研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡 改訂2版

  • ページ数 : 472頁
  • 書籍発行日 : 2024年6月
  • 電子版発売日 : 2024年6月28日
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商品情報

内容

輸液・水電解質が1冊で基本から実際の治療までよくわかる
輸液・水電解質・酸塩基平衡が1冊で基本から実際の治療までよくわかる.臨床で役立つ水電解質・酸塩基平衡の基本を本格的にわかりやすく解説する決定版入門書が待望の大改訂!知っておくといい症例や経験的知見を大幅に増やし,まるで指導医が横にいるような充実感にパワーアップ.病態生理から治療まで,最新のエビデンスと経験的知見を伝授!急いでいるときはこれだけ見れば対応できる「電解質異常クイックリファレンス」つきでいざというときに頼りになる,研修医はもちろん救急外来や入院病棟でも大活躍の必携書.

序文

改訂版推薦の序

本書の改訂版が出版されるにあたり,水・電解質・酸塩基平衡を学ぼうとする多くの方々に本書を推薦します.

私が名古屋大学腎臓内科教授に就任した2002年に,腎臓学の基本的な教育をしっかりとすすめたいという思いが強くあり,いくつかのプロジェクトを立ち上げました.その中で特に力を入れたのが,臨床の重要な基盤となる水電解質・酸塩基平衡です.具体的な取り組みとして,名古屋大学腎臓内科とその関連病院の先生たちが中心になって腎臓専門医を目指したトレーニング,NNFP(Nagoya NephrologyFellowship Program)を年2 回のペースで開催しました.毎年,水電解質・酸塩基平衡を取り上げることにし,現在も続けられています.この中心になっているのが藤田芳郎先生とその仲間たちであり,当時,名古屋地区では電解質や酸塩基平衡の勉強会は,私の知る限りなかったと思います.NNFP の立ち上げに先駆けて,帝京大学教授(当時)の内田俊也先生に講義とコメントをお願いするという形で,「若手・研修医のための水電解質酸塩基平衡セミナー」を年2 回程のペースで開催しました.第1 回目は100 人を超える参加者,それも若手医師がほとんどを占める形で中部ろうさい病院に集まったのを覚えています.この会は2015 年まで継続され26回となりました.毎回1~2 例の症例検討をじっくり行い,名古屋地区の先生方から多くの症例を呈示していただきましたが,どれも大変勉強になる症例でした.いまでも水・電解質・酸塩基平衡異常関連のセミナーには多くの人が集まりますが,このことは水・電解質・酸塩基平衡異常が,誰もが遭遇しそして悩む病態であることを物語っています.その後も,このような勉強会が営々と続けられ,多くの若手医師の臨床的な基礎を形成してきたことは,たいへん誇らしいことでありますし,また名古屋大学腎臓内科および藤田芳郎先生とその同志たちの熱い想いが継続している証左でもあります.

本書は,これらの取り組みを通じて紹介された実際の症例を通じて,勉強会の討論や日々の症例からコツコツと学んだまとめでもあり,特に今回の改訂版では原理をよりわかりやすく実践に生かす工夫がされています.緊急時の対応から病態を理解することまで含んだ内容であり,本書を研修医の先生方をはじめとして指導医の先生方に,強くお勧めしたいと思います.

最後に,本書の刊行に,多大な尽力をされた関係者の皆様に心から敬意を表します.


2024年4月

国立大学法人東海国立大学機構 機構長
(名古屋大学前総長,名古屋大学腎臓内科前教授) 松尾 清一


改訂の序

Mutual forgiveness of each Vice Such are the Gates of Paradise

各人の相互の不徳の許し そういうのが楽園の門である(ウィリアム・ブレイクの言葉,梅津濟美訳).

