 棘下筋腱・肩甲下筋腱断裂
❹ 棘上筋腱・棘下筋腱・肩甲下筋腱断裂(陳旧性断裂)
❷ 上方関節唇損傷(SLAP 損傷)
❸ 外傷性疾患
A.外傷性肩関節前方不安定症
❶ Hill-Sachs lesion
❷ Bankart lesion
❸ Bony Bankart lesion
❹ HAGL 損傷(下関節上腕靱帯骨頭側剥離損傷)
B.肩関節後方脱臼
C.上腕二頭筋長頭腱断裂
D.上腕骨頚部骨折
E.上腕骨大結節不全骨折
F.烏口突起骨端線損傷
G.上腕骨近位骨端線損傷
H.肩鎖関節亜脱臼
❹ 骨軟骨疾患
A.退行性病変
❶ 変形性肩関節症
❷ 変形性肩鎖関節症
B.上腕骨頭壊死
C.野球肩
❶ リトルリーガーズショルダー
❷ 棘上筋腱板炎
❺ 炎症性疾患
A.石灰沈着性腱板炎
B.拘縮肩
C.肩峰下滑液包炎
❻ 占拠性病変
A.関節内遊離体
❶ 関節ねずみ
❷ 滑膜性骨軟骨腫症
B.腫瘤性疾患
❶ 後方関節唇ガングリオン
❷ 上腕二頭筋長頭腱ガングリオン
❸ 肩鎖関節ガングリオン
C.三角筋内脂肪腫
D.骨嚢腫〈単発性骨嚢腫〉
E.悪性リンパ腫
各論 Ⅱ 肘関節
❶ 骨軟骨疾患
A.野球肘
❶ 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎
❷ 上腕骨滑車離断性骨軟骨炎
❸ 肘頭疲労骨折
❹ 肘頭骨端線離開
❺ 上腕骨内側上顆骨端炎
B.変形性肘関節症
❶ 軽度変形性肘関節症
❷ 中等度変形性肘関節症(関節内遊離体を認めた症例)
❷ 外傷性疾患
A.上腕骨顆上骨折
B.上腕骨小頭骨折
C.上腕骨通顆骨折
D.肘頭骨挫傷
E.橈骨頭骨折
F.橈骨脱臼
G.尺側側副靱帯損傷
H.外側側副靱帯複合体損傷
❸ 炎症性疾患
A.上腕骨外側上顆炎
B.上腕骨内側上顆炎
C.関節リウマチ
D.肘頭滑液包炎
E.異所性石灰沈着症
❹ 占拠性病変
A.関節内遊離体
B.脂肪腫
❺ その他の疾患
A.肘内障
各論 Ⅲ 手・手関節
❶ 骨軟骨疾患
A.変形性手関節症
B.母指CM 関節症
C.骨壊死
❶ Kienböck 病
❷ Preiser 病
❷ 外傷性疾患
A.骨折・骨挫傷・骨端線損傷
❶ 橈骨遠位端骨折
❷ 橈骨遠位骨端線損傷
❸ 尺骨茎状突起骨折
❹ 舟状骨骨折
❺ 舟状骨骨折(bone imaging で骨皮質の不連続性を認めた症例)
❻ 月状骨骨挫傷
❼ 三角骨骨折
❽ 有頭骨骨折
❾ 有鉤骨骨折
❿ 豆状骨骨折
B.腱・靱帯・筋損傷
❶ 中指伸筋腱(中央策)損傷
❷ 中指PIP 関節橈側側副靱帯損傷
❸ 背側骨間筋損傷
❸ 三角線維軟骨複合体損傷と類似疾患
A.三角線維軟骨複合体損傷(近位部損傷)
B.尺骨突き上げ症候群
C.尺側手根伸筋腱鞘炎
❹ 炎症性疾患
A.示指骨髄炎と化膿性関節炎の合併例
B.中指化膿性腱鞘炎
C.関節リウマチ
D.de Quervain 病(ドケルバン病)
E.手根管症候群
❺ 占拠性病変
A.腫瘤性病変
❶ 手関節ガングリオン
❷ 中指ガングリオン
❸ 中指epidermal cyst(アテローム)
B.腫瘍性病変
❶ 母指腱鞘巨細胞腫
❷ 示指血管平滑筋腫
❸ グロームス腫瘍
各論 Ⅳ 上腕・前腕
❶ overuse syndrome
A.上腕骨疲労骨折
B.尺骨疲労骨折
❷ 占拠性病変
A.猫ひっかき病
B.神経鞘腫
C.血管腫
D.Ewing 肉腫
総論
❶ 撮像法の種類と特徴
❷ 各部位の撮像プロトコル
❸ 解剖とプロトコル
A.肩関節
❶ MRI でみる解剖
❷ 撮像プロトコル
・1 oblique coronal T2,oblique coronal T1,oblique coronal T2 脂肪抑制
・2 oblique sagittal T2
・3 axial T2,axial T1,axial T2 脂肪抑制
B.肘関節
❶ MRI でみる解剖
❷ 撮像プロトコル
・1 sagittal T1,sagittal T2 脂肪抑制
・2 coronal T1,coronal T2,coronal T2 脂肪抑制
・3 axial T2(T2 脂肪抑制)
C.手・手関節
❶ MRI でみる解剖
❷ 撮像プロトコル
・1 coronal T1,coronal T2 脂肪抑制
・2 axial T1,axial T2 脂肪抑制
・3 sagittal T2 脂肪抑制
D.上腕・前腕
❶ MRI でみる解剖
❷ 撮像プロトコル
・1 coronal T1,coronal T2 脂肪抑制
・2 axial T1,axial T2 脂肪抑制
・3 coronal T1,coronal T2 脂肪抑制
・4 axial T1,axial T2 脂肪抑制
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書籍情報
- ISBN:9784525222413
- ページ数:219頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年5月24日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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