rTMS治療とリハビリテーション医療

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2024年7月
  • 電子版発売日 : 2024年6月7日
¥6,380(税込)
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商品情報

内容

リハビリテーションに新たなる武器!
rTMSと集中的リハビリテーションで、脳卒中後遺症の本質的な改善をめざす
新しい治療技術の最先端情報を各領域のトップランナーが具体的に解説。

慢性期の上肢麻痺、下肢麻痺、失語、摂食・嚥下障害、アパシー、うつ、
パーキンソン症状、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、long-COVIDなど、
カバー領域はどんどん広がっている。適応を見極め、
本気で改善をめざす攻めのリハビリテーションを学ぶ。

序文

序文


2015年にSpringerから、『Rehabilitation with rTMS』を出版した。この本のIntroductionの最初に掲載した一文を紹介する。

In 1998, while studying at the Karolinska Institutet, I was blessed with the opportunity to use amagnetic stimulate device. I was surprised at how easily cerebral cortex could be stimulated withdevice, and I still remember, as if it had been yesterday, the“tremor of excitement”that I felt whenimaging that some day this magnetic stimulation device would contribute to the development ofnew therapies in the field of rehabilitation.

日本に帰国後も2年ほどKarolinskaに訪問しながら実験を積み重ねた。そして、研究を加速するため、角田亘先生(現在 国際医療福祉大学リハビリテーション医学講座初代教授)をスタンフォード大学から東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座に招聘した。2007年に何とか主任教授になり資金を集めてTMS装置を購入し、すぐに2008年4月より、基礎研究によって得た知見に基づいて満を持してrTMSとリハビリテーション治療を組み合わせたNEURO®を開始した。『Rehabilitation withrTMS』である。

あれから、まもなく16年になるが、現在、東京慈恵会医科大学では5台のTMS装置がフル回転で稼動中である。予想通り、慢性期での効果は揺るぎのないものになったので、急性期の有効性を佐々木信幸先生(現 聖マリアンナ医科大学リハビリテーション医学講座初代主任教授)に、嚥下障害への有効性を百崎良先生(現 三重大学リハビリテーション医学講座初代主任教授)に、生化学的な評価を新見昌央先生(現 日本大学医学部リハビリテーション医学講座初代主任教授)に託し、それぞれ治療の面でも素晴らしい業績を残してくれた。これらをベースに現在、さらにいろいろな疾患にrTMS治療を広げて良好な結果を示し続けている。

この本の著者でもある中山恭秀先生(現 技師長、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座准教授)は、今まで良くならないとされていた脳卒中後遺症の改善を訓練士の側から経験し、評価の重要性、訓練の質の重要性をもっとも理解している人である。また、日本のうつ病の治療に、TMSを保険収載するのに尽力なされた鬼頭伸輔先生(現 東京慈恵会医科大学精神医学講座主任教授)も執筆者としてご賛同いただいた。

この本が、患者さんに接する医療関係者の皆様にお役に立てば幸いである。

最後にいろいろな注文にすべて誠実に応えてくださった株式会社新興医学出版代表取締役の林峰子氏に深謝いたします。


2024年6月

渋谷にて 安保雅博

目次

1 TMSの歴史

2 rTMS装置の基本的知識

1.rTMSの構成

2.rTMSの原理

3.rTMSの禁忌、留意事項

4.rTMSの適正使用指針

5.まとめ

3 TMSに関する基本的な生理学的知見

1.rTMSのニューロモデュレーション効果

2.新たなTMSの刺激モダリティ

3.大脳半球間抑制に対するニューロモデュレーション

4.脳卒中および精神神経疾患に対するrTMS治療の考え方

4 ガイドラインにおけるrTMSの位置づけ

1.エビデンスに基づく国際的rTMS治療ガイドラインの概要

2.主要な疾患や病態に対するrTMS治療プロトコールに関する推奨度の推移

3.脳卒中後運動麻痺に対するrTMS治療プロトコール

4.その他の脳卒中後遺症に対するrTMS治療プロトコール

5 病態別rTMS治療

1.脳卒中後上肢麻痺に対するrTMS治療

1.脳卒中後上肢麻痺に対するrTMS治療(2024年現在)