中部ろうさい病院における腎臓内科はいつの間にか腎臓・リウマチ膠原病・感染症科となり過去25 年余りの間スタッフの出入りが頻繁で様々の大学病院や総合病院からの経験知識が存在しお互いに学び合い切磋琢磨してきました.冷静かつ熱い議論をしながらも協力しあう診療.今回の改訂版では各人の場所での診療経験や知識をコラムとして語って頂くことにしました.読者の興味を刺激しお役に立てればありがたいと思います. 医師を目指した45 年ほど前の医学部入学時に組織学の教授が現在の医学は「日進月歩」ではなく「秒進分歩」だとしきりにおっしゃっているのを聞き誇張ではないかと感じましたが当時予想もしなかったAI の時代となり数年前に不治の病であったものが現在は治るといった驚異の変化を遂げた時代を目の当たりにして地域病院で診療している一医師としては追いつくことができないほどの医療の情報量に圧倒される毎日です.そのような状況の中で患者さんのお話に耳を傾け鑑別診断などを考えるという普通の診療において「水・電解質・酸塩基平衡・輸液」が異常である患者さんを突然目の前にするとどう対処したら良いかと頭脳がすぐに切り替わらず戸惑ってしまう,たとえて言えば「文系から理系の頭の切り替え」に戸惑うのは私だけではないのではないかと推測します. 3 億年以上の昔に祖先が海からあがってきた時代とかわらない血漿の塩類を引き継いだ生物の血液成分(岩波新書「人間とは何か」p.12)についての思考へと直ちに頭脳がきりかわらないのは無理からぬことではないか.そのような診療状況で本書を紐解いていただき診療のお役に立つことができれば望外の喜びであります.

本書初版の約9 年前から現在の地球環境の変化は生命にとって進歩とよんでいいのか人類の生命重視の哲学はむしろ退歩して戦争の時代に逆戻りし生命軽視の時代に入ったと思わざるを得ない状況.科学や武器の進歩は圧倒的であるが生命重視の哲学は進歩せず退歩する一方でその落差が今後の人類に大きな不幸をもたらすと強く訴え教えてくださったのは文学の教授でありました.人類滅亡を真剣に心配し論じなければならない現在の人類は理系の頭脳より生命重視の文系の頭脳をさらに必要とする時代を迎えているのだと思われます.


2024年4月

藤田 芳郎

目次

第1章 研修医のための水電解質と輸液の基本

 1.初期研修医のための輸液の基本   <藤田芳郎>

  1.水を3 L急速に飲んだら「細胞内液」と「細胞外液」はどう変化するか?

  2.水を3 L飲んだとき血清Na濃度はどうなるか?

  3.水を3 L飲むことの問題点は何か

  4.浮腫とは何か

  5.水を3 L急速に飲んだ状態を点滴で再現できるか?

  6.5%ブドウ糖液を点滴することの問題点

  7.「等張液」とは?

  8.「有効浸透圧」=「張度」とは?

  9.等張液?Lを点滴すると「細胞内液量」と「細胞外液量」はどうなるか

  10.「等張液を投与する」行為を何と呼ぶか?

  11.脳梗塞直後に輸液をするときどんな輸液が適切か?

  12.細胞内液量と細胞外液量の変化を定義する

 2.細胞内液量と細胞外液量の変化とその組み合わせ   <藤田芳郎>    

  1.例題

  2.ある濃度のNaCl輸液y L点滴後の細胞内液量と細胞外液量の求め方

  3.症例問題

  4.まとめ

 3.頻出する6つの尿細管細胞   <野村篤史 藤田芳郎>

 1.尿細管の区分

 2.尿細管沿岸の都市の全体像

  3.覚えておくと便利な主要な尿細管細胞6つ

 4.初期研修医のための利尿薬の基本   <湊口 俊 藤田芳郎>

  1.利尿薬とは何か

  2.利尿薬は基本的にどんな時に用いるのか?

  3.利尿薬を使う時の14の心得

  4.「Na吸収阻害薬」の副作用

  5.トルバプタン

  6.その他の新規利尿薬

 5.生理食塩水は等張液か? 「偽性低Na血症」とは?   <滝澤直歩 藤田芳郎>

  1.生理食塩水は等張液か?

  2.各種輸液製剤の比較

  3.「偽性低Na血症」とは何か?

  4.「高血糖」の時の低Na血症は「偽性低Na血症」ではない!

   「低Na血症」が「細胞萎縮」となる例外的な状況である

 6.初期研修医のための「ショックの診かた考え方」   <丸井伸行>

   

 7.救急外来における糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧性高血糖状態の治療   

  1.DKAとHHSの病態と比較

  2.救急外来での診断にあたって

  3.検査のポイント

  4.DKAとHHSの治療ポイント

  5.治療効果判定

   コラム 血糖正常ケトアシドーシス

 8.栄養輸液の基本   <尾関貴哉>

  1.栄養輸液の大前提

  2.維持輸液の基本

  3.蛋白質(アミノ酸製剤)

  4.脂質(脂肪乳剤)

  5.糖質(ブドウ糖液)

