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- 別冊「医学のあゆみ」救急医学──現状と課題
商品情報
内容
●小児から高齢者までの救急疾患への対応,ドクターヘリやへき地・離島での医療,また陸上自衛隊における救急医療など,あらゆる場面での救急医療に関するトピックを紹介.
●阪神淡路大震災の教訓を基に構築された災害医療体制は,東日本大震災で新たに何を学び何が熊本地震で活かされたのか.首都直下地震・南海トラフ地震に向けた新たな課題も解説.
●2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控えたわが国のマスギャザリング医療の骨格と課題,また工学技術の現状と応用可能性も解説.
● 救急医・総合診療医・災害医療関係者など救急医療に関わるすべての人におすすめのの一冊!
序文
はじめに
2008年8月30日発行の医学のあゆみ226巻9号で,"救急医療UPDATE―現状と展望"と題した特集を組んでいただいてから,はや9年がたった.
救急医療は医療の原点といわれる.救急医療はいつからはじまったのか.人類の誕生以来,けがや病気で苦しむ人がいれば,まわりの人はなんとかして助けてあげたいと思ったことであろう.急病やけがに対して手当てをする,これが救急医療のはじまりである.そう考えると,救急医療には400万年?近くの歴史があることになる.
日本における救急医療の最古の記載は,『古事記』『日本書紀』に残された神話の時代のことである.そして日本ではじめて救急医療を行ったのは大国主命(おおくにぬしのみこと)である.大国主命の兄弟の神様たちは因幡の国にいる美しい姫,八上比売(やかみひめ)に会いに行かれた.兄弟たちが因幡の国の気多の岬を通りかかったとき,体の皮を剥かれて泣いている一匹のうさぎをみつけた.兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして,海水を浴びて風にあたるとよいと嘘をついた.うさぎはだまされていることも知らずに,いわれるまま海に飛び込み,風当たりのよい丘の上で風に吹かれていた.すると海水が乾いて傷がもっとひどく痛みだした.前よりも苦しくなって泣いているうさぎのところに,荷物を背負って後からついてきた大国主命が通りかかり,「すぐに真水で体を洗い,それから蒲(がま)の花を摘んできて,その上に寝転ぶといい」と教えた.そういわれたうさぎは,今度は川に浸かり,集めた蒲の花のうえに静かに寝転んだ.するとうさぎのからだから毛が生えはじめ,すっかり元の白うさぎに戻った.
大けが,急病で苦しんでいる人を助けるのが救急医療であることは,今も昔も変わらない.9年前の特集と今回の連載を見比べると,救急医療は着実に前進していることがみて取れる.本連載が現在の救急医療の理解に役立てばこの上ない喜びである.
京都大学大学院医学研究科初期診療・救急医学分野
小池 薫
目次
はじめに
1.救急医学と救急医―変容する社会からの期待
keywords 救急医療,高齢化,救急医
2.マスギャザリング医療の骨格と課題
keywords マスギャザリング
3.東日本大震災以降の新しい災害医療体制―平成28年熊本地震でさらに何を学んだか
keywords DMAT,急性期災害医療体制,東日本大震災,平成28年熊本地震,災害医療コーディネーター,DMATロジスティックチーム
4.敗血症診療の現状と課題
keywords Surviving sepsis campaign guideline
5.ドクターヘリのこれまでの歩みと課題
keywords 航空法施行規則第176条,防災基本計画,強制権を持った臨時的な航空管制体制,救急自動通報システム
6.小児救急医療の現状と課題
keywords 総合小児救急医療,家庭・保育看護力,#8000,小児集中治療,小児在宅医療
7.心肺蘇生と救急医療―JRC蘇生ガイドライン2015を踏まえて
keywords 心肺蘇生,CoSTR,GRADE,救命の連鎖,胸骨圧迫
8.高齢者救急の現状と課題―解決の糸口を求めて
keywords 地域包括ケア,高齢者救急,在宅診療,在宅療養支援病院,ひとつの病院連携
9.Acute Care Surgeryのいま―わが国におけるAcute Care Surgeon育成
keywords Acute Care Surgeon,若手外科医,修練,専門領域,認定外科医
10.中毒医療における現在の問題点
keywords 症例登録,自殺,インターネット,拮抗剤
11.重症外傷における大量出血と凝固障害―外傷と凝固異常
keywords 外傷,凝固障害,大量出血,acute traumatic coagulopathy
12.Hybrid ERの登場で変わる救急診療―ハードとソフトの充実をめざし,日本型救急診療を確立する
keywords Hybrid ER,IVR-CT,トラウマワークフロー,Japanese-style emergency physician
13.救急医療と医療安全―救急部門の医療安全はチームワークで決まる!
keywords patient safety incident,呼気終末二酸化炭素モニタリング,多職種連携,cognitive aid,シミュレーション
14.へき地・離島での医療
keywords へき地・離島,救急医療,救急搬送,連携
15.医師会における救急・災害医療への取組み:東京都を例に(前編)―全時間あらゆる年齢層と疾患に対応する救急システムを支える
keywords 東京都医師会,休日・全夜間診療事業,救急医療の東京ルール,二次保健医療圏,応需率
16.医師会における救急・災害医療への取組み:東京都を例に(後編)―救急需要対策を推進し自然災害や集団災害などの有事に備える
keywords 救急相談センター,病院救急車,JMAT研修,東京DMAT,集団災害
17.陸上自衛隊における救急医療の現状とこれから
keywords TCCC,ダメージコントロールサージェリー,シミュレーション教育,第一線救護衛生員,東京オリンピック
サイドメモ目次
学会主導研究
キャリアパス
隣接するイベント会場のリスク
DMAT
統括DMAT登録者
J-SPEED
広域災害救急医療情報システム
事業継続計画
敗血症診療ガイドライン
"救急ヘリ病院ネットワーク"と"HEM-Net"の名称の由来
総合小児救急医療
家庭看護力
GRADEシステムを用いた質の評価
わが国でACSに従事する外科医には2種類ある
災害関連の一酸化炭素中毒
無医地区
へき地医療拠点病院
救急医療の東京ルール
救急相談センター
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書籍情報
- ISBN:9784006528499
- ページ数:131頁
- 書籍発行日:2019年3月
- 電子版発売日:2020年3月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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