2.脳卒中後上肢麻痺に対する新しい治療法:NEURO®とは

3.慢性期の上肢麻痺に対するrTMS治療をする上での基礎的な考え方

4.急性期の上肢麻痺に対するrTMS治療をする上での基礎的な考え方

5.亜急性期の上肢麻痺に対するrTMS治療をする上での基礎的な考え方

2.脳卒中後下肢麻痺に対するrTMSの適用

1.発症早期の脳卒中後下肢麻痺に対するrTMS治療(2024年現在)

2.上肢と下肢の機能・役割の違い

3.下肢運動野および周囲脳構造の機能

4.発症早期脳卒中後下肢麻痺に対するrTMSの実際

5.下肢麻痺に対するその他のrTMS適用

6.まとめ

3.脳卒中後失語症に対するrTMS治療

1.失語症に対するrTMS治療(2024年現在)

2.失語症におけるrTMS治療のエビデンス

3.失語症の改善と大脳の関係

4.失語症患者に対するrTMS治療

5.脳機能画像とタスクについて

6.当初から現在に至るまでのrTMS治療

7.まとめ

4.脳卒中後摂食嚥下障害に対するrTMS治療

1.背景

2.脳卒中後摂食嚥下障害に対するrTMS治療の適応と禁忌

3.脳卒中後摂食嚥下障害に対するrTMS治療の有効性

4.脳卒中後摂食嚥下障害に対するrTMS治療スケジュール

5.実際のrTMS治療症例

5.脳卒中後アパシーや遷延性意識障害に対するrTMSの適用

1.脳卒中後アパシーに対するrTMS治療(2024年現在)

2.アパシー、遷延性意識障害とrTMS

3.脳内モノアミンの働き

4.脳卒中後うつ(PSD)と脳卒中後アパシー(PSA)

5.PSAに対するrTMSの実際

6.遷延性意識障害への適用

7.遷延性意識障害へのrTMSの実例

8.まとめ

6.うつ病に対するrTMS治療

1.神経画像研究とrTMS

2.rTMSの有効性と安全性

3.rTMSの刺激条件

4.治療の効率化を目指すDash Protocol

5.維持rTMS療法

6.MSTへの新しい取り組み

7.まとめ

7.神経変性疾患等に対するrTMSの適用

1.神経変性疾患とrTMS

2.パーキンソン症状へのrTMS適用

3.進行性核上性麻痺(PSP)に対するrTMS治療(2024年現在)

4.PSPに対するrTMSの実際

5.脊髄変性疾患へのrTMS適用

6.HAMに対するrTMS治療(2024年現在)

7.HAMに対するrTMSの実際

8.HAMに対するrTMSの意義

9.まとめ

8.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に対するrTMS治療

1.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)とは

2.ME/CFSに対するrTMS治療の考え方

3.ME/CFSに対するrTMS治療(2024年現在)

4.ME/CFSに対するrTMS治療のパイロット研究

5.重症度がrTMS治療の効果に与える影響

6.今後の課題

9.新型コロナウイルス感染後遺症に対するrTMSの適用

1.long—COVIDに対するrTMS治療(2024年現在)

2.long—COVIDとrTMS治療

3.long—COVIDとブレインフォグ

4.ブレインフォグを呈する患者の脳血流

5.ブレインフォグに対するrTMS適用

6.実際の効果

7.その他のrTMS適用報告について

8.まとめ

6 rTMS治療と併用される様々な訓練・治療

1.rTMS治療と他の訓練・治療の併用に対する考え方

2.麻痺側上肢を強制使用する訓練

3.ロボット装置を用いた訓練

4.バーチャル・リアリティ(VR)を応用した訓練

5.電気刺激治療

6.A型ボツリヌス毒素(BoNT—A)療法

7.体外衝撃波治療

8.その他の治療

7 rTMS治療の効果を示すための評価スケール

1.運動機能

2.言語機能

3.認知機能

8 rTMS治療を軸に据えた多職種連携・チーム医療

1.rTMS治療における多職種連携とチーム医療

2.チーム医療に求められる4つの要素とrTMS治療

3.目標設定の共有

4.加齢・併存疾患による影響を理解する

5.装具や歩行補助具の再考

9 rTMSを扱う学会活動の紹介

1.経緯

2.日本スティミュレーションセラピー学会

10 rTMS治療の今後:NEURO®の課題

1.低頻度磁気刺激あるいは高頻度磁気刺激について

2.rTMS治療との併用療法

3.NEURO®における訓練内容の検討

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書籍情報

  • ISBN:9784880021324
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2024年7月
  • 電子版発売日:2024年6月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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