  6.インスリン

  7.電解質

  8.微量元素

  9.ビタミン

 10.急性期の患者の栄養輸液

 11.低栄養患者とRefeeding症候群について

 9.本書で使う用語の定義について   <藤田芳郎>

   コラム 研修医が知っておくべき論文の読み方・疫学統計学の基本   <今泉貴広>

   コラム 膠原病と電解質異常   <滝澤直歩>

   コラム 骨粗鬆症―病態と治療   <土師陽一郎>

   コラム 腎移植患者の電解質異常   <寺下真帆>

 

第2章 研修医のための酸塩基平衡の診かた考え方

 1.誰でもできる酸塩基平衡異常のステップ診断   <湊口 俊 藤田芳郎>

 Step 1:アシデミアかアルカレミアか

 Step 2:一次性変化を見極める

 Step 3:代償範囲の確認

 Step 4:アニオンギャップ(AG)の計算

 Step 5:AG上昇の場合→補正[HCO3−]の計算

 Step 6:代謝性アルカローシスの場合→尿Cl濃度により2つに分類

 Step 7:AG正常代謝性アシドーシスの場合→尿[NH4+]の推定(尿AGおよび尿浸透圧ギャップの計算)

   コラム 混同しやすいアンモニウムとアンモニア,ウレアーゼ産生微生物と尿路感染症と腎結石

 2.アニオンギャップ上昇代謝性アシドーシス―アニオンギャップと「Na−Cl」の考え方―   <湊口 俊 藤田芳郎 渡邉剛史>

  1.AGが上昇する疾患

  2.AGはアルブミンが1 g/dL下がるごとに2.5 mEq/L下がる

  3.AG上昇する時はアシデミアの有無によらず「AG上昇の代謝性アシドーシス」が存在する

  4.トルエン中毒は「AG正常の代謝性アシドーシス」を呈することが多い

  5.D—乳酸アシドーシスは「AG上昇代謝性アシドーシス」もきたすが,トルエン中毒と同様「AG正常の代謝性アシドーシス」をきたしやすい

  6.L—乳酸アシドーシスであってもAG正常のことがある

  7.AG>30 mEq/Lでは多くは乳酸アシドーシスとケトアシドーシスである

  8.AGが低下している場合は,リチウム中毒かIgG骨髄腫か検査上のエラーである

   コラム 酸・塩基の臨床的な独断的考察 1   <藤田芳郎>

   コラム 酸・塩基の臨床的な独断的考察 2 ケトアシドーシスについて   <藤田芳郎>

   コラム 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)に関連する病態生理についての考察   <藤田芳郎>

   コラム NaとClの値とその差に注目してみよう

  9.Na−Cl<36の時は代謝性アシドーシスまたは呼吸性アルカローシスが,Na−Cl>36の時は

   代謝性アルカローシスまたは呼吸性アシドーシスが合併している可能性がある.Na−Cl=36であってもAG上昇性代謝性アシドーシスのことがある

 10.乳酸アシドーシスなどの「有機酸アシドーシス」と称されるものは「高Cl性アシドーシス」とは異なり

   細胞内から細胞外へのK+の移動は起きない.したがってアシドーシスによる高K血症はきたさない

 11.アルコール性ケトアシドーシス

 3.乳酸アシドーシス   <志水英明>

  1.診断

  2.原因

  3.見逃したくない乳酸アシドーシスの例

  4.乳酸アシドーシスの治療

   コラム pK値とは何か? pHとは何か?   <藤田芳郎>

   コラム 乳酸とは何か, 酸なのか? 塩基なのか?   <藤田芳郎>    

   コラム 「乳酸アシドーシス」とは何か   <藤田芳郎>

   コラム 大変勉強になる症例〜意識障害と急性腎障害を呈した一例〜   <山口 真>

   コラム 重篤な酸塩基平衡異常を呈した一例   <尾関俊和>

 4.アニオンギャップ正常代謝性アシドーシス(高Cl性代謝性アシドーシス)   <志水英明>

  1.診断

  2.原因

  3.アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスの治療

   コラム 乳酸アシドーシスは解糖系亢進により惹起される.アスピリン中毒を例に   <野村彰宏>

 5.代謝性アルカローシス   <藤田芳郎>

  1.代謝性アルカローシスを2つに分類

  2.代謝性アルカローシスの機序

  3.嘔吐

  4.代謝性アルカローシスの検査と鑑別診断

  5.代謝性アルカローシスの治療

 6.呼吸性アルカローシス   <谷澤雅彦>

  1.呼吸性アルカローシスの病態生理

  2.鑑別診断

   コラム 血液ガスは動脈血で採取すべきか,静脈血で採取すべきか?

  3.診断・身体所見

   コラム Mechanical ventilation

  4.治療

  5.心因性過換気症候群

  6.サリチル酸中毒

 7.呼吸性アシドーシス   <木田 節>

  1.呼吸性アシドーシスの概念および呼吸調節のメカニズムについて

  2.呼吸性アシドーシスの病態生理と原因疾患

   コラム COPD急性増悪

   コラム AaDO2は有用か?

  3.症状と検査所見

  4.呼吸性アシドーシスの治療

   コラム Permissive hypercapniaを含む肺保護戦略について

   コラム COPD患者の呼吸性アシドーシスの治療における注意点?

   コラム COPD患者の呼吸性アシドーシスの治療における注意点?

   コラム 血中重炭酸濃度の測定についてのピットフォール   <伊東悠貴>

   コラム 静脈血を用いた血液ガスでの重炭酸イオン濃度測定について   <伊東悠貴>

 

第3章 水電解質の診かた考え方

 1.K代謝

 A.K代謝の基本   <藤田芳郎>

  1.Kの動態

  2.糸球体濾過と尿細管の再吸収

  3.細胞外液のK濃度を一定に保つ機構

 B.低K血症の診かた考え方   <山口 真 藤田芳郎>

  1.低K血症の原因

  2.低K血症の臨床症状・徴候

  3.検査と鑑別診断

   コラム スポット尿の尿カリウム—クレアチニン比が鑑別診断に有用

 C.低K血症の治療   <富野竜人>

  1.原因疾患を考えること

  2.急性期の低K血症治療の原則

 D.高K血症の診かた考え方   <志水英明 藤田芳郎>

  1.高K血症の原因

  2.高K血症の臨床症状・徴候

  3.検査と鑑別診断

  4.糖尿病,心不全,慢性腎障害(CKD)にRAAS阻害薬などを処方するときのチェックリスト

   コラム なぜ糖尿病の患者さんは低レニン低アルドステロン症になる傾向があるか?

   コラム 初心者のための腎生理の基本

   コラム 偽性低アルドステロン症について   <藤田芳郎>

 E.高K血症の治療   <志水英明>

  1.緊急治療

  2.緊急治療の考え方

  3.緊急治療後の高K血症の再発の予防

  4.横紋筋融解症における急性腎障害と高K血症の管理

   コラム 尿pHは重要! 尿酸結石は酸性尿でできる!尿酸結石の内科的治療は尿をアルカリ化して溶解度を高めること   <藤田芳郎>

   コラム アルドステロン・エスケープ,アルドステロン・ブレイクスルー,アルドステロン・パラドックスについて   <岩崎慶太>

 2.CaとMgとリン酸の総論   <藤田芳郎>

 3.Ca代謝   <龍華章裕>

 A.Ca代謝の基本

  1.Caの動態

  2.糸球体濾過と尿細管の再吸収

  3.細胞外液のCa濃度を一定に保つ機構

 B.高Ca血症の診かた考え方

  1.高Ca血症の原因

  2.高Ca血症の症状・徴候

  3.検査と鑑別診断

 C.高Ca血症の治療

  1.高度の高Ca血症または症状のある高Ca血症

  2.血清Ca濃度>16 mg/dLもしくは腫瘍による重症高Ca血症

  3.その他の治療薬

  4.軽度の高Ca血症

  5.原発性副甲状腺機能亢進症

 D.低Ca血症の診かた考え方

  1.低Ca血症の原因

  2.低Ca血症の症状・徴候

  3.検査と鑑別診断

 E.低Ca血症の治療

  1.重度の低Ca血症もしくは症状のある低Ca血症の治療

  2.軽度で慢性の低Ca血症

 4.Mg代謝   <大山友香子>

 A.Mg代謝の基本

  1.Mgの動態

  2.糸球体濾過と尿細管の再吸収

  3.細胞外液のMg濃度を一定に保つ機構

 B.低Mg血症の診かた考え方

  1.低Mg血症の原因

  2.低Mg血症の臨床症状・徴候

  3.検査と鑑別診断

 C.低Mg血症の治療

  1.経口投与

  2.経静脈投与

   コラム PPIと低マグネシウム

   コラム プロトンポンプインヒビター(PPIs)と腎臓

 D.高Mg血症の診かた考え方

  1.高Mg血症の原因

  2.高Mg血症の臨床症状・徴候

 E.高Mg血症の治療

  1.腎機能が正常のとき

  2.腎機能不全のとき

   コラム 高Mg血症の治療の補足   <中村嘉宏>

   コラム 高Mg血症を起こさないように厚生労働省からも注意喚起!   <中村嘉宏>

 5.リン酸代謝   <永瀬宏哉 藤田芳郎>

 A.リン・リン酸代謝の基本

  1.リン酸の動態

  2.糸球体濾過と尿細管の再吸収

  3.細胞外液のリン酸濃度(血清リン濃度)を一定に保つ機構

 B.低リン酸血症の診かた考え方

  1.低リン酸血症の原因

  2.低リン酸血症の臨床症状・徴候

   コラム ためになる印象的な症例

 C.低リン酸血症の治療

  1.リン酸投与の適応

  2.リン酸投与の実際

 D.高リン酸血症の診かた考え方

  1.高リン酸血症の原因

  2.高リン酸血症の臨床症状・徴候

 E.高リン酸血症の治療

 6.血清Na濃度異常

 A.血清Na濃度異常(低Na血症および高Na血症)の総論   <藤田芳郎>

  1.血清Na濃度異常とその他の電解質の血清濃度異常との違い

  2.「体内Na量」の意味すること

  3.「体内Na量」=「細胞外液量」の調節:有効循環血漿量(有効動脈血液量)について

  4.「血清Na濃度」の意味すること

  5.血清Na濃度の調節

  6.血清Na濃度の異常はなぜ有害か?「血清Na濃度の調節」=「細胞内液量の調節」

  7.「体内Na量」の調節系と「血清Na濃度」の調節系

   コラム 低Na血症の過補正に注意! 尿素やグルコースが有効浸透圧分子となる状況がある

   コラム 妊娠時の血清Na値の変動(低Na血症と高Na血症)

 B.低Na血症の診かた考え方   <尾関俊和 藤田芳郎>

  1.血清Na濃度を一定に保つ機構

  2.低Na血症の原因

   コラム リネゾリドの副作用

   コラム 腎臓での水排泄を障害する重要な原因

  3.低Na血症の臨床症状および浸透圧性脱髄症候群

  4.低Na血症の検査と鑑別診断

 C.低Na血症の治療   <国領和佳>

  1.低Na血症の治療のための分類(定義)   <国領和佳>

  2.緊急治療   <国領和佳>

  3.緊急治療と同時に考える鑑別診断   <国領和佳>

  4.低Na血症の治療の考え方の基本   <国領和佳>

  5.ヨーロッパのガイドラインから;低Na血症の治療のプロトコール   <尾関俊和 藤田芳郎>

   コラム 低Na血症に対する高張食塩水の利用に関する最新のreview:目標を達成し,かつ害を避ける   <渡邉剛史>

  6.低Na血症の治療―エクセルの使用による   <国領和佳>

 D.低Na血症の治療―症例提示   <尾関貴哉>

   コラム 細胞外液量正常の低張性低Na血症にカリウムを投与すると血清Naが上昇する理由の一考察

 E.高Na血症の診かた考え方   <湊口 俊>

  1.「高Na血症」が意味すること

   コラム 「脱水」とは? “dehydration”と“volume depletion”,“hypovolemia”

  2.血清Na濃度の調節

  3.高Na血症の症状・徴候

  4.高Na血症に対する脳の防御機構

   コラム 多尿の原因

  5.高Na血症の検査・鑑別診断

   コラム 高Na血症と多尿

 F.高Na血症の治療   <湊口 俊>

   コラム 透析に併存する低ナトリウム血症   <村井由香里>

   コラム 思い出の症例「なんだ,この電解質‼」   <猪飼浩樹>

   コラム ためになる印象的な症例―尿崩症を呈した診断と治療が非常に困難だったリツキシマブ抵抗性の肉芽腫性血管炎の1症例   <永瀬芙美香>

   コラム 思い出の症例「やっぱりガス分析が大事」―偽性低アルドステロン症の症例経験とその診断と治療   <猪飼浩樹 山本真理>

クイックリファレンス   <木田 節>

高K血症の治療

低K血症の緊急治療

高Ca血症の治療

低Ca血症の治療

低リン酸血症の治療

高リン酸血症の治療

低Mg血症の治療

高Mg血症の治療

低Na血症の緊急治療

高Na血症の治療のまとめ

呼吸性アシドーシスの治療


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書籍情報

  • ISBN:9784498123618
  • ページ数:472頁
  • 書籍発行日:2024年6月
  • 電子版発売日:2024年6月28日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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